杠・狐狗狸子(銀の刃の背に乗って・d28066)は、こんな噂を耳にした。
『まな板の盾で身を守る巨乳ハンターの貧乳がいるらしい』と……。
この巨乳ハンターは都市伝説で、沢山の巨乳を色々な意味で狩っている危険な存在。
まるでくの一のような恰好で巨乳女性の前に現われ、狩って、狩って、狩りまくっているらしい。
しかも、罪悪感はゼロ。
『襲ってくださいと言わんばかりに胸を突き出しているから悪いのだ』と言って、決して罪を認める事がないようだ。
その上、都市伝説の胸はまな板並に、ぺったんこ。
それ故に、わずかな膨らみすらなく、成長する兆しすらないようである。
ただし、都市伝説はそれを誇りに思っているため、例え馬鹿にされたとしても、精神的なダメージを受ける事はない。
その事も踏まえた上で、都市伝説を倒す事が今回の目的である。
参加者 | |
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羽坂・智恵美(翠凰碧蓮華・d00097) |
マルティナ・ベルクシュタイン(世界不思議ハンター・d02828) |
篠宮・一花(妄想力は正義・d16826) |
藤堂・氷弥(週休五日な人生・d20979) |
ハチミツ・ディケンズ(無双の劔・d21331) |
東・啓太郎(独り歩き・d25104) |
樹雨・幽(守銭奴・d27969) |
杠・狐狗狸子(銀の刃の背に乗って・d28066) |
●巨乳、死すべし!
「また破廉恥な都市伝説ですこと? 巨乳ハンター……ですとか、わたくし狙われる気が1ミリも致しませんね。何せわたくしエイティーンを使っても、母に似て貧乳ですもの。そんな貧乳の敵は、ここで灼滅しなければなりませんね」
ハチミツ・ディケンズ(無双の劔・d21331)は自分自身に気合を入れ、都市伝説が確認された場所に向かっていた。
都市伝説の胸は驚くほどぺったんこで、くのいちスタイルで沢山の巨乳を狩っているようだ。
そのため、胸の大きな女性達から恐れられており、都市伝説の姿を見ただけで、逃げ出してしまうほどのようである。
「……まったく、妙な都市伝説の噂を聞きつけたもんだな。……あれか? 類は友を呼ぶってやつか?」
樹雨・幽(守銭奴・d27969)が、へらへらと笑う。
別に悪意はないようだが、その途端にまわりの殺気が爆発的に膨らんだ。
「それは私に言っている訳じゃないわよね?」
杠・狐狗狸子(銀の刃の背に乗って・d28066)がジト目で、幽を睨む。
都市伝説の姿は、狐狗狸子によく似ていた。
もちろん、ソックリとまではいかないが、狐狗狸子のマイナス部分だけを集めて形にしたようである。
もしかすると、何らかの形で都市伝説のモデルになっているのかも知れないが、イラッとするのでなるべく考えない事にした。
「でも、分かる、分かるよ、きょぬーを憎む気持ち……。マルティナだって色々頑張ったけどコノザマだよ……。もうね、権三郎さんの体毛全部毟ってみたくなるくらいの苦しみなの……」
そんな中、マルティナ・ベルクシュタイン(世界不思議ハンター・d02828)が、力強く頷いた。
(「……ちょ、ま!? めっちゃ八つ当たりじゃね!?」
これには権三郎さん(霊犬)も、心の中でツッコミ。
『ひょっとして、最近10円ハゲが増えていたのは、そのせい!?』と言わんばかりに目を丸くさせている。
「くっくっく、愚昧なる者どもめッ! 胸の大小などと下らぬことで大騒ぎをするなぞ、まったく滑稽だ! い、いやまぁ? 騒ぎたくなる気持ちが分からないでもないが、騒ぐほどのことではないではないか、フッフッフ……」
篠宮・一花(妄想力は正義・d16826)が、自分の胸をぽふぽふと叩く。
何とか胸を大きくするため、牛乳も沢山飲んでいるのだが、残念ながら効果なし。
そのため、不安な気持ちになる事もあるが、きっと大きくなる……はずである。
「べ、別に狙われたいとは思ってませんけど……。見向きもされなかったら、さびしいものがあるんですけどっ。大きくは無いですけど、少しはあるんですっ。年相応ですっ。だから……あるんですっ」
羽坂・智恵美(翠凰碧蓮華・d00097)が、思わせぶりに胸元を強調した。
それはわずかな膨らみかも知れないが、間違いなく『ある』のである!
(「自分の胸が小さいから人に当たるのもアレだけど、特に妬んでもないのになんで狙うんだろうなぁ。個人的には大きかろうが小さかろうがどっちでも良いんだけど、口に出したら後ろから撃たれそうだな、この空気……」)
東・啓太郎(独り歩き・d25104)が、気まずい様子で汗を流す。
気のせいか、まわりはピリピリムード。
迂闊な事を言えば、タダでは済まない雰囲気だ。
「何だか……、都市伝説に遭遇する前から嫌な予感が、するんだけど。私の気のせいかな? 気のせいだよね? ねぇ、暁?」
藤堂・氷弥(週休五日な人生・d20979)がチャイナ服姿で霊犬の暁を抱き上げ、これでもかとばかりにもふもふする。
暁も氷弥に、もふもふされたのが嬉しかったのか、幸せそうに尻尾を振った。
●巨乳ハンター、現る!
都市伝説が現れたのは、それからすぐの事だった。
『巨乳、死すべし!』と言わんばかりに、思わせぶりなポーズを決め、胸の大きな女性を狩って、狩って、狩りまくっていた。
「現物を見るとシュール、だね。忍者の格好にまな板って……。そもそも、どうしてニンジャでまな板装備なの? まな板って、お料理に使う物だよね……?」
氷弥が不思議そうに首を傾げる。
そんな中、智恵美は思った。
都市伝説に胸的な意味で『完全に勝っている』と……。
(「敵は巨乳を目の敵にしている……。ならば、巨乳の仲間を守っておけば、その隙を狙われなかった人達が仕留めてくれるはず……! ふっ……、完璧だな!」)
啓太郎が含みのある笑みを浮かべる。
「誰が狙われるのかわかっていれば、この程度……! 狐狗狸子ちゃん! 君なら狙われずに攻撃する事が出来ぶふっ、くっふふっ」
そう言って啓太郎が反射的に吹き出した。
「だから、ここは俺達に任せて行け、狐狗狸子! 大丈夫だ、てめぇなら、ぜってぇ狙われる事はねぇし、むしろ都市伝説が仲間だと思うかもしれねぇ! その貧しい胸を生かす時……ぐはっぁ!?」
幽が狐狗狸子の攻撃を食らって、血反吐を吐く。
それと同時に啓太郎も攻撃を食らい、血反吐の海に沈んでいった。
「きっと、今の攻撃は都市伝説のせいよっ!」
狐狗狸子がフンと鼻を鳴らす。
本音を言えば、息の根を絶つ寸前まで攻撃を加えたかったところだが、都市伝説との戦闘を控えているため、ギリギリのところで踏み止まった。
「巨乳……、死すべし!」
そんな中、都市伝説は氷弥だけを狙っていた。
しかも、集中的に。
まるで巨乳は他に存在していないかのように。
(「くっ……、完全にスルーされてる」)
それを目の当たりにした智恵美が、悔しそうに唇を噛む。
この様子では、都市伝説に貧乳だと思われてしまったのだろう。
それは都市伝説に対して、完全勝利宣言をした自分に対する皮肉なようにも思えた。
「なんで、わたしだけ……」
氷弥が納得のいかない様子で口を開く。
「……そうやって突き出して『どうだ、この野郎』って言わんばかりに存在感出してる方が悪いの……! あと、きょぬーきょぬーってハァハァしてる馬鹿男子も悪いの……。それに胸なんて飾りです、エロい人にはそれが分からんのです……って、前どっかの誰かが言ってたの……」
マルティナが都市伝説の気持ちに同調する。
「……って、あれ!? なんか都市伝説に同調しちゃうようなこの流れ、マズくない!?」
一花がハッとした表情を浮かべた。
「いやだって、ひんぬーの悲しみって深いんだよ……? 分かった、分かった、権三郎さん、引っ掻かないでよ……」
マルティナが権三郎さんをなだめる。
「とにかく、今は都市伝説を灼滅する事だけ考えましょう。その方が色々な意味で、現実的ですわ」
それと同時にハチミツがエイティーンの姿で、都市伝説をジロリと睨んだ。
●魂の友
「安心しろ。私の狙いは、巨乳のみ。同志を傷つけるつもりはない」
都市伝説がクールな表情を浮かべる。
「……て、ていうか、女の価値はそこじゃないし? 大きいとそれはそれで苦労するっていうし!」
一花が動揺した様子で答えを返す。
確かに、胸が小さい……と言うか、控えめかも知れないが、それは今だけ。いずれは巨乳に……いや、ばいんばいんになるはずである。
「……まったく、こいつが都市伝説じゃなかったら、分かり合えたかも知れないのに……。はぁ、きょぬーを守るとか気が乗らないけど、お仕事って事でやりますか……」
マルティナが自分自身に言い聞かせた。
(「いや、もっとやる気だせよ!」)
権三郎さんが、冷静にツッコミ。
だが、その言葉はマルティナの心に届かない。
「私も、あなたを本気で攻撃するなんて、出来ない……ッ」
狐狗狸子も攻撃する事を躊躇った。
しかし、胸的に意味で勝っている。
それはわずかな差であるが、狐狗狸子にとっては大きな事。
心の中でガッツポーズを決めつつ、泣いたフリをした。
(「気づかないなら、気づかせるだけです」)
そんな中、智恵美が自分の胸元を強調しつつ、都市伝説に鬼神変!
「ど、同志よっ! 何故だっ! 何故、戦わねばならない」
都市伝説が納得のいかない様子で悲鳴を上げる。
先程の攻撃はまな板の胸に守られ、致命傷には至らなかったが、都市伝説はショックを受けているようだった。
(「な、仲間だと思われているの……!?」)
智恵美は泣いた。自然に涙が溢れていた。
「……くっくっく、些細なことで喚き散らす愚鈍な輩め、蒼刃の魔王たるこの私が、今ここで引導を渡してくれる!」
一花も泣いていた。大泣きだった。
ライドキャリバーの黒蹄號も何となく泣いている。
そのドサクサに紛れて、狐狗狸子が氷弥の胸元にティアーズリッパー!
「……何で私ばっかり狙われてるの? 別に大きくないよ、私。これ2015年の標準サイズだよ。サイズもB……プラス4だし……」
氷弥が露出した胸元を隠して、消え去りそうな声で呟いた。
その途端、仲間達が心の中で『Fカップじゃねえか!』とツッコミ。
「つーか、巨乳を狙ったところで、自分の胸がでかくなるわけじゃねぇぞ! 自分の胸がこれ以上でかくならねぇし、未来がねぇからって、他人の胸を妬んでんじゃねぇ! これが現実だ、直視しろ! ぐはっ!」
幽が仲間達に対して、アドバイス……のつもりであったが、背後から何者かの攻撃を食らって意識が飛んだ。
「……こうなったら、あの技をやるしかなさそうね。ギャラクティカ・権三郎さん・ドリルゥゥゥ……突撃ぃぃー……」
それと同時にマルティナが権三郎さんを、都市伝説めがけてブン投げる。
「!!!!」
権三郎さんは悲鳴にならない悲鳴をあげ、都市伝説に激突!
「クッ……」
都市伝説が悲鳴を上げて膝をつく。
「ナチュラルボーン殺人鬼の殺気舐めんなオラァ」
次の瞬間、ハチミツが一気に間合いを詰め、都市伝説に尖烈のドグマスパイクを叩き込む。
その一撃を食らった都市伝説が断末魔を響かせ、跡形も残す事無く消滅した。
「くっ、馬鹿らしい割りには、手ごわい都市伝説だったな……」
幽が険しい表情を浮かべる。
そのうちの何発かは狐狗狸子から食らったような気もするが、背後からの攻撃だったため、それを証明する術はない。
「た、確かに、苦しい戦いだった。……まるで敵が他にもいたように思えるくらい激しい戦いだった……!」
啓太郎も納得した様子で頷いた。
「都市伝説と同じように盾として持ってきた、まな板『CHIFFON』……、これを都市伝説のお墓にしましょう。伝説の貧乳神(ひんにゅうがみ・貧乏神の発音で)の名を冠したこのまな板、きっと、あなたの死出の道行きを導いてくれるわ……」
そう言って狐狗狸子が都市伝説に別れを告げる。
「うぅ……、何か今日はいつも以上に疲れたよ。そんなに大きくない筈なのに……」
そんな中、氷弥が大きな谷間を作るようにして胸元を隠すのだった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年6月25日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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