武蔵坂学園の修学旅行は、毎年6月に行われます。
今年の修学旅行は、6月23日から6月26日までの4日間。
この日程で、小学6年生・中学2年生・高校2年生の生徒達が、一斉に旅立つのです。
また、大学に進学したばかりの大学1年生が、同じ学部の仲間などと親睦を深める為の親睦旅行も、同じ日程・スケジュールで行われます。
修学旅行の行き先は沖縄です。
沖縄そばを食べたり、美ら海水族館を観光したり、マリンスポーツや沖縄離島巡りなど、沖縄ならではの楽しみが満載です。
さあ、あなたも、修学旅行で楽しい思い出を作りましょう!
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修学旅行2日目の午前中は、沖縄美ら海水族館を楽しむことから始まる。
4階、海人門からエスカレーターを使って降りる時、エメラルドグリーンの海が視界に広がる。
美ら海の風を胸いっぱいにすいこみ、3階にあるコーラルロビーへ。
出迎えてくれるのは、沖縄の方言で浅瀬を意味する『イノー』の生き物たちだ。
イノーにすむヒトデやナマコに優しく触れてみたり、砂と同じ色をしたハゼなどを探してみたり。
次に広がりをみせる水槽は、サンゴの海。屋根のない水槽は、小さな魚と様々な形のサンゴに沖縄の陽射しを届けてくれる。
熱帯魚の海と呼ばれる水槽では、赤や青、黄や緑と彩り豊かな魚たちが悠々と泳ぐ。
群れるフエダイたち、黒、白、黄色の縞模様で目をひくツノダシ、隠れるように泳ぐタテジマキンチャクダイの幼魚など。
見る人を癒したり楽しい気分にさせてくれるだろう。
個水槽にも、遊女のようなピンク色のハナゴイ、クマノミなどの熱帯魚たちがいて、熱帯魚の種類の多さにびっくりしそう。
浅瀬から深海へと辿るような館内を進み、2階、水族館の『黒潮の海』エリア。
ここでは、同じ階にあるサメ博士の部屋にスポットを当ててみよう。
最も危険と言われるオオメジロザメや、サメとエイの中間のような体形を持つシノノメサカタザメなどを間近に見ることができる。
サメの部屋での見所は、実際に触れるサメの皮やエイの皮の標本、そして大きな古代ザメのアゴの復元模型は記念撮影にどうぞ!
次は深海のコーナー。
深海の水温を、触って体感する水槽がある。冷たさを感じつつ、低い水温のなかで過ごす珍しい生き物たちを観察してみよう。
大きな目をもつオキナワクルマダイや、鋭い歯を持つナガタチカマス、暗い海の中で発光する生き物などの「海のプラネタリウム」水槽。
水族館を満喫したあとは、ショップでお土産選び。
見てきた生き物たちが、可愛いぬいぐるみやフィギュアとなって棚に並んでいる。
授業が楽しくなるような文具やストラップなど、記念になるものがきっとあるはずだ。
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「水族館行くの、はじめてなんだ! すごくすごく、すっっごく楽しみ!」
修学旅行を楽しみにしていたらしい日向・草太(小学生神薙使い・dn0158)が、元気よく言った。
草太が差し出したリーフレットを、あなたは受け取る。青の世界がそこには広がっていた。
水族館の景色や生き物の写真に、自然と頬が緩む。
「君も楽しみなんだね。ね、一緒に水族館のなかを見て回らない?」
順路のページを見つけた草太が言う。みんなと行けば、きっと素敵な思い出になるよ。
仲間とわいわい見ていったり、誰かと二人でゆっくり見て回ったり、一人でじっくりと観察していったり、水族館での過ごしかたは様々だろう。
「間近で見るサメ、きっとカッコイイよー。楽しみだなぁ」
彼らが過ごす海の世界はどのようなものなのか、水族館で想いを馳せてみよう。
あなたはそう思ってリーフレットを眺めた。
修学旅行のみんなと一緒に綺麗な空と海のもとへ、美ら海の風はもうすぐ――。
おはようございます!
修学旅行2日目の始まりです!
さあ、水族館にれっつごー。
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「今の時代ネットで検索すればいくらでも画像は見つかるけど、実際に触ることはなかなかできませんからね!」
嬉々としてミカが屈みこむ。
「ネット社会じゃ味わえないナマの体験よ」
と言いながら、恐る恐る手を伸ばす円の先にはナマコ。
「うわ何かフャっとしてるわコレ。案外気持ちいい……ふにふに」
滑らかでビロードのよう。
円に続き、ミカは大きなヒトデを触ってみる。
「あー、これ独特ですね。なんと言うか……ラバーっぽい?」
意外と硬めだった。
初めての水族館。
ユエは炉亞を引っ張るように、上から光が差し込む珊瑚の海へ。
「海を、切り取ってきたみたい、です」
ひらひら、時折泳ぎが速くなったり。
奥へ泳いでいく魚を飽きずにユエが目で追っていると、炉亞の指先がその魚を辿った。
「あれは、アデヤッコです。青マスクをつけているような顔がユニークですよね」
そして綺麗な網目模様。
炉亞の声に、ぱっと振り向くユエは目を輝かせて。
これは? あれは? と興味津々なユエの楽しげな様子に、炉亞も優しく微笑み。
「ほら、あれチンアナゴだよ」
かわいいよなあと言う政道。愛嬌たっぷりで威嚇時もまた可愛く。
「こんこん? ちんあなご……コレアナゴ?」
琉衣が水槽に近付けば、手を繋ぐ政道も自然と寄った。ちらりと隣を見てみる。
じいっと水槽に見入る琉衣――蒲……焼き。
「アナゴの蒲焼は上手いもんなあ、うんうん」
「……こんっ。あ、その。食べないよっ!?」
真っ赤になる琉衣、ぶんぶんと首を振り頬に手を添えた。熱かった。
「ウミガメだぁー気持ちよさそうに泳いでるねぇー」
「……ウミガメっていいよね。目が優しくてさ。好きだな」
鴇永の言葉に、ゆったりと泳ぐウミガメの目をじっと見てみる春希。
「あ、目が合ったかも! ボクたちのこと見えてるのかな?」
「ふふ、だといいな」
そろり、と手を動かす鴇永。触れる春希の手がぴくりと動いた。
「……手ぇ、繋いでいぃ?」
頬染めた春希の声に、鴇永はにっこりと。
「恋人繋ぎ、してみようか」
きゅ、と指絡め。離れないように繋いだ。
「どの子も水の青色に映えて綺麗だなぁ」
のんびりと言う晴汰。
「鮮やかな色がひらひら、水中花みたいね」
こんなに綺麗な海なら、一緒に泳ぎたくなると千花。
射す光散らし泳ぐ魚を見て、円理がぽんと手を打った。
「これはアレだな、鯛やヒラメの舞い踊り」
ゆったりとウミガメが近付いてくる。
「……ふふふ、竜宮城ってこういうところなのかもねぇ」
晴汰と千花がほのぼのと眺めていると、円理がしみじみと呟いた。
「アナゴが穴にみっちり詰まっている様は中々だが、熱帯魚は食いでがなさそうだ」
――と、彼の腹に千花の手刀が決まる。
「千花ちゃんの手刀は当然の報いだね」
頭をふりふり晴汰。
さらに昼食に魚介類を提案する円理に、千花は、
「情緒が世を儚んで身投げしてしまうわ」
と嘆くのだった。
「あ、あれってもしかしてカクレクマノミじゃない?」
映画の! とはしゃぐ巳桜の指先を辿れば確かに、鈴はおおっとなった。
その時、青の世界で楽しそうな桜色。この発見に鈴はにっこり。
「みおはあれだな。人魚姫とかちょう似合いそうだな!」
突然言われた巳桜は、わたわたと手を動かして。
「ぜったい似合うよ、私見たいもん」
「じゃあ鈴ちゃんも一緒に人魚になってね」
「マジか! 私もか!」
鈴にリードされつつ泳ぐ巳桜。
人魚たちはキラキラ煌く海の中を泳いでいく。
明るめの海から奥へと進めば、繋がる水槽は薄暗い洞窟のような場に辿り着く。愛結奈は感嘆の声。
「そこら中いっぱいに水槽があるよ!」
【屋上】の瑛多が行き来する。
「瑛多、あんまりフラフラして逸れるなよ」
ゆっくりと眺める一哉が言った。
颯夏は目を輝かせ水槽に見入っている。
「ああ、この魚、颯夏に似てるんじゃないか?」
大食いそう、と。
水草近くの青い熱帯魚を指差し言う一哉に、瑛多は水槽を覗き込み。
「その水草を何時までも突っついている大食いそうなのがりっかなら、こっちでお澄まししてるのはいっちーかな?」
「ちょ、二人して大食いそうなのがボクって」
きょろっと見回す颯夏。
「じゃああっちの餌探してせわしなく動いてるのはえーただな! ね、いっちー。あっ、ツンってされた」
颯夏が話しかけたのは、お澄まし熱帯魚。
桃と小夜は、おもちゃ箱を覗くように瞳を輝かせて個水槽に見入る。
「砂と珊瑚の白さの中に、綺麗な花が泳いでるみたいだね……」
色鮮やかな熱帯魚。
「ふふ、桃さまは詩人ですのねっ。けれど本当に、どんな見事な写真より、実物はずっと綺麗……」
二人にとって初めての水族館は楽しく、小夜の声も弾んでいて。
「小夜さん」
次の水槽を見た桃が小夜の袖を小さく引いた。
保護色で隠れる魚を見つけようと、近付く二人。魚と隠れんぼをしているみたい。
【ひののんと愉快な仲間達】は、泳ぐ熱帯魚に見惚れていた。
「熱帯魚マジきれー!! やっばい、宝石が泳いでる!」
はしゃぐ那刃斗。止まる。
「……ッは! いつもはアンニュイでコケットリーで通してる那刃斗さんのイメージが崩れてしまう!」
「ひののん大丈夫だよ。……新鮮で良いと思うよ」
肩をぽんとするシスティナ。くっ、と笑いを耐えている。
そしてくるっと日々音の方を向いた。
「あ、ひびはいくら魚が美味しそうだからって食べられないからね?」
「失敬! 失敬やで! いくらうちでも熱帯魚なんか食べへんで! カラフルすぎて美味しくなさそうやし!」
と言いつつ、日々音の視線は砂の上のエビに。
「沖縄での食用魚は、色は派手ですが結構おいしいみたいですよ」
原色の魚が結構います、と梓。
「そういえば伊丹さんって本とか好きなんやんな?」
「本は……いろいろ好きですが今回は沖縄のガイドブックを」
梓の言葉に、わー見せて見せて! と。
お土産に珊瑚の髪飾りや海の写真など色々のった本に色添えて。
思い出に四人で記念写真を。
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一転して研究室っぽいサメエリア。
「すっげー! かっこいー!」
水槽に駆け寄る【煉蓮篠ニカ】の蓮二、標本へ行ったり、サメ肌を触ったり。
標本は、
「ボクは断然このホホジロザメがカッコいいと思うね! なんか人襲う映画とかあったじゃん」
危険ザメ御三家に煉火、ロマンを語る。
あぁ、あの映画の! と篠介が手を打った。
「ワシはイタチザメ、何か可愛いと思うんじゃ」
「見て見て八握脛くんニカくん、レモンザメの赤ちゃんだって!」
「サメの赤ん坊もおるのか、どれ……」
その時。
ヴェロニカが、蓮二にハーネスという名の荒縄をつける何だかイケナイ場面を見た。
――悠々と泳ぐサメたちを四人で眺める。
「可愛いわ、ニカ好きだわ。この子がフカちゃん、この子がヒレちゃんにしましょ」
すきだわ……ちょうかわいい。ヴェロニカの呟きは美味的なモノに聞こえた。
「確か、鼻が弱点なんじゃったっけ?」
調理への第一歩を、具体的に篠介が言った。もう倒すよね? っていうレベル。
「ガッとしてグッとしてフンッてしたらイケそうじゃね?」
蓮二が女子陣のほうを見て言った。もう倒した。
「サメさんも色々いるんですねーん。ナントカザメとかあんまり考えた事なかったですよ」
くしなとオルゴールは泳ぐサメをじっと見た。
「なんだかんだでひょうきんな顔で可愛いと思いますっ!」
顔も個性的。
「ふおおお、クシナ、クシナ、サメの皮、さわれるのよ! ざらざら!」
顎と歯も触ってはしゃぐ二人、折角だからデートっぽく?
そんな会話になるとオルゴールがえへへとはにかむ。
「わたくし、じつはね、デートしたことないの」
だから手も繋いで、写真もいっぱい撮って。楽しいデートに。
「うおー、あのサメ、すごい顔だよすごい顔!?」
【糸括】のミカエラが、むにーと顔マネ。
「お、似てる似てる」
明莉が上方で泳ぐシノノメサカタザメの顔と見比べる。
青の世界に圧倒されていた杏子も、つられて笑顔。
「こっちにね、小さいお魚っ! これもサメかなあ?」
「小さいのは餌じゃね?」
「!?」
小学生の夢が砕かれた。夢と現実の弱肉強食が……いま。
見て読んで楽しいサメの部屋。
「すげ! メガロドン!! ミカエラ、キョンこっち!」
解説を熟読しつつ行き当たった明莉が、真剣に標本を観察する二人を呼ぶ。
古代ザメの顎は大きく、ぱくーっとされそう。
「きゃー、食べられちゃう~っ♪ 面白いよ、きょんもやってみて!」
「ふわあっ! 食べられちゃうなのーっ」
Vサイン! 記念写真は三人で。
(「うわー、すげーっ♪ こいつにガブってやられたら痛そうだなー」)
泳ぐサメにじいっと見入るアキラ。やはり生の迫力がそこにはあった。
時計を見て、昼食に遅れないように――時間がゆるすまでアキラは見惚れる。
ロシアに居た頃は想像だけだった南の海。
「昔はこんなでかいサメがいたんだよな!」
悠里は大きな古代ザメの顎の標本を見上げた。
(「こんなでかい口のサメのダークネスとか出てこないだろうな……言ったら出てきそうで嫌だな)」
パクリとされそう。
「ユーリーくん!」
こっちも面白いよ、と草太が呼ぶ。
しばらく部屋を見て回って、深海のコーナーへ。
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樹の指先にはポケット水槽から伝わる冷たさ。
千巻が歩く。暗く、シンと静まり返る雰囲気は本当に海の底にいるようで。
小さな声で樹に尋ねた。
「そういえば、こないだの温泉では聞けなかったけど、彼氏さん……ううん、旦那さんのこと聞いてもいいかなぁ」
樹も声を潜めて、打ち明け話のように千巻の耳に近付いた。
千巻が前にいたクラブ――、
「そこにいる紙袋をかぶってるひとって見たことある?」
樹を見た千巻、そうなんだぁー! と驚いて、頷いた。
興味深げに藍花と七葉は深海の魚たちを見ていく。
と、暗闇の空間で発光する生き物たち。ちょっとびっくりした七葉。
光る魚、碧く発光する珊瑚の群。
「こんなに光る生き物がいるんだね……藍花さんは知ってた?」
「ええと、わたしも初めて見ました……。深くて暗い海の底に住んでいる彼らも、誰かに気がついてほしくて、こうやって光っているのでしょうか……?」
橙色に光る珊瑚に藍花は目を瞬かせた。
見終えた二人はまたどこか、一緒にお出かけしたいねと約束を。
深い青。深海のような薄暗さに、ゆっくりと回るエリーザと京月は手を繋いだ。
「こうやって、暗い場所でも自分で光ったり、必死に生きている姿を見たら、私も頑張らないといけないと思うわ」
と、話すエリーザの声に京月は耳を傾けて。
「そうですね。私達も精一杯生きなければいけませんね」
彼女の方を向けば、その表情にどきりとした。そこには少し照れくさそうに微笑むエリーザ。
(「普段、無表情に近い方だと感じていましたが……」)
彼女の新たな一面に京月は見入るのだった。
「浅瀬には浅瀬、深海には深海の美があるのです」
うん、いいこと言った感じです、とはつり。【桜堤中2B】みんなで深海への旅。
ミョウガガイの奇妙さ、ヒトデを被るヤドカリとか面白いものがたくさん。
アーティスティックなフォルム。キモカワ系? ダークネスの方がグロい。と声が弾む。
「あ、あれが噂のオキナワクルマダイですね、目がくりくりしてます」
「わ、わぁーーこんな形のお魚さんいるんですね!」
はつりが指差すその先、大きな目と鮮やかな色にアリスが驚きの声。
「私は深海魚、カッコいいけい……怪談けいかもしれません」
目と目が合った気がした。
隣でバンリが戦慄する。
「大きなおめめで此方を睥睨しておる」
ちなみにダシが凄く美味らしい。
「牙を剥くナガタチカみゃ……カマスさんらの、この個性的なお姿よ!」
バンリ、言葉途中に舌を噛む。金属的質感な見た目がカッコイイ。
ナガタチカマスは長く、その大きさにびっくり。霙は食い入るように見る。
「僕らの知らない静謐な世界で、この奇妙な魚達は独自の生態系を築き上げているんだ……」
呟く霙。うねうねした蔦みたいな生き物もいた。
謎めく深海。
「お前らも早く来いよォー」
「へいへい。そう慌てなくても深海魚は逃げねぇって」
奈暗がそう言った時には、既にヘキサは暗幕用カーテンに飛び込んだところ。
「おおっ、こっちは海のプラネタリウムっ! この魚、流れ星みたいっ!」
尊は右へ左へ流れる、ヒカリキンメダイを目で追う。
先輩後輩のみんなに見せてあげたいなぁ、と思った。
「あ、プラネタリウムはこっちですよ、努力さん」
ミシェルの呼ぶ声。
星希はカーテンをくぐって感嘆した。
「うわ……凄いね。深海で光ってる生き物、こんなに居るんだ」
不思議そうに呟く星希は、珊瑚の発光を眺める。
「蛍光塗料みたいに、紫外線で光る子も居るんだね」
発光珊瑚の個体は多ければ多いほど壮観だ。
碧に橙、青白。
「近くで見ると恐ろしいなって思ってたものがこんなに綺麗に見えるものなのですね」
ミシェルが遠目に見る。包丁が通らないほど鱗の硬い魚は蜂蜜色のような発光。
「スゲェー……魚もサンゴも、まるで星みてェに光ってる」
見た目はあンなにグロいのになァ、と、ヘキサ。
「手が届く星空、ってヤツだな。スゲーキレェだ」
海中の静かな星空。奈暗が珊瑚の模様をじっと見る。
「クジラってあのクジラだよね? 深い海にいるんだぁ。へぇ」
ダイオウイカ標本のところでは、エコーロケーションの音。
マッコウクジラが発する音に耳を傾け、ルクルドが聞き入る。
「これが海中で響くんですね」
文具も耳を澄まして。
「このイカ、クジラに戦いを挑むイカだよね?」
ルクルドと文具は興味深そう。
「そういえばルクルドくん、そこの総合休憩所にマッコウクジラの骨格標本があるみたいです」
オキちゃん劇場への行きがけにある。他、大型魚類の模型展示があるので寄ってみよう。
目を輝かせ、勇介は大きなぬいぐるみを手に取った。
「っとと、父さん達へのお土産の方が先っ」
とはいえマンタぐるみとは離れ難く。
土産を選び歩く勇介は、ほんわり笑顔だ。
ふと、目を惹く蒼。
イルカのノートに、あの子を思い浮かべる。
「僕はこれとかいいと思うんだけど」
璃々華は二人でお揃いで持てる物を、と手を伸ばす。
「どうかな?」
笑顔を向けるも、触れた指はアクセサリーとは違う感触。
「……あっ」
触れ合った指を引っ込める智百合。その顔は真っ赤に。
「リリカも同じ事、思ってたんだね……」
微笑みあって、つがいのアクセサリーを手にする璃々華。
「それじゃ、これにしようか」
王子様のような璃々華に、智百合は見惚れる。
「……うん、喜んで!」
寄り添う智百合も笑顔。アクセサリーに、思い出添えて。
新しい思い出を胸に。
修学旅行は続く。
作者:ねこあじ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年6月24日
難度:簡単
参加:54人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 6
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