げに恐ろしきは美への執念!? 再生温泉怪人炭酸Q!

    作者:長野聖夜

    「口惜しや、口惜しや……憎むべき、我が美の追求への覇道に立ち塞がった、愚か者達め……!」
    「どうかしましたか?」
    「あ、貴方は何?! 貴方も、私の覇道を邪魔しに来たの?!」
    「いえ、そうではありません。私は、残留思念として囚われている貴方の気配に気が付いて、此処を訪れました」
    「それならば、私を救って! このままでは、報われない……我が、炭酸泉の炭酸泉スパークによる真なる温泉による、美の覇道を成し遂げることも出来ずに死ぬことなど……!」
     語られた内容に一瞬間を空けつつも、1つ頷く少女の幻影。
    「私は、『慈愛のコルネリウス』。貴方の様に傷つき嘆く者を見捨てることなどしません」
    「ほ……本当ね! 私は救われるのね!」
     歓喜の想いを伝えてくる残留思念に1つ頷き、コルネリウスは静かに祈った。
    「……プレスター・ジョン、この哀れな男……」
    「いいえ! 私は女よ!」
    「……この哀れな方を、あなたの国に匿ってあげて……」
     微妙に引っ掛かりを感じさせる響きと共に、彼女(男)の残留思念は光に包まれ……静かに地上へと舞い降りた。
     ――再生温泉怪人、炭酸Qの名と共に……。
    「……こんな予測もあるものなんだな」
     教室の片隅で考え事をするように目を瞑っていた北条・優希斗(思索するエクスブレイン・dn0230) が疲れた様に溜息をつき、後ろを振り返る。
     そしてその場を訪れていた灼滅者達に困った様な笑いを返した。
    「よく来てくれたね、皆。今、丁度、未来予測が出たんだ。……以前、君達の仲間によって灼滅されたある温泉怪人の残留思念に、慈愛のコルネリウスが力を与えて再生温泉怪人炭酸Qにして、どこかに送ろうとしている、と言う予測がね」
     軽くこめかみを解すようにしながら頭を振る優希斗。
    「本来、残留思念に力はない。でも、コルネリウスの様な強力なダークネスならば、それに力を与えるのは、決して不可能なことではないだろう。……皆が命がけで灼滅してくれたダークネスに、今すぐではないとはいえ、また誰かの迷惑になる行動を取って欲しくない。……すまないが、コルネリウスが温泉怪人の残留思念を復活させる現場に向かい、何とかしてきて貰えないだろうか?」
     優希斗の願いの込められた言葉に、灼滅者達は小さく溜息をつきながらも首を縦に振った。
    「まず、コルネリウスは幻影だ。君達に対して、何かをしてくるということはできない。……アガメムノンとの戦いの折には、協力したこともあったけれど、今、この時には何を考えているか分からないから、交渉も不可能だ。……声を掛けても予測に影響はない様だから、掛けたいなら、止めはしないけれどもね」
     小さく息をつきながら淡々と続ける優希斗。
    「再生温泉怪人炭酸Qは、君達灼滅者を深く恨んでいる。君達を見たら、コルネリウスから貰った力で、君達への復讐を望むのは間違いないから、戦いは避けられないだろう。復活したばかりと言っても、その力は通常のダークネスと変わらない。気をつけて事にあたって欲しい」
     灼滅者たちが頷くのに頷き返してから、考えるように軽く目を瞑り、程なくして目を開く。
    「彼の使ってくるサイキックは、温泉キック、温泉ダイナミック、マジックミサイル、バニシングフレア、フォースブレイクだ。ポジションはクラッシャー。威力が高いから、注意してくれ」
     優希斗の警告に、灼滅者達は気を引き締めるように首を縦に振った。
    「……慈愛、か。何かを慈しむと言うことは決して悪いことではないけれど……でも、どうしてこんな行動をするのか分からないのは、怖いものだね。……皆、気を付けて行って来てくれ」
     優希斗の送り出しにそれぞれの表情で反応を返し、灼滅者達は教室を後にした。


    参加者
    陰条路・朔之助(雲海・d00390)
    東雲・由宇(終油の秘蹟・d01218)
    狗神・伏姫(GAU-8【アヴェンジャー】・d03782)
    御手洗・花緒(雪隠小僧・d14544)
    水瀬・裕也(高校生ファイアブラッド・d17184)
    久条・統弥(時喰みのディスガイア・d20758)
    成瀬・ピアノ(敬天愛人・d22793)
    比良坂・柩(がしゃどくろ・d27049)

    ■リプレイ

    ●爆誕! 再生温泉怪人炭酸Q!
    「プレスタージョン、この哀れな男……」
    「いいえ! 私は女よ!」
    「……この哀れな方を……」
    「……未来予測ばっちりだね。……それにしても、ちょっと暑いかなぁ」
     パタパタと軽く手団扇で風を送りながら、炭酸Qの死角になりそうな岩場に隠れて退路を断つ様に回り込む成瀬・ピアノ(敬天愛人・d22793)。
     その間に、正面から2人に接触し、灼滅者達の中で代表して、コルネリウスの幻影に最初に声を掛けたのは、水瀬・裕也(高校生ファイアブラッド・d17184) である。
    「ねぇ、コルネリウスさん」
     あまり気のない様子で語り掛けると、ほんの少しだけ此方に視線を向けるコルネリウス。
     少し意外に思いながらも、裕也は軽く腰に手を当てて、緊張感のない様子で立っていた。
    「コルネリウスさんは沢山の残留思念と会っているみたいだけど、大変じゃないの? これからもずっと続けていくの?」
     反応はなし。
     ただ、再生に時間が掛かっているのか、炭酸Qが完全な姿になっていないので、もう少し話す時間がありそうだ、と今度は久条・統弥(時喰みのディスガイア・d20758) が、裕也の前に出て話しかけた。
    「ダークネス達を復活させて、プレスタージョンの力を高めようとしているのか?」
     やっぱり、反応はない。
     取り敢えず、溜息をつきながら、人の形を取りつつある其れにチラリと視線を送った。
    「……まあ、あの残念なおと……」
    「いいえ! 私は女よ!」
    「……方はまだマシだけど」
     再生中だと言うのに律儀にツッコミを返してくる炭酸Qに、何となく生暖かい視線を向ける統弥。
     そうこうしている内に再生が完了し、完全な姿となって地上に舞い降りた再生温泉怪人炭酸Qの姿を認めて、コルネリウスの幻影が少しずつ姿を薄れさせていく。
    「あんたの慈愛は、本当に慈愛なのか? 眠っていたい奴だって……」
    「忌まわしき猪口才な灼滅者達めぇ! 炭酸泉の、炭酸泉による究極の美の覇道を邪魔したお前たちを今度こそ滅する為に、私は帰って来たわ! オーホホホホホ!」
    「……いや~、お兄姉さん、語るに落ちるな~」
     陰条路・朔之助(雲海・d00390) が、苦笑しながら肩を竦めていると、炭酸Qが、完全に推参する。
    「さぁ、とくと見るがいいわ! この私の美の極致を!」
     高らかに叫ぶ炭酸Q。灼滅者達はそんな炭酸Qの姿を目に留めて……それぞれの表情で束の間、戦うことを忘れて凝固した。
     その姿は完全なるおっさん。男として最も大事な部分が……となっており、にーちゃんが裕也の教育上よろしくないと判断したか、ささっと、彼の視界からなにかを隠す様に立ち回る。
     衣服の裏に隠れている隆々たる筋肉がお前、男だろ! と心の底からツッコミを入れたくなる空気を醸し出し、ピチピチに光り輝く雪のような真っ白なお肌が……あまりにも似合わない。
     頭が変化している温泉からブクブクと泡を放出しているのが、益々歪。
     ――結論。絶対に美しくない。
    「……ねぇ、貴女もこれ美しいって思う?」
     東雲・由宇(終油の秘蹟・d01218) が、既に8割方消えかかっているコルネリウスの幻影に問いかけるが、幻影はそれに答えずいなくなった。
     ……心なし、目を逸らし、残念そうにしていた様に見えた気がしなくもなかったが。
    「なぁ~んですって~! 私が美しくないですって~!?」
     怒り心頭に発する炭酸Qが、コメカミの辺りに青筋を一つ浮かべて、灼滅者達に指を突きつける。
    「ああ……ここから始まるのか……」
     諦めた様に、妙に疲れた様に統弥が呟くと、それまでのんびり炭酸温泉を、愛犬八房と共に優雅に楽しんでいた狗神・伏姫(GAU-8【アヴェンジャー】・d03782) が立ち上がり、肩にガトリングガンを担いで悠然と合流した。
    「な……何よ、貴女?!」
    「我か? 通りすがりのビューティーソルジャーよ……」
     無駄にお色気ポーズを取る彼女に只でさえ頭に血が上っている炭酸Qの怒りが煽られる。
    「……おのれ、忌まわしき、忌まわしき灼滅者達め……! その程度の美しさで、ビューティーソルジャーなどと、美に対する冒涜を……! 絶対に、アンタ達一人残らず成敗してやるわ~!」
    「……まあ、何でも構わない。キミも、ボクの『癒し』を得る為の糧となってくれたまえ」
     比良坂・柩(がしゃどくろ・d27049) の無慈悲な宣言と同時に……かつてない戦いの火蓋が、切って落とされるのだった。
    ●いざ、ビューティーファイト!
    「炭酸泉しか認めないなんて、少し狭量過ぎるんじゃないかな」
     周囲の温泉から力を吸収し、益々その筋肉とお肌の美しさを高める炭酸Qに周囲の魔力を移動させながら挑発する柩。
     供給した魔力が、彼女(男)の体内で爆発し、強かな一撃を加え僅かに動きの鈍った炭酸Qに風の様に接近し、横薙ぎに切り刻む由宇。
    「興味本位で聞くけどさぁ……貴方の何処が美しいの?」
    「な……なんですってぇ~! この私のどこが美しくないとアンタは言うの!? 一部の隙もない完璧なまでに鍛え抜かれた美しい肉体と、見てしまえば、世界三大美女でも恥じらい、委縮してしまうに違いない、絹の様に白く光り輝くピチピチの肌! これこそ、完璧なる美の極致なのよ!」
    「断言できる。貴方よかコルネリちゃんのが絶対可愛い!」
    「可愛いと美しいは別よ、この金髪小娘~!」
     怒りのままに追撃を掛けようとする炭酸Qの側面から帯状の一撃が放たれ、炭酸Qの攻撃を絡め取った。
    「肌が綺麗なの男の子も女の子もいい事だけど、其れが全部じゃないでしょ!」
     放った主であるピアノのツッコミに、益々怒り狂う炭酸Q。
    「ええ~い、黙らっしゃい、小娘~! アンタになんか私の求める美の真髄など分かるわけないわ!」
    「……フン。貴様の求める美なぞ、我の様なビューティーソルジャーには、塵芥も同然だわ」
     ピアノと炭酸Qの応酬の間に接近し、WOKシールドを叩き付ける伏姫。
     ついでに女をアピールする様に胸を艶めかしく見せつけると、炭酸Qの頭部の湯気が沸点を越えた。
    「喰らいなさい! 鉄足制裁!」
     近くの岩場を渡り歩いて天にも届けとばかりに飛び上り、三角蹴りを伏姫に叩きこむ炭酸Q。
     クリーンヒットしたその攻撃に大仰にブリッジ状に仰け反りながらも自分のお色気をアピールするその姿に硬直する炭酸Qに向けて、さりげなく伏姫のポーズが裕也の死角になる様に移動しながら音もなく接近したにーちゃんが、アッパーを繰り出した。
     顎から来る痛みによる痺れに一瞬動きを止めた炭酸Qに、漆黒の殺気を叩き付ける、何処か可哀想な物を見る様な生温かい目をした朔之助。
    「お兄姉さんさあ、美肌効果がある温泉なんて他にもいっぱいあるだろうに、何でそんなに炭酸泉が良いんだよ?」
     絶妙なタイミングで、斜め上の角度から来た言葉パンチに、伏姫への追撃を止める炭酸Q。
    「……アンタ、炭酸泉の素晴らしさが分からないと言うの!? あのブクブクと浮き上がって来て、消えてしまう蝉の様な儚い命を持った泡たちの、ジワジワと肌を温めて清く美しく癒してくれる素晴らしい様を! アンタは!」
    「だからって、全部同じにしたら 風情がないでしょ! 楽しさがないでしょ!」
     至極真っ当なピアノのツッコミだが、陶然と語り続ける炭酸Qの耳に入っているかどうかは怪しい所。
     増してや、ハッ、と何かに心づいたかの様に、顔が中途半端な渋いおっさんの表情に変化したのであれば、尚更。
    「と言うか! お姉さんと呼びなさい、お姉さんと!」
     朔之助はいよいよ生暖かい笑みを深くしながら、ずっと気になっていたことを尋ねてみた。
    「……ってか、お兄姉さん。温泉好きはいいが女湯と男湯どっちに入る気なん?」
    「男湯よ! 決まっているでしょ! 心は女! けれども体は男! 女湯なんか入っちゃったら、それこそ、温泉達に失礼じゃないの!」
    「……そこは守るんだ……。温泉は好きなんだなぁ」
     攻撃そっちのけの炭酸Qの隙をついて、八房と、アラタカ先生と、裕也がせっせと伏姫を回復している間に、感心半分、呆れ半分と言う調子で、統弥が接近し螺穿槍。
     返答に夢中になっていた炭酸Qにその一撃が深々と突き刺さり、炭酸Qが悲鳴を上げた。
    「ぎゃ……ぎゃぁ! 私の玉のようなお肌がァ!」
    「よく、わかりませんが……あなたはここで、倒します」
     痛みに喘ぐ炭酸Qを縛霊手ですかさず殴りつける御手洗・花緒(雪隠小僧・d14544) 。
     花緒の一撃と同時に結界が生み出され、炭酸Qの全身を痺れさせる。
    「ナナナナナッ?!」
     少しだけ焦りながらも、縛霊手を振り切り、体勢を立て直す炭酸Q。
    「くっ……流石に一筋縄ではいかない様ね、灼滅者達! けれども……この程度で我が美の覇道を止められると思わないことよ!」
     様々な攻撃を受けながらも、まだまだ血気盛んな炭酸Qに、灼滅者達は、海よりも深い溜息をついた。
    ●さらば、再生温泉怪人炭酸Q!
     ――7分後……。
    「しかし、なんだ……随分と濃い奴をコルネリウスも蘇らせてくれたものだね」
    「くっ……くぅ……! おのれ、おのれ、灼滅者達め……!」
     溜息をつきながら放った柩の鬼神変を喰らって喀血して派手に吹き飛びながらも、炭酸Qは、未だ戦場に立っていた。
    「……美への執念、恐るべし……」
     柩の強烈な一撃に合わせて、星々の力を纏った蹴りを炭酸Qの脛に叩きつけて粉砕しながら、引きつった笑みを浮かべる朔之助。
     ――数分前、決着をつけようとした矢先に、美への執念の為に、まさかの魂の凌駕が起きたから。
     最も、的確な攻撃と細やかな回復と、言葉と言葉のデッドボールと、アラタカ先生及び、花緒を初めとするディフェンダー達の庇い合いが功を奏して、さほど大きな問題にはならなかったけれど。
    「フフフ……これこそ、ビューティー殺シ合ムの真髄よ……!」
     肩に担いだガトリングガンを掃射しながら、伏姫が笑う。
     炭酸Qはその掃射を避けもせず、果敢に接近した。
    「我が美の覇道を邪魔するアンタ達に、一矢も報いず、倒されるつもりはないわ~!」
     怒りの声を上げながら、疲労の反動で少しだけグラリと傾ぎながらも、まだ立っている伏姫の懐に潜り込み、そのまま地面に叩き付けようとする。
     だが、その瞬間には花緒が伏姫を突き飛ばし、彼女の代わりにガッチリと腰を掴まれ、地面へと背中から叩きつけられていた。
    「……イタイ……です」
     背中からの激痛に顔を顰めながらも、負けじと、その痛みの恨みを籠めた拳を叩き付ける花緒。
     その一撃が、炭酸Qの腹に吸い込まれ、炭酸Qは、痛みのあまりによろよろと千鳥足で後退した。
     その隙を逃がさず、にーちゃんが素顔を晒す。
     ……其れが切っ掛けになったのだろうか。突然、炭酸Qが頭を抱えた。
    「ああ、私のお肌が、凍る、凍る~!」
    「……ああ、そっか。だから、あんなに必死になって妖霊弾避けてたんだ」
     ……この長時間、妙に妖霊弾を見切るのに必死だった理由が判明し、統弥が思わずポツリ、と呟いた。
    「ちょっと可哀想だけど……そろそろ終わりにするよ!」
     重ねに重ねられたトラウマに当てられ呻いて動きを止めているのを少しだけ気の毒に思いながら、地を這う炎で炭酸Qを焼くピアノ。
     既に何度か由宇と連携して放たれていたその炎が、炭酸Qを再び焼き、熱さと痛みで益々苦しみの声を上げる炭酸Q。
    「ぐぅ……グゥ……! 我が美の覇道を……邪魔させは……!」
    「美の覇道の追求ってどういう事なんだろうなぁ……」
     裕也がずっと聞きたくても回復を優先して聞けずにいたことを呟きながらのソニックビート。
     掻き鳴らされたギターから叩きつけられた波動が、容赦なく炭酸Qの脳を揺さぶった。
    「まあ、美的センスは人それぞれだしね……」
     ピアノ達の攻撃に合わせる様に、クルセイドスラッシュで炭酸Qを袈裟懸けに切り裂きながら、由宇が何処か諦めた様に溜息を一つ。
     既に瀕死状態となっている炭酸Qの体を、アラタカ先生がすかさず斬魔刀で十文字に切り裂いて深手を負わせ、八房が6つの硬貨を投げつけて叩きつけて深手を与える。
     全身傷だらけになり、既に虫の息となっている炭酸Qに、統弥が接近し、鞘に納めていた日本刀を一閃した。
    「さらばだよ」
     銀閃と同時に、炭酸Qが、膝をつく。
     胸から右肩までをざっくりと切り払われた傷跡を何処か他人事の様に見つめながら、炭酸Qは、妙に不敵な笑みを浮かべた。
    「完敗だわ、灼滅者達……。我が覇道ならず、ね……」
    「温泉っていいよね、本当に。……もし、また会えたら入りたいなぁ……あっ、でも、無理矢理は無しだよ?」
     統弥の刀を鞘に納める音と合わせて放たれた手向けの言葉に、炭酸Qは笑みを深くし……光の粒子となって消えて行った。
    ●それはそうと、温泉
    「……さらばだ、お兄姉さん!」
     光の粒子となって消えていく炭酸Qを見送る様に合掌する朔之助。
    「名乗り忘れておったな……。我は、横浜より推参、伏姫THEアヴェンジャー! ……死んでいるが、冥土の土産に覚えておくがよい!」
    「キミがプレスター・ジョンの国で楽しく過ごせることを祈っているよ」
     伏姫と柩の見送りの言葉だったが、果たして炭酸Qに届いているのやらいないのやら。
    「あ~……、時間なかったけれど、慈愛に拘る理由も聞いてみても良かったのかなぁ」
     光の粒子を見送りながらふと、思い出したように呟く裕也。
     その間に、統弥は周囲の温泉浴場の状態を確認して、1つ頷く。
    「……長かったけど、思ったよりも荒れてないな」
    「じゃあ、折角だし、温泉浸かって帰りたい!」
     由宇の提案に反対する者は特に出ず、灼滅者達は水着に着替えて、露天温泉にゆっくりと浸かり、日頃の疲れを癒してから、その場を後にするのだった。

    作者:長野聖夜 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年5月7日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 3
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