
エルファシア・ラヴィンス(奇襲攻撃と肉が好き・d03746)は、こんな噂を耳にした。
『とにかく、おっぱい!』と……。
この噂が広まった地域では、怪現象が起こっており、みんな巨乳になってしまうようである。
しかも、服のボタンが弾け飛ぶほどの巨乳になってしまうらしく、色々な意味で問題になっているようだ。
中には、まだ見ぬ感覚を求めて、この地にやってくる貧乳女子も存在しており、聖地のような扱いを受けているとか、いないとか。
ただし、これは都市伝説の催眠によるものなので、テリトリー外に出てしまえば、あっという間にシュルルンしょぼん。
これを呪いだと断言している貧乳女子がいるほど、ショックな萎み方をするようである。
そのため、この地から離れる事が出来ず、学校や仕事を辞めて住み着く事もあり、そう言った意味で被害が拡大傾向にあるらしい。
この催眠を使う都市伝説は爆乳美女で、彼女に近づけば近づくほど胸が大きく敏感になってしまう。
これは単なる錯覚ではあるのだが、男性にも効果があるため、色々な意味で注意が必要。
その事も踏まえた上で、都市伝説を倒す事が今回の目的である。
| 参加者 | |
|---|---|
![]() 久遠・翔(悲しい運命に抗う者・d00621) |
![]() 若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426) |
![]() マリーゴールド・スクラロース(中学生ファイアブラッド・d04680) |
![]() 待宵・露香(野分の過ぎて・d04960) |
![]() アルマ・モーリエ(結晶の銃士・d24024) |
![]() 照崎・瑞葉(死損ないのディベルティメント・d29367) |
櫻井・聖(白狼の聖騎士・d33003) |
![]() 白峰・歌音(嶺鳳のカノン・d34072) |
●無乳故に
「まったく、頭に来るな」
照崎・瑞葉(死損ないのディベルティメント・d29367)は『必ず淫乱不埒な都市伝説を除かねば……』と決意しながら、仲間達と共に都市伝説が確認された場所に向かっていた。
瑞葉は胸の重みを知らない。つまり、無乳。
無乳である事を嘆き、成長を望んで暮らしてきた。
それ故か、巨乳に対しては、人一倍に敏感であった。
「菜々花、今日の敵はおっぱいを大きくしてくるの」
それとは対照的に、マリーゴールド・スクラロース(中学生ファイアブラッド・d04680)がのほほん気分。
「ナノ~」
ナノナノの菜々花も、ニッコリほんわか。
「……なんっつー依頼、受けちまったんだ……味方の一部の殺気が半端ねぇよ……やーな予感するぜ、本当に……」
そんな中、久遠・翔(悲しい運命に抗う者・d00621)が、乾いた笑いを響かせる。
こうしている間も、まわりはピリピリムード。
迂闊な事を言えば、都市伝説もろとも闇に葬られそうな雰囲気であった。
「でも、人間の女の子って無駄なお肉があると嘆く人が多いって聞いたよ、うん……。なのになんで、皆無駄なお肉をつけて喜んでるのかな……」
櫻井・聖(白狼の聖騎士・d33003)が、不思議そうに首を傾げる。
その途端、まわりの殺意が半端なく膨らみ、気まずい雰囲気が辺りに漂った。
「まあ、確かに……でかくてもなー。重かったり男子にからかわれたりブラ付けるの大変だったりで良い事なんてあまりないんだぜ。でも、夢を見ているみたいなものだから、夢からは覚ましてあげないといけないよな!」
白峰・歌音(嶺鳳のカノン・d34072)が自分の胸を見て、むにっと掴む。
それと同時にまわりの殺気が爆発的に膨らんだため、翔が慌てた様子で『俺は何も言っていないからなっ!』と念を押す。
「胸が大きくなるとは……夢が大きい話ではありますが、これは所詮夢ですからね。都市伝説をさくっと倒して皆様の目を覚ましてあげなくてはいけませんね」
アルマ・モーリエ(結晶の銃士・d24024)が、自分自身に気合を入れる。
例え、胸が大きくなったとしても、それは単なる錯覚。
錯覚ならば、現実ではない。
そんな淡い夢を見せられるのであれば、これ以上被害が広まる前に灼滅してしまった方が、世のため人のためだろう。
「偽りの楽園は破壊されなければならない。どんなに幸せな夢を見たって、現実は変わらないのだから……。そして、乙女の希望をもてあそぶ外道に鉄槌を!」
待宵・露香(野分の過ぎて・d04960)も、納得した様子で力強く頷いた。
露香から漂うのは、静かな殺気。
絶壁胸なので、巨乳になるのは、嬉しい事。
むしろ、都市伝説を連れて帰って、ペットにしたいほどである。
だが、巨乳に対して慈悲はない。むしろ、滅びてしまえばいいと思っている。
「そんな不埒な事している伝説さんは早く灼滅しないと……急いで行きましょう、うふふ」
そう言って若生・めぐみ(歌って踊れるコスプレアイドル・d01426)が含みのある笑みをうかべて、まわりにいた仲間達を急かすのだった。
●胸よ、大きく!
「……って、菜々花の胸も大きくなってる!?」
両手を胸に当ててセンサー代わりにしていたマリーゴールドが、異変に気づいて大声を上げる。
「ナ、ナノ~!?」
これには、菜々花もビックリ!
気のせいか、菜々花の胸も、ほんのり大きくなっていた。
「……ところで、俺も近づいたら、でかくなるんだよな……?」
翔が気まずい様子で汗を流す。
ただでさえ、翔子と言われているので、胸までデカくなったら、シャレにならない、笑えない。
「俺は男じゃあああああああああああ」
思わず声が漏れてしまったが、その拍子にほんのり胸が大きくなった。
ヤバイ、これはヤバイ。
間違いなく最悪な状況。
都市伝説が近くにいる証拠である。
「めぐみの夢がやっと叶ったんですね……でも、ちょっと重いです」
めぐみが幸せそうに胸をぽよんとさせた。
少し重いが、嫌ではない。
そのせいか、らぶりんも何処か嬉しそう。
「うん……? なんだか、重いね……うん。巨乳の人はこんな重荷を普段背負ってるって思うと、肩がこらないか心配だよ……うん。狼にもどれば、そんな気にならないかな?」
聖が重そうに胸を揺らして、その場で狼に変身した。
「あ、すごいです、ワンピースが破けそう、それにこすれて、なんか痛い様な、くすぐったい様な変な感じです……」
その間も、めぐみはぱっつんぱっつんの胸に夢中。
今にも、はち切れんばかりに大きな胸。
おそらく、こんな体験は二度と出来ない事だろう。
「でも……、重すぎないか? 大変だろ?」
歌音が仲間達に対して視線を送る。
仲間達の胸は大きく、たゆんたゆん。
だが、身体に対して、胸が大きいため、とても歩きづらそうである。
「おーっほっほっほっ! みんな満足しているようね。やっぱり、おっぱい。おっぱいよね」
そんな中、都市伝説が女性達を引き連れ、歌音達の前に現われた。
「あんなに大きいと動くのが大変でしょうに……。少しダイエットをなされた方がいいのでは無いでしょうか……」
アルマが都市伝説に意見を言う。
「あら、ご不満? そんな訳ないでしょ? みんな、胸が大きくしたかったはずよ」
都市伝説が含みのある笑みを浮かべる。
まるで何かを見透かしたように……。
「ああ、認めるよ。私は胸が人並よりほんの少し小さい」
瑞葉がたゆんと胸を揺らして、迷う事なく答えを返す。
「でも、このちょっと慎ましやかな体を、それでも胸を張って生きて来た!」
だが、瑞葉に張る胸はない。
張るほど胸もむ大きくない。
「偽りの形など所詮は幻。本物の良さには勝てないものです」
アルマがキッパリと答えを返し、一般人達に当て身を放っていく。
しかし、胸が大きくなっているせいで、いつもと比べてとても動きづらかった。
「だったら、私達の敵ね。やってしまいなさい」
都市伝説が指をパチンと鳴らして、まわりにいた女性達を嗾ける。
その指示に従って女性達が『胸を大きくしてもらったお礼よ!』と言わんばかりに、アルマ達めがけて飛び掛かって来た。
「巨乳、滅ぶべし!」
それを迎え撃つようにして、露香が女性達に当て身を放っていく。
より大きく、不自然なほど揺れる胸ばかりを狙って……!
「それに、あんまり大きいと動き難そうだし、大きすぎて良いことなんてないって思うんだけどね……」
マリーゴールドが大きな胸を揺らしながら、襲い掛かって来た女性達に当て身を放つ。
襲い掛かってきた女性達はあっという間に崩れ落ち、折り重なるようにして倒れていった。
「胸の小さな少女の心を弄ぶお前みたいな都市伝説を、私は絶対に揺らさない!!」
それと同時に瑞葉が一気に間合いを詰め、都市伝説に攻撃を仕掛けていく。
だが、あまりにも胸が大きくなり過ぎたため、都市伝説に当たる事なく虚しく空を切った。
「マギマティカ・フォームシフト!」
その間に歌音が都市伝説の前に陣取り、スレイヤーカードを発動させる。
「元嶺鳳学園ヒーロー、マギステック・カノン参上だぜ! 巨乳化の夢、覚まさせてもらう!」
そして、ビシィッとポーズを決めて、自ら名乗りを上げるのだった。
●さらば巨乳!
「一部の乙女の希望と苦悩をもてあそぶ都市伝説! 今ここに絶壁の裁きを!」
そんな中、露香が『よいしょ、よいしょ』と電柱をのぼり、街灯の上に立ってマテリアルロッドを突き立てようとした。
その拍子にバランスを崩して、顔面からアスファルトの地面に落下した。
「だったら私を黙らせてみなさい。出来るものなら、ね」
都市伝説が挑発気味に胸を揺らす。
「だったら、遠慮なく……って、胸重っ! 動きづらっ! うわあああ!」
すぐさま、翔が攻撃を仕掛けたものの、そのまま都市伝説の胸に突っ込み、挟み込まれるようにして意識を失った。
「……いいかげん重いし、さっさと倒して元のサイズに戻さないと……」
マリーゴールドが大きな胸を揺らしつつ、都市伝説めがけて制約の弾丸を放つ。
それに合わせて菜々花がぽわぽわとしゃぼん玉を放つ。
「うふふふふ、胸が重すぎて、狙いを定める事が出来ないようね。あはははははっ!」
都市伝説が高笑いを響かせ、マリーゴールド達に近づいていく。
「なんか、熱いです、へんです~~~」
その途端、めぐみが恥ずかしそうに頬を染め、細かく痙攣をしながら崩れ落ちた。
それに気づいたらぶりんが物凄く心配そうにしていたが、めぐみは気絶したままである。
「うにゃ!? 動きにくい!」
その横にいた歌音も服のボタンが弾け飛び、たわわな胸があらわになった。
「み、見るなー!?」
歌音が慌てた様子で胸元を隠す。
しかし、胸が敏感になっているせいで、立っている事さえ出来なくなった。
「よくわからないけど人の心を惑わす都市伝説さん。神の名の下に浄化させてもらうよ、うん」
聖が狼変身を解除した後、都市伝説に飛び掛かるようにして、幻狼銀爪撃を放つ。
「お前の敗因はたった一つ……巨乳化を永続させなかったことだ……!!」
それに合わせて、瑞葉が縛霊撃を仕掛け、都市伝説の動きを封じ込めた。
「ああ、大きなわたしの心の入れ物、せめて想い出の中で永遠に……一部の乙女の希望と苦悩をもてあそぶ都市伝説! 今ここに絶壁の裁きを! 絶対の純粋、混沌を縛る根源の法<力>よ! フォースブレイク!」
次の瞬間、露香がバインバインと胸を揺らし、都市伝説にフォースブレイクを仕掛ける。
続け様に攻撃を食らった事で、都市伝説は身を守る事も出来ず、断末魔を響かせて消滅した。
「いっそ殺せ……」
戦いが終わった後、翔が地面に突っ伏し、ボロボロと涙を流す。
何とか都市伝説を灼滅する事が出来たものの、色々なモノを失った。
「……とは言え、貴重な体験をしました。でも、本当の自分の姿が一番ですね」
アルマがホッとした様子で溜息をもらす。
だが、催眠が解けた女性達は、パニック状態。
まるで風船が萎むようにして胸が無くなってしまったため、何が起こったのか理解する事さえ出来なくなっているようだ。
「分かってたんです、分かってたんですけど……うあ~~~~~~ん」
途端に、めぐみが大泣き。
目を覚ました途端、胸がぺったんこに萎んでいたため、半端なくダメージを喰らったようだ。
もちろん、先程まで胸が大きかったのは単なる錯覚でしかないのだが、それでも胸の感覚がほんのり残っているためショックなようである。
「うーん、胸が大きいと肩も凝るし、動きが鈍るし、剣も振りづらいから、ボクはぺったんのままでも別にいいかな……うん」
そう言って聖が自分なりに納得しつつ、自分の胸をペタペタと触るのだった。
| 作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
![]() 公開:2015年6月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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