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とある田舎の片隅に打ち捨てられた、廃病院。
この場所について、とある噂が流れていた。
『世界征服を目指すとある悪の将軍が、多数の部下を引き連れ拠点にしている』と。
本来ならば、そんなわけねえだろもっと現実を見ようぜ、で済む話ではあるが、この噂は都市伝説として実体化してしまっていた。
この将軍と、部下の兵士達は毎日17時から19時の間に出現し、毎日よく分からない軍隊っぽい訓練を続けているらしい。
兵士には主に3種類のタイプがいる。
戦闘ナイフや刀剣、チェーンソーなど、刃物による近接攻撃に長けた兵士。
拳銃やガトリングガン、スナイパーライフルにショットガンなど、銃器の扱いに長けた兵士。
銀色の特殊アーマーを身に着けた兵士たちは、電撃パンチ、グレネードランチャー、レーザーガンなどといった方法で攻撃する。
そして彼らを率いる将軍は、誰よりも巨大な特殊アーマーを身に纏いながら、この廃病院のどこかに潜んでいるらしい。
速やかに雑魚の一般兵共を蹴散らし、親玉である将軍を討伐せよ!
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「時が……来たようだな……!!」
エクスブレインの神崎・ヤマトがクワッと目を見開き、灼滅者達の方をビシッと向いた。
「サイキックアブソーバーからの情報によると……とある田舎の片隅に打ち捨てられた廃病院に、悪の将軍の都市伝説が毎日出現しているらしい! ただ、まだ被害者が出ていないのが幸いだな。そういう訳でお前らは現場へ向かい、被害が出る前に奴らを灼滅するんだ!!」
ヤマトの説明によると、この廃病院には将軍の部下である多数の兵士たちがうろついており、彼らをある程度の数撃破した時点で、ボスである将軍が姿を現すらしい。
「出現した将軍を倒せば、他の兵士たちも自動的に消滅し、灼滅完了となる! みんなで協力し、デカいアーマーの将軍を倒すんだ!」
そしてヤマトは、この廃病院の簡単な説明を行う。
「この廃病院は、A病棟とB病棟に分かれていて、各階に連絡通路がある。そしてそれぞれ屋上がある3階建てだ。A病棟はまさに廃墟といった感じでとてつもなくボロボロだが、B病棟は建てられてからそう間もない時期に放棄されたらしく、それなりに綺麗だ。ちなみにどっちの病棟も当時の物品が残されたままだが、まあお前らには特に問題ないだろう!」
そこまでの説明を終え、ヤマトは灼滅者達に向き直った。
「それと、もう一つ……実はこの都市伝説、滅茶苦茶弱い。それはもう弱い。将軍は雑魚の一般兵に比べるとマシだが、それでも弱い。まず負けはしないだろうから、テストのストレスをぶつける勢いで、格好つけて奴らを倒すんだ! それじゃあ、行って来い!」
参加者 | |
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葵璃・夢乃(黒の女王・d06943) |
新堂・辰人(夜闇の魔法戦士・d07100) |
五十嵐・紅葉(花も嵐も・d07993) |
梶間・宗一郎(無為無窮の拳・d30874) |
ルーセント・アメリア(心身乖離・d30922) |
哭神・百舌鳥(百声の演者・d33397) |
セティエ・ミラルヴァ(ブローディア・d33668) |
琴音・魅羅(もふりんちょす・d34561) |
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悪の将軍とその部下たちの都市伝説が現れる廃病院。
激しい訓練による騒音が響き渡るその場所に、8人の灼滅者達は訪れていた。
「世界征服を企む結社とか、牧歌的な時代の話だよね。軍隊の地方制圧だけじゃあ領地経営は出来ないなんて子供でも知ってるから、こういう悪役はリアルでもフィクションでもなかなか出てこないんだけど……」
新堂・辰人(夜闇の魔法戦士・d07100)はスレイヤーカードを解放し、解体ナイフを手に取ると、A病棟の入り口にゆっくりと近づく。
「まぁいいや。今日はそういう時代に頭を切り替えて、正義の使者くらいの感覚で灼滅してけばいいかな」
そう呟くと辰人は扉を開け放ち、灼滅者達は一気に中に突入した。
「侵入者だ! 侵入者は皆殺しだ!!」
灼滅者達の存在に気づいた兵士たちが一斉に武器を構え、灼滅者達に襲いかかる。
「よ……っと。弱いと明言されてるだけはあるね。全然当たる気がしない」
兵士たちが放った弾丸を軽々と避けながら、辰人はナイフを掲げる。
そして放たれた毒の竜巻が、兵士達を纏めて吹き飛ばした。
その攻撃を奇跡的に避けたチェーンソー兵士が突撃してくるが、辰人は冷静にその動きを見切り、ダイダロスベルトでチェーンソーを押し返した。
「お前を、切り裂いてやる」
次の瞬間、兵士に肉薄した辰人がナイフで確実に急所を斬ると、兵士は声も無く倒れるのだった。
「おお、いきなり凄い攻撃だネ! ミラも負けてられないヨ!」
琴音・魅羅(もふりんちょす・d34561)がそう言いながら連絡通路の兵士を纏めて蹴り飛ばすと、一同はそのままB病棟に前進する。
「悪の将軍、ねぇ……そもそも世界征服してどうするつもりなのかしら……まあいいわ。とりあえず敵は倒すまでね」
ルーセント・アメリア(心身乖離・d30922)はそう言いながら通路の扉を蹴り破り、兵士たちと相対する。
「侵入者を殺せ!」
兵士たちはすぐさま銃の引き金を引くが、弾丸はルーセントの身体に掠りもしない。
ゴージャスモードを使用していたルーセントは黄金色に輝くガトリングガンを兵士達に向け、引き金に指をかける。
「全然駄目ね……本物の火力を見せてあげるわ」
ズガガガガガガガガ!!
ルーセントが放った無数の銀の弾丸が、兵士達の身体を穴だらけにしながら消滅させていく。
「普段からこの姿で戦えればいいのだけれど……敵が強いとそうも言ってられないわね」
普段の戦闘とは異なる人間形態のまま戦闘を行うルーセントは、無数の宝石が散りばめられた巨大な弓に大量の矢を番え、狙いを定める。
「それにしても……廃墟には廃墟の趣があるって言うけれど、こうも敵が多いと台無しね」
そう呟き、ルーセントは一斉に矢を放つ。
視界を覆い尽くす大量の矢を捉えきることなど出来ずに、兵士たちは次々と射抜かれ消滅していくのだった。
「ここは制圧完了ね。さ、次行きましょう」
葵璃・夢乃(黒の女王・d06943)が最後に残った兵士を斬り伏せ、扉を蹴破ると、そこから通じる階段で一同は上へ進む。
そして立ち塞がる、多数の特殊アーマー兵士達。
「本当に弱い相手だけど、油断はしないようにしたいわね……ただ、連携の練習には出来るかしら?」
セティエ・ミラルヴァ(ブローディア・d33668)は断罪輪を構えながら目の前のアーマー兵達を見据え、一気に九字を唱える。
次の瞬間、アーマー兵達の身体が内側から大爆発し、アーマーごと木端微塵に吹き飛んでいった。
「まだ敵が残っているね……合わせようか」
「分かったわ、お先にどうぞ」
哭神・百舌鳥(百声の演者・d33397)の投げかけにセティエが応え、百舌鳥は黒鉄の燭台に自らの魔力を、セティエは縛霊手に自らの霊力を込めていく。
「あいつらを殺せ!!」
兵士たちは雷を纏わせた拳で灼滅者達に殴りかかるが、もう遅い。
百舌鳥が放った魔術が眩い光と共に兵士たちの全身を凍らせたかと思うと、直後にセティエが構築した霊的結界が、その凍りついた身体を次々と砕いていった。
「結構うまくいったわね。次は誰が相手かしら?」
「俺様が相手だ!!」
セティエがトントンと脚を踏み鳴らすと、一体の大柄なアーマー兵がチェーンソーを構えて爆走してくる。
「おっと、あの感じは……中ボスって所かな?」
梶間・宗一郎(無為無窮の拳・d30874)は軽い口調でそう言い、振り降ろされたチェーンソーを闘気を纏わせた拳で弾き返す。
「ほら、後は任せたよ」
「了解。これで仕留めるわ」
宗一郎が拳で巨体兵士の腹を打ち、セティエは自分に向かって吹き飛んでくる巨体を待ち構える。
「………………ここよ」
エアシューズを全力駆動させたセティエは一瞬のタイミングを逃さず、兵士の顎に鋭い回し蹴りを放つ。
その強烈な一撃に兵士の全身の骨は粉砕され、壁に衝突したと同時に消滅していった。
「すごい連携だったね、カッコイイ!!」
五十嵐・紅葉(花も嵐も・d07993)はセティエ達の連携攻撃にパチパチと全力の称賛の拍手を送り、霊犬の『侘助』はそんな紅葉の様子をジトッと見つめる。
具体的に言うなら、自分も戦闘に参加してるの忘れてるんじゃないの的な視線だった。
「ごめんごめん、あたしも頑張るからね」
紅葉は侘助の頭をぽんぽんとすると、ガトリングガンを構えて仲間たちと共に連絡通路を渡る。
「敵だ敵だ!! 斬り殺せ!!」
灼滅者達の存在に気づいた兵士達が鞭剣を構え、次々と斬撃を放つ。
しかし紅葉はその斬撃を避け、あるいは霊犬の侘助が庇い、全く傷を受けることは無かった。
「それじゃあ、皆の援護をするよ」
前線で戦っている仲間達が受けた傷を癒し、紅葉はガトリングガンを構える。
「侘助、合わせてね!」
紅葉がそう投げかけ、引き金を引く。
侘助が放った六文銭が兵士たちの全身を次々と打ち、紅葉が撃ち放った炎の弾丸が兵士たちの身体を業火に包み込む。
「まだ1人残ってるわ……それじゃあ、最後はこれで」
紅葉は『ブルークリスタルロッド』の青き水晶に魔力を込め、魔術を詠唱する。
そして放たれた一筋の雷が、兵士の胸を貫き一気に仕留めきったのだった。
「ん、皆順調そうだね。これで2階までは制圧完了だ」
辰人はそう言って、更に上へと続く扉に手をかける。
兵士達との戦いはまだ続く様だ。
●
「ここから折り返し……まあ、焦らずに行こうか」
百舌鳥は黒き燭台を携えながら扉を開け放ち、相変わらず喧しい訓練を続けている兵士たちにゆっくりと歩み寄る。
「さあ、それじゃあ1つ語ろうか……『牡丹燈篭』……これは恋い焦がれた男に憑りつき殺した、美しくも恐ろしい女幽霊の話……」
百舌鳥が怪談を語ると、それを聞いた1人の兵士が頭を押さえながら苦しみ、そのままバタリと床に倒れた。
そして灼滅者達に気づいた兵士たちは銃を構え、滅茶苦茶に弾丸をばら撒く。
放たれた弾丸の数発は百舌鳥にも向かうのだが、百舌鳥は冷静に足元の影を操る。
そして百舌鳥の影が、薙刀を持つ日本人形の少女の姿になったかと思うと、少女が振るった薙刀が弾丸を次々と斬り落とした。
「援護するよ」
「分かったよ……オレが後に続くね……」
辰人が周囲を取り囲む兵士たちをダイダロスベルトで一気に縛り上げると、百舌鳥は手元の燭台に蒼き炎を灯す。
すると何処からか生み出された煙が管狐の姿を取り、動けなくなった兵士達に襲い掛かる。
「グオオオオ!! 将軍様の為に死ね!!」
「中々しぶとい敵もいるね……でも、これで終わりだよ……」
兵士が乱射した弾丸を軽く避けながら、再び少女の影を操る。
そして少女の長い髪が一気に膨れ上がったかと思うと、兵士の全身を一瞬にして飲みこみ、その肉体も精神も丸ごと喰らい尽くしたのだった。
A棟三階の敵を蹴散らした灼滅者達は、そのままの勢いで連絡通路を渡る。
「……どうやら向こうはまだ私達に気づいてないみたいね……それなら」
夢乃は物陰から金属製のカードを遠くに投擲し、その物音で一瞬兵士たちの気を引く。
「Reine noire pour la justice……なんてね♪」
そして夢乃は一気に兵士たちの前に躍り出ると、黒い突風の異名を持つエアシューズを一気に駆動させる。
「まとめて面倒見てあげるわ!」
暴風と共に放たれた夢乃の激しい蹴りは、兵士たちを纏めて吹き飛ばし壁に叩き付ける。
更に夢乃は釵の如き形状の光剣を構えると、兵士たちに急接近する。
「ほらほら、私のダンスに見惚れてると、首と胴体がサヨナラしちゃうわよ?」
夢乃は舞うように戦場を動きながら次々と剣を振るい、その鋭い斬撃で兵達を斬り捨てていく。
「敵も残りわずか……援護するわよ」
「それじゃ、雑魚散らしといこうかしら」
セティエが霊力で生み出した網で兵士たちの動きを封じると、夢乃が釵の光剣を掲げる。
「世界征服を狙う悪の軍団……これ位のお仕置きは必要よね」
そして放たれた痛いぐらいに眩い光が、兵士たちの身体を纏めて爆発させていくのだった。
かなりのハイペースで敵を片づけていく灼滅者達は階段を駆け上り、屋上に到達した。
「相も変わらず凄い数……でも、蹴散らしがいがありそうだね」
宗一郎は金色の瞳をギラつかせながら、全身に黒き闘気を纏わせる。
「死ね、侵入者共!!」
そして一体のアーマー兵士が、雷を纏わせた拳を宗一郎に突き出す。
「おっと。そんな緩い拳をまともに喰らう訳にはいかないね」
宗一郎もまた同時に鋼鉄の拳を振るうと、鈍い金属音を響かせ互いの攻撃が相殺された。
すると宗一郎は全身の闘気を拳に集束させ、目の前の兵士の懐まで潜り込む。
「まずは一体」
そして宗一郎が放った無数の拳が、兵士のアーマーを粉々に粉砕し、その身体を打ち砕いた。
「たまには、こうやって蹴散らすのも楽しいものだね」
宗一郎は重く強烈な一撃を兵士たちに叩き込んでいき、次々と仕留めていく。
「貴様ぁ! 調子に乗るとタダでは済まさんぞ!!」
そして宗一郎の前に立ち塞がる、巨大なサーベル兵士。
「ん、何だい物言いかい? ……まあ、来なよ。相手してあげるから」
「舐めるな!!」
兵士は宗一郎の首目がけて巨大なサーベルを振り降ろすが、宗一郎は闘気を纏わせた拳で刃を掴み、その斬撃の威力を殺す。
「今が好機ね」
「だったら、乗らない訳にはいかないね」
ルーセントが放った矢がサーベル兵士の足と床を縫い止めると、宗一郎はそのまま兵士の頭を掴み上げる。
「悪いけど、お前はこれでゲームオーバーだ」
宗一郎はそのまま力任せに頭を地面に叩き付ける。
そして屋上中に拡がる巨大な衝撃と共に、その兵士は撃沈したのだった。
「残るは一箇所だけ……一気に攻めきっちゃおうネ!」
魅羅はそう言って屋上を駆けると、頭に乗せたウイングキャットの『柩』と共に、ぴょんと隣の病棟まで跳んだ。
「何だお前は!!」
「元気いっぱいの人狼ダヨ!」
突然の襲撃に驚く兵士にそう返し、魅羅は勢いよく自身の身体を回転させる。
そして放たれた強烈な回し蹴りが、兵士たちの全身を強く打つ。
「まだまだ、魅羅の攻撃は終わってないヨ!」
魅羅はそう言いつつ即座にダイダロスベルトを伸ばし、蹴り飛ばされ宙に浮いた兵士たちの身体を纏めて絡め取る。
「紅葉ちゃん、トドメは任せるヨ!」
「分かった、あたしに任せて頂戴」
魅羅の元気な呼びかけに紅葉は応え、ぎりぎり攻撃に耐えきった兵士たちを無数の弾丸で蹴散らしたのだった。
「フハハハハ! 将軍様に会いたければ我を倒す事だな!」
「分かった、そうするネ!」
いきなり出てきた巨大ガトリング兵士に驚きもせず、魅羅は片腕を獣化させ、柩と共に巨大兵士に突撃する。
「行くよ柩、同時にパーンチ!!」
柩は肉球を、魅羅は狼の銀爪を。
それぞれが放った強烈なパンチが巨体兵士の顔面を思いきり殴り飛ばし、巨大兵士は攻撃の間もなく屋上から吹っ飛ばされていくのだった。
「ふう、ナイス連携だったね!」
魅羅がそう言って狼の腕を元に戻した直後、病院が急激に揺れ始める。
「ククククク……どうやら我が部下たちが随分と世話になったようだな……」
ゴゴゴゴゴゴと威厳のある音を響かせながら、ついに悪の将軍が全長10メートルを超える銀色の巨大アーマーを装着しながら灼滅者達の前に姿を現した。
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「でかいネ」
「でかいねえ」
「でかすぎない?」
「アーマーっていうか最早ロボットね」
「なんで病院にこんなのが……」
「この見た目でも微妙に弱いって言うんだから笑えるわね」
「そこは微妙に強いって表現した方が」
「それはそれで笑えるかも。微妙に」
各々好き勝手な感想を述べる灼滅者達を無視し、悪の将軍はアーマー内部から言葉を続ける。
「貴様らが何者かは知らぬが……我が軍団を襲撃したこと、死んで後悔するがいい!!」
そして将軍はアーマーの両肩のミサイルランチャーから、無数のミサイルを撒き散らす。
「見た目は派手だけど、それだけね」
ルーセントは無数の矢を放ってミサイルを撃ち落とし、将軍の全身に矢を降らせる。
「お前を倒せば晴れてゲームクリア……だね」
宗一郎は巨大アーマーの中心目がけてアッパーカットを放つと、将軍の身体を高く打ち上げる。
「悪の特殊軍隊、きちんと殲滅するヨ!」
魅羅が放った蹴りが、将軍の身体を更に高く打ち上げた。
「ようやくこの闘いも終わりね」
将軍の上まで高く跳び上がったセティエが強烈な踵落としを放つと、将軍の身体が今度は一気に床に叩きつけられた。
「おのれ、このまま一方的に終わらせはせんぞ!!」
既にボロボロの将軍が、電撃の拳を振り降ろす。
「残念。僕はこっちだよ」
咄嗟にその拳を避けた辰人がナイフを振るい、アーマーの右腕を斬り落とす。
「それじゃあオレは、左腕を貰おうかな……」
百舌鳥が操る影の少女が薙刀を振るうと、鋭い斬撃がアーマーの左腕を斬り落とした。
「その堅そうなアーマー、粉々にしてあげるよ」
紅葉が放った無数の弾丸がアーマーの隅々に突き刺さり、全体にひびを入れる。
「グゴゴゴ……おのれぇ……ここは戦略的撤退を……」
「残念。私、狙った獲物は逃がさない主義なの」
夢乃は将軍にそう告げ、両手に構えた釵の光剣を振るう。
放たれた二連の斬撃はアーマーを十字に斬る。
「グ……グォォォォォオオオ!!」
将軍が断末魔の叫びを上げた次の瞬間、アーマーを中心とした巨大な爆発が起こり、将軍は夕日をバックに完全消滅したのだった。
そんな感じで戦いは無事終わった。
闘いを終えた灼滅者達は、颯爽とその場から去る者、腹が減った仲間と共に食事に行く者など様々だったが、とにかく一同は帰路についた。
悪の機械将軍は無事灼滅され、彼らの騒音被害や物理的被害に悩まされる人はもういないだろう。
次の戦いも激しく攻めろ、スレイヤー!
作者:のらむ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年6月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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