様々なポロリを求めて……

     黒乃・璃羽(ただそこに在る影・d03447)は、こんな噂を耳にした。
     『色々なパターンでポロリを求めて、色々と仕掛けてくる都市伝説が海に現われた』と……。
     この都市伝説は海に出没しており、ありとあらゆる手段を使って、相手をポロリさせているようである。
     そのため、沢山の釣り人達がポロリしているらしく、色々な意味で問題になっているようだ。
     しかも、都市伝説がいるのは、海の中。
     無理に近づこうとすれば、ポロリを連発。
     あっという間に、全裸である。
     ただし、全裸であれば、都市伝説の力で、ポロリする事がないため、ボッコボコにする事が出来るらしい。
     そう言った事を踏みえた上で、都市伝説を倒す事が今回の目的である。


    参加者
    レナ・フォルトゥス(森羅万象爆裂魔人・d01124)
    若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426)
    黒乃・璃羽(ただそこに在る影・d03447)
    クリミネル・イェーガー(迷える猟犬・d14977)
    草壁・夜雲(中学生サウンドソルジャー・d22308)
    日輪・真昼(汝は人狼なりや・d27568)
    癒月・空煌(医者を志す幼き子供・d33265)
    シエナ・デヴィアトレ(保管技術修練中・d33905)

    ■リプレイ

    ●ポロリの前触れ
    「海と言えば夏、夏と言えばアイス♪」
     日輪・真昼(汝は人狼なりや・d27568)は半ば遠足気分でアイスクリームを食べながら、仲間達と共に都市伝説が確認された海に向かっていた。
     都市伝説は半魚人のような姿をしており、特殊な力を使って様々なポロリをさせているようである。
     そのせいか、コーンの上に乗ったバニラアイスが、ポロリしそうなほどにグラついていた。
    「また、ロクでもない変態が現れたんだよ。キッチリ灼滅しないとね」
     草壁・夜雲(中学生サウンドソルジャー・d22308)が、深い溜息をもらす。
     色々とツッコミどころが満載ではあるが、相手にする事さえ馬鹿らしい。
     そのため、何も考えずに灼滅した方が、色々な意味で幸せになれそうである。
    「自分で聞いてきた噂ながら何てお馬鹿な都市伝説なんでしょう。しかし『色々なパターン』、これが何種類あるのか少し気になります。ぜひ感心する程にバラエティに富んだパターンを見せて欲しいものですね」
     黒乃・璃羽(ただそこに在る影・d03447)が、ボソリと呟いた。
     都市伝説がどれだけバリエーションに富んだポロリをしてくるのか分からないが、パターンさえ分かれば怖い物はない。
    「いろいろ、ぽろりですか……」
     若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426)が、足元を眺める。
    「めぐみには縁のない話ですね」
     その目元には薄っすらと涙が浮かんでいた。
    「全く……ポロリ云うから水着とか下着がポロリとかサクランボがポロリとかおもったやないか……あぁ恥ずかしいわ!」
     クリミネル・イェーガー(迷える猟犬・d14977)が、妄想を膨らませる。
     都市伝説が現れた事で、様々なモノがポロリしているらしく、魚達の臓物や目玉もポロリして、酷い状況になっているようだ。
    「裸なんて故郷の海では普通でしたの。裸になるのが授業料と考えれば格安ですの」
     そんな中、シエナ・デヴィアトレ(保管技術修練中・d33905)が、さらりと流す。
     生まれ故郷の影響なのか、裸を見られる事に対して羞恥心はない。
     それよりも怖いのは、通報されて補導される事である。
     幸い、辺りに人影がないので、通報される心配はないものの、用心に越した事はないだろう。
    「……それにしても、何をどう考えたら、こういう状態になるのかしら?」
     レナ・フォルトゥス(森羅万象爆裂魔人・d01124)も、すっかり呆れ顔。
     都市伝説が何処に潜んでいるのか分からないが、見た目からして海の中に潜んでいると考えるのが妥当だろう。
    「とりあえず、回収はどうしようかね? 海でしか効力ないから微妙ですし、戦闘で役立つかな?」
     癒月・空煌(医者を志す幼き子供・d33265)が、不思議そうに首を傾げる。
     ある意味、使えそうな気もするが、それだけは会ってみないと分からなかった。

    ●ポロリの嵐
    「それにしても、静かですね」
     空煌は海の前に立って、ゴクリと唾を飲み込んだ。
     時期外れも影響しているのか、海はガラガラ。
     全くと言っていいほど、人の気配がない。
     気になる事と言えば、ゴミがポロリと落ちていたり、放置された自転車からチューブがポロリとしている事くらい。
    「あ……」
     その途端、真昼がなけなしの御小遣いで買ったアイスクリームが、無惨にもぽろりと地面に吸い込まれた。
    「ひっく……ぐす……あいす……」
     真昼は一瞬、何が起こったのか分からなかったが、全てを理解した後、その場にストンと崩れ落ちた。
    「まさか、これも都市伝説の力が影響しているの……? とりあえず、ジュースを買ってあげるから落ち着いて」
     そう言ってレナが自販機の前で財布を開く。
     それと同時に大量の小銭がポロリと落ち、そのまま排水溝の溝に飲まれていった。
     しかも、化粧がポロリ。
     まるで仮面の如く不自然な形でポロリした。
    「どうやら、来た様やな」
     釣り上げようとした魚が手元からポロリと落ち、クリミネルが警戒した様子でサラシ(ダイダロスベルト)を締め直す。
    「クククククッ……、この日をどれだけ待ち望んだ事か。……ようやくだ! ようやく、人間達をポロリさせる事が出来る……!」
     都市伝説が海の中から顔を出し、『待っていました』とばかりにクククッと笑う。
     今まで人間以外のものしかポロリする事が出来なかったため、かなりストレスが溜まっていたらしく、何やら無駄にハイテンション!
     『現在、サービス期間中につき、ポロリ大解放中!』と言わんばかりに、辺りのモノをポロリさせている。
    「ヴィオロンテ、何故わたしの体を隠しますの?」
     シエナがハッとした表情を浮かべる。
     いつの間にか、生体マニピュレーター『ヴィオロンテ』が、勝手に蔦を伸ばしてシエナの裸体を隠していた。
    「君が脱いでるからって、人をポロリさせて良いわけじゃないんだ」
     夜雲が不機嫌な表情を浮かべて、服の上からパーカーとマントを羽織る。
     その途端、羽織ったはずのマントが、ポロリと落ちた。
    「ふむ……成程。それでは次はこれをポロリしてみて下さい」
     そんな中、璃羽が表情ひとつ変えず、都市伝説に迫っていく。
     そのたび、帽子がポロリ、浴衣がポロリ、シースルーがポロリ、水着がポロリと落ちていったが、それでも無表情のまま。
     長い髪と不自然な光が璃羽の身体を隠しているが、あまりにもきわどい姿をしているため、仲間達が視線のやり場に困っていた。
    「ば、馬鹿なっ! この状況で動揺しない……だと!? お前は痴女か、変態か! こういう時は、恥じらいを見せてこそ、萌えがある! それとも、グロ路線でのポロリを望んでいるのかっ!?」
     都市伝説がパニック気味に叫ぶ。
     どうやら、予想の範囲を超えていたらしく、どうしていいのか分からなくなっているようである。
     それでも、ポロリをさせるため、何やら念を込めているが、璃羽は動揺ひとつしていない。
    「とりあえず、皆を悲劇のどん底に突き落とす都市伝説は一刻も早く灼滅しないと」
     すぐさま、めぐみも璃羽の後に続いたが、その影響でワンピース型のお子様水着の肩紐がぷちんと切れてポロリした。
    「めぐみの水着が脱げても期待するような出来事は起きませんよ……くすん」
     その途端、スク水を模したボディペイントがあらわになった。
     こうする事で裸になっても、恥ずかしくなかったはずなのだが、めぐみの顔は耳まで真っ赤。
     流石に我慢の限界に達したのか、恥ずかしそうに頬を染め、その場に素早くしゃがみ込んだ。
     それに気づいたナノナノのらぶりんが、心配した様子でめぐみのまわりを飛び回り、まわりに警告するようにして『見ちゃ駄目』のポーズを繰り出した。
    「こんなの、海の中に入っちゃえば問題ないよっ!」
     そう言って夜雲が海にざぶんと飛び込んだ。
     これには、都市伝説も大焦り。
    「く、来るなァ! 頼む、来ないでくれ!」
     青ざめた表情を浮かべて、悲鳴を上げた。

    ●ポロリマスター
    「すいませんが、これも依頼なので……」
     シエナが申し訳なさそうな表情を浮かべる。
     その間もヴィオロンテがポロリされまいと体に絡みついていた。
    「そ、それ以上、近づいたら、もっと凄いものがポロリするぞ」
     都市伝説が涙を浮かべて警告する。
     何とかしなければいけない事は分かっているが、焦っているせいか思うように力が働かない。
     それどころか、ジリジリと追い詰められて絶体絶命。
     例え、反撃したとしても、フルボッコ確定である。
    「さぁ、ポロリな都市伝説を名乗るのなら、裸の相手も何かをポロリさせられる様に進化を遂げてみせて下さい」
     それでも璃羽は躊躇う事なく、淡々と前に進んでいく。
     そこに迷いはなく、恐怖もない。
     それ故に、途中で立ち止まる事もないようだ。
    「ど、どうやら、俺を本気で怒らせちまったようだなァ! そこから一歩でも動いてみろ! 髪の毛や目玉がポロリしちまうぞ!」
     都市伝説が怯えた様子で答えを返す。
     一応、それだけの力は持っているものの、動揺しているせいか上手くいかないらしく、小声で『あれ? おかしいな』と呟いている。
    「あたしに何をしてくれた怒り、ぶつけてくれるわー!!」
     その隙にレナが都市伝説をボッコボコ。
     もう何も怖い物はない、もう何も……!
    「ちょっ、待て、早まるな! 話せば分かるっ! た、頼むから話を聞いてくれ!」
     都市伝説も必死に説得を試みるが、レナの耳には届いていない。
    「アイスクリームの恨み(お小遣い一月分)は恐ろしいのです」
     続いて真昼が殺気立った様子で、都市伝説に攻撃を仕掛けていく。
     ある意味、これはアイスに対する敵討ち。
    「アハハハハハハ、全部君の所為だよ。ここで消えてもらうんだよ」
     夜雲も虚ろな目で、都市伝説をブン殴る。
    「誰か……俺の……話を……」
     最期には都市伝説も根を上げ、ばたんきゅー。
     それと同時に空煌と間合いを詰め、都市伝説を取り込んだ。
    「あ、あの……これ」
     その途端、空煌が後ろを向いたまま、シエナに白衣を渡す。
     シエナはキョトンとした表情を浮かべていたものの、空煌が困っていたようなので、とりあえず白衣を着る事にした。
     その間にめぐみがアイテムポケットからバスタオルを取り出し、仲間達に配っていく。
     真昼はニホンオオカミの姿になって、ぷるぷると体を振ると、身体についた水気を払った。
    「……さて……男性陣はナニも見んかった?エェね?」
     クリミネルが笑わぬ笑顔で、男性陣に凄む。
     男性陣も異論はなかったらしく、何度も力強く頷いた。
    「でも、また、こういうの、出るのかな」
     そんな中、夜雲が気まずい様子で汗を流す。
     出来る事なら出てほしくないが、もうすぐ夏。
     そう言った意味でも、再び現れてもおかしくない。
     今はただ出ない事を祈るのみである。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年5月5日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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