最後の命安らげぬまま

    作者:幾夜緋琉

    ●最後の命安らげぬまま
    「ははは……まったくそんな訳ねーじゃん!」
    「いや、これがマジなんだって!! この学校って、昔、不審な死を遂げたヤツが居るんだってよ!」
     深夜の学校……その敷地内にある、合宿用の建物の中から響く、学生達の楽しげな声。
     既に時間は深夜を回っており、寝るべき時間だけれども……やっぱり合宿という時間だからこそ、積もる話が積もりすぎて、こんな時間にまでなってしまった。
     ……しかし流石に時間も時間……強い眠気が、次第に襲ってくる。
    「ふぁあ……って、そろそろ寝ねぇ? 流石に明日、みんな揃いも揃って寝坊しちゃ不味いだろ?」
    「ん、だなぁ……」
    『……ガタン』
     誰かがそう言った瞬間……不穏な音。
     その音は、入口の方から聞こえてきた……無論、この時間に中に、誰かが入ってくる様な事は普通あり得ない。
    「……なぁ、聞こえたか?」
    「ああ……何だろ?」
     そう言いながら、学生の一人が扉を開ける。
    『……ウゥゥァ!!』
     扉を開けた瞬間、襲いかかってきたのはゾンビ。
     そのまま馬乗りになられ、喰われる彼……そんな彼を見て……狂気に陥る学生達。
    「うわぁぁなんだなんぁよぉおおおおおお!!」
    「不味いよ、逃げろにげろおお!!」
     仲間を助けることなく、その場から逃げていこうとする学生達。
     しかし……そんな学生達を待ち構えていたかの様に、数匹のゾンビ達が待ち構えていて……一人残らず、喰われてしまい、そして……その死体を、ゾンビ達が連れ帰っていったのである。
     
    「皆さん、おそろいの様ですね。では、説明を始めさせて頂きますね」
     五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)は、クリス・ケイフォード(小学生エクソシスト・dn0013)を含む、教室に集まった灼滅者達に軽く頭を下げながら説明を行う。
    「今回皆様にお願いしたいのは、ダークネスの討伐です。私の未来予測にて、合宿の為に学校に泊まっている学生達を、ノーライフキングの配下の眷属であるゾンビ達が殺してしまう様なのです」
    「ダークネスの彼らは、バベルの鎖の力による予知がありますが、私の予測した未来にしたがって頂ければ、その予知をかいくぐりダークネスに迫ることが出来ます……なので、私の予知に従って頂きたいのです」
    「無論ダークネスらは大変強力な敵です。しかしダークネスを灼滅する事は……」
    「ええ……僕達の役目。大丈夫……解っています」
     姫子にクリスが強い意志を含んだ瞳で頷くと、姫子は。
    「そうですね……厳しい戦いになるかも知れませんが、協力をお願いします」
     と頷く。
     そして続けて姫子は、相手にするべく敵について説明を加える。
    「眷属達は深夜、丑三つ時の刻に合宿棟の近くに現われます。そして現われると同時に、入口に向けて集まり、そして集まった所で突入してくる様なのです。皆さんは、眷属らが集まった瞬間を見計らって、奇襲を仕掛けて欲しいと思います」
    「眷属達は、ゾンビが9匹……しかしその内1匹は、他のゾンビ達に比べて数段格上の者の様で、攻撃力、体力共に高い者の様です」
    「つまりその他の8匹のゾンビ達は、その力量的には皆様と同等ですが……相対的な実力は、相手側の方が上となります。油断はなさらない様にお願いします」
    「尚、ボスゾンビは後衛に位置し、彼は遠隔攻撃を持つ為、後方からの攻撃が可能です。残る七匹のゾンビ達は前衛に属し、壁となる様に立ち塞がる様です。幸い、特にバッドステータスを付加する攻撃はない様ですが……」
     そして姫子は皆を最後に見渡して。
    「私達には未来予測の優位はありますが……それでもダークネスの戦闘能力は皆様以上です。なので決して油断せずに向かってください。宜しくお願いします」
     と、頭を下げたのである。


    参加者
    円・影華(影繰り・d00873)
    アスリィ・ロートン(華麗で優美に情けない・d00988)
    高坂・由良(プティムーランルージュ・d01969)
    忍長・玉緒(しのぶる衝動・d02774)
    エルファシア・ラヴィンス(奇襲攻撃と肉が好き・d03746)
    東堂・汐(あだ名はうっしー・d04000)
    青宮・珠洲(泡の人魚・d04548)
    坂村・未来(中学生サウンドソルジャー・d06041)

    ■リプレイ

    ●闇より呼ぶ声
    「……ここ、だね」
     努めて静かに、クリス・ケイフォード(dn0013)が告げる。
     目の前にあるのは、とある高校の合宿所。周りはすっかり闇夜に包まれており、何処か不気味さを感じる。
    「ああ……現われるのはゾンビ……Living Dead、か……こいつらも、結局は被害者な訳なんだがな……」
    「うん。ノーライフキングによって眷属にされた人達だね……僕達の力が及ばなかったばかりに、少し悔しくもあるけど……だから、ここで食い止めないといけないんだ」
     坂村・未来(中学生サウンドソルジャー・d06041)にクリスは軽く拳を握りしめる。
     そんなクリスに、そーっと後ろから近づく影……東堂・汐(あだ名はうっしー・d04000)。
     そして彼が再度、建物に向けて視線を向けた時。
    『……わぁっ!』
    「ヒッ!!」
     怯えた声を上げるのは、彼ではなく……アスリィ・ロートン(華麗で優美に情けない・d00988)。
     その腕に抱いた霊犬のエレノアをぎゅうぅ、と抱き寄せる。
    「……ダメだよ、ほら、怖がってるじゃないか」
    「お、おう……クリスって、ゾンビとか怖く無いのか?」
    「それは、少しは怖いよ。でも……怖がっていたら、ノーライフキングなんて倒せない、だからね」
     その目には、静かに燃え盛る光。
     ……そして、アスリィへ。
    「アスリィ、ごめんなー?」
    「い……イヤイヤ……コワイワケジャナインダヨ?」
     カタコトしゃべり担っているので、怖かったんだろうなぁ、と容易に想像出来る訳で。
     閑話休題、気を取り直して。
    「しかしなぁ、合宿とか、私まだ行ったことないから若干うらやましいぜ、この学生達がな。そこで肝試しとかするのもやっぱり定番として楽しいんだろうけど、今回みたいなホンモノは勘弁だよなー」
    「ええ。いやぁ、動く死体なんて言う者は嫌だねぇ……何が嫌って、死体なのに動いているのとか。それじゃ本当に死体かよ! とか、そもそも死体自体やっぱり見るのがむっちゃキモイというかだね」
    「……やっぱり……怖い?」
    「いやいや、違う違う、ホントウニコワイジャナインダヨ!」
     青宮・珠洲(泡の人魚・d04548)のツッコミに再度慌てて否定するのを、円・影華(影繰り・d00873)が。
    「まぁまぁ二人とも、もう突っ込むのはやめておいてあげましょう。あんまり時間も無いからね?」
    「そうだな。今アタシ達がやるべき事は奴らの灼滅……だ」
    「だな。私も別にコワイとかないし。ばっちり倒すぜ!」
     未来、汐の言葉……未来の手に握りしめたチェーンソー剣。
    「……ゾンビ相手にチェーンソー、なんてお約束な、って言うの、禁止な」
     事前に釘を刺しておく、ぬかりない未来なのであった。

    ●闇の眷属訪れし頃
     そして少し時間が経過。
     しっかりエレノアを抱きかかえて怖さを紛らわしているアスリィに、エレノア自身は何処か迷惑そうな表情を浮かべているが……それはさておき。
     ……そして、丑三つ時の頃。灼滅者達が監視している中に……9匹のゾンビ達が、合宿場から少し離れた所に現われる。
    「……出てきましたわね」
    「ええ……」
     高坂・由良(プティムーランルージュ・d01969)に、忍長・玉緒(しのぶる衝動・d02774)は唇を噛みしめ、スレイヤーカードを解除。
     それに併せて他の灼滅者達も、一斉にスレイヤーカードを解除し、戦闘態勢を整える。
     ……そしてジリジリとリビングデッド達が、合宿場までにじりよる。
     そんなリビングデッドの動きを見極めながら、アスリィは。
    「えーっと……一般の子達が出てこない様に、殺界形成を使うんだったっけ?」
    「ええ。そして出てこなくなったところに奇襲攻撃を仕掛けるのよ。奇襲攻撃とは燃えるわよね。テンション上がってきたわ」
     アスリィにエルファシア・ラヴィンス(奇襲攻撃と肉が好き・d03746)が嬉々として答える。
     そして、リビングデッド達が入口に到達したタイミングで。
    「……宜しい、ですか?」
    「うん。行くわよ!! これが私の奇襲攻撃、喰らいなさい!!」
     珠洲とエルファシアが殺界形成をリビングデッド達の空間に放つ。
     続けて灼滅者達が次々と、リビングデッドと合宿場との間の辺りに割り込んでいく。
    「リビングデッド達。生きる権利を踏みにじる様な事を、人の未来を勝手に奪う事を……許す訳にいきませんわっ! 高坂由良、華麗に魅せて差し上げましてよっ!」
    「そう。命は大切なもの。私はそう教えられた。だから、命無き死体に好き勝手奪わせる訳にはいかないわ。一体とて残さず、この世から灼滅してあげる!」
     由良と玉緒が、強い意志と共に宣告すると、すぐさま玉緒が放つは結界糸。
     敵の中でも、一際身体の大きい、強力な気配を放つリビングデッドに向けて放ちながら
    「もし、そこから先に踏み込もうっていうのなら、覚悟して貰うわよ?」
     と告げる。
     無論リビングデッド達は、それで退くような事は無い。それに。
    「フッ……君たちには悪いけど、排除させて貰うよ」
     とカッコ良く告げた後……。
    「……ささっ、エレノア先生、よろしくお願いします」
     何度となくやってきたとしか思えない、洗練された流れとフォームで霊犬のエレノアに対して土下座するアスリィ。
     ……そんな土下座に呆気にとられていると……。
    「お待たせしました。微力ながら、助太刀に参りました!」
     燐が叫び、サポートする為に参加した者達が、リビングデッドを取り囲むように構える。
    「……ありがとう、みんな」
     そうクリスは軽く微笑みを浮かべつつ、再度真っ直ぐの視線を能力者達に向けて向ける。
     そして汐、未来と、エレノア、更に由良の霊犬のアレクが前線に構える。
     また、玉緒に対し、悠が闇の契約を使用する。
    「……行くぞ」
     未来は自分を含む前線列にパッショネイトダンスで術アップ。
     そして補助を受けて汐、エレノア、アレクがそれぞれ鋼鉄拳と斬魔刀で、立ち塞がるリビングデッドをなぎ払う。
     そして中衛には、影華、エルファシア、アスリィとクリス。
    「クリス。これを!」
     友衛がヴァンパイアミストを掛ける一方、空もパッショネイトダンスで更に補助。
     仲間達のサポートに、軽く頭を下げつつ、中衛、まず影華は。
    「その武器を封じるわ!」
     影華がセイクリッドクロスで武器封じを及ぼす一方、エルファシア、アスリィ、クリス三人は。
    「狙いは汐さんのねらった相手を中心に行くわよ!」
     エルファシアの指示に合わせ、ジャッジメントレイとギルティクロス、そしてフリージングデスで攻撃。
     更にサポートに参加する仲間達からも。
    「こっちも続くぞ!」
     双人の言葉に頷いて、彼のスラッシャー、秀一の黒死斬、ジャックの戦艦斬り。
     蒼桜、ウツロギ、梗香がバスタービームを使い、次々とリビングデッドを苦しめていく。
     そして、対するリビングデッドらの攻撃。
     9人の内8人のザコゾンビ達は、前衛で立ち塞がり、残るボスゾンビのみが後列。
     しかし後列のボスゾンビは遠隔攻撃を射出し、前後衛全ての能力者達に攻撃を仕掛けてくる。
    「手数が多いですね……でも、負けません。光よ、皆さんの傷を癒して下さい」
    「そうですわね。この癒やしの光で包み込みますわ!」
     両者のヒーリングライトが前衛、中衛を癒す。サポートの文、地アミ、美穂もヒーリングライト、ヴァンパイアミスト、清めの風と行った手段でそれぞれ回復を補助する。
     第二ターン……その時。
    『……なんだよ、なんか五月蠅いぞ?』
    『だから見てこいよ!』
    『えー? でもなんかコワイしよぉ……』
     そんな学生達の声が聞こえてくる……この中に居る学生達が気づいてしまったのだろう。
    「大丈夫、こっちに任せろ! 修也」
    「ああ、了解」
     修也と矜人二人が合宿所に入り、プラチナチケットで偽装工作を図る。
     また蘭世も。
    「すみません、お騒がせして、です……」
     と、少年達に説明する。
     その結果、学生達は眠気と、恐怖心に包まれて……さっさと寝るわという事で部屋に戻っていく。
     どうにか一般人の誤侵入は防ぐことが出来た様であるが……まだまだ目の前の敵は9人のまま。
    「本当ね……動かぬ骸に戻るといいわ!!」
     と玉緒が続けて封縛糸で攻撃を行うと、汐も鋼鉄拳、未来もズタズタスラッシュで次々攻撃し……まずは一体目を打ち倒す。
     そして続けてのターゲットは。
    「今度はその左ので行きましょう」
    「解りました。エレノア先生も、一緒にお願いします」
     影華にアスリィが、エレノアに指示……というかお願いしつつ、影喰らいから始まりギルティクロスと斬魔刀。
     そしてエルファシアとクリスも。
    「クリス、一緒に行くわよ!」
    「了解だよ」
     ジャッジメントレイとフリージングデスで攻撃。
     ……そしてリビングデッドらの攻撃が、変わらず次々と放たれると、再度由良、珠洲を中心にした範囲回復で、その傷を決して次に残さないようにする。
     三ターン目、四ターン目……と、その攻撃が少々かわされやすく鳴ってくるのに気づくと。
    「そろそろ頃合いね、手段を変えるわ!」
    「……了解」
     玉緒に頷く未来。
     それぞれティアーズリッパーと、チェーンソー斬りに一端切り替え。
     中衛側も、影華が斬影刃、エルファシアがセイクリッドクロス、アスリィはバレットストーム、そしてクリスも援護射撃でそれぞれ攻撃し、見切り効果をリセットする。
     そしてリセットした後は、再度攻撃手段を戻して、リビングデッドを確実に一匹ずつを仕留め続ける。
     勿論、敵の数が減ればその分、敵から受けるダメージも減る訳で。
    「……珠洲さん、こちらも攻撃に行って良いかしら?」
    「あ……はい、回復は任せて下さい」
    「ありがと。ではいきますわよ!」
     由良は意気揚々と、ジャッジメントレイで攻撃。
     一方珠洲は、しっかりとヒーリングライトで回復を施し、回復は決して不足する事は無い。
     攻撃の手数が一つ増え、殲滅スピードもほんの僅か上昇する。
     無論、その間にもサポートで参加している仲間達の手数の追加もあるが、確実に一匹ずつを仕留め続けて行く。
     そして五体以下に数が減ったタイミングで、玉緒が。
    「相手は人ならざる者。なら、この衝動を向けても構わないわよね?」
     と鏖殺領域を仕掛け、そしてエルファシアや影華、汐らが。
    「もうそろそろいいわよね?」
    「ええ……聖なる領域に苦しみなさいな」
    「喰らえっ!」
     今までの攻撃から、少し単体を重視した攻撃手段にシフトし、確実に敵の数を減らして行くのであった。

     そして、大体10ターンが経過し、全ての前衛のリビングデッドを倒し、残るはボスのリビングデッド一匹のみ。
    「……後一匹よ、皆……後一息、頑張りましょ」
     そんな玉緒の言葉に頷きながら、完全なる包囲網を築く灼滅者達。
     リビングデッドは虚ろな視線をぐるりと巡らせる。
    「……しかし、一歩間違えれば、私もあちら側になっていたのですか……おぞましい因果ですね、っと」
     そう影華はぽつり呟く……エクソシストとして、闇墜ちした先は……ノーライフキングに誓い存在。
     つまりは……死した生ける者。
    「……だからこそ、一人でも多く助けたいんだ。助けるのは、僕達の宿命だからね」
     そんな影華に、クリスは一言告げる。
     そしてその言葉にこくりと頷きながら。
    「みんな、一気に連携で仕掛けて行くわよ!!」
     というエルファシアの指示に。
    「解りました。エレノア先生、斬魔刀の攻撃でお願いします」
     アスリィが頷き、攻撃手段をシフト。
     由良の霊犬、アレクは攻撃手段を六文銭射撃にして、リビングデッドに組み付いていく。
    『ウ……ガァァァ……!』
     そんな呻き声を上げるリビングデッド……だが、一切の容赦をする事無く。
    「時に鞭の様に、時に網のように……千変万化の鋼糸に、いつまで耐えられるかしら?」
     くすりと玉緒が笑みを浮かべつつ、封縛糸とティアーズリッパーを次々と切り替えながら攻撃。
     汐、未来もそれぞれ攻撃を切り替え、着々とダメージを積み重ね、リビングデッドの体力を削りさっていく。
     そして……15ターンが経過した頃。
     既にもうボロボロのリビングデッドに対し、由良が。
    「さぁ、生きている者には未来と希望を、死した者には安らかな眠りを……これが在るべき姿ですわ。そうでしょう?」
     と宣告。
     無論感情のないリビングデッドが、それに何等かの感情を返すことは無いが。
    「さぁ皆さん、トドメ刺しますわよ!」
    「ええ……ここで、決めます……!」
     由良と珠洲の言葉に頷く。
     そして……珠洲が放つセイクリッドクロスがボスリビングデッドの身体を撃ち抜くのに続けて。
    「……さぁ、墜ちなさい!」
    「魅せて、さしあげますわ!」
     由良とエルファリアの連続攻撃に、最後の敵も崩れ去るのであった。

    ●安らかなれど
    「……Rest in Peace。せめて、汝らの魂に幸いあれ……って所、か」
    「ええ……中学生さん達を守れてよかった、です……」
     未来と珠洲が頷き合う。
     そして、リビングデッドの骸を暫し見下ろしながら……。
    「……っ!」
    「……? どうしました?」
     玉緒がぶんぶんと顔を振ったのに、珠洲が気づく。
    「いえ…………いけないわ。戦闘は終わったって言うのに、無意識で死体を解体しようとしてた……唯の死体に戻ったモノまで辱めるのは『人間』として良く無いわ。ちゃんと、供養してあげないと……ね」
    「そうですね……彼らも、被害者だったのかもしれませんし……しっかりと、弔いましょう……クリスさんも、手伝ってもらえますか?」
    「うん……勿論」
     玉緒に珠洲とクリスがそれぞれ頷いて、そして……リビングデッドの骸を、皆協力して人目に付かない所へと運び、埋葬。
     そして……息を吐くと共に。
    「……さぁ帰ろう、早く帰ろうすぐ帰ろう、特疾く!!」
     アスリィがとても切羽詰まった声で言うのに、周りの仲間達は。
    「まぁまぁ、もういないんだから、そんなに怖がらなくてもいいでしょう?」
    「でも早く帰りたいのですよ!!」
    「あー。うんうん、そうねえ皆、焼き肉食べに行こうよ! お腹へっちゃったし!!」
     これまた唐突なエルファシアの焼き肉への誘い。
     それに。
    「まぁ……そうだね、お腹は確かにちょっと減ったし、それもいいかもね」
    「ええ! それじゃ行きましょ!!」
     と、さっさとクリスの手を引いて連れて行くエルファシアなのであった。

    作者:幾夜緋琉 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年9月24日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 12/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 2
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