恋という名のフェブリス

    作者:篁みゆ

    ●伝えることすら許されず
     無事に志望校に受かったら告白しよう、そう決めていた。けれども合格発表のその日、家まで来てくれた唯さんの左手の薬指には、昨日の授業の時にはなかった指輪が輝いていて。
     仕事を休んでまで合格の報告を待っていてくれた父が口にした言葉が、僕を奈落に突き落とした。
    「おめでたいついでに報告するが、父さん、唯さんと再婚することにしたんだ」
     受験を控えた僕を動揺させたくなかったとか、色々な大人の言い訳が続いたけれどあまり覚えていない。確かに唯さんは父さんが連れてきた家庭教師だったけれど、そういうことだったのか、と急速に冷めていく自分がいた。
     あれから数ヶ月。高校生になった僕は、父と籍を入れた唯さんと三人で暮らしている。『母さん』なんて呼べるはずがない。唯さんのことをひとりの女性として見ている気持ちが消えていないのだから。けれども想いを告げてしまえば、唯さんは戸惑い傷付くだろう。そんなことは……できない。
     くすぶり続ける思いを抱えて過ごしていたある日、気がついてしまった。
     父さんの心から、唯さんへの思いを消すことができれば――。
     

    「来てくれてありがとう」
     教室に足を踏み入れると、神童・瀞真(大学生エクスブレイン・dn0069)が穏やかに灼滅者達を迎えた。椅子に腰を掛けるように示し、全員が座ったのを確認すると和綴じのノートを開いた。
    「一般人が闇堕ちしてシャドウになる事件があるよ」
     通常ならば闇堕ちしたダークネスからはすぐさま人間の意識は掻き消える。しかし今回のケースは元の人間としての意識を残したままで、ダークネスの力を持ちながらダークネスには成りきっていないのだ。
    「彼が灼滅者の素質を持つようであれば、闇堕ちから救い出して欲しいんだ。ただ、完全なダークネスになってしまうようならば、その前に灼滅をお願いしたい」
     彼が灼滅者の素質を持っているならば、手遅れになる前にKOすることで闇堕ちから救い出すことができる。また、心に響く説得をすれば、その力を減じることもできるかもしれない。
    「彼の名前は永射・天志(ながい・たかし)。高校1年生の男の子だよ。彼は幼いころに母親を亡くし、父親と二人で協力して暮らしてきた。高校受験の時も父が知り合いの唯(ゆい)という女性に家庭教師を頼み、彼は頑張って勉強した」
     けれども天志が唯に恋心をいだいてしまったことが、すべての始まりだった。
    「唯さんは天志君のお父さんの恋人だったんだ。受験が終わるまで天志君の心を煩わせないように、同時に唯さんになついてくれれば、という父親としての思いがあったんだろうね」
     合格発表の日に祝い事を重ねるように再婚を知らされた天志の気持ちを想像できるだろうか。再婚を祝福している演技をしながら、家族三人で暮らしてきた彼。
    「そうしているうちに、天志君は気づいてしまった。父親の中から唯さんへの気持ちが消えればいいのだと」
     実際問題そう簡単に上手くいくものではない。けれども昇華できぬ思いを抱えたままの彼は、視界が狭くなっているのだろう。
    「天志君は唯さんが実家に戻っていて不在の日の夜、夕飯のあとリビングのソファで眠ってしまった父親にソウルアクセスするよ。そして父親の、唯さんへの気持ちを消してしまうつもりだ」
     リビングの窓は庭に面していて、この日は鍵がかかっていない。薄手のカーテンはかかっているが、なんとかして様子をうかがって、天志がソウルアクセスをするタイミングをはかるのがいいだろう。
    「天志君がソウルアクセスをする前に彼を止めて現実世界で戦う方法と、彼がソウルアクセスした後を追ってソウルボードに入り、ソウルボード内で戦う方法があるよ」
     現実世界で戦う場合は、ソウルボード内で戦う場合より敵の力が強いので、どちらで戦うかはよく考えたほうがいいだろう。
    「天志君は父親のことを嫌いになったわけではないと思うんだ。二人で力を合わせて生活してきたのだからね。けれども、行き場のない思いを抱えて苦しんでもいる。なんとか、上手く導いてあげられればいいのだけど」
     頼むよ、と瀞真は微笑んだ。


    参加者
    神虎・闇沙耶(第捌階層地獄の使い・d01766)
    長姫・麗羽(シャドウハンター・d02536)
    新沢・冬舞(夢綴・d12822)
    オリシア・シエラ(アシュケナジムの花嫁・d20189)
    志水・小鳥(静炎紀行・d29532)
    日野原・スミ花(墨染桜・d33245)
    秦・明彦(白き雷・d33618)
    御厨・真凪(六辻の瀧守・d33866)

    ■リプレイ

    ●彼を追うために
     住宅街には団欒の声が未だに響いている。夕食が済んで幼子がやすむまでの僅かな時間。風呂場から響くきゃっきゃという笑い声がその家族の幸福を表しているようだった。
     だが対照的に、灼滅者たちが潜んでいる天志の家は沈黙を纏っている。リビングの電気が付いているのは薄いカーテン越しにわかるが、団欒の声は全く聞こえてこなかった。前情報通り、父親は夕飯を済ませた後、ソファで眠っているのだろう。
    (「想う心というものは、なんとも難しいな」)
     猫へと姿を変えた日野原・スミ花(墨染桜・d33245)は窓の側で息を潜めつつ思う。人の想いというものは千差万別千変万化で、正しい答えなんて存在しない。一般的に言う『間違い』はわかったとしても『正解』を見つけるのは難しい。それこそ人によって『間違い』の定義も『正解』の定義も違うのだから。
     ただ灼滅者たちは、天志を含めたたくさんの人が不幸になるだろう未来を間違った道だと思うからこそ、ここに集まっていた。
     室内から聞こえてくるいびきに混ざって、スミ花の耳にフローリングを歩く裸足が立てる足音が聞こえてきた。隣で同じく猫化して様子をうかがっている長姫・麗羽(シャドウハンター・d02536)と視線を合わせて頷く。
     人影がだんだん大きくなっていく。カーテンの小さな隙間から覗きこめば、そこにはソファで眠っている父親を見下ろす天志の姿があった。
     暫くの間父親の寝顔を見つめていた彼はゆっくりと行動を起こす。それを確認した2匹は急ぎ小さく鳴いて、身を隠していた仲間達に合図を出した。
     秦・明彦(白き雷・d33618)ができるだけ余計な音を立てぬように窓を開け、彼に続いて他の灼滅者達も室内へと足を踏み入れる。最後に入室した新沢・冬舞(夢綴・d12822)は窓を元のように閉めてカーテンを引き直し、自分達の姿が外から見えぬよう注意を怠らなかった。
     灼滅者たちは天志の後を追う。天志と、彼の愛する人たちを守るために――。

    ●誰を愛しているの?
    「いました」
     ソウルボードに到着してまず探したのは、勿論天志の姿だ。オリシア・シエラ(アシュケナジムの花嫁・d20189)は視線の先に彼の姿を認め、仲間達に知らせる。
     天志の父親のソウルボードには多数のディスプレイが浮かんでいて、そこには様々な年齢の天志の姿やおそらく彼の母親と思しき女性の姿、そして唯の姿もあった。
    「彼はどんな思いで、これを見ているのでしょうか」
     誰に尋ねるでもなく御厨・真凪(六辻の瀧守・d33866)がポツリと呟いた。数えるまでもなく、映しだされている画像の中で一番多いのは天志だ。小さい頃から今まで、様々な表情の彼が、父親の心にいる証。
    「……」
     だが彼は手にした武器を握り直し、そして唯の映っているディスプレイへと向けた。しかし。
    「永射、やめておけ」
     素早く接近した志水・小鳥(静炎紀行・d29532)がその銃身を掴んだ。天志が彼の手を振りほどこうとするが、小鳥も簡単には離さない。
    「なんなんだよっ……邪魔するなよ!」
    「恋は盲目、とはよく言ったもんだ。永射には見えないのか? こんなにも父親に愛されている、その証が」
    「そんなの、関係ないっ!」
     渾身の力で小鳥を振りほどいた天志。彼の中のダークネスが表面化しつつあるのだろう。神虎・闇沙耶(第捌階層地獄の使い・d01766)はさっと仲間達と天志の間に立ち、彼の様子をうかがう。
    「人の心、特に恋心は自分でわかっていても止められない。だからこそ、例え消したとしても、それは問題の先送りにしかならない」
     まるで自らの経験を語るように、冬舞は真っ直ぐ天志に言葉を投げかける。
    「――この心に触れたのなら、天志にも分かると思う。父親が想っているのが、誰であるか」
    「……!」
     表情が引きつったのは彼がそれを知っている証拠。けれども彼は、その事実を認めたくなくて目をそらそうとしている。
    「裏切られたと思う気持ちもよくわかる。どうして先に言ってくれなかったのかと」
     それでもまだ、彼は冬舞の言葉を聞いている。
    「それなら、そう伝えれば良い。相手にぶつけて、それで相手の心を知れば、前に進める」
    「オレもそう思うよ。恋というのは一人で出来るけど、愛は二人でしか出来ないもの。恋は片側に心が、愛は間に心があるわけだしね」
     控えめに同意を示した麗羽は、冬舞の言葉を補足するように重ねていく。
    「でも、頭じゃ分かってても気持ちは別だろうね。なら、想いをぶつけてみるのもいいんじゃないかな」
     天志の身体が小刻みに震えている。ダークネスが前面に出ようとしているのだろう。灼滅者たちは彼から目を離さず、緊張感を高めていく。
    「ま、本当に好きな相手なら、相手が本当に好きな人は誰かってのもわかってるとは思うけどね」
    「そんなの、そんなの、僕だってわか――あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
     麗羽の言葉に応えようとした天志に変化が起こった。自らの身体を抱きしめ、苦しそうにもがく彼。
    「壊す……想いを壊すんだ」
     次に彼が顔を上げた時、その真っ直ぐな瞳には闇が宿っていた。

    ●本当に欲しいものは?
     影から現れたかのように、いつの間にか天志の後ろから小さな天志が二人、姿を現していた。無邪気に笑いながら、漆黒の弾丸で麗羽と真凪を狙う。
    「邪魔を、するなぁ!」
     まるですべてを拒絶するかのように、天志は光線で前衛をなぎ払った。
    (「――思いに想いをぶつける事も出来ず、貯めに貯めた感情がこんな形で発露してしまうとは不幸な事です」)
     オリシアには、こんな形で鬱屈した思いを発散せざるを得なかった天志が気の毒に、そしてとても辛そうに思えた。
    「天志さん、父親と想い人、どちらも失いたくないと思ったのでしょう。それは人間として普通の感情です」
     理解と共感をこめて声をかける。手にした『ラビュリントス』は真っ直ぐに小さな天志へと伸びた。それを追うように麗羽が小さな天志と距離を縮める。影を宿した一撃で殴りつければ、トラウマが少年を包み込む。影のような彼がどんなトラウマを見ているのか、それはわからない。
    「父の心から唯への想いを消し去っても無駄だ……俺たちが理由を教えてやろう、刃と共に」
     闇沙耶が炎を宿した『無【価値】』を少年へと振り下ろす。炎を纏った少年に、スミ花の帯が突き刺さる。
    「スミ花は子どもで、色恋については疎いけれど、それでも、わかることはある」
     瞳は天志に据えて、真っ直ぐに。
    「口に出した方が楽になれる筈なのに、そうしなかった理由は何だ。自分のしあわせよりも、ふたりのしあわせを願ったのではないのか」
     今はダークネスに押しつぶされてしまっている本当の天志に、届くようにと。
    「唯さんとお父様に、笑っていて欲しかったのではないのかな」
     引きぬいた帯。その先にあった小さな天志は倒れ伏す前に影となって、そして消えた。
    「そのために口を噤むと決めたのなら、今ここで負けてはいけない」
     スミ花には色恋沙汰はピンと来ないけれど、口に出せない想いや行き場を失った言葉の寂しさは、少しわかる。だから、伝えたくて。
    「あなたの好きになったひとは、近しい人を失って笑えるようなひとではないだろう?」
     びくり、天志の身体が揺れた。ほんの僅かな間だけ、視線が何かを探して彷徨う。そんな天志の死角に滑り込んだ者がいた――冬舞だ。手の中でくるりと弄んだナイフで、天志を切りつける。
    「2人してじっくりと話しあえばいい。意外と単純な思い込みや勘違いだったりするから」
     死角からの攻撃に驚き、視線だけを何とか向けた天志に言葉を絡める。救いを、諦めていない証として。
    「君が想いのぶつけ先が無くて苦しんでいるのなら、俺に思い切りぶつければ良い。全力で受け止めてやる。だから来い!」
     半身を翻すように退いた冬舞の代わりに天志の視界を捉えたのは明彦だった。視覚だけでなく聴覚も力強い言葉で埋め尽くして。振り下ろした盾が、天志の意識を明彦に向けさせた。
     明彦は天志と同年代である。しかし、彼の悩みや苦しみが本当にわかるのは、同じような経験を持つ人だろうと考えていた。同じような経験を持たぬ明彦は、自分の言葉で説得できるとは思っていなかった。だから、せめて彼の激情のはけ口くらいは努めてやろうと思っていた。
    「想いが募るほど難しいとは思う。自分の想いをぶつけるだけじゃ、恋愛は成立しないんだぜ」
     黒耀、と霊犬の名を呼び、小鳥は祝福の風で後衛を癒やす。黒耀も倣うようにオリシアの傷を癒やした。小鳥にとって黒耀は頼れる相棒だ。このような信頼感がなければ、恋愛も成り立たないのではと小鳥は思う。
    「鍵をかけた想い、言えない言葉。辛かったですよね。でも今まで2人で生きてきた御父さんなのに、こんな裏切り方ってないですよ……」
     ソウルボードに真凪の切ない声が響く。
    「唯さんを手に入れるために御父さんの心、唯さんの心すら傷つけるのは間違っています!」
     叫びにも似た真っ直ぐな言葉が天志を包む。続けて紡がれた真凪のナナの言霊は、野良猫ナナと切ない少年の友情のお話で。前衛の傷を優しく癒していった。
    「だって僕は、僕はぁぁぁぁぁぁ!」
     天志の影を宿した一撃は、真っ直ぐに明彦を捉える。明彦はそれを黙って受けていた。しまいきれなくなった彼の激情を、受け止めるかのごとく。
     ひとり残っている小さな天志がオリシアを狙う。しかし寸前で割って入った闇沙耶がその一撃を代わりに受けた。
    「悪いが小さい天志よ。邪魔されるわけにはいかんのだ」
     ありがとうございます、告げて『ヒエロソリマ』を繰り出すオリシアの姿からは、普段の清楚さに隠された獰猛さがちらりと見えていた。
    「天志さん、その先へ行ってしまえばもう戻る事は出来ません。貴方は唯さんとお父様、その両方を失う事になるでしょう」
     小さい天志から槍を引きぬき、オリシアは天志を見つめる。
    「お父様の気持ちを一部でも消すという事は、『貴方自身』を消してしまうという事に他なりません」
     伝わるだろうか。じっと見据えた天志の瞳が、揺れているようにみえる。
    「天志はどっちなのかい? 自分が幸せになりたいのか、それとも相手に幸せになって欲しいのか」
     麗羽の漆黒の弾丸が小さい天志を穿つ。追うように小さい天志に接近した闇沙耶は、『無【間】』を纏った無数の拳を繰り出した。身体を折り曲げるようにした小さな天志は、地面に倒れ伏す寸前に影のように消えていった。
    「天志、何故最初に無駄と言ったか分かるか? 想いは消えても、二人の思い出は消えないからだ」
     小さな分身が消え去ったことを確認して、闇沙耶は天志を見据える。
    「天志に今必要なのは、想いを整理出来る場所と時だ」
     たった一人残された天志は、最初のような悪意と自信に満ちた瞳をしていなかった。揺れる瞳が、本物の天志が頑張っている証だ。
    「自分の想いを告げるよりも相手の心を思い遣った。傷付けることを恐れるのも、傷付くことを恐れるのも、その根底は同じだとスミ花は思う」
     彼我の距離を詰めて、スミ花はロッドを振り下ろした。触れた部分からスミ花の魔力が天志の身体へと流れこむ。苦しそうに歪む彼の顔。そっと見つめて言葉を紡ぐ。
    「ここで負けないなら、そのきもちは恋では足りない。きっと、愛という名前だよ」
     はらり、天志の瞳から雫が零れたのは、傷の痛みからだろうか?
     彼の様子が変わったことに気がついた冬舞は、冷静に状況を分析して漆黒の弾丸を放った。
    「はっきり言わせてもらう。すまん、俺には君の苦しみが判らない。俺は君じゃないからな。だが付き合う事くらいはできる。いいぜ、俺の身体はまだまだ持つ。親父さんにぶつける前に俺にぶつけてみろよ!」
     先ほど受けた傷はそのままに、明彦は雷の力を宿した拳を振り上げて。天志がまだまだ吐き出し足りないというならば、いくらでも付き合うつもりだった。
    「親父さんが唯さんへの気持ちがなくなったとしても悲しむのは唯さんだぜ。その心をお前は本当に埋められるのか」
     小鳥が闇沙耶の傷を癒やす間に黒耀が天志へと迫る。
    「大人になれ、永射」
    「辛くても苦しくても、唯さんが大切なら唯さんの心を一番大切にしてあげてください。それが想うってことじゃないですか?」
     真凪は明彦の傷を癒やしながらも訴えをやめない。天志の足は見るからにふらついていた。それでも彼は、最後にこごった何かを吐き出すかのごとく、声を上げて明彦へと迫った。明彦もまた、それを正面から受け止める。それが彼が天志にしてやれることだからだ。
     オリシアが天志に迫り、その横を麗羽のオーラが通り抜けていく。
    「これで、お前の闇を断つ……!」
     闇沙耶の巨大な刀が、天志に振り下ろされる。
     それは、彼を苦しみと決別させるような一撃だった。

    ●そして、これから
     しばらくして目覚めた天志の表情は、どこかスッキリとしているようだった。
    「僕、今なら二人を、心から祝福できるようなきがするよ」
    「そうか。男はそうでなくっちゃな!」
     小鳥がぽんと天志の背を叩くと、黒耀が応援するように跳ねた。
    「こういうのは溜め込む前に誰かに相談しても良いんだぜ」
    「相談……」
    「シツレンにはユージョーが一番です! 家にいづらいなら学園に来て一人暮らしはどうですか? そしてお友達になりましょう!」
     明るく告げる真凪。学園のことを説明すると、天志はどこはホッとしたような顔を見せた。やはりすぐに忘れることはできぬ感情だ、家以外に居場所があるということは彼にとって救いだろう。
    「新たな出会いと共に、ゆっくり己を変えれば良い」
     闇沙耶の言葉に頷いて、そして天志は灼滅者たちを見渡した。
    「ありがとう」
     この日、闇の中からひとりの少年が救われたのだった。

    作者:篁みゆ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年6月23日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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