●柚餅子怪人テトラユベシーズ
柚餅子。
柚子やクルミを用いた、全国各地で様々な形状、味が存在している和菓子。
中でも三角形の柚餅子で有名な福島にて、一体のご当地怪人が活動を開始した!
「シーズシズシズシズシズ! お前の荷物、改めさせてもらうベ! ……やや、これはいけないベ! 柚餅子が入っていないじゃないかベ! こんなお土産より、柚餅子を持ち帰って行くんだベ!」
名を、柚餅子怪人テトラユベシーズ!
三角柚餅子の頭と柚餅子色のマントを持つ怪人は、福島県各地の東北自動車道入り口に出没しては、その場を陣取り通行止め。
車を一つ一つ改め、柚餅子を詰め込みつつその他の菓子系お菓子があれば奪い去る……といった活動を行っていた。
柚餅子を持ち帰り皆で食べてもらうこと。それこそが魅力を知ってもらえると、ゆくゆくは世界征服に繋がるのだと信じて! しかし……。
「トラックの積み荷なんかにも同じことをする……か。いや、普通の乗用車によっても迷惑なんだZ!」
カラオケで歌の練習をする途中の休憩がてら、メモを眺めていた神鳴・洋(アニソン応援団・d30069)。柚餅子怪人……と記されている項目を前に、小さく肩を竦めていく。
静かなため息も吐いた後、メモをまとめて立ち上がった。
「知らせとかねぇと……本当なら大変なんだZ!」
エクスブレインへと伝えるため、一旦部屋の外へと向かっていく。
真実であるならば、解決策を導かなくてはならないのだから……。
●夕暮れ時の教室にて
「それじゃ葉月、後をよろしく頼むんだZ!」
「はい、洋さんありがとうございました! それでは早速、説明を始めさせていただきますね」
倉科・葉月(高校生エクスブレイン・dn0020)は洋に頭を下げた後、灼滅者たちへと向き直った。
「福島県でご当地怪人、柚餅子怪人テトラユベシーズが活動している事が発覚しました」
本来、ダークネスにはバベルの鎖による予知能力があるため、接触は困難。しかし、エクスブレインの導きに従えば、その予知をかいくぐり迫ることができるのだ。
「とはいえ、ダークネスは強敵。色々とあるご当地怪人といえど、です。ですのでどうか、確実な行動をお願いします」
続いて……と、地図を広げ福島県の東北自動車道入り口を指し示した。
「皆さんが赴く当日、テトラユベシーズはこの東北自動車道入り口で活動を行っています。活動内容は……」
東北自動車道入り口に陣取り、通行止めを行う。車を一台一台改め、柚餅子を詰め込みつつその他の菓子系土産物を奪い去る……そんな活動を行っている。
おみやげとして持ち帰りいろんな人に食べてもらって魅力を知ってもらう、そうすればゆくゆくは世界征服につながっていくのだと。
「とうぜん、陣取られた東北自動車道入り口は大渋滞。流通などにも影響が出かねない……看過できない状態です」
幸い、テトラユベシーズは三角柚餅子の頭を持ち、柚餅子色のマントを羽織っている……そんな姿のため、とても目立つ。赴けば、程なくして発見する事ができるだろう。
後は近くにある空き地へとおびき寄せつつ、通行止めを解除。その上で戦いを挑めば良い。
敵戦力はテトラユベシーズの他、和菓子屋定員風の配下が三名。
テトラユベシーズは攻撃役。加護を砕く柚餅子三角蹴り、敵を逃さぬ柚餅子分身三次元アタック、幾度も傷つける柚餅子トライスロー。そして、己と配下全ての傷を癒やし力を高める特性柚餅子。
一方、配下三名は防衛役。己の傷を癒やし浄化する柚餅子を食べながら、身を固めながらの体当たり柚餅子高速タックル、脳震盪を引き起こし動きを見出させる柚餅子空中かかと落としを仕掛けてくる。
また、配下三名は可能な限り同じ行動を取り、攻撃の狙いも同じ相手に対して放ってくる。
「以上で説明を終了します」
地図などを手渡し、締めくくりへと移行した。
「柚餅子。福島県で売られているそれはもちもちした食感の後にほのかな甘さが心地よい、福島のお土産としてもままどおると同じく随一の魅力を持つお菓子……そう思います。故に、こんな手段で悪評を広められる事などあってはなりません。どうか、全力での戦いを。何よりも無事に帰ってきて下さいね? 約束ですよ?」
参加者 | |
---|---|
無常・拓馬(信頼と安定の外道・d10401) |
テレシー・フォリナー(第三の傍観者・d10905) |
今川・克至(メロンパン買ってこいよ・d13623) |
ソフィ・ルヴェル(カラフルジャスティス・d17872) |
伏木・華流(桜花研鑽・d28213) |
藤原・漣(とシエロ・d28511) |
神鳴・洋(アニソン応援団・d30069) |
桜庭・翔(孤独性美学・d33400) |
●流通ストップはた迷惑
「シーズシズシズシズ! ここは今、通行止めだベ! お前たちの荷物を、あらためさせてもらうんだベ!」
暖かな陽射しが降り注ぐ福島県、東北自動車道入り口。流通や移動のかなめとなる場所を、支配するは柚餅子怪人テトラユベシーズ!
三角柚餅子の頭と柚餅子色のマントを持つ怪人、和菓子屋店員風の配下と共に、進むことも戻ることもできず止まった軽自動車へと歩みよっていく。
手が窓へ伸びようとした、そのとき――。
「柚餅子ですが……ままどおるも、美味しいですよ……?」
「ベ!?」
拾い草原のある方角から、可愛らしい少女の声が聞こえてきた。
声の主、ソフィ・ルヴェル(カラフルジャスティス・d17872)は穏やかに微笑み、視線を向けてきたテトラユベシーズを手招きする。
小首を傾げていくテトラユベシーズの心をさらにかき乱さんと、無常・拓馬(信頼と安定の外道・d10401)が声を上げた。
「お前って福島お菓子四天王だと四番目で、最強のままどおるに馬鹿にされてそうなキャラだな。ゆべしって何? 世紀末的にあべしの親戚か何か? チョーウケる!」
「ベ!?」
突然の罵倒を前に、テトラユベシーズは驚く様子を見せながらも反論する。
「そんなことはないべ! 柚餅子も十分、認知されている……これから様々なお菓子を凌駕していく! そんなお土産お菓子だベ!」
「そうですよね、柚餅子も、そんなに、悪くないですよね」
すかさず、今川・克至(メロンパン買ってこいよ・d13623)がそんなに、にアクセントをつけながら煽り立てていく。
「柚餅子は相手が悪かったんですよ……ままどおるが無ければなぁ」
「べ……べ……!!」
怒りに震えるテトラユベシーズに、様々な視線を浴びせていく灼滅者たち。中には件のままどおるを食べながら、挑発する者もいた。
結果、テトラユベシーズが叫びだした。
「ベ、ベ……お前たち、許さないベ! このテトラユベシーズ様が、柚餅子の魅力の何たるかを教えてやるんだベ!!」
「――♪」
宣戦布告を受け取りながら、神鳴・洋(アニソン応援団・d30069)は歌う銘菓ままどおるの歌を。
これより福島銘菓決定戦を行うのだと、歌いながら草原へと誘導する。
全ては、柚餅子を強要する怪人たちは許せないとの意志のもと。
にらみ合うのは草原の中心、人が近づくことのない戦場。
ぶつかり合う視線、散る火花。
どちらかが動き出せば戦いが始まる一触即発の空気。
テレシー・フォリナー(第三の傍観者・d10905)は肩の力を抜き、ねだった。
「折角だしさ、柚餅子ってやつもらえないかしら?」
「ベ! そんな作戦には……べ? 食べてもらえるべ?」
「もちろん! ご当地怪人と戦う時の役得だしねー」
緊張を解いたテトラユベシーズに近づき、手を伸ばしていくテレシー。
戸惑いながらも渡してくれた柚餅子を、一口パクリ。
もちもちした食感、広がっていくクルミの香り。控えめなあんこの甘みがシンクロし、ままどおるとはまた違う味わいを心に静かに伝えていく。
彼女が食べ終わるそのときまで、戦場にはゆるやかな時間が流れていく……。
●連携! 柚餅子軍団!!
テレシーが食べ終わり、仕切り直し。
開幕だと、拓馬は定められたワードを唱えていく。
眩い光と共にまといしは、特撮ヒーローにも似た侍型アーマー。きらめく槍を握りしめ、一拍の間も置かずに大地をける。
「さーて、それじゃ始めようか!」
槍による螺旋刺突が先頭に位置する配下へと繰り出され開幕の音色を奏でる中、ソフィもまたスレイヤーカードを左腕のブレスに装填。
「変身! カラフルキャンディ!」
七色のダイダロスベルトが出現すると共に、全身が光に抱かれる。
右腕、左腕、左足、右足、胴体、腰回り……と、さらにボーリュームアップかつゴージャスになったフリルたっぷりの衣装に着替え、虚空に出現した剣を握り締める。
最後にマントを身につけ、はためかせながらポーズを取った。
「彩り鮮やかは無限の正義! ソフィ参ります!」
一呼吸分の間を置いた後、ソフィはライドキャリバーのブランにまたがった。
「エンジン全開! ブランと一緒に参ります!」
アクセル全開突撃し、先頭に位置する配下をかっさらう。
放り投げられた先頭に位置する配下の落下点では、藤原・漣(とシエロ・d28511)が待っていた。
「シエロ、回復を頼むっすよ」
ナノナノのシエロに回復待機を命じながら、漣は落下してきた配下を炎の足で蹴りあげた。
うめき声を上げ、地面に激突しながらも、その配下は転がり立ち上がる。
「シーズシズシズシズ! それでこそ我が配下だベ! それでは今度はこちらから、行くぞ!」
伏木・華流(桜花研鑽・d28213)を示した後、テトラユベシーズは漣へと視線を向けていく。
「喰らえ、柚餅子三角蹴り!」
右へ、左へと飛んだ後、虚空を足場に漣に向かって放たれていく三角蹴り。
呼吸を合わせ、華流のみへと放たれていくかかと落とし。
耐えながら、治療を施しながら、灼滅者たちは抗った。
十分な余裕を持った上で反撃に移行し、攻め立てた。
概ね立ち上がりは順調と、桜庭・翔(孤独性美学・d33400)は魔道書を開き敵陣を示していく。
原罪の紋章を刻み込み、動きが乱れていくさまを確認した。
「……おや」
まだ、治療の柚餅子を食べる様子がない光景に、翔は小首を傾げていく。
代わりに、テトラユベシーズの示したソフィを無視し向かってくる者がいた。
「予定とは違いますが、これはこれで」
「……」
敵陣が乱れていく光景を前に、拓馬は瞳を細めていく。
キュアを誘発させることはできなかったとはいえ、行動を制御することには成功していた。それがどことなく、楽しそうだと。
「……俺の役割は潰すことでね。一匹ずつ確実に仕留めてやろう」
思考を切り替え、先頭に位置する配下へと向き直る。
剣を非物質化させ、踏み込んだ。
押さえつけるように放たれた柚餅子に似たエネルギーを切り払いながら、非物質化させた刃を先頭に位置する配下に差し込んで……。
バッドステータスでがんじがらめにしながら攻め立てる、灼滅者たちの策。上手くことを運ぶことができているのか、ちょくちょく、配下たちが柚餅子を食べる機会が増えていた。
治療が施されても再び染めると、克至が魔力を送り込む。
待機を氷結させながら、言い放つ。
「このまま冷凍させちゃいましょうか」
「なんの、この程度!」
「あ、そうそう」
すぐさま氷をふり払うしぐさを見せたテトラユベシーズに言い放つ。
「今だから言いますけど、自動車道を大渋滞にさせたせいで柚餅子の好感度、ストップ安ですよ? トラックの運ちゃんがメッチャキレて無線で仲間内に愚痴ってましたし」
実際、仕事を邪魔された理由にいたれば、怒りに震えてしまうのも必然か。
「シーズシズシズシズシズ! そんなことはないベ! 仮にそうだったとしても、柚餅子を食べれば幸せになれたんだベ!」
テトラユベシーズはこたえた様子もなく、身構えた。
克至は小さく肩をすくめながら、魔力の矢を浮かべ始めた。
配下たちのタックルを受け止めた華流は、力任せに三人の体を押しのける。
ついでとばかりに虚空を蹴り飛ばし、激しき突風を巻き起こして跳ね除けた。
「今だ、サクラ」
彼女の足元に寝そべっていたウイングキャット・サクラは、面倒そうに頭を上げながら小さく鳴いた。
リング状の魔力が先頭に位置する配下へと向かう中、翔は静かに語りだす。
愛おしそうにしているのに逃げられる故に涙を流しながら恐ろしい形相の妊婦が悪戯をする……そんな、理解されない悲しき怪談を。
「……?」
素早く避けられていく光景を前に、小首を傾げていく。
「シーズシズシズシズシズ! なんども同じ系統の技が通用するとは思わないほうがいいんだベ! それではまだまだ、行くぞ……柚餅子分身三次元アタック!!」
バックステップで回避したテトラユベシーズは、三体に分身。
三方向に散りながら、拓馬の元へと向かっていく。
すかさずテレシーの霊犬ザッシュが割り込み、三次元アタックを受け止めた。
「よくやったわザッシュ! 私も……」
テレシー自身は腰を落とし、拳を握りしめて突貫。翔へ向かおうとしていた先頭に位置する配下の進路に割り込み、ニヤリと口の端を持ち上げていく。
「オーラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」
腹へ、顔へ胸へ……百にも届かん勢いで拳を連打。
最後にアッパーカットをぶちかませば、その配下は軽く浮かんだあと、糸の切れた人形のように倒れ伏す。
「よしっ、仕留めた! 次!!」
大きな息を吐き出しながら振り向けば、残る二人が漣に向かってタックルを放っていた。
三次元アタックによるダメージ、タックルによるダメージ、全てを和らげるため、洋は歌声を響かせる。
アニソン仕込みの歌声は、戦場獣へと広がった。
リズミカルに、情熱的に……時にリリカルに奏でられていくしらべは、灼滅者たちの痛みを和らげ攻撃へと向かう糧となっていた。
歌い続けているかぎり、誰かが倒れることはない……確信的な力強さに抱かれながら、灼滅者たちは攻撃を重ねていく……。
●柚餅子はみんなと一緒に
程なくして、全ての配下を撃破することに成功した。
「ぐぬぬぬぬぬ……だが、まだ終わってないべ! 行くぞ、柚餅子三角蹴り!」
右へ左へ飛んだ後、虚空を足場に放たれていく三角蹴り。
狙いは――。
「っと!」
――漣はブランと共に走り続けるソフィへいたる軌道上に割り込み、オーラを束ねつま先を受け止めた。
「ぶっちゃけ……」
勢いを殺しきった上で、炎に染めた右足を放ち蹴り返していく。
炎に染まりながら、後ずさっていくテトラユベシーズ。
「どっちのお土産もおいしそうって思ったっす! こんな悲しい戦い、早く終わらせるっすよ!!」
シエロのハートを受け取りながら猛追し、跳躍。
上空から、脳天にキックをぶちかました。
「ベ!?」
「ほら、ゆべし野郎、無様にあべしと悲鳴を上げるがいい」
膝をついていくテトラユベシーズの懐に、拓馬が踏み込んでいく。
螺旋刺突を放ったなら、柚餅子頭の端っこを削りとった。
抑えながら、テトラユベシーズは立ち上がる。
「まだ、まだだべ! 行くぞ、柚餅子分身三次元アタック!!」
分身し、三方に散っていくテトラユベシーズ。
駆けて行く三者を眺めながら、華流は思い起こす。
今までの戦いを。
テトラユベシーズの動きを。
「……ふ、なるほど」
狙いは漣だと断定し、その正面を真っ直ぐに指さした。
「……柚餅子にちなんだ技か……ならばこちらもままどおるブラスター!」
分身と本体が重なりあう瞬間を狙い、ご当地ヒーローではないしままどおるとも全く関係のない影弾丸をぶっ放し、テトラユベシーズを弾き飛ばした!
「べ!?」
「皆、今だ!」
サクラが再び気だるそうに顔を上げ、リング状の魔力を解き放った。
両腕ごとテトラユベシーズを拘束した時、氷の塊が頭に張り付いていく。
担い手たる克至は、小さく肩をすくめながら告げた。
「ま、弔い代わりに柚餅子のお土産を買っていきますよ。あ、もちろんままどおるも忘れませんが」
「べ……」
喜びと怒りをにじませたような声が響く中、テレシーは駆けた。
ご当地怪人は食料提供してくれるし、面白いこと言ってくれるし、良いキャラしていると思う。けれど……。
「嫌いじゃないわ、でも敵なのよぉぉお」
どうにもならない現実を嘆きながら、雷を宿した拳をぶち当てた。
ザッシュが六文銭で追撃し、抑えつけていく中、ソフィはブランの上で立ち上がる!
「これで決めます!」
加速するブランから飛び上がり、空中にて一回転。
鋼のボディをぶちかまされたテトラユベシーズがよろめく中、ただまっすぐに足を突き出した。
「必殺、カラフルままどおるキック!」
胸元へと突き刺して、反動を付けて飛び退いた。
ソフィが背を向けポーズを決めていく中、テトラユベシーズは空を仰いだ。
「べ……べ……柚餅子は美味しいんだべ……だから、一度、食べてみて欲しいんだべ……そうすれば……」
言葉半ばにて倒れ、爆散。
柚餅子の香りだけを残し、この世界から消滅した……。
治療や元配下たちの介抱を終えたあと、灼滅者たちは各々の目的のために分かれて行動することとなった。
唯一草原に残った翔は、誰にともなく語っていく。
ままどおる、そして柚餅子に関する百物語を。
むろん、力は使わずに、東北自動車道へと向かっていく人々を惹きつけていくかのように。
ままどおるの優しい甘さ、柚餅子の落ち着いた甘み……聞くうちに興味を惹かれたのだろう。
東北自動車道へ入ろうとしていたトラックの運ちゃんたちが、どことなく楽しげにやって来た。
乗用車から降りてきた若い女性たちも近寄ってきた。
「……え?」
女性の気配を感じ、翔は話をやめて身構える。
近づいてくる様子を視界に収めた後、一目散に逃げ出して……。
一方、お土産を買うのだと、近くにあるスーパーの土産物売り場へと足を運んだ灼滅者たち。
柚餅子とままどおるを比べるなら、おおむねままどおるが優勢だろうか。
もっとも、ままどおるは柔らかな口当たりと下の上で解ける優しい甘み。
一方、柚餅子はもちもちした食感とクルミの香り、落ち着いた甘さ……と、それぞれ別の魅力を持つ。
どちらがどちらということはないと、洋は食べ比べののちに結論づけた。
漣もまた片方に偏らせる事なく、柚餅子もままどおるもかごに入れていく。
「せめて、あの戦いを無駄にしないためにも両方買っていくべきっすよね……」
「ああそうだ」
会計に向かおうとした漣を、華流は呼び止めた。
「実はままどおる、チョコ味もあるんだ。これも美味しいぞ」
「まじっすか」
華流が示す先に視線を向ければ、深いチョコレート色のパッケージに包まれているままどおる。普通のものとの違いは、果たしていかなるものだろう?
他にも、美味しい土産菓子はたくさんある。灼滅者たちは語らい合いながら、土産物に手を伸ばしていく。
もちろん、柚餅子もある。
ただひとつの存在として君臨するのではなく……様々な土産菓子との調和を奏でる存在として、今後も人々に愛され続けていくことだろう。
作者:飛翔優 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年5月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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