運動会2015~ヤツを乗り越え星になる大玉ころがし

    作者:那珂川未来

    ●運動会
     今年の武蔵坂学園の運動会は、5月31日に開催されます。
     組連合に分かれ、チーム一丸となって勝利を目指すけれど……勝ち負け以外に、思い出や充実感を得られる学校行事。みんなで様々な競技を楽しみつつ、盛り上げていこう!
     
    ●その大玉が越えてゆくもの
    「今回もあるんですね……」
     MUSASHIのビラに目を通し、レキ・アヌン(冥府の髭・dn0073)は呟いた。戦の凄さの上乗せを予感させつつ「MUSASHI」のテッペン具合を前面に押し出しまくるかのように、「二天一流」とか書いてありますけれども。
    「レキちゃんは出るの?」
     仙景・沙汰(大学生エクスブレイン・dn0101)が尋ねれば、レキはぷるぷると首振りつつ、
    「いえ! 出だしで華麗に消えるのは目に見えてますから、ギャラリーの一部になろうと思ってます。僕は選抜競技の大玉転がしに出ようかと」
     これですと、レキが競技の内容の書かれたプリントをぴらり。
    「えーと、ヤツを乗り越え星になる……ってオイ。こっちはこっちでなんか凄い意味不明なキャッチコピーが書いてあるんだけど……」
     キラリ光弾くグラサンの向こう、無表情でツッコミ入れている沙汰。
    「あ、はい。なんか今回は、大玉を転がしつつ傾斜とか、障害物となっていただく人を乗り越えながら、ゴールを目指すという……」
     
     というわけで説明しよう!
     三名以下でチームを組んでスタートし、5m先に置いてある四枚のカードの中から一つを選びとり、そのカードと同じ色の直径1.5m前後の大玉を転がしつつゴールへと向かう。
     コースは直線。
     その大玉の色によって違う、途中にある障害物、もしくは障害人物がいるので、大玉を上手く使って突破し、ゴールを目指す!
     因みに。
     赤い大玉の先にあるのは、傾斜20度のスロープ。勢い付けて突進しないと、逆走してしまう大玉に巻き込まれるぞ!
     青い大玉の先にあるのは、計十枚ものはりぼての壁。爽快に突き破れ! ただし枠にぶつかりはりぼて自体を倒すとカウントされない、うまくド真ん中をブレイクスルー!
     白い大玉は、等間隔に並んだ三角コーンをジグザグに進んでゆこう! テクニック勝負!
     そして……黒い大玉の先には妨害者。ハッ、ヤツはもしや!?

     と、ここまで説明を読み終えた沙汰。
    「……この黒い玉の先の妨害者って……ボウリングのピンのきぐるみとか着れと言わんばかりの色とフリだよね……」
    「いえ、そうでもないですよ? もふもふきぐるみで、お前にモフが倒せるかーってやっても楽しそうです!」
     僕だったら、まるっこいひよこさんになって、ぶつけられても痛くないようにしますとレキ。
    「つーか、この星になれとか言っているわりには、星と思しき部分がどこにあるのかわからないのは俺だけ……?」
    「優勝してスターになれって意味じゃないですかね?」
     星の意味はこの際気にせずにいくとしてだ。
     何やら工夫次第で、面白い事になりそうな気がしないでもないこの大玉転がしである。
     年に一度の運動会。
     もちろん優勝目指し、そしてもちろん精一杯楽しめるように。
    「ね、よかったらキミもエントリーしてみない?」
     チラシを手に、レキはにぱっと笑った。


    ■リプレイ

    ●第1レース
     四色の大玉の向こうにちらちら見える、スロープにコーンにはりぼて、大玉を転がすには難儀しそうな障害物と、もふもふひよこ(但しハシビロコウ的メヂカラ☆)のきぐるみ纏い、凛々しくコース上にお立ちになられるセレスと、同じくもふもふひよこ(つぶらなヒトミ☆)のきぐるみ纏い待機中のレキの姿が其処に在った。
    「世の中もふもふには手を出せない人が多いと聞いてな」
    「あ、はい。そう言いますけど……セレスさん、あのー」
     目に力を持たせてモフに対する抵抗力のある人対策も完璧、と自画自賛しているセレスへレキが物言いたげな顔。どうしたと尋ねるより早く、ピストル音。運命競争の要素も入ったドキドキな大玉転がしの一組目がスタート!
    「これは黒……ヤツですか」
    「えっと……10枚のハリボテの真ん中を通していくんですね」
    「……大きい、ねぇ」
     いの一番にカードを手にした菖蒲は、セレスの姿をみとめ呟いた。
     フリルは紅白帽が風に飛んで行ってしまわないか気にしながら、青の大玉を転がして。
     自分より頭二つ分以上の赤い大玉を相手に前が見えない千影は、あっちへふらり、こっちへふらり。そのせいか、勢い足らずも折角登り掛けたスロープから大玉逆走!
    「ふぇぇ、まってー」
     何とか掴むもそのまま大玉に張り付いたような状態で、一緒に転がってしまう千影!
    「痛いし、目が回るー。どんな状態ー?」
     悲しくもスタートまで出戻り食らう千影。しかしめげたりしない! 女の子だもん!
     大丈夫でしょうかと心配しつつも、慎重に玉を転がして真ん中をぶち抜いてゆくフリル。そんな彼女とは打って変わって、ふんすふんすと気合入れつつ転がすのは丹だ。
    「いつも転がって移動しとるウチが大玉ころがしの『みょぉー』を見せるんよぉ!」
     ドドドドドーっていう効果音を幻視しそうなほどの勢い。
     一方、黒き大玉の先で翼を広げ、ハシビロコウさん的メヂカラから迸る威圧を受け止めつつ。菖蒲がイイ笑顔のまま大玉を転がして。
    「いざ勝負だ!」
    「まぁ……邪魔するなら容赦しませんが、ね♪」

     ぺち☆

     地面に平伏すセレス。
    「……あっさりぺちっと行かれたのは何故だ」
    「……あの、カワイイとコワイが喧嘩していると言いますか……」
     なんてレキがツッコめば、
    「ウカツ!」
     悔しがるセレスの背後では、ゴールテープを鮮やかにきって揚々と一位のお立ち台を登る菖蒲さんの姿。
    「流星になってれっつごーなんよぉ!」
     せめて二位は頂いた。何故か転がりながら大玉転がす丹。人間形態なので、早いかどうかといわれれば不明。
     そんな丹の前には、妨害役の朱香が塗り壁のような大型着ぐるみを纏い、両手にどんぶりを持って立ち塞がる!
    「かべどーん、かべどーんですわーーー」
     吹っ飛ばされようが、こけようが構いませんわの心意気で、どんぶりを両手に構えをとる朱香。
    「ぬぉーりゃぁー! のかんとウニがひーてまうんよぉ!」
     突進してくるウニをどんぶりで受け止めたら、かべどーんではなく、うにどーんになってしまう奇跡が生まれようとしているかもしれない!!
    「大玉が何故かウニみたいにトゲが生えてるように見えてますことよーっ!?」
     見えるだけで別に生えていないんですけど、何か感じて叫ぶ朱香。
     ウニはどんぶりを越え、流星になった。
     最後になっちゃったけど、丁寧に真ん中をぶち抜きながらフリルがゴール。
    「頑張りました」
     やり遂げ笑顔!

    ●第2レース
     クーガーは遊びにでも行く様な軽い調子でスタートラインに立つなり。
    「お前とはライバルだけどな、こいつに関しては手かしてやんぜ?」
     左拳を握り達郎へと突き出すと、ニヤリと笑んだ。
    「おうよ、他のやつらに俺達の『力』ってやつを魅せつけてやろうじゃねぇか」
     達郎は右拳でコツンと挨拶を返し、不敵に笑み返す。
     ライバルだからこそわかる互いの事。道化と龍がひとときの轡を並べる熱い場面のお隣で。妨害役を買って出た誠は、チームメイトにシリアスな顔付きでこう作戦説明した。
    「まず俺が上半身裸になってイケ☆メン肉体美を見せつける! その間に霧島と天瀬は構わず進んでくれ!」
     ひらりはにんにんとテキトーに印結びつつ、絶奈は淡々と暗殺をやってのけそうな顔で頷いていた。
     転がす黒玉の先には、レキがぴよぐるみを纏い立ちはだかる!
     必殺まんまるぴよアタックで跳ねかえしてみせますと決意たっぷり。ひらり、初っ端から自ら転がる秘策をぶちかますことによって、絶奈が一人で大玉コントロールという大役を押し付けた。
     そこはかとなく漂うフラグ臭を予感した誠。
    「うっかり轢くんじゃないぞ?」
    「逆らうやつぁ踏み潰せ!」
    「絶対に轢くんじゃないぞ!?」
    「不埒な妨害者が居た場合はとりあえず全力で勢いをつけて轢き倒します」
     ひらりと絶奈の目は、すでに暗夜の中作戦を遂行する忍者の顔付き。
    「忍法大玉分身! さぁどちらが本物か見破れるでござるか!?」
     その場の勢いで形だけでも騙されてくれませんかね! っていう空気を読んだレキは、
    「大玉と人の見分けが付かない人なんていませんですっ!」
     と言いながら、的確にひらりへとどーん☆
     ぶつかり合って、仲良く目を回している二人。
     そのお隣では、モカとエルが声を掛け合いながら仲良く黒玉を転がしていて。
    「パワーやテクニック重視で無いですが」
    「チームワークでカバーしましょう」
     互いの手がぶつからないように声を掛け合い転がしてゆく様は、隣と比べたらこれぞ普通の運動会ともいえる風景で。
    「目指すはMVPと言いたい所ですが、楽しい思い出にするためにも皆さんの安全が第一で行きましょう」
    「はい」
     モカとエルがふわっと微笑みあう麗しい光景に、誠がステキポーズをキメつつ仕事する。
    「さ~可愛い子猫ちゃん達~♪ 俺の美しい細マッチョ体型に見とれて飛び込んで来るが良いさ……ぶべらぁぁぁっ!?」
    「ゴールまであと少しです。ここが正念場ですね」
    「あと一息ですね、モカ様。頑張りましょう」
     今までの和やかさは嘘だったかのように、限界まで勢いを付けて一気に誠さんを轢き潰してお行きになられたモカさんとエルさん。約一名の安全は省略されたなんてハハハまさかそんな。
     クーガーと達郎の大玉も、順調にゴールを狙って鋭く回る。
    「おッッッらぁぁああああ!!!」
    「おらよっとぉぉぉぉ!」
     コーンの右へと転がした玉を、クーガーが鋭いパンチでコーンの隙間へと押し出し、それを達郎が重いパンチで打ち返し、ジグザグに進んでゆくっていう妙技は、簡単に打ち返しているように見えるけど、実は。
    「ごぐぼぉぉっ!?」
     ぶっ倒れていた誠を、ぶっ飛ばしちゃうくらいのパワー必須!(但しぶっ飛ばしたことには気づいていない)
    「いや違うな、これが俺らの『パワーテクニック』だ!」
     技巧派なんだよ俺はと訴える様に、細かなスピンをかける様に打ち込む達郎さんと、
    「テクニック? ちげえな、全てはパワーだぜ!!!」
     全てはソレがモノ言うんだと言わんげに、嬉々として拳振るうクーガーさん。
     そしてエビゾリで飛んでいった誠さんのエンドはといいますと――轢かれ、飛ばされ、自軍のコースに墜落していたなんてマサカそんなギャグみたいな話に、絶奈さんが繰り出すはお約束の展開。
    「例え身内で在ろうと悪は滅びるべきなのですから」

     ぱこーん☆

    「嗚呼……もっと爽やかな匂いの元で眠りたかった……」
     男集まるもっさい場所で、墓標の如く埋まったのでありました。

    ●第3レース
     目指すカードを手にした智巳から赤い大玉の指示。押すだけならなんとかなるはずなの、と響子は大玉へと力を込めた……がしかし、全年齢の運動会であるはずなのに、全然ビクともしない摩訶不思議!
    「智巳くん……ゴメンネ、響子がもっと筋肉いっぱいの子だったらこんな事に……」
     更に全年齢の運動会であるはずなのに、潤んだ瞳で、ぐったり大玉に持たれつつはぁはぁと漏らすから、無駄に炸裂するセクシーさに、来賓のオジサマの鼻の下が伸びたとかなんとか。
    「任せな」
     不敵な笑み零す智巳。ひと押しするだけで動きだすのはさすが男性!
     そんな絶妙なデコボコ具合で楽しく大玉を転がしてゆく智巳と響子をちらと見て。巧は負けられないなと思いながら、まずははりぼてまでスピード重視で。
     巧を置いていかないように、ライラは気を配りながら玉を転がして。障害物の距離を計算しながら、
    「……一旦止めて――いくわよ、巧」
     ライラの合図に合わせて、一旦止めた大玉に勢いを付けて転がせば、まずははりぼて一つを通り抜ける。
     一緒に転がす手と手の距離。
    (「ライラとの共同さぎょー……」)
     つい雑念が頭に過ったのも仕方なし。気持ち切り替え、頭に叩き込んだルートを呼び出して、目指すのは一緒に勝利。
    「こちらも負けてはいられませんね」
    「大玉ころがしの必勝法は、転がす者同士のコンビネーションでござるよ!」
     ぞくぞくと障害に挑戦してゆくライバル達を横目に、咲耶とサーニャは頷きあって。両脇を担う二人は、いち、に、と押しのリズムを声掛けで合わせつつ、指示を仰ぎながら軽快に白玉転がして。
     まずは1個目のコーンへ突入。
    「じゃあ、いきましょうか」
    「こちら側のパワーは抑え目でござるね!」
     慎重に隙間との距離を見極め、咲耶が斜めに通すように狙いを定めてどーん。サーニャは控え目にちょいちょい押しつつ通り抜け。
    「コーン抜けたよ。押してきて」
    「了解でござる」
     みんなで声を掛け合いながら丁寧に転がして。数の利を生かして迅速に。
     次々と障害をクリアーしてゆく第3レースは接戦。
    「少し右に反らした方がいいかも」
    「……そうね」
     微調整を入れた時、ライラの肩が巧に触れて。
     巧はどきっ。二人三脚ほど密着していないし、大丈夫と言い聞かせながら。両隣のチームは難関スロープに突入。
    「陽桜ちゃん、傾斜まで来たよっ」
    「思いっきり勢いつけちゃえばいーんだよね!」
     せっせと転がしながら、レキと陽桜は勢い付けてスロープへよいしょ!
    「……わわ?!」
     伸ばしていた手が次第に曲がって、焦る陽桜。案外重い大玉。2人の力じゃ支え切れずに逆流気味。
    「レキちゃん、これ蹴っちゃってもいーい?」
     むーっと頬ふくらませ、思わず足で蹴ろうとするが。何と言いますか大きすぎて歯が立たないと言いますか。陽桜が断念しようとしていたら。
    「いくぜ、トドメだ!」
     智巳、スロープの手前で華麗に跳躍、繰り出すドロップキック☆
     坂を登りだす大玉!
    「わー」
    「すごーい!」
     思わず見ちゃう陽桜とレキ。
     勝った――ドロップキックを繰り出した体勢のまま、もうすでにやり遂げたように笑み零した刹那、テッペン付近から逆襲ならぬ逆走の大玉。

     ――ガシィ☆

    「さぁ俺を踏み台にしてボールを上へ押し上げるのだ!」
     絶妙なバランスでつっかえ棒になってる智巳さんに、驚く響子さん!
    「凄いね! マンガみたいになってるのよ……!!!」
     しかしそんな響子はこの大玉押せないので微妙に詰んでいる気がするのは気のせい。
    「……よかった。一位でゴールね」
     ほんのりと笑顔を向けて、ライラは巧に寄り添って。
    「最後の最後で失敗なんてことにならなくて良かったでござる」
    「お疲れさまでした」
     咲耶とサーニャはクラスメイト達と完走を喜びあって。陽桜とレキもどうにかゴールしてにぱっ。

    ●第4レース
    「ふむ、これはまた厄介そうな傾斜じゃなあ、父上」
    「でもまあ、きちんと役割分担して挑めば行けそう、かな?」
     カンナは自分の身長より大きな大玉見上げ吐息漏らせば、ここで親子と師弟の力を発揮すれば大丈夫だよと雁之助。
    「一緒に過ごしている時間が長い分、おいらたち呼吸を合わせるのは簡単っすよ」
     もち米で培われた絆は伊達じゃないっすと、大地は自信満々に笑顔。
    「目指すは優勝、星になりましょうねおとーさん……!」
     ふわっと微笑むイコ。なんとな~く不穏な響きに聞こえなくもないと感じた十織は、
    「星よりスターって言おうな」
     なんとなくけだるげな雰囲気でありながらも、やるときはやります十織さん。ぴよぐるみの妨害者をかわす軌道を脳内模索。しかしその背後に控えている禍々しい何かは何だろうか……個人的にはセクシーだったらいいのにな。
    「へェ、あの壁全部突き破りゃいいのか」
     錠はめくったカードの色と玉を交互に見やり、ある程度の勢いと、軌道を修正する力が必要になりそうだなと、沙汰と軽く分担打ち合わせ。
     皆様、目的の玉を確保すると、揃って転がし始めて。
    「折角なんだし勝利をつかみ取りたいしねえ」
    「二人の足手まといにならないようにするっスよ!」
    「うむ、妾も頑張るぞ!」
     雁之助を中心に、パワーでがんがん押してゆくのをサポートするのが大地とカンナ役目。押しのタイミングに合わせて軌道修正しながら、目指すは傾斜!
    「勢い付けるのは俺に任せてくれや」
     舵取りとテンポはお前の好みに合わせるよと錠。
    「オッフェンバックがロックしたらっていうノリでいっとこう」
     まるで謎をかけるように沙汰は笑えば。聞こえるオペレッタ、天国と地獄。錠も楽しげに目を輝かせ。
    「運動会らしくノリノリで行こうぜ」
     同じ先を見つめているのに、役回りは重なることはない錠と沙汰の関係。この大玉転がしは、どことなく似ている気がした。
     普段感じていたもどかしさ、今日は胸の奥に仕舞って。今は一緒に突っ走る快感。
     ぴよぐるみの妨害も、イコが素早くさりげなくもふりつつ進路外へ押出して。
    「よし、次のは俺に任せ……」
     そういやさっき何かがいたなと十織がおぼろげに思い出した先に!
     それはブルマ。おとーさんの気を逸らす最大の難関とも言うべき!

     ぺろ~ん☆

    「ブルマ姿のただでさえ気持悪いのに、略してTSYだと!?」
     顔面に驚愕張り付けた十織は戦慄。ただでさえ気持悪いのにさらにやばい……そう、ヤツ(のきぐるみ)が立ち塞がっているなど……!!!
     おとーさんじゃなくても最大の難関だよ!
     しかしそんな難関を、難なくクリアーする猛者がいた。
    「上のTSYは……わーんそんなもの見えませんっ」
     投げ飛ばしのうえ大玉ローラー繰り出すイコ。華麗に轢き潰されるTSY! 星になったね☆
     その勢いを維持したまま、ゴールまで全力疾走十織さん!
    「父親として、ここが踏ん張りどころだね」
     一瞥して、雁之助が最後の力を振り絞り、玉を乱さないように一心不乱に操る大地とカンナ。
    「やったの! 妾らが一位じゃ!」
     鮮やかにテープを切って、歓喜の三人。
     放送から順位が発表されはじめる。
    「……お疲れさま。MVPね」
     おめでとうと巧に微笑むライラ。
    「うん。ライラもおめでとう。そして」
     ありがとう。巧ははにかむように。
     共に戦ったライバルたちと健闘を称え合いながら。笑いあり、涙あり、そんな大玉転がしは無事終了したのでありました。

    作者:那珂川未来 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年5月31日
    難度:簡単
    参加:27人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 7/キャラが大事にされていた 1
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