告発するのも命がけ

    作者:三ノ木咲紀

    「とにかく! 僕はこの事実を公表します!」
    「正田くん、待て!」
     正田と呼ばれた青年が、社長の手を振り払ってエレベーターに乗り込んだ。
     小さくなる数字を呆然と見送った矢代は、がっくり肩を落とした。
    「……どうしよ」
     頭を抱えた矢代は、そのまま髪をかき混ぜる。
    「あぁぁ、どうしよ! どうしよどうしよ! このままじゃ、大損害だ!」
     頭に立てる爪に、ぴったりと撫でつけられた髪が乱れ、くしゃくしゃになった髪が数本抜けた。
    「あぁぁ、どうしよ! 髪が抜けたぁっ!」
     慌てて髪をかき集めて頭に戻そうとする矢代に、あきれたような声が掛けられた。
    「……いい年した大人が、何してるのよ」
     社長室から現れた、ビジネススーツに身を包んだ若い女が、冷たく社長を見下した。
     その視線をものともせず、社長は顔を上げた。
    「あぁ、霧子くんか。その格好だと、女子高生に見えないねぇ。どう見ても美人秘書だ」
    「どうも。……で、何やってるのよ」
    「あぁ、そうだ! 僕の部下がね、会社の秘密を公表するって聞かないんだ。ちょっと製品の強度評価を甘くしただけなのにね」
     子供のように頬を膨らませる矢代は、名案を思い付いたように手を叩いた。
    「そうだ! あの部下が、公表前に不慮の事故に遭えばいいんだ。頼むよ、霧子くん」
     この通り! と両手を合わせる矢代に、霧子は肩をすくめた。
    「分かったわ。私はあなたの秘書だものね。ボスの命令には従うわ」
    「ありがとう! さすがは霧子くんだ!」
     ほっとしたように胸を撫で下ろした矢代は、髪を撫でつけてスーツを整えた。
     姿勢を正した矢代は、甘いマスクで人気の、三十代のイケメン若社長に戻った。
     どこからどう見ても、さっきまで子供のようにジタバタしていたように見えない。
     矢代は霧子の肩を抱こうと腕を伸ばした。
    「ところでどうかな? これから食事でも……」
    「せっかくだけど、仕事があるから」
     霧子は矢代の手を払うと、携帯電話に手を伸ばした。


    「芦屋で活動しとったゴッドセブンのナンバー三、本織・識音に動きがあったみたいや」
     くるみは難しい顔で腕を組んだ。
    「識音はヴァンパイアなんやけど、古巣の朱雀門高校から女子高生ヴァンパイアを呼び寄せて、なんや悪巧みしとるみたいやね。手下を秘書として潜り込ませて、神戸の財界を支配下に置いたんや」
     有力者の秘書となった女子高生ヴァンパイア達は、有力者の欲求を満たすべく活動を行っている。
    「この矢代っちゅー悪徳社長はな、自社の製品の強度計算? を甘くして、悪い製品を高く売っとったんよ。それに気付いた社員が内部告発しようとしたさかい、この社員を殺してまおうって思ったんや」
     女子高生ヴァンパイアの霧子は、手下の強化一般人を使って正田を路地裏に連れ出して殺害する。
     干渉できるのは、正田が路地裏に連れ出された後。
     強化一般人は四人。壁際に追い詰められた正田を半円形に取り囲んでいる。
     路地裏は、人が二人並んで立てるほどの広さがある。
     両脇の建物は雑居ビルで、高さは三階か四階建てだ。
     現場は路地の中ほど。両端は大通りに面している。
     強化一般人は、クラッシャー二人とディフェンダー二人。
     同じ部活の四人組だが、改造されて時間が経っているため救助はできない。
     クラッシャーはマテリアルロッドのような、ディフェンダーはダイダロスベルトのようなサイキックを使う。
    「ASY六六六はどうも、ミスター宍戸みたいな一般人を探しとるみたいやな。そやさかい、社長に手を貸しよるんよ。尻尾掴むためにも、あんじょうよろしゅうな!」
     くるみはにかっと笑うと、深々と頭を下げた。


    参加者
    置始・瑞樹(殞籠・d00403)
    サフィ・パール(ホーリーテラー・d10067)
    十六夜・深月紅(哀しみの復讐者・d14170)
    御印・裏ツ花(望郷・d16914)
    災禍・瑠璃(トロイテロル・d23453)
    清浄・利恵(華開くブローディア・d23692)
    宍戸・源治(羅刹鬼・d23770)
    八蘇上・乃麻(木俣の宿りし者・d34109)

    ■リプレイ

     夕暮れが迫る路地裏で、棍棒を手にした女生徒が楽しそうに笑った。
     相手は、怯える一般人。超常の力を手にした女生徒らにとって、彼を殺すことなど簡単すぎる仕事だった。
    「霧子さまのご命令なの。お兄さん、死んでもらうね?」
     振り上げられた棍棒が振り下ろされる寸前、路地裏に凛とした声が響いた。
    「悪行もそこまでだ! ヴァンパイアの手先達!」
     わざと大声を上げた清浄・利恵(華開くブローディア・d23692)の声に、棍棒使いの女生徒・一子が一瞬動きを止めた。
     同時に放たれる強い殺気に、家路を急ぐ人々は無意識にこの路地を避ける。
    「汚えお仕事ご苦労さんだなあ? けど地獄行きはテメエらだぜえ」
     宍戸・源治(羅刹鬼・d23770)の大声と共に放たれたサウンドシャッターが、路地の音を遮断する。
     二つの声と同時に、一つの影が路地へと躍り出た。
    「四肢を、掲げて、息、絶え、眠れ」
     決め台詞と共に葬刃を解放した十六夜・深月紅(哀しみの復讐者・d14170)が、狭い路地を一気に駆け抜け一子に迫る。
     冷静に繰り出される螺旋の槍が、驚く一子に突き刺さる。
     突然の襲撃に、一子は腕を押さえながら振り返った。
    「誰!?」
     一子の問う声に答えるよりも早く、後方より声が上がった。
    「親玉はいずれ、引きずり出して差し上げますわ!」
     ドレスを翻し路地を駆けた御印・裏ツ花(望郷・d16914)の腕が、もう一人の棍棒使い・二葉を捉える。
     巨大化した腕が二葉に叩き付けられる寸前、リボン使いのディフェンダー・三輪が動いた。
    「危ない、先輩!」
     裏ツ花と二葉の間に割って入った三輪が、鬼神変をまともに食らって吹き飛ばされる。
     二葉の腕の中に倒れ込んだ三輪に、二葉が驚いて目を見開く。
    「ちょ……! あんた、なんで!」
    「だって……先輩はあたしの大事な……」
    「絆の確認は、よそでやってね」
     災禍・瑠璃(トロイテロル・d23453)の白衣が翻り、契約の指輪を構えた。
     葡萄色の瞳がより赤みを帯び、似合わない白衣の下では血色の翼が顕現している。
     できるだけ人間形態でいながらも、瑠璃はダンピールの力を練り上げた。
     契約の指輪が光り、弾丸が三輪に突き刺さる。
     三輪の腹を貫いた弾丸に、三輪は痺れたように痙攣した。
    「先輩、は、やらせない!」
     腹部を押さえた三輪は、うめきながらもよろよろと立ち上がる。そんな三輪に、二葉は怒りをあらわに棍棒を振りかぶった。
    「よくも!」
     猛烈な勢いで振り下ろされる棍棒の一撃を受けた裏ツ花は、よろめきながらも毅然と持ち直した。
     咄嗟に庇った腕から、脳天に響くような痛みが走る。思わず眉をひそめたが、それ以上はぐっとこらえる。
    「この、無礼者が! 万死に値しますわ!」
    「それは、こちらのセリフよ!」
    「わたくしに手を上げるのならば、それ相応の罰を与えましょう!」
     裏ツ花はマテリアルロッドを二葉に向けて突きつけると、見下すように言った。
    「覚悟をなさることね!」
     睨み合う裏ツ花と二葉の尻目に、甲高い笑い声が響いた。
    「キャハハハ! 正田を殺せば、勝ちよね!」
     リボン使いのディフェンダー・四野が、正田に向けてリボンを射出する。
     目を見開くしかない正田にリボンが届く寸前、小型犬が飛び出した。
     サフィ・パール(ホーリーテラー・d10067)の霊犬・エルが、リボンの全てを受け止める。
     路地に、切なげなヨークシャーテリアの鳴き声が響いた。
    「邪魔なのよ! 犬のくせに!」
     リボンに刺さったエルを、四野は腹立たしげにアスファルトに叩き付ける。
     動かなくなったエルの脇を、置始・瑞樹(殞籠・d00403)は駆け抜けた。
    「お前の相手は、俺だ!」
     エアシューズを起動させた瑞樹は、上段から一気に四野を蹴りつけた。
     重力を孕んだかかとが、流星のように四野に叩き込まれる。一気に体力の大半を削られた四野は、大きく咳き込むと距離を取るように後退した。
     強化一般人達の動きを注意しながら、瑞樹は正田を振り返った。
    「大丈夫か?」
    「は、ははい! あの、あなたは……」
    「俺のことはいい。それよりも、迎えだ」
     瑞樹の声に呼応するように、屋上から箒がひらりと舞い降りた。
     箒にまたがったサフィは、倒れたエルに視線を向ける。
     痛ましげに眉をひそめながらも、正田に手を差し出した。
    「さあ、こっち」
    「え? で、でも……」
    「させないわ! その男は置いて行きなさい!」
     振り返った一子が、バトンを閃かせた。
     あまりに続く非日常に、うまくついていけない正田は動けない。
     正田や瑞樹を巻き込むように生まれた竜巻が、狭い路地を舐めるように突き進んだ。
     突然生まれた竜巻を呆然と見守る正田が、ふいにバランスを崩した。
    「いいから、乗れ!」
     瑞樹は腹立たしげに正田の腕を掴むと、半ば強引に箒に乗せた。
     直後に飛翔。竜巻を何とか避けて浮かび上がったサフィは、近くの雑居ビルの屋上に正田を下した。
     安全を確認した正田は、戦場へ戻ろうとするサフィの腕を掴んでまくしたてた。
    「な……何が起こったんですか! いきなり女子高生に囲まれて、槍で箒で竜巻で!」
    「落ち着いて、正田さん!」
     パニックに陥る正田を、何とかなだめて落ち着かせる。
     事態を飲み込めない正田を安心させるように、サフィは微笑んだ。
    「あの、動くと危ないので、ここで待っていて、くれますか?」
    「は、はい……」
     頷く正田に頷き返したサフィは、箒にまたがると急いで戦場へと戻った。
     竜巻が収まった路地裏に、八蘇上・乃麻(木俣の宿りし者・d34109)が駆け出した。
     利恵の後ろから飛び出し、目の当たりにした路地裏に息を呑む。
     一子の放った竜巻は、二班に大きなダメージを与えていた。
     瑠璃と瑞樹はまだ大丈夫だが、二葉の棍棒の直撃も受けている裏ツ花の傷は深い。
     乃麻は大きく深呼吸すると、自分を落ち着かせるように小声で呟いた。
    「できることをしっかりやる……。できることをしっかりやる……」
     乃麻は手を握り締めると、祭壇を空中に生み出した。
    「んっ! 回復いきます!」
     声と共に放たれた祭壇が、裏ツ花の頭上に展開する。
     大きな祭壇は深い傷を優しく癒し、裏ツ花は思わず安堵の息を吐いた。
     メディックゆえの回復力に、裏ツ花は乃麻を見た。
    「あなたも、やるじゃありませんか」
    「お、おおきに!」
     思わずお礼で返した乃麻に、裏ツ花は軽く笑った。


     正田が去った屋上を見上げた一子は、憎らしげに灼滅者達を睨んだ。
    「あなた達、何者? 私はあの正田って男を殺せればいいんだから、邪魔しないでよね!」
     好戦的な一子に、利恵は静かに首を振った。
    「……君達も利用された者達だろう。だが、僕たちは君達を助ける事が出来ない」
    「助ける? 何言ってるの?」
     心底分からない、という風な一子に、利恵は首を横に振った。
    「出来るのは、君達がもう誰も殺すことが無いようにするだけだ」
    「もう遅いわ! 霧子さまの信頼を得るために、どれだけ殺したと思ってるの?」
     一子はコロコロと笑うと、後輩の三人を振り返った。
    「私は正田を追うわ! あなた達、援護なさい!」
    「分かりました、先輩!」
     二葉は裏ツ花に背を向けると、一班に向かって棍棒を振り上げた。
    「邪魔よ! どいて!」
     振り下ろされた棍棒の先端から、竜巻が発生する。一子ほどの威力はないものの、猛烈な風が路地を突き進む。
     深月紅と利恵を突き飛ばして進む風に乗るように、一子は包囲の突破を試みた。
    「行かせ、ない!」
     竜巻から何とか逃れた深月紅は、一子の前に立ちはだかると拳を突き出した。
     無数の拳が一子に突き刺さる寸前、四野が動いた。
    「させないもんね! キャハハハ!」
     甲高い声で笑う四野は、強引に割り込むと閃光百烈拳を全身で受け止めた。
     もの凄い拳の圧力に、四野の体が宙に浮く。意味不明な声を上げた四野は、止めの一撃と共に壁に叩き付けられた。
    「ヴァンパイアが、何を、考えてるか、知らない。けど、一般人が、殺されるのを、黙ってるわけには、いかない」
     そのまま砂になって消える四野に、深月紅は左目から流れる血を手の甲で拭った。
     四野を振り返りもせずにビルの入口めがけて走る一子を、源治のダイダロスベルトが追った。
    「止まりやがれ!」
     怒鳴り声と共に放たれたダイダロスベルトが、白い彼岸花のように広がり一子の背中を引き裂き切り裂く。
     思わず叫び声を上げた一子は、それでも足を止めない。
     そんな一子を庇うように、三輪は二班の前に両手を広げて立ちふさがった。
     契約の弾丸を腹に受け、サイキックを使うことができない。それでも立ち上がった三輪は、二班を一子に近づけまいと灼滅者達を睨みつけた。
    「ここから先には、行かせない!」
    「おどきなさい!」
     苛立ったような声と共に、裏ツ花のマテリアルロッドが閃いた。
     鋭く突き出されるロッドに、一拍遅れて長い髪が翻る。
     霊力を込めたマテリアルロッドの先端が、三輪の鳩尾を深くえぐった。
    「木偶のまま人殺しになる前に、お眠りなさいな」
     裏ツ花の声が、聞こえているのか、いないのか。
     壁に叩き付けられた三輪は、そのまま砂のようになり消えた。
    「三輪!」
    「よそ見はダメだよ!」
     思わず三輪に駆け寄る二葉に、瑠璃は交通標識を翻す。
     赤色にスタイルチェンジさせた標識が、二葉に食い込み吹き飛ばす。
     路地の上で腹を抱えてくの字に体を曲げた二葉に、瑠璃は首を傾げた。
    「どうでもいいけど、なんで体操部員なんか強化しちゃったのかしら……」
     瑠璃の問いに、二葉は口の端を持ち上げることで応えた。
    「お前にも守るものがあるのだろう。だが、俺にも譲れないものがある!」
     クラッシャーの攻撃力を乗せた瑞樹のエアシューズが、唸りを上げて二葉を蹴りつけた。
     瑞樹のグラインドファイアをまともに食らった二葉は、三輪が消えた壁に叩き付けられるとその場に崩れ落ちた。
    「守るために戦うことが必要ならば、戦うさ」
    「よくも……」
     憎々しげに瑠璃を睨みつけた二葉は、そのまま砂となって消えた。
     手下が次々と倒されるのを背中で感じながら、一子はひたすら大通りを目指した。
     大通りへ出れば、一般人もたくさんいるだろう。一般人を盾に時間を稼がせて、屋上へ上がれば勝算はある。
     大会で一勝もできない、落ちこぼれの弱小体操部員だったかつての自分達。
     くすぶっていた一子達に、力を与えてくれた霧子の期待に応えるのだ。
     後ろを振り返らずに進む一子に、乃麻は縛霊手を構えた。
     物凄い形相で走る一子に若干気圧されながらも、手を握り締めた。
     攻撃を受けて態勢を立て直した利恵や、屋上でなにやら手間取ったらしいサフィが一子に届くまで、ほんのわずか足りない。
     やるしかない。乃麻は霊力を展開すると、除霊結界を一子にぶつけた。
    「地元の神戸で悪い事するんを、ほっとかれへんわ!」
     目の前に展開する祭壇に、一子は一瞬だけ足を止めると、ひらりと避ける。
     その隙で十分だった。
    「右です、清浄さん!」
     上空から急襲したサフィは、利恵に一子が避ける方向を指示する。
     右へ避けた一子に、マジックミサイルが突き刺さる。
     肩を貫かれ、速度を落としながらも進むことをやめない一子に、利恵の拳が追いついた。
     放射状に放たれる霊力が、一子を縛る。あと一歩で大通りというところで足を止めた一子は、息も絶え絶えに利恵を振り返った。
    「あ、あんたたち……」
    「勇気ある告発を行う者を、僕は守ってみせる!」
     決意と共に強められる捕縛に、一子の体は崩れて去った。


     強化一般人達が消えた路地に、サフィは祈りを捧げた。
     終れば逝く魂に祈りを捧げ、永遠に安らかであることを祈る。
    「ヴァンパイアはこの場にいない……ですか」
     祈りを終えたサフィは、顔を上げると仲間を振り返った。
    「他人を使うだけなんて卑怯、思うです」
    「自分で撒いた種の、報いは受けさせてやるぜ、社長さん!」
     ヴァンパイアの不在を残念そうに、源治は拳を振り上げた。
     戦闘跡を消した灼滅者達は、正田が避難した屋上へ向かった。
     屋上から戦闘を見ていたらしい正田は、灼滅者達に少し怯えたようだった。
    「君たちは……一体……」
    「わたしらにも、色々あるんよ。でもまー……無事で良かったわぁ」
     緊張を隠せない正田に、乃麻はふんわりと笑いかける。
     その笑顔に、正田も表情を和ませた。
    「そう、ですね。いろいろありますよね」
    「君が、矢代の悪事を告発しようとしてるのは知っているよ」
     利恵の言葉に、正田は納得したように頷いた。
    「ひょっとして、あの女子高生たちは社長が……」
    「そう。……君の勇気は、決して矢代などに負けはしない。だから、君は君の道を貫いて欲しい」
     女子中学生には似つかわしくない、成人男性のような言葉遣いに、正田は驚いたように目を見開いたが、やがて頷いた。
    「僕は、社長の悪事を告発します! そして、きちんと責任を負わせなければ」
     決意を新たにする正田に、瑞樹は頷いた。
    「もう襲撃はないと思うが、駅まで送ろう」
    「あ、ありがとうございます」
     頭を下げる正田と共に、灼滅者達は駅まで向かった。
     矢代商事の不正が暴かれ、新聞や雑誌をにぎわせるのは、もう少し後のことだった。

    作者:三ノ木咲紀 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年5月15日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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