「じゃあ、今日もルリコ、はりきっていっちゃいますよ〜う?」
「うおおおおおおおおおおお!!!!」
とある雑居ビルの地下1階にある小さなライブハウス。ステージ上にいるのは、赤いチェックのヘソ出しブラトップにお揃いのミニスカート。ふんわり内巻きのボブがよく似合う、前かがみ+上目遣いの悩殺にもちもち肌も健在なアイドル淫魔ルリコである。
20名ほどの客が熱狂する中、音楽がスタート。ルリコの歌声が響き渡る。
はずだった。
「ぎゃあああああ!!」
「うわああああ!!」
ルリコの歌声を遮り、響き渡ったのは大量の悲鳴。そして何者かが観客をなぎ倒しながらステージへ進んでくる。マイクを握ったまま固まるルリコ。
「やあ、ルリコちゃん。だよね?」
蒼い寄生体を半身に現した男が、そう言って、笑った。
「最近、ラブリンスター配下の淫魔が頻繁にライブを行っているらしいって話は、もうみんなきいている?」
と、須藤・まりん(高校生エクスブレイン・dn0003)が言った。
今まではバベルの鎖がある為に、ライブを開いても客が集まることはなかったのだが、仲間になった七不思議使いたちに噂としてライブ情報を流してもらうなどして、一般人を集めるのに成功したらしい。
「といっても、売れない地下アイドルくらいの人数なんだけど。それでも淫魔はステージに立てて、とっても喜んでるんだ。で、ここからが本題」
ライブに来るのが一般人だけならば、問題はなかっただろう。しかし、噂を聞いて、ライブ会場にやってくるデモノイドロードがいるのだ。
このデモノイドロードは、ライブ会場に到着すると観客を蹴散らして殺し、そのままアイドル淫魔のところへ向かうらしい。デモノイドロードの目的は不明だが、ライブ会場の一般人が殺されてしまう事態は、避けるべきだろう。
「だからみんなには、デモノイドロードがライブ会場に入る前に、灼滅して欲しいんだ」
ライブハウスのある雑居ビルはさびれた路地裏にある。ライブ開始前にはすでに人通りはなく、ビルの1階から上にはテナントは入っていない。路地裏沿いは他も空き店舗ばかりだ。
「デモノイドロードは1人でやってくるし、戦闘能力もそんなに高くないよ。配下も連れていないから、ライブハウスにやってきたところを待ちぶせて路地裏で灼滅すればOKなんじゃないかな」
路地裏は、明かり、広さとも戦闘に支障はない。開場時間は18時半で、客はみな10分ほどで入場を終える。デモノイドロードは開演時間の19時頃から待ちぶせをしていると、まもなく現れるだろう。
ライブハウスにやってくるデモノイドロードはナカタという、一見大学生風の男。攻撃時にはデモノイドヒューマン相当とシャウト相当のサイキックを使用する。ポジションはクラッシャー。
「それから、被害を未然に防ぐ方法としては『ライブを解散させる』という手もあるよ」
この場合、ライブを邪魔された淫魔との戦闘になる。が、一般人を安全に避難させることは可能だろう。ただし、淫魔の戦闘力はそれほど高くないものの、淫魔の灼滅前にライブハウスにやってきたナカタが乱入してくる可能性もあるので、難易度はあがってしまうかもしれない。
「ちょっとみんなで考えてみてね。じゃ、よろしくね!」
参加者 | |
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アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814) |
和泉・風香(ノーブルブラッド・d00975) |
結城・桐人(静かなる律動・d03367) |
ミルフィ・ラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・d03802) |
桐淵・荒蓮(殺闇鬼・d10261) |
海川・凛音(小さな鍵・d14050) |
銀城・七星(銀月輝継・d23348) |
ロベリア・エカルラート(御伽噺の囚人・d34124) |
●
「どうしてラブリンスターが七不思議使いを仲間にしたか疑問だったけど、これが目当てだったのね」
アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)が言った。『カタルシス』の背に、金色のポニーテールの先が流れる。
「まあ、ソロモンの悪魔みたいに、集めた一般人に悪事をさせたり、手駒を増やそうとはしないようだから。せっかくの機会だろうしライヴを楽しんでもらいましょ」
「淫魔に協力するのは癪ですが、一応は友好相手、仕方ございませんわね」
白兎の名のついた専用のメイド服姿。ミルフィ・ラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・d03802)が言った。
「ほうっておくわけにはいきませんね。一般の方もどちらも守ってみせます」
海川・凛音(小さな鍵・d14050)が言う。一体誰が攻撃を仕掛けているのか。少しでも情報がわかれば対策を立てることもできるだろうとも凛音は考えている。
とはいえ相手は淫魔。和泉・風香(ノーブルブラッド・d00975)は、そもそもラブリンスター一派には不信感を抱いているし、自らも軽音部Secret Baseに所属、ドラマーであるらしい結城・桐人(静かなる律動・d03367)も、ルリコのライブへの思いには共感しつつも、宿敵故の複雑な気持ちがある。しかし桐人は同時、ライブを邪魔する無粋さには怒りを、ダークネスには敵意を抱いているのだった。
「デモノイドロードの目的が分からぬのが気になる所じゃが……ダークネス同士の縄張り争いも複雑じゃな」
風香が言う。
「とにかく、どうにも無粋なヤツみたいね。せめて何か情報が得られたら良いんだけど……」
ロベリア・エカルラート(御伽噺の囚人・d34124)が言った。
(「ま、小物っぽいし、さっさと終わらせてライブでも見て帰ろうかな」)
一房色の違うロベリアの赤髪が、夜風にそよいだ。
「これでよし、と」
銀城・七星(銀月輝継・d23348)は、大通り側に他のライブへ誘導する看板を設置すると、
「桐淵先輩、手伝ってもらっちゃってすいません」
ぺこっと頭を下げる。かまわないと微笑む桐淵・荒蓮(殺闇鬼・d10261)。
その時だった。
「あれ? ライブってこっちじゃねーの?」
看板と2人の顔を見比べる男。ナカタだ。
「……こっちっすよ」
七星がわざとスペースを開ける。ナカタが路地裏に入ってきた。
●
「うわ、イマドキカツアゲ?」
ナカタが言う。
「Good evening. 最後のライヴへようこそ」
英国出身らしい流暢な英語を交え、アリスが言った。
「あなたはここで灼滅するわ。覚悟して」
「カツアゲつかイジメ!」
ナカタが大げさに両手をあげる。
「あなた、どうしてこのライヴを襲うの? 答えないと苦しんで死ぬ事になるわよ。……答えても楽に死なせるだけだけど」
「襲う? 何が?」
アリスの問いにナカタは怪訝な顔をした。
「ライブを邪魔する目的は何だ?」
と、桐人。
「人聞きわり! いきなり邪魔者扱い?!」
「悪いがダークネスは入場規制だ。ライブ会場には入らせん」
「空気の読めないバカはご退場願うわ」
荒蓮とロベリアも言う。
「おいおい、ダークネスだからご退場って、」
「ライブの途中で割り込むのは無粋だぞ」
桐人が言った。
「遅刻しちまったもんは仕方ねーだろ?」
「てかさ、」
七星が前に出る。
「ここに『淫魔のルリコ』がいるって何でアンタ知ってんの?」
「何でって……噂できいたぜ? ネットとかな?」
ナカタが何も答えないだろうと思っていた七星は、少々拍子抜けする。また誰に頼まれてきたのか、なぜラブリンスターの勢力を狙うのか問おうと思っていた凛音もナカタの様子から、
「あなたは朱雀門と関係があるのですか?」
とだけたずねた。が、ナカタは何のことやらという態度。
(「少し前にいたライブを独り占めしたいファン、というのとも違うようじゃの?」)
考える風香。
(「明らかに目的があって来たように見えるのじゃが」)
ダークネスが問いに真っ当に答えるとは限らない。それでも風香のように様子から読み取ろうとすることは意味のあることだ。
「あれ、君たちもアイドルっぽい! タマゴかなんか?」
蠱惑的なドレスを着た風香、ゴシックロリータな凛音、うさ耳メイドのミルフィを見て、ナカタが目を細める。答えるようにミルフィは、
「では、わたくし達も、ライブと参りますわ!」
純白の光帯を体の周囲に浮き上がらせ、
「貴様にとっての最後のライブ会場は此処だ。此処から先へは、行かせない」
桐人は片腕を鬼のそれへと変化させた。
「Slayer Card,Awaken!」
アリスがスレイヤーカードを解放し、古式護符揃え『殲(占)術符「風鳴・改」』を手にした後ろ、風香は自分の身長より大きくなる折りたたみ式のバスターライフルLanzeを展開、荒蓮は長袖の片腕に縛霊手を装着した。凛音も、
「今日よりもよい明日のために」
封印を解除。音を遮断する壁も発動させる。ロベリアは自分の深淵から暗い想念を集めると、胸の前へ漆黒の弾丸を作り出した。
「……しっかたねーなあ。余計遅刻だよ……」
ナカタが面倒そうに、寄生体を蠢かせる。
「この身、一振りの凶器足れ」
七星のコード。足元からは影の猫と鴉が現れた。
「ユウラ、ヤミ!」
七星の呼びかけに、揃って前を向く2匹。
「オレの敵だ! 動きを封じろ」
ナカタが片腕を巨大な刀に変えた刹那、幽羅と夜深が勢い良く飛び出した。
●
振り回される刀をくぐり抜け、ユウラとヤミがナカタの足に腕に激しく絡みついた。次いでアリスの周囲に五芒星型に放たれた符は、壁を築くと同時、白い光を発してナカタの動きをさらに阻む。
(「足止めなんて気分よ気分。って思っていたけれど」)
続き小さな体で果敢にかばいに飛び込んだ凛音がナカタの刀を受け止めた隙、荒蓮が縛霊手でナカタを叩きのめし、放出された霊力の網が何重にもナカタを捕らえる。
「ウゼッ」
言うもののまだナカタも余裕。だがそれは灼滅者たちも同じ。凛音はエアシューズでバックストライドからフリップ。ストライドの摩擦で起こした炎を纏った足元で、そのままナカタへ蹴りを食らわせた。燃え上がるナカタへミルフィのアームドナイトオブホワイトラビットが一斉に突き刺さり、その間に桐人と風香は、ライブハウスへの進路を遮るよう移動する。
「さて、せめて援護くらいはさせてもらうわ」
ロベリアが毒を孕んだ弾丸をナカタへ向けて放った。自分の経験が浅い自覚はある。だからこそ足は引っ張ることだけは避けたい。そして、
(「他人に助けられっぱなしは死んでもゴメン」)
「げっ!」
ロベリアの緑の瞳が煌めく。弾丸が炸裂、毒がナカタを侵食していくところへアルルカンも霊撃を放ち、
「逃がしもせぬ!」
Labios apasionadoの真紅が夜空を翔ける炎のように路地を踊った。ナカタがちらりと大通りの方向を振り返ったのを見逃さず、風香がLanzeから光線を発射。撃ちぬかれ、がぼっと口から血を吐いたナカタが見上げた場所には、眼鏡ごし、見下ろす桐人の、刺すような眼光を放つ赤い瞳。
「グえ」
鬼の腕に容赦なく殴り倒され、ナカタの顔から余裕が消え去る。
●
「マジ君たちアイドルじゃん!」
【白流封炎兎】(パルフェット)を走らせながら、純白の光帯を鎧とし、ミルフィが白騎士へと変化する隣、風香が神秘的な歌声を響かせる光景を見ながら、ナカタが言った。風香の歌声はナカタの意識を朦朧とさせ、そこへ桐人の低めの歌声が時に重なり、時に離れ、仲間の傷を癒す。
「イイネイイネー」
ふらつきながらもナカタは片腕の砲台から毒の光線を発射。光線はロベリアに向かったが、アルルカンが射線に塞がった。
「ありがとう」
ロベリアが言う。誰なのか知らない自分のビハインド。正体を知ることを無意識に避けてもいる。それでもアルルカンは紛れも無く彼女のサーヴァントだ。ロベリアも自分の役目を果たすため、縛霊手の指先に癒しの霊力を灯す。
回復手段を持つナカタではあったが、妨害役2人が重ねて状態を悪化させる。回復役2名の布陣から凛音も攻撃に専念。灼滅者優位に戦闘は進む。
「クソッ!」
猛然と刃を向けるナカタの正面、凛音の灰色の髪が魔力に舞った。
「うえっ?!」
凛音の指先が描いた逆十字はそのままナカタの身体にも刻まれ、精神をも傷つける。ナカタは額を片手で押さえながら顔を上げ、
「……キッレーだねえ」
「そうやっていつまでも寝ぼけてなさいな」
路地に銀河が降りてきたように。銀色の粒子でできたオーラ『銀沙』がアリスの身体を包んだかと思うと、白光弾となって手のひらから放たれた。並走するのは、正七角形の標識、七曜区間を携えた七星。飛びくる強酸性の液体を軽々とかわし、補助板の文言と猫耳淫魔のピクトグラムを『止まれ』仕様に変えると、片足で踏み切って飛び上がる。
「クッ」
オーラ弾と七星の攻撃のどちらが早いか。七星と判断したナカタは彼に向けて防御の体勢をとった。が、
「ハズレ」
「ハ?!」
七星は七曜区間を振りぬいて体を一回転。さらに大きくひきタメをつくる間に、白光弾がナカタの脇腹で爆発。そしてナカタの真後ろからは、
「隙だらけだな」
「グ」
死角へ回りこんでいた荒蓮が、ナカタの片脚の腱をザクリ断った。傾いだナカタを狙う七星、手にしたそれと自身のどちらが凶器か。標識がナカタを叩きのめした。
●
戦いが進めば進むほど思うように動けない。それはナカタに灼滅の恐怖を与えるに十分だった。攻撃の雨から必死に這い出せば目の前、無数の魔物の腕が湧き出し、ナカタを捕まえる。
「ヤ、ヤメロ、」
アリスの影業『汎魔殿』にトラウマをひきずりだされている最中でなければ、またアイドルみたいだと軽口を叩いたに違いない。鞄型のBOXを瞬く間に戦闘形態に変形。側面に大きな懐中時計、クロックラビットブレイカーを噴射させて飛び込むミルフィ。杭打たれ、ドレスの紅が滲み出したような風香の緋色ノーラに生命力を吸い取られ。今まで幾度も仲間の傷を塞いできた桐人の歌声も、此度はナカタの耳から入り込んで思考を破壊する。
「くっ、」
叫びともならぬ声を打ち消すように荒蓮の手元で鳴るチェーンソーに、七星の鋼糸、Nyx。どちらもナカタの傷を激しく抉った。
(「当たれば、これで灼滅できるはずですが」)
拳にオーラを集めながらも、命中率を見た凛音に迷いが生じる。そこへ、
「凛音ちゃん!」
ロベリアの声。流星の如き軌跡を描き、超感覚を呼び覚ます矢が凛音を射抜いた。
「いきます」
「!」
凛音の連打がナカタを打ち砕いた。
●
「メタルじゃなかったわね」
アリスが言う。
「正統派アイドル、という感じですね」
と凛音。
(「前の時は利用されてるアホ淫魔って印象しかなかったけど」)
七星は以前、斬新コーポの手伝いをしていた時のルリコを思い出していた。
「思ったよりアイドルしてんだな、いい顔してんじゃん」
「結構いい歌ね。やっぱあの一派は、こういう事には熱心よね」
ロベリアも言う。ライブ中悪事を働く可能性も無きにしも非ずとの参加ではあったが、
(「これなら素直にライブを楽しめそうね」)
ミルフィも至って冷静に鑑賞。ライブ終了後は、
「あまり大人数で押しかけても迷惑だろうし私は遠慮しておくわ」
「妾は、あ奴らが未だに信用できぬ」
ロベリアと風香以外は楽屋へ向かう。スタッフが武蔵坂学園の方々がお見えですと伝えると、ルリコが立ち上がった。
「……楽しいライブになったみたいで、良かったな。おめでとう」
「わあ、ありがとうですよう♪」
桐人が差し出した小さな花束を、喜んで受け取るルリコ。ライブに人を呼べない寂しさは分かる気がする桐人。ここは素直に祝辞を述べる。
「お初にお目にかかりますわルリコ様、ミルフィと申しますわ」
ミルフィは渋い表情ながら、
「これは、わたくしのお嬢様から、花束と、お嬢様手作りのマカロンですが、貴女様にと……」
「マカロン! だあいすきですよう!」
「……あと、お嬢様から――学園祭にも、ラブリンスターさんとぜひ遊びに来て下さい、との事ですわ」
「はあい、伝えておきますよう〜?」
答えながらルリコはさっそく箱をあけ、アリス・クインハートの作ったマカロンを眺めてうっとり。
「ところで……近頃、ラブリン一派以外の淫魔の動きが活発のようですわね……アリエル・シャボリーヌも現れ、もっともいけないナースも活動しているようですわ」
ミルフィが言った。
「アリエル……む、なんか売れそうな名前ですよう」
ルリコは難しい顔をし、
「ルリコって、インパクトないでしょうかあ。どう思いますう?」
「どうって……」
ミルフィは顔を逸らす。そこで凛音が、
「これ、応援の気持ちです」
と、のど飴とレモネードを渡した。アリスも当然の心配りと花束を渡す。荒蓮は包まれたビール券を差し出し、
「アイドルへの差し入れにはビール券が良いと聞いたんだ。良かったらスタッフさんとの打ち上げの時にでも使ってくれないか」
「おきづかいどうもですよう! いただきましたよう〜♪」
ルリコはビール券をスタッフの男へふってみせる。荒蓮は、
「あの歌声が広まりにくいのは惜しいな。最初から聞けなかったのが残念だ。……それについて、少し真面目な話をさせてもらっていいか?」
それをきいて今度はルリコも真面目な顔に。
「むう、ルリコ、ライブをもっとよくするためなら、どんなきびしい意見でもききますよう!」
「いや……実はさっき、ライブを襲撃しようとしているダークネスを灼滅したんだ」
「襲撃?」
「ああ。最近アイドル淫魔のライブ襲撃が相次いでいるようで、できる限りは武蔵坂で対処しているんだが」
「それは……ありがとうですよう?」
「今ラブリンスター一派が狙われる理由に心当たりは? それが分かれば私たちも守ってあげやすくなる」
アリスが言った。荒蓮も続き、
「このままではラブリンスターにも襲撃が及ぶかもしれない」
「る、ルリコよくわからないんですけど、」
「皆さんがまだ武蔵坂学園と友好関係を続ける意志があるのなら、」
凛音が言う。
「今後のためにもラブリンスターの、」
言いかけた荒蓮を、ルリコのうかない様子を察した桐人が制止した。ナカタ灼滅も淫魔のルリコにとってはライブができてよかったといった程度だろうし、ナカタ同様質問に正しく答える保証はない。だが少なくともルリコは灼滅者をライブにきてくれたお客として接していた。なのに。
「……えっと、ようするに、皆さんは、」
「よう」
七星が声をかける。
「えっと、あなたどこかで、」
「モチ」
「あ!」
「感心した」
「え?」
「前の悪徳商法より、全然今の方がいいぞ」
「そ、そうですよう!」
ルリコがみるみる笑顔になった。
「やっぱりアイドルは歌ってこそですよう〜!」
作者:森下映 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年6月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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