高校デビューに軋んだ心

    作者:飛翔優

    ●少女は日々を楽しく送るため
     小学校時代、中学校時代、大人しかった自分。
     好かれることもないけど嫌われることもなかった、空気のような自分。
     変わりたいと思った、変わらなきゃと思った。そのためにも勉強を頑張って、誰も知らない高校へと入学した。
     春休みに入っても頑張った。
     自分を変えるため、はやりのメイクや立ち振舞いを覚えるため。
     自分になかったものを自分のものとするために。そして……。

    「……」
     赤松美久は高校最初の挨拶で、努めて明るく振る舞った。
     理想としていたはずの女子高生っぽく振る舞った。
     成功したのだろう。同じような友人と、新たな絆を結ぶ事ができた。楽しくなりそうな日々に、胸が踊る。
     けれど……何故だろう? 家に帰ると、何もする気が起きない自分がいる。メイクを落とした後、習慣になってる勉強以外は返信することくらいしかできない自分がいる。
     理想の学園生活が訪れたはずなのに……。
     ――それは自信がないから。だから、力を使って彼氏を作っちゃおう! そうすれば……。
    「……」
     不意に浮かんできた言葉を、首を横に降って打ち消していく。
     静かな息を吐きながら、着信を知らせてくるスマートホンに手を伸ばす。
     いつしか使えるようになった力。
     使ってはいけないと、思う力。
     しかし、疲弊していく心にその誘いは甘く……。

    ●夕暮れ時の教室にて
     灼滅者たちを出迎えた倉科・葉月(高校生エクスブレイン・dn0020)は、静かな笑みを湛えたまま口を開いた。
    「赤松美久さんという名前の高校一年生の女の子が、闇堕ちして淫魔になる……そんな事件が発生しようとしています」
     本来、闇堕ちしたならばダークネスとしての意識を持ち、人としての意識は掻き消える。しかし、美久は闇堕ちしながらも人としての意識を保っており、ダークネスにはなりきっていない状態なのだ。
    「もしも美久さんが灼滅者としての素養を持つのならば、救いだしてきて下さい。しかし……」
     完全なダークネスとなってしまうのならば、灼滅を。
     続いて……と、地図を広げ、駅から住宅街に繋がる通りを指し示した。
    「皆さんが赴く夜十時頃、美久さんは友人と別れこの道を通って帰宅します」
     というのも赤松美久。小学校、中学校と、自他共自負する地味でおとなしい性格の女の子で、特に目立つ存在ではなかった。
     しかし、彼女は憧れていた。キラキラと日々を楽しんでいる女子高生に。だから、勉強を頑張って知り合いが誰もいない高校に進学し、メイクや立ち振舞を覚え高校デビュー。しかし……。
    「元々は大人しい女の子、無理をしていた、といいますか……メイクや立ち振舞を覚えるまでの期間を含めて頑張っていた。高校生活を送る今もなお頑張っている状態のようで……」
     その頑張っているといういびつさが、淫魔という闇を呼び起こす事になったのかもしれない。
     そして当日は、高校で仲良くなった子たちと夜遅くまで遊んでいた帰り。先ほど指し示した道は、その友人と別れた美久が通る場所……すなわち、接触できる場所となる。
     幸い、夜十時ともなれば人通りの少ない場所。特に問題なく接触する事ができるだろう。
     後は説得を行えば良い。
     そして、その成否に関わらず戦う事となる。
     敵戦力は淫魔と化した美久のみ。力量は八人ならば倒せる程度で、妨害特化。
     小悪魔のようなウィンクにより心を奪う、写メのフラッシュにより複数人の勢いを削ぐ、メイク道具を乱射する事で一定範囲内に数度のダメージを与える……と言った技を用いてくる。
    「以上で説明を終了します」
     地図などを手渡し、締めくくりへと移行した。
    「憧れと現実は違う……あるいは、綺羅びやかな夢の中に留まるために不必要なほどにもがいている……そんな状態なのかもしれません。しかし、けっして闇堕ちして他人を惑わすような事をするような方ではないと思います。ですのでどうか、全力での救済を。何よりも無事に帰ってきて下さいね? 約束ですよ?」


    参加者
    喜屋武・波琉那(淫魔の踊り子・d01788)
    鏡・エール(カラミティダンス・d10774)
    御門・心(日溜りの嘘・d13160)
    朱屋・雄斗(黒犬・d17629)
    浅巳・灯乃人(スターダスト・d26451)
    白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)
    ルーセント・アメリア(心身乖離・d30922)
    ウィルヘルミーナ・アイヴァンホー(白と黒のはざまに揺蕩うもの・d33129)

    ■リプレイ

    ●追い求めた理想の姿
     月の見えない夜。ルーセント・アメリア(心身乖離・d30922)は駅から住宅地へと繋がるひと気のない小さな通りで、小さく拳を握りしめた。
    「必ず救出してみせる……!」
     視線の先には、駅。
     電車を降りた人々が、まばらに歩を進めていくロータリー。
     灼滅者たちのいる通りに近づいてくる気配がないのは、人払いの力を用いているためだろう。
     逆らうように……気づく様子もなく、一人の少女が足を向けて来た。
     御門・心(日溜りの嘘・d13160)が電信柱から背を話し、静かな眼差しを送っていく。
    「来ましたね」
    「……」
     鏡・エール(カラミティダンス・d10774)が頷き返し、少女が……救出すると決めた赤松美久が通りの中ほどまで歩いてきたタイミングで、近づいた。
    「やっほー。あなたが美久ちゃんだね?」
    「え?」
     元気な笑顔で手を上げるエールに対し、警戒した風に鞄を抱きながら立ち止まっていく美久。
     風に流れる茶色い髪を、可愛らしく化粧された顔をなんとはなしに見つめながら、朱屋・雄斗(黒犬・d17629)がエールの隣に並んでいく。
    「よう。こんな時間に帰宅とは関心しねぇな」

    「……」
     返答の代わりに、美久は一歩後ずさった。
     深夜の通り、人気のない場所で八人の男女からの接触を受ければ仕方のないことだろうと特に後を追うことはせず……ただ、心は注意を引くために一歩前へと踏み込んだ。
    「今の生活、楽しいです?」
    「……え?」
    「楽しいなら、いいです。それとは関係無しに、私がやりたいから、今、勝手にこうしてるので」
     警戒に、困惑の色が混じっていく。
     構わず、心は笑顔を張り付かせたまま進めていく。
    「あなたのやりたいことはなんでしょう? やりたいことなら、多少無理してでも、楽しく続けれるもんですよ。それがもし面倒なら、辛いなら……どうでしょう?」
     息を呑む音が、夜に響いた。
    「一度、しっかり自分で考えてみてはどうでしょうね、この後。あなたのことは、あなたが決めていいんですよ?」
    「背伸びしすぎることなんてないんだよ。あなたは十分すぎるほど頑張ってるもん。等身大の自分でいていいんだよ」
     重ねるように、浅巳・灯乃人(スターダスト・d26451)が力強い言葉を放つ。
     美久は鞄を下ろし、拳を震わせた。
     唇を噛み締めながら俯き――。

    ●嫌いなのは昔の自分
     ――思考しているのだろう、ならば助けにならんと、ルーセントが一歩前に出た。
    「憧れに近づく為の努力、素晴らしいわ。貴方はこんなに頑張って、それを成功させて……でもね、ずっと頑張っているのは疲れるでしょう?」
     地味な自分を変えたくて、努力して、努力して……今風の女の子になって、高校生活を始めた美久。
     けれど……。
    「息抜きだって必要だし、力を抜いて過ごせる時間がないと潰れちゃうわ」
     心のどこかに無理があったのか……淫魔という名の闇を呼び起こし、誘惑に耐えている。
     おそらく、今も。
    「自然体の貴方を好きだって言ってくれる人もきっといるわ。少なくとも私は、無理をしてない貴方でいてほしいと思うわよ」
     だからルーセントは伝えていく。
    「相手と親しくなる為に相手と同じになる必要なんてないの。貴方は貴方のまま、相手と仲良くなる努力をしましょう?」
     前の自分を嫌う必要などないのだと。
    「不安なら傍にいてあげる。だから帰っておいで? 一緒にやり直しましょう?」
    「メイクや立ち振る舞いが悪い、とは言わないけどさ。仮初の自分を演じてるだけだったら現実の自分と乖離していくだけだよ。貴女に今必要なのは自分自身を見つめることだよ、きっとね」
     重ねる形で、エールが心の紡いだアドバイスを繰り返す。
     より確りとした道を示すため、雄斗が力強く頷いた。
    「お前が努力家だってことは分かる」
     初めは、賞賛を。
    「自分を変えるなんて普通じゃできねぇ。勉強だって頑張ったんだろう? ずっと。でもそんな状態ずっとは続かねぇよ」
     今、美久は頑張っている。
     頑張って、理想の高校生活を続けている。
     その先に待つのは……暗い、闇。
    「自分を押し殺して人に合わせんのってキツイだろ? 俺達なら本当のお前を知ってる。地味で目立たなくて、そんで努力家だ。もう一回、今度は本当の自分でやり直してみろよ」
    「……」
     雄斗が言葉を区切ると共に、美久は大きなため息を吐きだした。
     顔を上げるとともに雄斗を、灼滅者たちを睨みつけ、瞳を潤ませていく。
    「あな……あんたたちが私の何を知っているのかなんて知らない……ううん、あんたたちは何も知らない。私の事なんて。私は嫌、あの時の自分なんて、だから変わった、こうして今ここにいる! ねえ、本当の私って何? 赤の他人のあなたたちに何が分かるの? 私は……!」

     言葉を重ねるにつれて激しくなっていく口調。
     全てを語らせる訳にはいかないと、喜屋武・波琉那(淫魔の踊り子・d01788)が半ばにて口を挟んだ。
    「そうだね、変わろうとする気持ちは大事。ずっと、頑張ってきたんだよね、変わるために。そのメイクも、その服装も……立ち振舞も、口調も」
    「……ええ、そうよ。だから、あんたたちにあれこれ言われる理由なんて」
    「そうだね。もしかしたらもう少し努力を重ねていけば、今抱えている悩みも自然に解決していくのかもしれない」
     でも、と、波琉那はまっすぐに美久を見つめていく。
    「ううん、だからこそ、焦っちゃ駄目。焦って心を歪ませちゃ駄目」
    「っ……私、焦ってなんか……」
    「そうかな? じゃあ、どうして……」
     頬を指差していく。
    「メイクが滲んでいるのかしら?」
    「え……?」
     慌てた様子で、美久が頬に触れていく。
     触れた指を見て瞳を見開いていく美久。
    「あれ……なんで私……こんな……」
     波琉那は優しく微笑んだ。
    「大丈夫……一人で抱え込まないで一緒に悩みと向き合おうよ」
    「自分と折り合いつけるのは難しいけど、疲れたときは素の自分を思い出して……!」
     昔に戻るのではなく、今を肯定するのではなく……、白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)が呼びかける。
    「努力してきたのは……本当に欲しかったのは、理想の学園生活じゃなくて、……人と話せる理想の自分じゃない?」
     変わった先にある理想へと向かわせるため。
     淫魔の性に歪められた、派手さを望んだ想いを、願いを、あるべき形へと治すため
     自分を変えようとした努力、歪ませたくはないから……!
    「本当の理想……、力に惑わされて見失わないで!」
    「……そんな、こと……言われても……」
     目をこすりながら、美久は声を震わせる。
    「私は、昔の自分が嫌い……嫌いです。地味で、臆病で、他人に関わる勇気がなくて……そんな昔の自分が、嫌いです。だから、理想の自分に……でも、今の自分は……?」
    「努力で変わるなんて、簡単にできない事だと思います。美久さんの努力の力、凄いと思います」
     答えの行く先を示すため、ウィルヘルミーナ・アイヴァンホー(白と黒のはざまに揺蕩うもの・d33129)は力強い眼差しを送っていく。
    「ただ、努力のために本来の……いえ、昔の自分を否定しているそのお姿が、とてもつらそうに見えます」
     素の自分の姿を否定しないで欲しい。
     想いを込め、続けていく。
    「私は本来のあなたとお話してみたい……ううん、努力した今の美久さんの姿も、今まで過ごしてきた前の美久さんの姿も、色々ある美久さんの魅力ある所、見てみたいです。普通の場所でもっとたくさんお話したいです」
     今の美久、昔の美久……きっと両方、本当の美久。
     まっすぐに伸ばした手を、美久は震える瞳で見つめていく。
     唇を、静かに震わせていく。
    「……分かりません。今の私、昔の私……変わろうとした私が、本当に変われたのか……でも、もし、今はまだ、本当の意味で変わってないのなら……」
     言葉半ばにて、腕を伸ばす半ばにて、美久の体が昏き闇に包まれた。
     ウィルヘルミーナはゆっくりと手を引き戻し、スレイヤーカードを摘んでいく。
     定められたワードを唱え、華麗な舞踏を紡ぎながら白黒の貴族ドレスを身に纏い白剣を引きぬいた。
    「今、助けますからね……美久さん!」
     切っ先を向ける頃、闇も晴れた。
     もう、泣いていた少女の姿はそこにはない。
     不敵に微笑む一体の淫魔が、灼滅者たちを見つめていて……。

    ●今はまだ発展途上な自分だけど
    「いくよメイキョウシスイ!」
     開放の言葉を唱えるとともに、エールはギターを握りしめた。
     早速とばかりにギターを掻き鳴らし、音色を淫魔へと向けていく。
     淫魔が動く気配を見せぬ中、灯乃人はウイングキャットと共に剣片手に駆け寄った。
    「最初は一緒にお願いね。後は、皆を守ってね」
     頷き合いながら、灯乃人は淫魔の横を抜けていく。
     ウイングキャットがパンチを放ったタイミングで振り向き、左ふくらはぎに鋭い斬撃を刻んでいく。
     僅かに姿勢を崩したその体を、一本の影が拘束した。
    「さ、さっさと終わらせてしまおうね。美久ちゃんが苦しみから少しでも早く開放されるように。あなたも、みんな治療、よろしくね」
     影に力を込める中、波琉那は霊犬に治療待機を命じていく。
     さなかに雄斗が踏み込んで、雷を走らせた拳を振り上げた。
    「少しばかり痺れるぜ。歯ぁ食い縛りな」
     左肩を打ち据えたなら、淫魔は一歩、二歩とよろめいていく。
     が、すぐさま姿勢を整えなおし、拘束を振りほどくこともせずに身を起こし……微笑みウィンク。
     放たれた力が心を揺さぶっていくのを感じながらも、ウィルヘルミーナは舞い踊る。
     スカートをふわりとなびかせながら、少しずつ淫魔に近づいていく。
    「誘惑の声に委ねないで! 美久さん、そんな力に頼らなくても魅力ある力を持ってるから!」
     言葉と共に、背中に白剣を打ち込んだ。
     彼女の攻撃が、灼滅者たちの攻撃が避けられる事も振りほどかれる事もなく通じたのは、きっと、中で美久が抑えてくれているから。
     だから我らも負けないと、早苗は歌う高らかに。
     誰一人として倒れる事のないように、美久が負い目を感じる事のないように。
     夜を飾り、仲間を癒す。
     エールの霊犬芝丸もまたうるうるとした瞳でウィルヘルミーナを治療していく中、エールはすさまじい勢いで帯を射出する。
     誤る事なく左肩を捕らえ、よろめかせていく様を前に、明るい声を上げていく。
    「もうすぐ、この戦いもお終い。一気に決めてしまいましょー」
    「……」
     肯定の言葉を紡ぐ代わりに、変わらぬ笑みを浮かべる心が一歩踏み込んだ。
     未だ体勢を整え直せぬ淫魔へと、螺旋状の回転を加えた二匹蛇装飾の赤い柄を持つ槍を放っていく。
    「……」
    「戻ってきて下さい! 今、この場所に……!」
     更によろめいていく体を、ルーセントが警告を与える交通標識で打ち返した。
     強制的に身を起こしていく淫魔に、ウイングキャットがパンチを浴びせた。
     勢いに負けよろめいていくその体に、灯乃人が手甲をはめた拳を打ち込んで――。
    「……お帰り、美久ちゃん」
     ――倒れこんできた淫魔を、美久を抱きとめて、背中をぽん……と叩いていく。
     返答は、安らかな寝息が。あどけない笑顔。
     救い出すことができたのだと、灼滅者たちは静かな息を吐きだして――。

     気づけば月明かりが照らすようになっていた空の下、治療を終えた灼滅者たちは駅近くのベンチへと移動。
     寝かしつけられた美久を、灯乃人はウィングキャットをぎゅっと抱きしめながら見つめていた。
     不安げな眼差しを向けてから、十分ほどの時が経っただろうか? 不意に、美久の体が小さく揺れた。
     ゆっくりと瞳が開かれた。
    「……あれ、私は……」
    「よかった……」
     起き上がっていく姿を前に、ウィルヘルミーナは安堵の息を吐いて行く。
     さなかにも美久は周囲を見回し、灼滅者たちの姿を視認した。
     全てを思い出したのだろう。姿勢を正し、口を開く。
    「ええと……ありがとうございました。色々と……その、迷惑もかけてしまったみたいで、ごめんなさい。私……ええと……」
     出会った時とは違い言葉を彷徨わせていく美久。
     導くように、早苗は告げる。
    「変わろうとして努力した、そんなあなたは消えてないよ。ただ、今はちょっと疲れちゃっただけ、これからどうするかは、ゆっくりと考えれば、……いいと思う」
    「……はい、そうですね。色々考えて、自分なりに考えて、それから進もうと思います。無理をせず、自分なりのペースで……」
     これから、変わっていく事に違いはない。
     けれど焦る必要はないのだと、自分のペースでいいのだと、美久は自嘲気味に微笑んだ。
     いずれにせよ……きっと、もう、心を歪ませる事はない。
     だから、波琉那は提案する。
    「もし……美久ちゃんがその気になってくれるのならウチの学校で異能の力の使い方を学んでみない? もちろん強制なんかじゃなくて気が向いたらってことだけど……」
    「え……」
     美久は瞳を見開き、頷いた。
    「ええと……そう、ですね。この力、私なんかでお役に立てるのなら……ぜひ。私のような方を、救えるのなら……」
     決意とともに、美久は立ち上がった。
     握れなかったウィルヘルミーナの手を、迷いながらも握りしめた。
     一歩ずつ、ゆっくりでも前に進み始めた美久を前に、波琉那は更に重ねていく。
    「それじゃ、メイクをなおそっか。随分とひどい顔だからね」
    「え……あっ」
     頬に触れ、恥ずかしそうに顔を赤らめていく。
     けれど明るい笑顔を浮かべていく美久。
     今、この瞬間も変わっていく美久を前に、早苗はひとりごちていく。
    「私も、今年は少しずつ変わっていけるようにしよう、自分を見失わないようにしながら……」
     決意を。
     あるいは、願いを。
     自分なりのペースでいい。無理をしなければ……人は、良い方向へ変わっていけるはずなのだから……。

    作者:飛翔優 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年4月21日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 6
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