士道に殉じるべし

    作者:篁みゆ

    ●士道不覚悟
    「これ以上、オレが天海大僧正に味方する義理は無い。なんとか安土城怪人に……」
     琵琶湖近くの宿の一室。ひとりの男が唸りながら思案している。よほど切羽詰まっているようで、表情は険しい。一部の部屋から露天風呂へ行く通路にある部屋だからか、時折廊下から逗留客達の明るい声が聞こえてきた。
    「ちっ……人が精一杯頭を悩ましているって言う時に」
     男がぶつくさと文句を零したその時。
     ガッ……バキッ。聞こえてきた騒音とともに倒れてきた扉。男が現状を理解する前に、浅葱色の羽織を着た獣が飛び込んできた。
    「あ、あ、ああああああああ!?」
    「脱走するとは士道不覚悟なり」
     きらり、刃が照明に反射して、そして、振り下ろされる。廊下を通りかかった一般人だろうか、悲鳴が広がっていく。しかし男にはそれを確かめる力は残されていなかった。
     倒れた男の身体にまとわりつくのは、獣人――スサノオから放たれた畏れ。
     ゆらり、身体を揺らして立ち上がった男は、スサノオの配下として生まれ変わったのだった。
     

    「小牧長久手の戦いで敗北した、天海大僧正の勢力で動きがあったみたいだよ」
     灼滅者たちが席につくと、神童・瀞真(大学生エクスブレイン・dn0069)は和綴じのノートを開いた。
    「天海大僧正側の末端のダークネス達が、形勢不利とみて、安土城怪人に寝返ろうとしているみたいでね、秘密裏に琵琶湖に向かっているようなんだ。これを許してしまえば、天海大僧正側の陣営は瓦解するかもしれない」
     そこで天海大僧正は、配下のスサノオに、造反しようとするダークネスの捕縛命令を出したようだ。派遣されるのは新選組のような衣装で、刀を装備した剣士のスサノオ。隊名は、スサノオ壬生狼組。
     スサノオ壬生狼組のスサノオによって、造反しようとしたダークネスは倒され、スサノオの配下に作り替えられてしまうのだ。
    「安土城怪人に寝返ろうとするダークネスを助ける必要は全くないよ。でもスサノオ壬生狼組は、ダークネスだけでなく周囲の一般人も斬り殺す血に飢えた狼のようなダークネスで、このままでは多くの一般人が斬り殺されてしまうんだ」
     スサノオ壬生狼組は、強力なダークネスではあるが、一般人が無残に殺されるのを見捨てる事はできない。
    「このスサノオの撃退をお願いしたいんだ」
     スサノオ壬生狼組のスサノオは人狼のサイキックに加え、無敵斬艦刀のサイキックを使用する。戦闘力は高いものと思われるので、十分注意が必要だ。
    「スサノオが一般人を倒すのは戦闘終了後だよ。目撃者を消せという指令を受けているのかもしれないし、スサノオ壬生狼組の隊規か何かかもしれない。戦闘が終わるまでは、一般人に手出しはしないようだから、一般人の避難については、あまり考えなくても良いだろうね」
     戦闘を仕掛けるのはスサノオが踏み込んできた直後か、逃げ出そうとするダークネスを倒した直後になる。
     スサノオが踏み込んできた直後に戦闘を仕掛けた場合、逃げ出そうとするダークネスはこれ幸いと逃走し戦場から撤退してしまうだろう。
     スサノオが逃げ出そうとするダークネスを倒した直後の場合は逃走することはないが、スサノオ配下のダークネスとして戦闘に参加してしまう。
     戦闘を有利に進めたいならば、踏み込んだ直後に戦闘を開始するのが良いが、その場合、安土城怪人の勢力が増強されてしまうだろう。どちらの方針をとるかは、良く相談して決めるのがいいだろう。
    「逃げ出してきたダークネスは瑪瑙(めのう)という男の羅刹だよ。神薙使いのサイキックと、咎人の大鎌相当のサイキックを使うよ」
     そう告げて、瀞真は和綴じのノートを閉じる。
    「敵は強力だ。けれども君達の力ならば、十分対応できると信じているよ」
     頼んだよ、そう告げて瀞真は微笑んだ。


    参加者
    日月・暦(イベントホライズン・d00399)
    ゼアラム・ヴィレンツィーナ(埼玉漢のヒーロー・d06559)
    沖田・菘(壬生狼を継ぐ者・d06627)
    深束・葵(ミスメイデン・d11424)
    白樺・純人(ダートバニッシャー・d23496)
    竜胆・幸斗(凍牙・d27866)
    山瀬・流畏(高校生人狼・d28748)
    二荒・六口(ノクス・d30015)

    ■リプレイ

    ●惨劇の始まりを待ちて
     露天風呂へと向かう家族連れや女性のグループが、明るい表情で部屋の前の廊下を歩いて行く。旅行の楽しみの一つであろう露天風呂へと向かう足取りの軽い客達は、この後この部屋で起こる惨劇を知らない。
    (「血の気の多い奴は嫌だねえ、こんな旅館にまで来てまでやることかよ」)
     瑪瑙の居る部屋の入口が見える場所で身を潜めている日月・暦(イベントホライズン・d00399)は、心の中で嫌悪感を露わにする。これから露天風呂へ向かう客、湯上がりでスッキリした顔をしている客。スサノオを見過ごして一般人に被害を出すことなんて出来ない、と強く思う。
    「……」
     暦の近くで身を潜める沖田・菘(壬生狼を継ぐ者・d06627)の胸のうちには、スサノオ壬生狼組に対する静かな怒りが燃えている。
    「……ただダークネス同士で争ってるだけならいいけど、そこに一般の人も巻き込むとなったら……放っては置けない、よね」
     仲間達の真剣な様子を肌で感じた白樺・純人(ダートバニッシャー・d23496)が、静かに呟いた。
    (「誰の血も、流させたりなんかしないから……!」)
     拳を握りしめ、心の中で強気思いで誓う。
    「ダークネスに士道なんちゅーもんあったんさねー。燃えてきたさよ!」
     面に笑みを宿したゼアラム・ヴィレンツィーナ(埼玉漢のヒーロー・d06559)。確かにダークネスが士道を語るというのは少しおかしく思えるかもしれない。
    (「……正直、ダークネス同士で戦うのは勝手にすればとは思うけどね。スサノオ壬生狼組の隊規なのか、誰かの命令なのかどうかは気になるけど……」)
     静かに仲間達の様子を見ていた竜胆・幸斗(凍牙・d27866)は特にダークネス同士の戦いに興味はないが、それが一般人に害を及ぼすのであれば、容赦はしないという思いだ。
    (「……これって、何かのマッチポンプや時代劇の天誅ごっこ、とかじゃないよね。ダークネスの絶対数が増減した訳じゃなかったから、何か狐につままれたような気がしないでもないけど」)
     これから2体同時に狩るから確実に減るけどね……心中で呟いた深束・葵(ミスメイデン・d11424)も部屋の扉への視線を動かさない。
    「!」
     ぞわり、山瀬・流畏(高校生人狼・d28748)を総毛立たせるような感覚は畏怖だろうか。いつの間にか視界に入ってきたのは、浅葱色にだんだら模様の羽織を着た獣。宿敵との殺し合いを前にした歓喜のような不思議な感覚が、流畏を支配していく。
     スサノオが部屋へと押し入った。だがまだだ。まだ飛び込むわけにはいかない。スサノオが瑪瑙を倒した後に突入すると相談して決めてあった。
    「……」
     二荒・六口(ノクス・d30015)がクイ、と顎で部屋の入口を示す。一同は突入タイミングを図るため、足音を殺して部屋の前まで素早く移動した。

    ●惨劇を防ぐために
    「脱走するとは士道不覚悟なり」
     瑪瑙を断ずる声と共に聞こえてくるのは断末魔の悲鳴。それを合図として、灼滅者たちは部屋に踏み込んだ。幸斗と暦が念の為に素早く、サウンドシャッターと殺界形成を発動させる。スサノオが一般人を手に掛けるのは戦闘後だと言われていたが、万が一でも一般人に被害を出したくないという強い思いゆえの対応である。
    「頼んだよ!」
     仲間達に声をかけて純人と菘、葵のライドキャリバーの我是丸が突入する。彼らが目指すはスサノオ。他の仲間たちの元へ行かせまいと陣取る。
     純人が盾を広げている間に、菘がスサノオと肉薄する。
    「粛清に関して、貴方達に口出しする気はありません。一ツ、局ヲ脱スルヲ不許――局中法度にもある事です」
     攻撃を加えてスサノオの懐から抜けだした菘は、真っ直ぐにスサノオを見つめる。その瞳に宿るのは――怒り。
    「でも……その後の行動を許す訳にはいきません。沖田の名にかけて! 貴方を止めます!」
    「邪魔者は滅する」
     スサノオは低い声色で告げた後、手にした巨大な刀を前衛へと振り下ろした。すべてを断ち切るようなその一撃は想像していたよりも強力で、あまりの衝撃に口の端から呻き声が漏れる。
    「うおぉぉっ!」
     スサノオの配下となった瑪瑙が動いた。放たれた黒き波動は後衛を容赦なく薙ぎ払っていく。
    「俺が相手してやるさね」
     ゼアラムが瑪瑙の懐に入り込んで強力なエルボーを食らわせると、追ってきた葵の『猿神棘衣』が瑪瑙の脇腹を貫いた。我是丸はスサノオに突撃をかます。
     瑪瑙の逆の脇腹へと伸びた帯は幸斗のもの。六口の広げた方陣が、前衛の傷を癒やし強化する。
    「お前らの罪はこんなところで血の匂いをさせ過ぎたことだよ」
     非物質化させた剣で、暦は瑪瑙を斬りつける。
    「まあ、こんな騒ぎ起こしたことをせいぜい後悔させてやるさ」
     合わせるように動いた流畏の口の端は釣り上げられていて、牙を剥いているよう。彼女にとっては瑪瑙との戦闘はオードブルのようなもの。流星の煌めきの蹴撃で、瑪瑙が身体を揺らした。
    「思うようにはさせないから!」
     純人は帯を放ち、回復役の六口の傷を癒やす。菘は自分を癒しつつ守りを固めた。絶対に、スサノオを通さない!
     鋭い銀爪が菘を狙う。守りを固めた上で受けた一撃だが、思ったよりも深く肉を抉られたのがスサノオの強さを表しているのだろう。続いて瑪瑙が喚んだ風の刃は、深く葵を切りつけた。
     ゼアラムは流れるような動きで瑪瑙の懐に入った。その身体に掴みかかり、持ち上げて思い切り叩きつける。床に叩きつけられてすぐには立ち上がれない瑪瑙は絶好の的だ。葵は『猿神鑼息』を構えて、蜂の巣にするかのごとく無数の弾丸を放った。我是丸はスサノオに迫る。
    「逃しはしないからね?」
     滑るように瑪瑙に近づいた幸斗の瞳は敵意に満ちている。彼にとって羅刹である瑪瑙は、スサノオの配下にされているとはいえ宿敵なのだ。
     異形巨大化させた腕を思い切り振り下ろすと、立ち上がろうとしていた瑪瑙はその衝撃で再び腰を落とした。
     六口が素早くオーラを癒しの力に変換して葵の傷を癒やす。その間に瑪瑙に接敵した暦は、思い切りロッドを振り下ろした。ロッドが接触した部分から、暦の魔力が常以上に流れ込み、瑪瑙の体内を容赦なく蹂躙していく。
    「うぐぁぁぁぁぁぁ!!」
     苦悶に満ちた悲鳴を上げながらのたうち回る瑪瑙を冷たい瞳で見下ろす流畏。彼女としてはさっさとメインディッシュに移りたいのだ。情け容赦なく振り下ろした銀爪は、瑪瑙の血肉を抉り取った。
     菘の前に盾が現れた。純人が傷を癒してくれているのだ。感謝つつ、菘もまた自身を癒す。自分達の役目はスサノオに攻撃することではなく、瑪瑙を倒し終わるまでスサノオを抑えておくことなのだから。
    「あくまでも邪魔立てするというのか」
     スサノオは自らの傷を癒やし、肉体を活性化させた。早く決着を付ける、そのつもりなのだろう。瑪瑙はふらつきながらも空間から喚び寄せた無数の刃で後衛を斬りつける。
     葵が爆炎の魔力を込めた無数の弾丸を放った。炎に包まれた瑪瑙が唸り声を上げている。我是丸は再びスサノオに突撃し、その注意をひこうとしている。
    「ずいぶんふらついているさね」
     ゼアラムは虹色のマント状のオーラを翻らせながら、強烈な蹴撃を食らわせる。衝撃に耐えられずに身体を傾かせていく瑪瑙。彼の落下地点を予測して素早く動いた幸斗は、冷たい敵意の宿った瞳で瑪瑙を見下ろしつつ、ロッドを振り下ろす。
     軽く接触しただけのように思えたその先端から流れ込んだ魔力は膨大で、体内を蹂躙されている瑪瑙は小刻みに痙攣しているが、もはや呻き声も漏らせないようであった。痙攣している体の端が砂のように変化し、そしてさらさらと朽ちてゆく。その速度はだんだんと早くなり、瞬きする間に瑪瑙の身体は砂粒となって果てた。

    ●たとえ深手を負ってでも
     瑪瑙を失ったことによる動揺は、スサノオの表情からは感じられなかった。一体何を思っているのか、わからない。
     六口は再び法陣を展開し、後衛の傷を癒やし浄化していく。
    「待たせたな」
     スサノオに駆け寄った暦の一撃。体勢を低くして追うように駈け出した流畏はスサノオの懐に入り込み、銀爪を振るう。
    「壬生狼、ねえ……中々良い男じゃねえかよ。なあ?」
     くつくつくつと喉を鳴らして嗤う。その瞳は爛々と輝いていて、血に飢えた狼のよう。
     瑪瑙の灼滅を確認した純人は、両手足を鉤爪のように変化させ、死の光線を放った。スサノオをに向けられたその瞳はまるで汚物を見ているようで。彼にとっては人に危害を加える様な者は、冷徹に、正確に、綺麗に『掃除』するべき『汚れ』なのだ。
    「何の罪もない一般人を巻き込む、目撃者は全て消す……? そのような悪鬼羅刹の所業を壬生狼が行う……? ――巫山戯ないで下さい!」
     怒りを吐き出した菘は素早くスサノオの死角に入り込み『大和守安定【贋】』を振るう。再び距離をとって、敵を視界に収めた。
    「それが隊規だろうと指令だろうと、貴方は私達新選組の名を汚しています! これ以上の愚行、許すわけにはいきません」
     その名を、だんだら模様の羽織を穢されているようで、菘にとってはその存在自体が許しがたいのだ。
    「っ……!」
     スサノオの鋭い銀爪が菘の身体をえぐる。それでも、倒れるわけにはいかない理由がある。
     葵と我是丸が合わせるようにして無数の弾丸を放つ。その弾幕に飛び込むようにしてスサノオに迫ったゼアラムは、その鼻っ面にエルボーを食らわせた。
    「目撃者は殺せとか命令でも受けてるの? それとも、一般人も殺して……さっきの羅刹みたいに配下増やそうとしてるわけ?」
     落ち着いた声色で問う幸斗。素直に返事が帰ってくるとは思っていないが、なにか漏らせばと思わなくもない。
    「というか裏切者狩りついでに配下回収とか、天海の奴も随分余裕がないみたいだね」
     走り寄って異形巨大化した腕を振り下ろす。惜しくもそれはかわされてしまった、が――スサノオが幸斗の攻撃を避けて動いた位置を見定めた暦が、まっすぐにロッドを振り下ろす。
     ぐ、と低い呻きがかすかに聞こえた。六口は指先に集めた霊力を菘へと向け、その傷を癒やす。
    「どっちが狩られる立場かなぁ、壬生狼?」
     嗤いながら流畏は超硬度の拳を振るい、その強化ごとスサノオを殴りつけた。
     純人は再び盾を菘に遣わせて傷を癒やす。だが目に見える傷は癒やされるけれど、蓄積されていく目に見えぬ傷までは癒せない。それでも、すべての攻撃を受け止めるという意志で、菘はスサノオの気を引くべく動き、攻撃を加えた。
    「……!」
     スサノオが畏れを纏った斬撃で菘を狙う。素早く動いた純人が、菘へ向かった攻撃を庇い受けた。ひとりだけで戦っているのではない、わかってはいるがそれを改めて実感する。
    「我是丸!」
     キャリバーの名を呼び葵が弾丸を放つ。息のあった攻撃が、スサノオを追い立てていく。スサノオに掴みかかったゼアラムがその巨体を投げ飛ばし、すぐに立ち上がれぬ相手に幸斗が迫り、ロッドを振り下ろした。
     六口は回復に専念することにして癒しの霊力を純人に遣わし、暦もまた立ち上がりかけているスサノオに接近し、ロッドを振り下ろした。
    「来い! 俺が斃れるまでにお前が死ねば、お前の負けだ!」
     スサノオは逃亡しないだろうと流畏はふんでいた。だてに『壬生狼』の名を冠してはいないはずだろう、と。
    (「幕末に京で畏れを振り撒いた連中みたいな性質なら、最期まで背を向けはしまい」)
     畏れを纏った鬼気迫った斬撃が、深くスサノオの肉体に食い込む。それでもまだ、奴は倒れない。
     純人は自分の傷を癒やし、スサノオの次の行動に備える。
    「此処で、引導を渡してあげるのがせめてもの慈悲。行きましょう!」
     かすかにスサノオがふらついていたのを、菘は見逃さなかった。仲間達に声をかけ、まずは自らが先陣を切って『大和守安定【贋】』を振るう。
    「ウォォォォォォォ!!」
     接近した菘を邪魔だとでも言うように、スサノオの爪が容赦なく斬り裂いた。衝撃と痛みで、菘が膝をつく。
    「沖田!」
     素早く癒しの霊力を指先に集めた六口の声に、菘はまだ痺れる身体を必死に起き上がらせることで答えた。
     葵と我是丸が張った弾幕に流畏が飛び込んでいく。その影を伝うように、幸斗はスサノオに迫る――スサノオはそれを避けられない。
     暦が正面から剣を振り下ろす。それを受けたスサノオの身体が傾いだ。
    「はっはっは。これで終わりさね」
     いつの間にか接敵していたゼアラムが、おもむろにスサノオに掴みかかった。そしてツームストンパイルドライバーの如く危険な角度で投げ落とす!
    「グァ……」
     小さな呻きを残して、スサノオは煙のように掻き消えた。

    ●今度は
    「その士道潔ささね、漢さよ! はっはっは。本当は1対1で戦いたかったさけんど、許せよ」
     消え行くスサノオにゼアラムはそっと黙祷。だいぶ部屋の中が荒れてしまったが、こちらも一歩間違えば重傷者が出てもおかしくない状態だ。早く帰るに越したことはないだろう。
    「本当だったら露天風呂に入ってゆっくりしたいんだけどなー」
     暦の言葉の通り、露天風呂には後ろ髪惹かれるが仕方がない。
    「次に来るときには温泉楽しみたいな。来られるかわからないけどね」
     いつか温泉を楽しめる機会もあるだろう。
     灼滅者たちは任務を果たし、旅館を後にした。

    作者:篁みゆ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年6月30日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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