若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426)は、こんな噂を耳にした。
『鰻に負けてたまるかと、鰌(ドジョウ)の都市伝説が現れた』と……。
この都市伝説は擬人化したドジョウのような姿をしており、『俺達の仲間は生きながら、熱湯の中に放り込まれ、その熱さから逃れるため、豆腐の中で息絶えた者達が多いと聞く。しかも、人間達はそれを美味い美味いと食っていやがる! こんな事が許されてたまるものか!』と腹を立てており、都内にあるドジョウ料理専門店を襲撃して回っているようである。
中には『その話は都市伝説だっ!』と叫ぶ店主もいるようだが、『その都市伝説が俺だっ!』と言い放ち、熱湯の中に放り込んでいるようだ。
そのため、色々とツッコミを入れる前に店主達は大火傷を負ってしまい、ドジョウを見ただけで悲鳴を上げるほどのトラウマを負っているらしい。
ただし、都市伝説は豆腐がとても怖いらしく、視界の中に入っただけでパニック状態!
最悪の場合は狂戦士と化して手当たり次第に辺りのモノを壊してしまうので要注意。
その事も踏まえた上で、都市伝説を倒す事が今回の目的である。
参加者 | |
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若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426) |
清流院・静音(ちびっこ残念忍者・d12721) |
杉凪・宥氣(天劍白華絶刀・d13015) |
安田・花子(クィーンフラワーチャイルド廿・d13194) |
ミーシャ・カレンツカヤ(迷子の黒兎・d24351) |
黒絶・望(希望を抱く愛の風花・d25986) |
日輪・白銀(汝は人狼なりや・d27689) |
白川・雪緒(白雪姫もとい市松人形・d33515) |
●ウナギとドジョウ
「噂を聞いたのはめぐみですけど、この伝説、突っ込みどころ多すぎですよね。そもそも、ウナギ関係ないし……」
若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426)は気まずい様子で汗を流しながら、仲間達と共に都市伝説を誘き寄せるため、近くの公園にやって来た。
都市伝説は擬人化したドジョウのような姿をしており、都内にあるドジョウ料理専門店を襲撃しているようだ。
そのため、ドジョウ専門店が何件も閉店に追い込まれ、深刻な問題になっているらしい。
「鰻にライバル心を燃やすのは勝手ですが、ドジョウが食われる事に怒って襲撃してるって……むしろ鰻の方も、裂かれて炙り焼され食われる運命ですわよ? 鰻に対抗するだけの為に関係ない料理屋が被害を受けるなんて溜まったものではありませんわ! 人に迷惑を振るう輩には、それに見合った代償を与えるのみ…そう、完全に灼滅するまでですわ! このクィーン☆フラワーチャイルド2世の名に賭けて!」
安田・花子(クィーンフラワーチャイルド廿・d13194)が、思わせぶりにポーズを決める。
おそらく、都市伝説は『ドジョウはウナギよりも優れた存在。故に、ウナギと違って食べられる事もない。だが、現実はどうだ。ウナギと同じように食われて、しかも安い! そんな事があってもいいのか? いや、よくない!』と言う考えなのだろう。
「まさか泥鰌豆腐が都市伝説だったとは……少し残念なような気が……そういえば泥鰌、食べたことありませんでしたね。……この機会に頂いてみましょうか」
日輪・白銀(汝は人狼なりや・d27689)が、テキパキと鍋の用意をし始めた。
霊犬のシュトールも、興味津々。
バケツの中に頭を突っ込んで、中で泳ぐドジョウを眺めている。
「ドジョウ料理は初めてですねー」
白川・雪緒(白雪姫もとい市松人形・d33515)が菜箸を使って、豆腐に穴を開けていく。
こうすれば、ドジョウも豆腐の中に入りやすいはずである。
「そろそろ、具を入れてもいいかな」
ミーシャ・カレンツカヤ(迷子の黒兎・d24351)が、楽しそうに鼻歌を歌う。
そうしているうちに鍋がグツグツと煮え、香ばしい匂いが辺りに漂ってきた。
「ドジョウ鍋ってこういう味か、美味いな。あっ、お代わりよそう?」
さっそく杉凪・宥氣(天劍白華絶刀・d13015)が、ドジョウ鍋を堪能。
思ったよりも臭みがなく、独特な味わい。
「あ、お願いします♪ それにしても本当に美味しいです……あ、豆腐の中にドジョウが♪」
黒絶・望(希望を抱く愛の風花・d25986)が目隠しをしたまま、気配で豆腐の中に頭を突っ込んだドジョウに気づく。
「初めて食べましたけど、ちょっと癖はありますけど、おいしいですね。栄養もあるみたいですし、これからは時々食べようかな」
めぐみもまんざらではない様子。
「おい、こらっ! そこで何をやっているゥ!」
それに気づいた都市伝説が、烈火の如く怒り狂って、めぐみ達の前に姿を現した。
「そもそも、食というものは基本的に命を奪うことで成立するでござる。言わんとすることは分からぬでもござらぬが、そこに残虐性を言い出しては食そのものが成り立たぬでござるよ。ドジョウとて、ミジンコやイトミミズを食すでござろう。これも丸かじりとも言えるでござるし、表現の仕方次第でなんとでもできてしまうでござるよ。早い話が、付き合いきれぬゆえ、ご退場願うということでござる」
清流院・静音(ちびっこ残念忍者・d12721)が、キッパリと言い放つ。
「何だと貴様っ! ならば、貴様らを鍋で煮込んで喰らってやるぅ!」
次の瞬間、都市伝説が殺気立った様子で、静音達に襲い掛かって来た。
●仲間の仇!
「よくも俺の仲間を、こんな目に! おい、こら! これを見ろ。ドジョウ達が苦しみのあまり、豆腐に頭を突っ込んでいるじゃねえか!」
都市伝説がボロボロと涙を流しながら、狂ったように拳を振り回す。
「あらまぁお粗末だこと。菜箸の穴と仲間が必死に食い破った穴の区別もつきませんの?」
雪緒が皮肉混じりに呟いた。
「それに、実際の泥鰌は熱湯に放り込んでも、豆腐と一緒に冷水から煮込んでも、豆腐に潜り込まないんですよ。精々頭が潜る程度で」
めぐみも説明を付け足したものの、都市伝説はまったく納得していない。
それどころか、自分の考えが間違っていないと、勝手にしはし確信しているようだった。
「うるせぇ、黙れ! 後からなら、いくらでも言い訳が出来る! だが、俺には分かる! これはドジョウ達が熱さのあまり、豆腐に頭を突っ込んだ証拠だァ!」
都市伝説が迷わず断言。
思い込みが強い性格なのか、何を言われても、まったく考えを曲げようとしなかった。
「頭に血が上って、やることなすこと滅茶苦茶でござるな」
その間も静音が都市伝説を挑発しつつ、素早い身のこなしで攻撃を避けていく。
それでも、都市伝説は諦める事無く、殺気立った様子で攻撃を仕掛けてきた。
「こ、これは説得しても無駄なようだね」
ミーシャが深い溜息をつきながら、都市伝説の攻撃を避ける。
それに合わせて、静音が都市伝説の前に、サッと豆腐を突き出した。
「ぐぎゃああああああああああああ、やめ、やめてくれええええええ!」
都市伝説が青ざめた表情を浮かべる。
どうやら、都市伝説の中では豆腐が何十倍も大きく見えているらしく、恐怖で身動きが取れなくなっているようだ。
「ふふ、逃れたいなら、仲間のドジョウでも放って抵抗なさい!」
花子が勝ち誇った様子で胸を張る。
「クッ……! 豆腐さえなければ、こんなに苦戦する事も……」
都市伝説が悔しそうに唇を震わせた。
「そんなに仲間を呼んでほしいなら呼んでやる!」
次の瞬間、都市伝説が隠し持っていたドジョウ達を投げる。
それは都市伝説達によって、救出されたモノ達。
『いまこそ、都市伝説さんに恩返しをするぞ!』と言わんばかりに、花子めがけて襲い掛かった!
「……って、ホントに出してきた?! しかも、ビキニアーマーの隙間に入ってきているし?!」
花子が慌てた様子で、ドジョウを掴む。
しかし、ドジョウ達は捨て身の覚悟で、さらに奥へと進んでいく。
「ちょ、そこは……や、やめなさい! ひゃんっ! そ、そんなに動き回っちゃ……ッ! アッー!」
そして、グッタリ。
身体をビクンビクンさせながら、頬を桜色に染めている。
「はははははっ! 見たか! 俺だって本気を出せば、貴様らのひとりやふたり、ちょろいもんさ」
都市伝説が豪快に高笑いを響かせた。
「泥鰌に頼まれたわけでもなく、思い込みを元に、話を聞かずに人々を苦しめる……その所業、見過ごせません! さあ、終わりにしましょう。シュトール! 泥鰌鍋パーティーです!」
白銀がシュトールに声をかけ、杏仁豆腐を突き出した。
「うわああああ、豆腐……じゃねえ! おい、こら! 馬鹿にしているのか! 杏仁豆腐なんて怖くねーよっ!」
都市伝説がイラついた様子で、杏仁豆腐を地面に叩きつける。
それだけでは怒りが収まらなかったのか、白銀達に見せつけるようにして、何度もしつこく踏みつけた。
そのせいか、シュトールがションボリ。
「さぁ、食滅の時間です!」
望がゆっくりと目隠しを外す。
「調理開始!」
それに合わせて、宥氣がヘッドホンの電源をオンにした。
●ドジョウの使者
「俺を調理するだと!? ふざけるなっ! 返り討ちにしてやろう!」
都市伝説が自らの殺気を爆発させ、全身の筋肉を隆起させた。
その姿はドジョウというよりも、不気味な何か。
血管がビクンビクンと脈打ち、生臭いニオイが辺りに漂っていた。
「まさか、それで強くなったつもり?」
ミーシャが含みのある笑みを浮かべて、都市伝説の死角に回り込む。
すぐさま、都市伝説がミーシャに攻撃を仕掛けようとしたが、筋肉が邪魔をして素早く動く事が出来なかった。
「あははははは!ホラ、お啼きッ!! よろこびなさい。ここにいる皆、あなたのためにわざわざ来てくれたんですのよ?」
その隙を突くようにして、雪緒が高笑いを響かせ、都市伝説に攻撃を仕掛けていく。
「クッ……、こんなはずではっ!」
都市伝説が悔しそうな表情を浮かべる。
だが、攻撃は当たらない。
都市伝説の気持ちに反して、空振りするばかり。
「ほらほら、いいザマですわねぇ!?」
雪緒が影縛りを仕掛け、都市伝説の身体をマニアックな形に縛り上げる。
そのせいで、都市伝説の身体はまるでボンレスハムの如く、パンパンになった。
「やられてたまるか、貴様の服に潜り込んでやる」
次の瞬間、都市伝説が最後の力を振り絞り、まるで脱皮をするようにして身軽になると、捨て身の覚悟でめぐみに突っ込んでいく。
「ちょ、やめてよ、くすぐったいよ~、きゃははは……」
その途端、めぐみが腹を抱えて、大声で笑い出した。
ナノナノのらぶりんは心配そうに辺りを飛び回っているが、どうしていいのか分からず、あたふたするばかり。
そうしているうちに、めぐみが笑い疲れて、グッタリとした。
「覚悟を決めるでござるよ。滅!」
静音がめぐみの上に、豆腐をポンと置く。
「ぐぎゃああああああああああああああ! そんなものを置くなあああああああああああ!」
都市伝説が逃げるようにして、めぐみの服から飛び出した。
「さて、美味しく料理してあげますからね」
それと同時に望が鬼神変で、都市伝説の身体を掴む。
だが、都市伝説は既に虫の息。
続け様に攻撃を食らった事で、生死の狭間を彷徨っている。
「焼いて、六型終式′火鞠逆神楽′!」
それに合わせて、宥氣がレーヴァテインを放ち、都市伝説を消し炭にした。
「結局、食べる事が出来ませんでしたね」
白銀が残念そうに溜息をもらす。
シュトールは都市伝説を食べる事が出来なかったため、色々な意味でションボリムード。
この埋め合わせは必ずすると約束しつつ、シュトールの頭をヨシヨシと撫でた。
「うう、酷い目に遭いました。今まで見てる方だったのに……くすん」
めぐみが魂の抜けた表情を浮かべて座り込む。
「さあ、今晩はドジョウ鍋ですわ!」
そんな中、ようやく意識を取り戻した花子が、現実逃避をするようにして、残ったドジョウ鍋をヤケ食いしていた。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年6月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 4
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