武蔵坂学園の修学旅行は、毎年6月に行われます。
今年の修学旅行は、6月23日から6月26日までの4日間。
この日程で、小学6年生・中学2年生・高校2年生の生徒達が、一斉に旅立つのです。
また、大学に進学したばかりの大学1年生が、同じ学部の仲間などと親睦を深める為の親睦旅行も、同じ日程・スケジュールで行われます。
修学旅行の行き先は沖縄です。
沖縄そばを食べたり、美ら海水族館を観光したり、マリンスポーツや沖縄離島巡りなど、沖縄ならではの楽しみが満載です。
さあ、あなたも、修学旅行で楽しい思い出を作りましょう!
沖縄スイーツ食べ歩きは、修学旅行4日目……すなわち最終日、那覇空港に集合するまでの時間を使って行われる。
「ふふ、これも楽しみだったのだ……!」
初雪崎・杏(高校生エクスブレイン・dn0225)は、修学旅行のしおりを沖縄観光ガイドに持ち替える。スイーツが載っているページを片っ端からチェックしているため、ふせんでいっぱいだ。
「さぁて、どれにしようか」
ガイドブックをめくれば、色とりどりのフルーツが目に飛び込んでくる。マンゴー、パパイヤ、パイナップルにバナナ、ドラゴンフルーツ……ご存じシークヮーサーもある。
そのまま食べても美味しいし、それらを使ったスイーツも魅力的だ。
様々なフレーバーのソフトクリームや、ジェラート。シロップだけでなくフルーツが乗ったかき氷。どの味にしようか、思わず目移りしてしまう。
フレッシュなスムージーやジュースはテイクアウトに持ってこいだし、フルーツやアイスがたっぷり盛られたパフェは、見ているだけでも楽しい。
「このぜんざいもいいな……」
ちなみに沖縄でぜんざいと言えば、金時豆にかき氷をかけた『冷やしぜんざい』スタイルのようだ。
もちろん、沖縄スイーツはそれ以外にも。
名物の黒糖を使ったものにはドーナツなどもあるし、紅芋スイーツは定番のタルトだけでなくモンブランまで。ご存じサーターアンダギーやちんすこう、クリームたっぷりパンケーキだって忘れちゃいけない。
「マンゴーかき氷と黒糖ぜんざい、フルーツ盛りのはしご……時間が足りるか……?」
杏の脳内は、周りをスイーツに囲まれ、「くっ、殺せ……!」状態。
「どうだろう、この贅沢な悩み……もとい沖縄スイーツを、皆も味わってみないか?」
当日の天気は快晴。冷たいものはもちろん、そうでないスイーツにもうってつけだ。カフェでまったりしたり、友達と分け合って色んな味を楽しんだり。どう過ごすにしても、沖縄の空気の中で味わうスイーツは格別に違いない。
だが、時間は有限だ。これだ! と思うスイーツを決め打ちでいくもよし、どれだけの種類を食べられるか挑戦するもよし。それはあなた次第である。
「まさに修学旅行のデザートと言うべき時間だな。存分に自分を甘やかそうじゃないか」
そう誘う杏の顔は、早くもとろけていた。
●
「さー、一緒にごーー!」
「おー!」
「ですの」
【井2C】の花火、燈、佐奈子は、フルーツジュースで食欲を刺激したら、いよいよ本番。
「迷いますの……」
そんな佐奈子は、黒糖のソフトクリームとパッションフルーツのかき氷に決める。
花火は、ちんすこうソフトに冷やしぜんざい。そして燈は、紅芋ソフトにマンゴーカキ氷など。みんなでシェアして、いただきます!
「ココが天国とかいうものなんだね!」
パンケーキでお腹を温めたら、南国フルーツ大盛りパフェも食べなくちゃ。お土産だって盛りだくさんにしちゃおう!
樹と彩歌は、メニューとにらめっこ。沖縄でしか食べられないスイーツにしてみたい。
「彩歌ちゃん、たくさん頼んで半分ずつにしてみたいんだけどいい?」
「色々な味、試してみたいですし、賛成です!」
やった、と喜ぶ樹を見て、彩歌は笑顔をこぼす。
「さあ、今日は自分を甘やかしますよー」
運ばれてきたぜんざいは、甘くて冷たい。
柚衣は穂波へ、マンゴーかき氷を差し出す。恥ずかしそうにしつつ食べてくれるのが柚衣は嬉しくて、かき氷をかきこむ。
「あ、急いで食べると……」
「頭、いたい……」
穂波に頭を撫でられながら、柚衣が言う。
「スィーツが美味しいのはね、穂波ちゃんと一緒だからなんだよ」
「……はい、本当に幸せですね」
顔の火照りを、黒糖ぜんざいで冷ます穂波だった。
巫音がまず注文したのは、冷やしぜんざい。既濁の頼んだパフェがやって来る頃には、もう追加。機嫌がよさそうなのはいいが、
「なあ、ちょっとは遠慮をだな…」
「既濁様が奢って下さると申しましたのに、器が小さいですね。それ以前に……あ、もう一杯頂けますか?」
容赦ない巫音に、ここは甲斐性を見せてやろう、と決める既濁だった。
一方、盛り上がる【製菓学部】の仲間達とは裏腹に、智巳は渋い顔。
「おい、あくまで勉学のために来てんだぜ?」
「本音は?」
「スイーツ超食いてぇ」
そんな智巳に、海が紅芋モンブランを差し出す。
「うん、美味いな、普通に」
「紅芋の味も生きていて美味しいだろ。他にも食べたいものばかりだな……すずり、ぜんざいはどう?」
「黒糖とあんこがとても優しいわ……って、頭がきーん!」
すずりは、炉亞からパンケーキをもらって一休み。
「ほっぺたとろけちゃいそうですよね」
炉亞は、みんなにもお裾分けだ。
「さあどうぞ! みんなで食べる方が楽しいのです!」
「だな。皆の好みが分かって面白いしな」
一口もらった翔也は、シークヮーサーでどんなお菓子が作れるか考えている。
「お、それはドラゴンフルーツか?」
「うん……あれ?」
想像とちょっと違った味に、架乃は小首をかしげる。
フルーツを食べ比べする山吹は、店の人からも話を聞き、新メニューの研究に余念がない。
一緒にメモしていた架乃に、スターフルーツを差し出す山吹。
「これ食べた? おいしいわよ」
「いいの!? じゃあ、ドラゴンフルーツも食べてみて!」
「あ、オレも食べてみたいっすー……おぉ?」
カナキも不思議さに包まれる。ちょっと色々食べ過ぎたっすね、とシークヮーサージュースでのどを潤す……。
「……酸っぱー!」
「あはは、すっごいおかしな顔してる!」
「いや、さっきすずりサンも頭キーン! って顔してたっすからね!」
どっちもどっちだよー、と仲間たちから笑い声が上がる。
●
「は? デート? いやだ」
円理の誘いを断った千尋だったが、甘味と聞いて、気づけば入店。
マンゴージェラートや黒糖ぜんざい……沖縄スイーツが、みるみる千尋の胃袋へ。
「あ、こちらはお気遣い無く。人間のペースで食べるんで」
「人をバケモノみてぇに言うなや。そのパフェ半分寄越せ」
「えっあっ」
果たして円理は千尋からパフェを死守できるのか……!
「男が俺だけじゃなくて良かった……って、蒼井、武野、それ全部食べるのか?」
【武蔵坂HC】の京の前には、サーターアンダギーやフルーツ大盛りパンケーキに囲まれた夏奈と、沖縄フルーツ盛り合わせのジャンボパフェを頬張る織姫。
「もちろん! 食べる以外の選択肢ないよー♪」
「大丈夫、デザートは別腹! ほら夏奈ちゃん、あ~ん♪」
「ん~♪ おいしっ!」
ハイテンションの2人につられて、京も少し大きめの紅芋ぜんざいを頼んでみたり。
「うん、美味いね。……なかなか減らないけど」
さてこちらは【人狼研究部】。
サーターアンダギーにバナナとチョコのパンケーキ……次々攻略していく紅を、浅葱が見つめる。
「先輩が甘いもの食べてるのって、珍しいですね」
樹里もうなずき、
「先輩は、ブラックの珈琲が似合い、ます……」
「俺だって人相応に甘いものは食うぞ……ん?」
紅のお菓子に、浅葱の視線がちらちら。
「少し分けるから、物欲しそうな目はやめろ」
「べ、別に……! けど、こ、交換でいいなら頂きます」
そんな浅葱の反応を可愛いなぁと思いつつ、樹里は自分のフルーツを差し出し、
「……取りすぎて、しまった、ので……手伝って、いただけません、か……?」
ふわふわのパンケーキを注文した【intermezzo】の3人。
フェリシタスは一口堪能すると、2人にもお振舞い。
「はい、あーん♪」
「わ、ゎ、あーんっです」
ふわりの恥ずかしさを、口に広がる甘さが吹き飛ばす。
「リシー先輩にもお返しです! 美夜先輩もどーぞ?」
「少し恥ずかしいんだけど……」
美夜も、あーん。そして仕返し、もとい、お返しに一口。
「次はシークワーサーのソルベを食べに行きたいのです」
「わたしもベリーのスムージーが気になってて……!」
「あと攻略してないの、何だったかしら……?」
女子会は、まだまだこれから。
【股旅館】の舞姫と衛が訪れたのは、杏に紹介してもらったお店だ。
「舞姫はシークヮーサーを食べてみるのじゃ」
「揚げたてのサーターアンダギーも買うて来たから、一緒にくおーや」
「おお。ならば、舞姫のも少し分けるのじゃ」
沖縄の暑さに、フルーツの酸味が心地よい。
「天気もいいし、やっぱ冷たいの美味いなぁ」
衛たちは、すっかり南国気分。
悩み抜いた末イヅナが選んだのは、フルーツ盛り合わせ。パッションフルーツのジュースを頼んだイヅルと半分こ。
「ジュースも飲んでいいからな」
「まだ時間ある? 別のお店にも行ってみようかな」
「冷たい物ばかり食べて、腹を壊さないように気を付けろよ」
「そ、そんなには食べないから大丈夫だよ」
イヅルに言われ、慌てて手を振るイヅナだった。
「ドラゴンフルーツって、どこら辺がドラゴンなんでしょうね」
首を傾げる依子に、鈴がすかさず検索開始。
「んーと……龍の目みたいだかららしいぞ!」
「なるほど……? あ、鈴ちゃん、紅芋パフェ、一口いります?」
「いいの? えへへ」
頬張った鈴の笑顔を、依子がぱしゃり、と撮影。鈴が冷やしぜんざいをお返しすれば、笑顔の数が2つに増えた。
果物の皮を山積みにしていく陽和を眺め、空凛がにこにこ。
「はい姉さま、あーん」
「じゃあ、陽和もどう?」
お互いに差し出したフルーツを、ぱくっ、と口に運ぶと、溢れるジューシーさと幸せ。
さあ、次はシャーベットにスムージー。
「姉さまと一緒に食べるだけで、何倍もおいしくなるような気がするよ」
「私も、幸せでお腹一杯ですよ」
●
「べにいもアイスさんを食べたいのですがいいでしょうかっ?」
「もちろんですよ」
アレクセイのお許しをもらって、月夜はダブルを注文。
「落とさないよう気をつけてくださいね」
それからアレクセイのマンゴーアイスと、一口ずつ交換。
「マンゴーフラッペさんも頂きたい所なのです……」
「お土産を買う時間を削ればいけますね」
2人の思い出を、お土産代わりにしようか?
「あ」
「おっ」
サキが店の入り口をくぐると、先客の杏と目が合った。
大盛りスイーツを平らげつつ、これまでの戦果を報告し合う。
「ほう、もうそんなに」
「ん、私も、負けてられない」
互いの健闘を祈り、サキと杏は再びスイーツ巡りへ!
同じようにスイーツを探してトコトコ歩くエミーリアの後を、ゲイルがついていく。
黒糖や紅芋、色々なものを見つけてはころころ表情を変えるエミーリア。それを見ていると、ゲイルはすっかり保護者気分だ。
「あっちにお塩のアイスって言うのが売ってます♪ にいさま、買ってきていいです?」
「どうぞどうぞ。でもお腹を壊さない程度にしてくださいねー」
沙雪と寅綺は、クラブへのお土産探しを兼ねて、スイーツ巡り。
2人のお目当ては、冷やしぜんざいだ。
「こういうシンプルな氷、いいなぁ」
「持ち帰れないのが残念だね。ところでお土産は紅芋タルトとサーターアンダギーでいいかな……ぁ、部長にはサトウキビ?」
「いくら砂糖好きだからって、かじらせるのはかわいそうかなぁ?」
結局、黒糖になりました。
南国フルーツを満喫した紅葉が、フルーツソフトを手に歩いていると、自然と喫茶店の方へ引き寄せられる。
「タルトにモンブラン……か、カロリーなんて気にする時じゃないんだよ……」
次々注文する紅葉の横には、【甘党軍団】。
恵は、ヤシの実ジュースを飲んでいた焔を指さし、
「焔、冷やし善哉買ってきて!」
「俺はパシリじゃねーよ!」
「そのヤシの実、頭にぶつけてあげましょうか?」
「物騒な事言うな! ったく、しょうがねー……」
焔たちのやりとりに、紫芋ソフトを食べていたシスティナが目を細める。
「流石、幼馴染だね? 息ピッタリ」
「笑ってんじゃねぇよ……そうだ、システィナ、俺のマリンゼリー食う?」
「じゃあ遠慮なく……あ、恵も食べたいの? それじゃ」
「え、口、開けるの?」
自然に『あーん』へ持ち込むシスティナに、感心する恵だった。
【Memini】の虚空やアインが美味しそうに食べる顔を、嬉しそうに眺める優太朗。
「優にぃ、これ、美味しい、なの、です、よ……? あーん、なの、です」
アインのタルトが、優太朗の口の中に。
「大食いしなくても2人と一緒に食べると、いつもよりも美味しく感じられますね」
「今度は、虚にぃ、も」
虚空にイチゴショートをあげようとしたアインは、ふと本で読んだ情報を思い出す。
「喜ぶ、聞いた、なの、です」
イチゴを口にくわえて差し出す。果たして虚空の反応は……?
彩花と凰雅のテーブルにも、大きなパンケーキが届く。
「ね、一口ちょうだいな」
「え? あーんですか!?」
顔を真っ赤にしつつ、凰雅の口に運ぶ彩花。
「お礼に紅芋モンブランもどうぞ♪」
凰雅も彩花に、あーん。
(「あれ? これ部長と間接キスじゃないかしら!?))
(「間接キス2回いただきました♪」)
耳まで真っ赤な彩花と、内心ガッツポーズの凰雅。
RB団としてリア充研究に繰り出したはずのクロエと刑一だったが、なんやかんやで1つのパインジュースにストロー2本差し。
「いいですよねーこの甘酸っぱさ!」
「たまりませんね!」
当初の目的はどこに……!
「けーちのなのに、飲み過ぎたのです。ボクのパフェもあげるので、あーんしてくださいね」
「へ? あ、あーん」
刑一は、なんだかクロエに完敗した気分。
迷ったらどっちも頼めホトトギス……そんな名言? に従い、剛とロクスは、好きなものをどちらも注文。
ここまでのハイテンションの反動か、剛を襲う眠気。マンゴーかき氷に顔からダイブしそうになるのを、ロクスがそっと支える。
「むにゃむにゃぐう……(ロクとスイーツ三昧……♪)」
(「剛が起きたら新しいのを頼もうか」)
一緒に食べた方が、絶対においしいから。
運ばれてきたクリームたっぷりのパンケーキに、カイルは瞳きらきら。
待望のパフェとの対面を果たした時雨も、そのおいしさを全身で表現。
「時雨、たべるー?」
「じゃ、遠慮なく」
カイルのパンケーキを、時雨がぱくっ。
甘えるような視線を向けるカイルに、
「はい、ご返杯」
「あーん」
ぱくっ。
帰りがけ、カイルが買ったスムージーは、もちろん2人分。
●
初の沖縄。一織は治胡と並んで、食べ歩きを楽しんでいた。
「付き合ってくれてありがとね」
「なーに、色々巡るのも悪くねーしな」
サーターアンダギーをお土産にしたら、治胡はぜんざい、一織はフルーツ盛りを注文。
「伴野のもウマそーだな、俺にも少しくれよ」
「全然良いわよー。私にも一口ちょうだいね」
甘いものをあまり食べない治胡も満足そうで、一織も幸せ。
竜生から差し出されたシークヮーサーソフトクリームを、スプーンですくう結月。
「おいしーっ! でも、ちょっとすっぱい!」
「いかにも沖縄って感じだよね」
お返しに、と結月から紅芋ソフトをもらう竜生。
「これも食べさせてあげよっか、ゆき」
「サーターアンダギー! 大好きなんだーっ。あーん」
楽しかった修学旅行をしめくくるには、スイーツはうってつけ。
クール便を送り終えた若と櫻は、スイーツを楽しんでいた。
ソフトクリーム、大盛りパフェ、冷やしぜんざい、かき氷に囲まれる若。
「……胃もたれしないか心配だわ……」
「私はこれの為に来たのだよ?」
友人の答えに、櫻は肩をすくめる。自分もフルーツを頬張り、親睦会を楽しむ。
「若、これからも宜しくね」
「勿論だとも! なんたって君は私の友人だからねえ!!」
フルーツパフェに紅芋タルト、マンゴーかき氷にパンケーキ……真花の注文に、黒糖ぜんざい1つの透は引き気味だ。
もう旅行も終わりだが、真花が残念そうでないのは、透の兄に会えるからだろう。
「今度は兄さんと新婚旅行かねェ、『義姉さん』?」
「ふふ、まだそういう関係じゃないってば」
帰れば、2人の大事な人が待っている。
「今年は皆で来れて良かったっす」
雅は、【武蔵野スイーツクラブ】のメンバーと食べ歩きを満喫中。
アイスバーンはマンゴーのジェラートをすくい、
「マンゴーさん、すっごく甘いです。えと、2人も食べます? 冷たくて美味しいですよ?」
「おお、これも甘くて美味いぞ。ほれ、食べてみるといい」
冷やしぜんざいをすすめた白金が、口を開けて待つのを見て、雅はかき氷をひとすくい。
「はい、どうぞっす。あーん♪」
3人で分け合いっこしているうちに、集合時間。
「また一緒に遊ぼうな」
2人の手を取り、白金は空港へ向かう。
今日の日照は、雛罌粟をエスコート。付箋を貼りまくった手帳が大活躍だ。
一休み、と入ったカフェで、絢爛豪華パフェを写真に収める雛罌粟。
日照が頼んだフルーツタルトと食べ比べするうち、集合時間が迫る!
「もうそんな時間ですかッ!?」
「走れ! 横っ腹が痛くなっても我慢だ!」
慌ててダッシュする2人は、どちらも笑い声を上げていた。
菫は、買い食いセンサーをフル活用していた。トロピカルかき氷にマンゴージェラート。紅芋タルト、と次々制覇。
しかし気づけば、周りに生徒は自分1人!
「ふぇぇ……」
「どうした? 一緒に行こう!」
菫が振り返ると、杏や空港へ急ぐ面々が走って来るのが見えた。
楽しかった修学旅行の余韻とともに、空港でスイーツを楽しむ葎とナイ。
ふと隣に移動してくるナイに、葎が小首をかしげていると、
「っ!?」
ぺろっ、と、頬についたクリームを舐めとられた。
「非常に甘い、スイーツですね……?」
「お、お粗末様でした……」
ナイの蠱惑的な笑みを見て、葎は首まで真っ赤になっていた。
帰りの飛行機は、少し重くなりそうだ。
いっぱい食べたスイーツと、思い出の分。
作者:七尾マサムネ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年6月26日
難度:簡単
参加:74人
結果:成功!
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