
とある地方都市の雑居ビルの地下では、不気味なサバトが開かれていた。
真っ黒に塗られた壁に、怪しげな蝋燭。床には複雑な模様の魔法陣が描かれ、祭壇には山羊をモチーフにしたような像。
信者と思われる一般人が十五人ほど、像に向かって平伏しながら呪文を唱えていた。
何かの香を焚かれているのか、部屋は奇妙なにおいで満ちている。
祭壇の前に、一人の男が現れた。
黒いローブに銀の装飾。往年のRPGの悪役のような恰好をした男は、シン道士と呼ばれていた。
シン道士は両手を広げて、信者たちに厳かに告げた。
「信者たちよ! 我は北方の神殿へ赴く! 我が不在の間も、祈りを捧げ続けるのだ! 祈りを捧げ続けた者のみ、福音が訪れようぞ!」
「はい、シン道士!」
「シン道士が、そうおっしゃるなら!」
「シン道士が心の支えです!」
口々にシン道士の名を呼ぶ一般人に頷いて、シン道士は立ち去る。
信者の死角に入ったシン道士は、急いで事務所に駆け込んだ。
「拠点を捨てる準備はできているな?」
「はい! 車の手配はできております」
「よし! すぐに出発する!」
信者からだまし取った貴金属が詰まったバッグを持ったシン道士に、部下は後ろを振り返った。
「一般信者たちはどうしますか?」
「放っておけ。今日で洗脳を最終段階まで進めた。いつでも強化一般人にしてやれる。ハルファス様が巻き返しを図られた時、伏兵として動かせるようにな」
冷淡に言い放ったシン道士は、顧客名簿をバッグに詰めた。
●
「ハルファスに動きがあったみたいや」
くるみは教室に集まった灼滅者達を見渡すと、関東地方の地図を黒板に貼りつけた。
「もう知ってはる人もおるやろうけど、改めて説明させてもらいます。他のダークネス組織の勢力拡大で劣勢になったハルファスの勢力がな、近畿や関東の支部を閉鎖して戦力を集結させるみたいや」
ハルファスは既に撤退したようで、今は支部長クラスのソロモンの悪魔たちが、物資と戦力を持ってハルファスと合流するために北へ向かっている。
北海道は今、多数のダークネス組織が入り乱れている。ここにハルファス勢力が合流すると、どうなるか分からない。
「幸い、うちが予知した連中は、インターへの近道や言うて、この山道を通るんや。場所は分かっとるさかい、ここに先回りして迎撃するんは、難しいこととちゃうで。今回は、山道を封鎖して敵を足止めした後、車から降りたソロモンの悪魔たちを灼滅したってや」
ソロモンの悪魔・シン道士のポジションはスナイパー。
魔法使いのサイキックを使う。
配下は四体の強化一般人。救出は不可能。
AとBはクラッシャー。魔導書のサイキックを使う。
CとDはジャマ―。契約の指輪のサイキックを使う。
干渉できるのは、山間の林道。川沿いの山をえぐるように作られた、片側一車線のゆるくカーブした道路。
時刻は夜七時過ぎ。
街灯も乏しく、人通りはないが、抜け道として知られているため、足止めから四分後に一般車が通る。
シン道士はハルファスに忠誠を誓っていて、なんとしてでも札幌に向かおうとする。
「一般人や手下の陰でコソコソ悪巧みしとる、ソロモンの悪魔を灼滅できるええ機会や。これ以上被害を広げん為にも、皆の力を貸したってや!」
くるみはにかっと笑うと、ぺこりと頭を下げた。
| 参加者 | |
|---|---|
![]() 伐龍院・黎嚇(ドラゴンスレイヤー・d01695) |
![]() ワルゼー・マシュヴァンテ(松芝悪子は夢を見ている・d11167) |
![]() 袖岡・芭子(幽鬼匣・d13443) |
![]() 狩家・利戈(無領無民の王・d15666) |
![]() 麻古衣・紬(灼華絶零・d19786) |
![]() 類瀬・凪流(オランジェパストラーレ・d21888) |
カルナヴァル・ジンガムル(俺の指揮を見ろや・d24170) |
赤松・あずさ(武蔵坂の暴れん坊ガール・d34365) |
●
夕闇迫る山中で、木が倒された。
カルナヴァル・ジンガムル(俺の指揮を見ろや・d24170)の無敵斬艦刀が閃き、道路近くの木を切り倒す。
ワルゼー・マシュヴァンテ(松芝悪子は夢を見ている・d11167)が起動したエアシューズが空を駆け、倒れた木の隣にある木を蹴りつける。
再び倒れる木。斜面に重なるようにして伐採された木々を、ワルゼーは見下ろした。
「こんなものか?」
「さ、流石に土砂は重かったのです……」
近くで土嚢を作っていた麻古衣・紬(灼華絶零・d19786)達が、土嚢を作り終えて合流した。
伐採した木と土嚢でバリケードを作り、通行止めと迂回を知らせる一般車両向けの看板の準備も万端だ。
「ぬぅ、このような力仕事をする事になるとは。僕としてはもっと理知的な作戦をだな……」
ブツブツ言いながらも、伐龍院・黎嚇(ドラゴンスレイヤー・d01695)は完成した土嚢の半分を、伐採された木の近くへと置いた。
代わりに、伐採された木を半分小脇に抱える。
黎嚇は軽々と木を持ち上げると、車がくるまで待機すべく歩いていった。
「それじゃ、こっちも運ぼうかね」
カルナヴァルもまた軽々器用に木を持つと、タイミングを見計らって路上に木と土嚢を積み上げた。
●
立ち塞がるバリケードに急停車した車から降りたシン道士は、眉をひそめると舌打ちした。
「ちっ……。片付けろ!」
「北になんか行かせないわよ? 一匹残らず消してあげる!」
バリケード撤去のために動き出した手下に、赤松・あずさ(武蔵坂の暴れん坊ガール・d34365)はツインテールの赤毛を躍らせながらビシッと指を突きつけた。
あずさの声に振り返ったシン道士は、不快そうに眉をひそめた。
「貴様、誰だ?」
「あー、伐龍院伐龍院? シンちゃん達の足止め成功ー。そっちもやっちゃって」
『了解した!』
凄むシン道士を完全無視して、カルナヴァルは携帯電話で黎嚇と連絡を取った。
直後に響く大きな物音。百メートルほど先の路上に複数の木や土嚢が落とされ、悪魔たちの退路を塞ぐ。
手下Aは、怒りに震えながら怒鳴った。
「貴様たち、道士の邪魔をするのか!」
「残念ながら、貴方たちを先へ行かせるわけには、いかないのっ!」
絶対に先へは進ませない、という決意を持った目で、類瀬・凪流(オランジェパストラーレ・d21888)はシン道士たちの視線を受け止めた。
灼滅者達の姿に、手下たちはバリケードを背後にシン道士を守るように展開した。
警戒を強めるシン道士達に、袖岡・芭子(幽鬼匣・d13443)は殺界形成を放ちながら、静かに問いかけた。
「……ねえ、私にも教えてよ。その福音とか言うのが訪れる方法を。人をほったらかしにしたら訪れるの?」
「無知な下民が。福音とは、シン道士の導きにより魂の飛翔……」
「ひゃっはー! ならぶっ飛びな!」
滔々と語る手下Cに、狩家・利戈(無領無民の王・d15666)が強襲をかけた。
雷を帯びた拳が、手下Cに深々と突き刺さる。
利戈のアッパーカットで飛翔した手下Cは、アスファルトにバウンドするとむくりと起き上った。
「おのれ……」
「御託を並べてるが、要は残存兵力を結集させて、態勢を整えようってわけだろ? お前はハルファスに忠誠を誓ってるようだが、離反する奴もいるだろうな」
挑発するような利戈の言葉に、シン道士は一瞬言葉を詰まらせた。
「さて、どれぐらい集められるもんかね?」
「黙れ! ならなおのこと、我だけでも馳せ参じねば! ゆけ!」
「はっ!」
シン道士の号令を受けた手下Bが、前衛に向けて禁呪を放った。
●
意味不明な呪いの言葉が、前衛を包み込むように広がった。
魔導書から発せられる呪詛が、炎となって燃え移る。
被る炎を振り払うように、ワルゼーが飛び出した。
「お前達の、くだらん企みをぶっ潰すぞ!」
気迫と共に繰り出される螺旋の槍が、ダメージを受けた手下Cへと突き刺さる。
手下Cは大きくよろめきながらも、槍の柄を握った。
「シン……道士の、敵に呪いあれ!」
手下Cは手を大きく突き出すと、ワルゼーに向かって指輪を突き出した。
指輪から放たれる呪いが、ワルゼーを縛る。
徐々に石化する指先に、ワルゼーは大きく後ろへと後退した。
「さぁ、悪魔の脱走取り締まり強化期間、はじまりですよー」
息も絶え絶えな手下Cに、紬のマテリアルロッドがひらめく。
放たれる強烈な一撃に、手下Cは声もなく黒い砂となった。
「お前達は、一人も、逃がさない!」
利戈をチラリと見た芭子は、手下Dに向かって螺旋槍を放った。
槍は手下Dの脇腹を貫き、大ダメージによろめいた。
手下Dもまた槍に手を伸ばそうとした瞬間、利戈が動いた。
「二度目はねぇよ! 食らいやがれ!」
手下Dのウロボロスブレイドが手下Dの手に伸び絡みつき、サイキックを放とうとした手下Dの動きを止める。
そこに、あづさの影業が迫った。
影は真っ直ぐに伸び、手下Cを絡め取る。
影の触手に絡め取られた手下Cは、声もなく黒い砂となって消えた。
初陣の初戦果に、あずさは思わず口元に笑みを浮かべた。
「ふふん、灼滅できた……!」
魔法使いの宿敵である、ソロモンの悪魔に強い敵意を燃やしながら、あずさはシン道士を睨みつけた。
「おのれ!」
次々と灼滅される仲間に、手下Aは魔導書から炎を解き放った。
狂える炎が、前衛に向けて燃え盛る。
ダメージの大きなワルゼーの前に、カルナヴァルが駆け出した。
「あちち……!」
舐めるように広がる炎が、カルナヴァルを包み込む。焼き尽くさんとするような炎に眉をひそめながらも、カルナヴァルは飄々と口元に笑みを浮かべた。
「助六ちゃん!」
「ナノ!」
凪流のナノナノの助六ちゃんが、ワルゼーにふわふわハートを放つ。
ぽぽぽん! と飛んだハートがワルゼーの石化した指先にふんわり着地し、肌の色を取り戻していく。
癒しの力を得たワルゼーと連続する列攻撃を受けた前衛に、続けて癒しの音楽が舞い降りた。
「みんな! 大丈夫?」
凪流はShining Starを構えると、ギターをかき鳴らした。
音楽に洗い流されるように炎が静まり、ダメージを癒していく。
癒しを受けて急場はしのいだとはいえ、クラッシャーの列攻撃を立て続けに受けた前衛の傷は癒えきらない。
好機と見たシン道士は、大仰な杖を振りかざした。
「氷漬けにしてくれるわ!」
シン道士は杖を構えると、氷の嵐を解き放った。
氷の礫が前衛に吹き荒れる直前、前衛を守るように夜霧が展開した。
「伐龍院の実力、お見せしよう!」
黎嚇の声と共に放たれた夜霧が、しつこく残っていた炎を消して傷を癒す。
直後に吹き荒れる氷の嵐。手下とは比べ物にならないほどのダメージが吹き荒れたが、全員何とか耐えきることができた。
痛みをこらえながらも、ワルゼーは現れた黎嚇を振り返った。
「狙いすましたようなタイミングだな?」
「盟友マシュヴァンテ君もいるのだ。恥ずかしいところは見せられないからな」
黎嚇の解体ナイフ《ASKALON-Black Transience-》にわずかに残った霧を振り払った黎嚇は、シン道士達を注意深く睨んだ。
●
手下が半分に減り、退路をバリケードで封鎖されたシン道士は、それでも不敵ににやりと笑った。
「貴様らどうだ? 我の手下にならんか?」
「君たちは、君たちの信者みたいに仲間もポイ捨てできるんでしょ? ……逃さないよ」
静かな口調の中にも怒りを湛えた芭子は、右腕を鬼のように巨大化させながら睨んだ。
「一体、何しに集まるつもりなんですか? 何か共謀ですか?」
紬の問いに、シン道士はカカと笑った。
「共謀? 知らぬな。我はただ、ハルファス様の手となり足となるだけよ! ゆけ!」
「はっ!」
シン道士の声に応えた手下Aが、魔導書を開く。
混沌を顕す刻印が魔導書から生まれ、前衛へと襲い掛かった。
強力な攻撃だが、同じ相手から繰り出される攻撃のこと。
刻印の軌跡を読み、ひらりと避けた芭子は、巨大化させた腕を振りかぶった。
「逃がさない」
鬼の腕が、手下Aを捉える。
大きくひしゃげた手下Aの足元が凍り付いた。
「凍り付きなさい!」
凪流が放ったフリージングデスが、立ち上るような冷気を放つ。
「ハルファスたちの悪巧み、邪魔させてもらうね!」
まるで氷の彫像のように凍り付いた手下Aに、紬の拳が突き刺さった。
拳が入ったのは一撃のみ。だがその一撃に追随するように、魔法の打撃が無数に打撃を加えた。
ハルファスが北へ戦力を集中させて、その後どうするのかは分からない。だが、ろくでもないことは確かだろう。ならば。
「ここで潰しておくに越したことは、ないでしょうね」
魔法の打撃に、手下Aは細かい砂となって消えた。
「せめて一撃!」
手下Bは魔導書から生み出したサイキックを否定する光線を、あずさへ向けて解き放った。
強烈な光線はしかし、あずさに届く前に遮られた。
あづさの前に躍り出たウイングキャット・バッドボーイが、主であるあずさを攻撃から守る。
世を呪い、全てを破壊せんとする光線が、バッドボーイに迫る。手下Aの攻撃を受け切ったバッドボーイは、弾かれるように戦場の外へと飛ばされた。
「バッドボーイ!」
あづさの声に、バッドボーイは答えない。あづさは唇を噛みしめると、改めて妖の槍を構えた。
「一体も逃がすもんですか!」
気迫と共に放たれた槍が、手下Bに螺旋状の穴を穿つ。
大きく貫通した手下Bの傷を、カルナヴァルのガンナイフが大きく広げる。
息も絶え絶えな手下Bに、黎嚇の《ASCALON-White Pride-》が迫った。
裂帛の気合と共に放たれた一撃が、手下Bを捉える。
「やはり小手先の戦法よりも真正面から潰す方が……。いやいやこれではダメだな」
黒い砂となって消えた手下Bに、黎嚇は一人呟いた。
一人残されたシン道士は、じりじりと後退した。
背後は積まれたバリケード。シン道士の身体能力を持ってすれば、越えられる高さではある。
だが、その先がない。灼滅者達は、シン道士を追いかけてくるだろう。
ならば。
シン道士は注意深く灼滅者達を睨み、隙を突いて車へと駆け寄った。
「させん!」
ワルゼーは車にマジックミサイルを放つ。ボンネットに突き刺さった攻撃に、車は破壊音を立てて沈黙する。
「ちっ……!」
「此処が御前たちの終着点だ。一般人を食い物にした罪、その身で購ってもらう!」
「強き者が弱き者を従え、食い物にして何が悪い! そうせねば、敵に食らわれるのはこちらなのだ!」
「他者を従えるなど、二流!」
利戈は大きく吠えると、無数の符を放った。
大きくバックジャンプして攻撃を避けたシン道士に、利戈は王者のごとく指を突きつけた。
「悟るが良い! テメエの敵はテメエ自身だということを!」
利戈の言葉に唇を噛んだシン道士は、目に突き刺さるヘッドライトの光に目を見開いた。
●
バリケードで封鎖された道路に、通りがかった軽自動車が急ブレーキを踏んだ。
殺界形成により、この道はなんだか嫌だと感じていたドライバーだったが、Uターンもしにくい山道のこと。
走るがまま走っていた軽自動車のボンネットに、シン道士は飛び乗った。
「我に車を提供する栄誉を、誇りに思うがいい!」
驚きで何も言えない一般人に、シン道士は大きく拳を振り上げる。
フロントガラスを破ろうとしたシン道士の体が、宙に浮いた。
「俺に背中を見せたのが運のつきよ! おらー!」
シン道士に追い縋った利戈は、ジャーマンスープレックスの要領でシン道士をバリケードの向こう側へと投げ飛ばす。
そのままバリケードの向こう側に戻った利戈を呆然と見ていたドライバーは、ガラスを叩く音に我に返った。
「すみません。ここは土砂崩れで立ち入り禁止です。引き返してもらえますか?」
「は?」
普通、中学生の女の子に言われるはずのないセリフだったが、プラチナチケットを使用したツナギ姿のあずさに素直に頷いた。
「工事中でしたか。では引き返します」
「気を付けて」
大急ぎでバックして強引にUターンする軽自動車を見送ったあずさは、急いで戦場へと戻っていった。
戦場に引き戻されたシン道士は、灼滅者の包囲に後ずさった。
「ま、待て! そうだ、見逃してくれたら、これをやろう!」
シン道士は手に持っていたバッグを開くと、信者からだまし取った高価な貴金属をアスファルトに並べた。
カルナヴァルは毛虫を見るような目でシン道士を見下すと、宝石を蹴とばした。
「……まぁ、ハルファスが那須に来た時は、仲間見捨てて逃げて来たワケだし。あんたが那須に来たかどうかも知らないから、仇だなんだと言えないけれど。もしチャンスが巡ってくるなら、ハルファスは、俺が殺したい」
「な、那須……?」
呆然と口にしたシン道士の横面に、カルナヴァルはコールドファイアを放った。
氷結する炎を放ったカルナヴァルは、けらけらと笑う。
「ま、痛いのはイヤだけどねー! アッハハ☆」
カルナヴァルの脇をすり抜け、ワルゼーが無数の拳を突き出した。
締めの一撃が放たれ、シン道士がバリケードに叩き付けられる。
「人を導く指導者たりえるのは、人の信頼を裏切らぬ者である。信頼を裏切って我先に逃げ出す貴様に、人を導く資格は無い!」
「信頼を裏切ってなど、おらぬわ! あの一般人どもは、道を求めた! だから示したまで! 強化一般人としての道をな!」
あまりに身勝手な言い分に、黎嚇はジャッジメントレイを放った。
「お前達の行く先は地獄と決まっているぞ! 神の身許に送るまでもない、この僕が裁きを下す!」
神罰を下すような光線が、シン道士を貫く。
「人を人として扱わなかった報い、受けなさい」
芭子のマテリアルロッド・春の色が、シン道士を打ち抜く。
続く攻撃に、バリケードが打ち砕かれる。
「我……は、北へ。ハルファス様の……もと……」
「北へは、行かせません!」
「悪巧みは、ここで潰します!」
炎の剣が切り裂き、魔法の弾丸が打ち抜く。
凪流と紬の連続攻撃が、シン道士を黒い灰へと返していった。
●
シン道士の灼滅を確認した灼滅者達は、ホッと一息ついた。
ワルゼーは顧客名簿を回収すると、辺りを見回した。
破壊されたバリケードが木屑となって散乱し、土嚢がひしゃげて中の土を吐き出している。
「……さ、お片付け頑張ろうね」
芭子が木片を拾い集める隣で、利戈は敢えて口を尖らせた。
「面倒くさいなぁ。こういう時こそ、武蔵坂の財力を示してくれればいいのに」
「……頑張ろうね?」
「分かってるよ」
ニコニコ凄む芭子に、利戈は土嚢の袋を拾い上げた。
全員で片付け、何事もなかったかのような道に一般車両が通る。
川のせせらぎを聞きながら、灼滅者達は迎えの車に乗って帰っていった。
| 作者:三ノ木咲紀 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
![]() 公開:2015年6月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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