●
腕が変形した刃が閃いた。
刹那、男の頭部の半分が切断されて、飛んだ。それの刃にとっては人間の身体などバター同然であった。
それ。
異形であった。漆黒の鎧を身につけたような姿は騎士のそれだ。
それは血にまみれた刃を見下ろした。まるで検分しているかのように。
「くそぉ」
屈強な男が飛び出した。金属製バットをそれ――黒騎士の後頭部に叩きつける。
がごん、と硬く重い音がした。が、黒騎士の態度に変化はなかった。金属バットで殴られたことすら気づかぬように刃に見入っている。小さく首を傾げた。
「ば、馬鹿な」
男がよろめいた。衝撃のために金属バットが折れ曲がっていた。が、黒騎士は平然としたままだ。
叫びながら男が逃げ出した。その絶叫に、ようやく黒騎士は気づいたようである。
振り向くと、黒騎士は男にむけて左腕をあげた。見る間に腕が変形する。それは小型の砲門に似ていた。
次の瞬間である。筒口が閃光が迸りでた。闇と同色の光。それは死の呪いの輝きである。
超高圧の熱量に男の身が消し飛んだ。死の光線は男を細胞レベルで分解してしまったのである。
黒騎士は左腕に視線をおとした。それから少し首を傾げ――
殺戮を始めた。村人すべての抹殺。それは人殺しなどという生易しいものではなく、蹂躙であった。抗する術のない村人を殺して殺して殺し尽くした。
全ての命が絶えた血の海の中、ようやく黒騎士は頷いた。
●
「……朱雀門のロード・クロムを知っていますか」
園川・槙奈(高校生エクスブレイン・dn0053)は灼滅者たちを見回した。
「ロード・クロムは、人里にクロムナイトを放ち、一般人を虐殺させようとしています」
槙奈はいった。
ロード・クロムの目的はひとつ。量産型であるクロムナイトの戦闘実験、同時に戦闘経験を積ませることである。もし灼滅者と戦えばさらなる戦闘データを与え、クロムナイトを強化させることになるだろう。
「……でも何の罪もない人々が殺されてしまうことを座視しているわけには」
辛そうに槙奈は声を途切れさせた。が、すぐに息を吸い込むと、続けた。
「……幸い、配置されたクロムナイトが動き出すまでにはまだ時間があるので、人里に到着する前に戦闘を仕掛けることは充分に可能です。クロムナイト強化を防ぐためには戦闘経験を積ませないように――そう短期で決着をつけるしかありません。しかし量産型とはいえクロムナイトは強敵です」
クロムナイトの攻撃はデモノイドヒューマンのそれに似ている。威力は数段上だが。
問題は、しかし、それではなかった。攻撃ではなく、防御にこそ、その個体の真価はあったのである。
クロムナイトの鎧は硬い。灼滅者の攻撃であろうと、その威力のかなりの部分が削がれてしまうのだ。それでは短期決戦は望めない。
「でも弱点はあります。鎧に覆われていない箇所。そこを狙いさえすれば……」
不安を隠し、槙奈は灼滅者たちに微笑みかけた。
「……信じています。みなさんがきっと多くの人々を救ってくれるって」
参加者 | |
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十七夜・狭霧(ロルフフィーダー・d00576) |
神虎・闇沙耶(第捌階層地獄の使い・d01766) |
神泉・希紗(理想を胸に秘めし者・d02012) |
森田・供助(月桂杖・d03292) |
泉・星流(箒好き魔法使い・d03734) |
イルフィーネ・ブイオルーチェ(悪性変異・d07248) |
リュカ・シャリエール(いばらの騎士・d11909) |
日凪・真弓(戦巫女・d16325) |
●
吹く風はすでに夏のそれであった。が、闇に触れたとたん、それは凍結した。凄絶の殺気のために。
殺気の主は闇に潜んでいた。数は八。
「ここならいいっすよねえ」
闇の中から声がもれた。そしてランプが灯った。
光に浮かび上がったのは十六歳ほどの少年である。
闇の中にあってさえ澄み渡った、そう、雨上がりの空のような青の瞳。また闇の中でこそより煌く凍てついたような銀の髪。儚げな相貌の持ち主の名は十七夜・狭霧(ロルフフィーダー・d00576)といった。
と――
狭霧の目が細められた。瞬間、風がとまった。彼の放った凄絶の殺気の仕業である。これで戦場と化すであろうこの地に一般人が足を踏み入れることはないであろう。
「クロムナイト…ねぇ」
再び狭霧が口を開いた。
「あは、データを録りたいならば俺達のが適任っしょ。完膚なき迄に破壊し尽くして、 クロムさんの鼻っ柱を圧し折ってやりますよ」
小さく頷く影。
もう一人。ランプの光に浮かび上がった男があった。
十九歳ほど。整った顔立ちはハーフであるからだろうが、その肉食獣を想起させる鋭い眼差しが印象を獰猛なものに変えている。左眉から頬にかけてはしる傷がその印象をさらに助長していた。
名は神虎・闇沙耶(第捌階層地獄の使い・d01766)。灼滅者であった。
「……そろそろだね」
幾許か後。やや離れたランプの光を見つめ、その少年はぽつりと呟いた。
十四歳ほど。女の子のように可愛らしい顔立ちの持ち主である。
名を泉・星流(箒好き魔法使い・d03734)というのだが、頭には魔女のそれのような帽子をかぶっていた。当然というべきか、手には箒が握られている。
「……確かクロムナイトは鎧が硬いのでしたね」
凛然した雰囲気をまとった、生真面目そうな少女が口を開いた。
日凪・真弓(戦巫女・d16325)。古来より 魔を祓ってきた家系の末裔である。
「そういうことだったぜ」
周囲の気配を探りながら、赤い瞳の少年は頷いた。これは名を森田・供助(月桂杖・d03292)という。
「でも鎧に覆われていないところを攻撃すれば大丈夫なんだよね」
こともなげにいってのけたのは、不敵に笑んだ十五歳ほどの少女であった。
名を神泉・希紗(理想を胸に秘めし者・d02012)。藍色の長い髪をゆらした可愛らしい少女であるが、なんと鬼退治の名門『神泉家』の一人娘であり、次期当主という素性であった。クロムナイトを恐れずとも、むべなるかな、だ。
「それは、そうですが……」
真弓は声を途切れさせた。
同じく槙奈の予知。それによればクロムナイトには自らの弱点を庇う知性があるという。そのような相手の隙を容易くつけるであろうか。
さらに作戦には困難な点がある。そのような敵を速攻で斃さねばならないのだ。希紗のいうように簡単に斃せるような敵ではなかった。
「だからこそ面白いんじゃないの?」
ニンマリと楽しそうにその娘は笑った。
華奢で瞳は血の滲んだようなピンク。可愛いといえなくもない顔立ちであるのだが、どこか不気味であった。精神の仄昏い部分から毒を滴らせているような雰囲気がある。名はイルフィーネ・ブイオルーチェ(悪性変異・d07248)。
「面白い?」
聞きとがめ、供助は舌打ちした。
つり目で三白眼、一見したところ供助はガラが悪い。が、この若者、意外にも理知的であった。故にイルフィーネほど楽観的ではない。
さらにいえば、狭霧。弟のような存在である後輩だ。頼もしいと思いつつも、つい心配になる。
「何が面白いってんだ」
「殺し合い、よ」
イルフィーネが片目を瞑ってみせた。ぞくりと供助の背に悪寒がはしる。
「殺し合いを楽しくですのでょう」
八人めの灼滅者がいった。
十六歳ほど。まるで人形のように整った相貌の持ち主だ。頬も磁器のように滑らかで白い。
リュカ・シャリエール(いばらの騎士・d11909)。物腰は柔らかいが、ちらりと仲間を一瞥した視線にはひやりとするほど冷淡なもので混じっていた。
リュカというこの少年。はっきりいって他の灼滅者たちがどうなろうと知ったことではなかった。好きな人以外、どうでもよかったからである。
では何故槙奈の頼みをきいたか。それは彼の関係があった。
リュカは欧州の灼滅者研究機関で育った。家族といえば研究員と被験者である。
その研究所は現在、ない。壊滅したのだ。ヴァンパイアの襲撃によって。
その日からヴァンパイアは宿敵となった。当然、朱雀門高校で暗躍するヴァンパイアも。だから見過ごすことはできなかった。
●
ガシャリ。
闇の中に金属音が響いた。鋼が大地をうつ重々しい音。
ランプの薄明かりに異様なモノが浮かび上がった。
騎士。
西洋風の甲冑に身をかためたその姿はまさしくソレだ。ただ甲冑は不気味な闇の色をしていた。
さらに顔全体をおおった兜から覗く目。まるで鬼火のように蒼く光っている。人間の目ではなかった。
と、黒騎士は足をとめた。獣道に置かれたランプに目をむけ――
「……どうやら気がついたようっすね」
狭霧が立ち上がった。闇沙耶もまた。
「来い、黒騎士」
闇沙耶が指で差し招いた。
「戦いたいのだろう? 俺達が相手をしてやる」
黒騎士は沈黙した。計算でもしているかのように。
約三秒。答えが出たのか、黒騎士は二人の灼滅者に向き直った。
ガシャリ。足を踏み出す。背丈は二メートルを遥かに超えているだろう。まるで小山が動き出したような威圧感があった。
瞬間、黒騎士――クロムナイトの右腕が変形した。まるで腕が溶け、再合成されたかのような異様な変化。クロムナイトの右腕がひと振りの剣と化していた。
「やる気になったようすっよ」
狭霧が後退った。闇沙耶も。
追うようにクロムナイトが踏み込んだ。思いの外、踏み込みが速く、大きい。二人は跳び退った。
「こっちだ」
再び跳び退りつつ、ちらりと闇沙耶は背後に視線を走らせた。仲間が待ち伏せする決戦域までおよそ五十メートルある。
と――
突然、クロムナイトが足をとめた。十五メートルほど進んだ頃に。
「何をしている? こっちだ」
闇沙耶が挑発した。その時だ。クロムナイトが左腕をあげた。すでにその腕は砲門の形に変形している。
「まずいっす!」
狭霧が叫ぶのと、クロムナイトの腕から漆黒の閃光が迸り出るのが同時であった。
狭霧と闇沙耶が左右に跳んだ。高圧の光が疾り抜ける。触れた樹木が細胞レベルで分解され、消失した。
「くっ」
地で一回転。勢いを利用し、狭霧は身を起こした。激痛が身体を駆け抜ける。死の閃光を完全には躱し切れなかったのだ。
「うっ」
顔を上げ、愕然として狭霧は呻いた。眼前にぬうとクロムナイトが立ちはだかっている。反射的に跳び退ろうとして、しかし狭霧は膝を屈した。動けない!
刹那、クロムナイトが剣を振り下ろした。斬撃のあまりの鋭さ、そして重さにびゅうと空間が哭く。
ガキン。
鋼の噛み合う音が響き、クロムナイトの剣はとまった。咄嗟に狭霧が顕現させたクルセイドソード――星葬の刃によって。が――
「何て力っすか」
狭霧の顔がゆがんだ。受け止めはしたもも、もの凄い圧だ。星葬をもつ手が次第に下がり、狭霧の肩に食い込んだ。
身を起こし、闇沙耶は素早く周囲を見回した。そして見とめた。狭霧の前にクロムナイトが立ちはだかっている様を。
駆けつけようとして、愕然とした。彼もまた動けない。身体を灼かれ、死毒に汚染されている。
その時、狭霧のひび割れた声が響いた。クロムナイトの刃が狭霧の肩を切り裂いている。のみならず、刃はさらに下へ――。
「させん!」
闇沙耶の目が赤光を放つ、その足元の影がまるで別種の生き物であるかのように疾った。先端を鋭い刃と変えて。
影の刃がクロムナイトの脇腹に突き刺さった。いや、硬い音を響かせはじかれた。
「くっ」
唇を噛んだ闇沙耶であるが、その時、彼は戦慄すべきものを見た。クロムナイトの左腕――砲門が彼に狙いをつけたのである。
筒口に漆黒の炎が揺れた。凄まじい熱量が凝縮されていく。次の瞬間、死の閃光が地を抉りつつ疾った。
●
漆黒の光が闇沙耶を飲み込むその寸前、ひとつの影が跳んだ。闇沙耶を突き飛ばし、自身もまた地に身を投げ出す。直後、闇沙耶のいた空間を黒光が薙いで過ぎた。
「大丈夫ですか。ここは私たちに任せてください」
視線をクロムナイトにむけたまま、真弓が告げた。
「しかし十七夜は」
「彼なら大丈夫です」
真弓が手をのばした。彼女の全身を覆っていた揺らめく蒼い炎の如き闘気の色が純白に変わり、闇沙耶に降り注ぐ。すると見る間に闇沙耶の傷が癒着し始めた。同時に死毒が消えていく。
「助かる」
闇沙耶が目をむけた。その先――
鞭のようにしなり、空を裂いて帯がはしった。クロムナイトを撃つ。衝撃にクロムナイトの身が揺らいだ。
「チッ」
供助が舌打ちした。鎧の隙間を狙ったのだが、外してしまったのだ。
クロムナイトがぬらりと血のからみつく剣を引いた。刹那、狭霧の肩から鮮血が噴き上がる。
「おおおっ」
咆哮はクロムナイトの後方上空で響いた。舞い降りる影は隼のように華麗。が、その爪は虎のように剛いものであった。
異形巨大化した拳を希紗はクロムナイトの背に叩きつけた。
ドゴォッ。
岩すら砕く規格外の一撃。衝撃が同心円状に空間そのものを震撼させる。が、平然とクロムナイトは振り向きざま、希紗に斬りつけた。
横殴りの一閃。衝撃を利用し、希紗は後方に跳んだ。が、遅い。
地に降り立った希紗は苦痛に顔をゆがめ、腹部を手で押さえた。腹が切り裂かれ、内蔵がはみ出しかけている。さすがにすぐには動けない。
クロムナイトが踏み込んだ。地擦りの逆袈裟。白光が希紗めがけてはしり――
キンッ。
クロムナイトの剣が止まった。止めたのは鋏である。ニタリと笑うと、イルフィーネは鋏の刃を剣のそれに滑らせた。キイィィィィンと悲鳴のような音が響き、イルフィーネは身を躍らせる。
「ははは。どこを切られたいの?」
哄笑をあげるイルフィーネの腕が一瞬視認不可能な速度で動いた。キラリ、と月光がはねる。鋏の刃はクロムナイトの顔面に突き刺さり――兜にはじかれた。クロムナイトが顔をそむけたのである。
が、イルフィーネはキャハハと楽しそうに笑った。旋風と化して身を回転させ、今度は左腕を閃かせる。いつの間にかその手には別の鋏が握られていた。
ザキリッ。
イルフィーネの鋏がクロムナイトの眼に突き刺った。しかし、その時すでにクロムナイトの魔砲はイルフィーネの腹部にびたりと押し付けられていた。
現出する暗黒の小太陽。黒い爆発にイルフィーネが飲み込まれた。
その身体が叩きつけられたのは十数メートル先の叢であった。駆け寄った真弓が息を飲む。
イルフィーネはボロボロの肉塊と化していた。皮膚は焼け爛れ、身体内部まで毒におかされている。
「逝かせません。私がいる限り」
無慈悲な世界に宣言し、イルフィーネの胸に手をあて、真弓は癒しの気を送り出した。
●
闇の中、ランタンが揺れる。浮かび上がったのは眠そうなリュカの顔だ。
次の瞬間、ランタンの炎が膨れ上がった。紅蓮の砕片が散る。
それは真紅の花片。炎の薔薇だ。
乱れ散る炎の乱舞にクロムナイトは包まれた。が、平然とクロムナイトは砲門をリュカにむけた。
「こっちだ!」
希紗が豹のように襲った。すでに腹の傷は自身の手によって癒し終えている。
轟音。希紗の拳がクロムナイトの背をうったのだ。が、クロムナイトは怯まない。何事もなかったかのようにリュカをポイント。撃つ――
いや、一瞬、リュカの反応の方が速かった。次元転移で現象面に顕現させた殲術武器――ガトリングガンのトリガーを引く。
異なる攻撃。それは偶然ではなかった。リュカは試しているのである。効率的な殲滅方法を。
怒涛のような連射。対ダークネス用の殲滅弾である。何でたまろう。地は抉れ、辺りの樹木は粉砕された。
しかし、クロムナイトは眼前に右手をかざしただけで耐えた。
次の瞬間である。クロムナイトの腕が縦横無尽に動いた。漆黒の閃光をばらまく。
「学習してやがる」
供助がごちた。これでは迂闊に近寄れない。
「けれど」
囁くように抑えた声は樹上で発せられた。
夜風に騒ぐ葉の影。身を潜めているのは星流であった。箒にまたがり、滞空しているのだ。
「どんな存在であっても、戦いの中で一瞬でも隙は必ず出来る。その一瞬を見逃さず、己の最大最強の一撃を決める事が出来るなら……」
獲物を狙う猛禽のような鋭い視線を星流はクロムナイトにむけた。
闇の中に踊る光。それは蛍光ペンキの発するものであった。先ほどクロムナイトの背に星流がつけておいたのだ。
ターゲットは捕捉している。後は機会を待つだけ――。
光と影の交差。命の削り合い。永遠、それとも一瞬か。
そして、その時は訪れた。
きらり、と星流の目が光る。クロムナイトの動きの流れが読めたのだ。
攻撃の変化。それにあわせ、クロムナイトは目を庇う腕を変えるのだが、一瞬――ほんの一瞬だけ隙ができる。そこを――
「一発必中…一撃必殺っ!」
本来、魔術の術式を組み上げるには膨大な時間を要する。その演算を星流は瞬間的に脳内で処理、そして発現させた。
魔力の矢が撃ちだされた。圧縮された混じり気なしの魔力塊。音速を超えて、それはクロムナイトの眼に突き刺さった。
ぐおぉぉぉぉぉぉ。
それは咆哮であったか、それとも振動であったか。
クロムナイトがよろめいた。が、まだ滅してはいない。
「狭霧!」
供助が地を蹴った。疾風の速さでクロムナイトに肉薄。その手には妖の槍――樒の槍が握られている。
「お前が体張ってんのに、此処で当てんでどうするってな。外さねーよ、絶対だ」
供助の手がぶれるほどの速さで動いた。疾る槍はクロムナイトの眼に突き刺さり、ガキンと音をたて、兜内側でとまった。
供助は跳び離れた。槍を眼に突き刺さしたまま、クロムナイトは棒立ちになっている。
「黒騎士……お前を人のいる所に行かせるわけにはいかないのだ」
ゆらり、と。クロムナイトの前に人影が立った。闇沙耶だ。
「ここで散れ。闇は闇に……」
闇沙耶の手に光が凝縮し、それは剣を形作った。そして、闇沙耶は憐れむように告げた。
「お前に無かったのは経験……本当に強い。……仕舞いとしようか。寝るが良い。黒の騎士よ」
白光が闇を断ち切った。
「……戦闘データはとられたのでしょうか」
クロムナイトの消滅した辺りを見つめ、真弓が誰にともなく問うた。が、答えられる者は誰もいなかった。
闇はあまりに深く、深く――。
それでも灼滅者たちは立ち上がった。傷つき、疲れきった身体を自ら叱咤して。
ゆく。ある者は光を、またある者は新たな戦いを求めて。
作者:紫村雪乃 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年5月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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