学園祭2015~後夜祭に咲く華

    作者:彩乃鳩

    ●学園祭の打ち上げ
     7月19日と20日の2日間にわたって開催された、武蔵坂学園の学園祭。
     楽しい時間は、本当にあっという間。
     多数のクラブ企画や水着コンテストなどで盛り上がりを見せた学園祭も、とうとう終わりを迎える時が近付いてくる。
     だけど、学園祭の夜はこれから。
     ――そう、後夜祭の時間だ。最後まで、皆でめいっぱい楽しもう!

     学園祭も無事に終わって。
     いつも見慣れたグラウンドは、後夜祭を過ごす生徒達で賑わっている。
     特別に火の使用許可が出ているので、キャンプファイヤーの周りで人が集まって踊ったり、料理を持ち寄ってお喋りに花を咲かせたりと様々だ。
    「お、やってるやってる。司も早く来いよ」
    「ちょ、ちょっと待ってよ」
     仲間達と一緒に、遠野・司(中学生シャドウハンター・dn0236)は大量の荷物を持ってグラウンドに到着した。
    「こんな大量のスイカやら、花火やらどうするの?」
    「かき氷を食べて スイカ割りをして、花火を打ち上げて盛り上がる。これぞ、日本の夏の正しい過ごし方じゃないか」
    「おお」
     かき氷を配り、スイカを並べて、花火を設置していく。
     花火は箱にいっぱい。手持ち花火に、ネズミ花火、線香花火、ロケット花火などなど……もちろん打ち上げ花火だってある。
     
     輝く花々が、グラウンドを彩った。夜空を見上げれば、大輪の光が花開く。
     学園祭の最後の夜は、多種多様な華を咲かせて、まだまだ続く――


    ■リプレイ


    「学園祭、今年も猫のカフェお疲れ様!」
     【猫好部】は猫に変身して後夜祭を楽しむ。
     コロコロ。
     イーライ・ウォルシュ(キルケニ猫・d04211)が前足でスイカを転がして、ゴザを敷いた場所へと運ぶ。
    「にゃ! にゃにゃー! にゃあーん!(スイカ! 大きいスイカ! スイカ割り!)」
     リボンとふりふりエプロンつけた、ノルウェージャンフォレストキャットの茶トラ……今井・紅葉(蜜色金糸雀・d01605)は普段より大きく見えるスイカにおおはしゃぎ。
    (「ではスイカ割りー。そおい!」)
     イーライが肉球でパンチすると、見事にスイカが割れ。
     スタンバイしていたマイケル・ウォーロック(マジックビート・d17353)は素早く・美味しく・美しく! かき氷に盛り付ける。
    (「持参したスイカシロップをたっぷりと、ピンクのヒマラヤ岩塩を少々ふりかけたら完成さ♪」)
     紅葉はなかなかスイカが割れず凹むけど、すぐに戦意が高まる。
     キーン!
     一爪両断すると、得意げに自慢のもふもふ尻尾を揺らして小さく分けてもらう。
    「ミューン☆(乾杯~☆)」
     スイカは多くの者を惹きつける。
     四刻・悠花(高校生ダンピール・d24781)は、キャンプファイヤーや打ち上げ花火を見ながら、目の前にあるスイカを食べていた。
    「昨日今日といろいろなもの(中には食べ物?もあったけど)を食べたけど、やっぱりスイカは別物ですね。最後にスイカが食べられて幸せです」
     大量のスイカを嬉しそうに、シャクシャク。
    「へへ、今年も学園祭楽しかったなー?」
    「学祭お疲れさん」
    「今年もお疲れ様でしたー!」
     【空部】の黒谷・才葉(ナイトグロウ・d15742)、森田・供助(月桂杖・d03292)、堀瀬・朱那(空色の欠片・d03561)はペットボトルを掲げて乾杯する。
    「ねぇ、スイカ割り出来るんだって!」 
    「わーっ、スイカ割り? 楽しそうやるやるー!」
     朱那が率先して棒を持って目隠しする。
    「ウチの企画は風船割りだったけど、今度はスイカか……相手にとって不足無し、いざ尋常に!」
    「シューナ頑張れー! もうちょっと右ー!」
    「がんばれー、右右、あやっぱ左」
     あっちこっちふらふら。
     でも楽しくてつい笑顔。
    「次はオレやるー!」
    「誰か……誰か必ず割ってくれると信じてる!」
    「才葉もやるか、ファイトー」
     順番にチャレンジしスイカを割った供助は、握り飯、から揚げ卵焼きと肉巻き冥加入り弁当箱を出す。
    「ほい、なんでか弁当っぽいけど。たんと食ってな」
    「へへ、夏のスイカって美味しいな? みんなと一緒だからもっと美味しいのかも」
    「一息ついたら恒例の、あれいくよー!」
     三脚にカメラ設置、タイマーオン。
     才葉はスイカ片手に満面の笑み。朱那は供助が開けた場所に滑り込む。恒例の思い出が、また一つ。
    「みんな楽しそうだねぇ」
     【メロウエンかち割り隊】の貴夏・葉月(その食欲は都市伝説・d34472)が呟く。
    「さて、せっかくですから同時にスイカ割りやりましょう? 葉月様」
     普段から目隠しをしている黒絶・望(風花の名を持つ者の宿命・d25986)は、そのままスイカ割りに挑んだ。そんな二人に対し大神・狼煙(仮面の召使い・d30469)がピシッと決めポーズ。
    「真夏のグリーンヒーロー、スイカメェン!!」
     ハロウィン風にジャック・オ・スイカを被ったドヤ顔に。
    「あれ? スイカの匂いが動いてる気が・・・・・・狼煙様が都市伝説の力で動かしてるんですかね? でしたらこちらも手加減無しです。さぁ、食滅の時間です!」
    「待って待って、これ皮だけで中身はないのですよぉおおお!?」
    「ぁぁぁ、大神さんがスイカに喰われたぁぁぁ!!」
    「違う! これ被り物!!」
     望が目隠しのハンデなどものともせず、壁を走り、ムーンサルトで先回りし、攪乱して死角に回り、獲物を追い詰める。勘違いした葉月も角材で襲いかかった。狼煙はアクロバティックに二人の攻撃を回避して逃げ回る。
    「ほ、ほら!美味しいスイカならここに……」
     くりぬき、種抜きにしたスイカの実が仲間に届くことはなかった。


     【元社務所】の喚島・銘子(空繰車と鋏の狭間・d00652)はクーラーボックスを、霊犬の杣はスイカを運ぶ。丹下・小次郎(神算鬼謀のうっかり軍師・d15614)も手伝う。
    「はい、あたい、かき氷食べまっす! いちごミルク希望~♪ あと、焼きそばとたこ焼きと、焼きガニ!!」
     ミカエラ・アプリコット(弾ける柘榴・d03125)は水着着用。海の家の気分を堪能をしていた。
    「スイカ割りやりまーす! オオカミの本能を喰らえーっ♪」
    「目隠しをして軽く回してさあ頑張って♪」
     狼耳と狼しっぽ出して、目隠しされて、ぐるんぐるん回る。
     その間に、小次郎はイカを焼き。
    「タレは醤油ベースの特別性。団扇でパタパタ西瓜割りの方へ……すこし、過ぎたかね?」
     椎那・紗里亜(言の葉の森・d02051)はかき氷の準備をする。
    『熱気の合間に涼一服♪(シャリ)
     色とりどりのシロップを♪(シャリ)
     それぞれ自分のお好みで♪(シャリ)
     たーんとかけて、召し上がれ♪』
     おかげで、ミカエラは右往左往。
    「スイカの匂いはど~こ~だ~♪ ……ソースの匂いと、いちごの匂いが邪魔してわかんない~っ!? 杣~、たすけて~っ!」
    「いちごミルク出来ましたよ……あら? 杣さん、お手伝いお願いしますね」
    「……ちゃんと逃げるのよ?」
     霊犬がスイカの傍らで長く一鳴きして事なきを得る。
     美味しそうな匂いや、心地よい声音の歌。
     スイカの上から氷をかけて練乳やシロップはお好みで。
    「遠野くんや、他の方も良ければどうぞ」
     小次郎も腕を振るう。
    「さてスイカでございますが、普通に食べるのも飽きた方にと言うことで冷凍スイカと煮詰めたスイカ糖を持ってきました」
     スイカと一緒にジューサーで回して、スイカ糖とレモン汁で味の調整する。
    「わ、小次郎さんすごい。スイカスムージーなんて初めて見ました! ほんと、発想も技術も並じゃないですね……ん、おいし♪」
    「今日は一日、ご苦労さまでしたーっ。楽しかったね! 素敵なわんこさんに会えなかったのは、残念だったけどーっ!」
     ジュースを配り音頭を取るのは【光合成】部長のクレイ・モア(ロストチャイルド・d17759)だ。
    「学園祭おつかれーっ! じゃあ乾杯しよ!」
    「スイカ割り の前に乾杯じゃな。今年の分はぱーっと騒いでまた来年楽しもうの」
    「お疲れ様でしたの、乾杯♪」
    「みんな2日間お疲れ様ね、かんぱーい。楽しい想い出、いっぱい作れたかな?」
     ルティカ・パーキャット(黒い羊・d23647)と花守・ましろ(ましゅまろぱんだ・d01240)はスイカ割りに挑む。
    「花火もカキ氷も気になるのじゃが、初スイカ割りを優先するのじゃよ」
    「あ、スイカ割りしたい! 目隠しして、くるくるして、スイカぱっかーんすれば良いんだよね。ルティカちゃんも一緒にやろうよ」
    「え? 目隠しして、くるくる? くるくる……うん、まぁ多分合ってる。きっと。よし、楓夏ちゃんと一緒に頑張って誘導するから2人ともがんばれ!」
    「まぁまぁ……ましろさんそんなに回って大丈夫でしょうか♪」
     海神・楓夏(ミーミルの泉・d00759)が真ん中位にスイカを置いて準備完了。反対側から同時にスタート。
    「しかし見えぬで回されると結構堪えるのう。む、反対側の筈のましろ殿の声があちらという事はスイカも同じ方向じゃな!」
    「もう少し右! あぶなーい!」
    「こっちですよー、わわ。ルティカちゃん、もう少し左、そのまま真っ直ぐです!」
    「む、むむむ? クレイくんや楓夏ちゃんの声が聴こえるけども、くるくる回りすぎて上手く歩けないよ……ん? 今、爪先に何か当たった? もしかして、これがスイカかな? とりゃーっ!」
    「クレイ殿と楓夏殿のアドヴァイスが我向けなのか。ましろ殿向けなのかまた悩むが。まあなんとなくで良かろ。方向を定めてこのへんじゃ!」
     ずしゃー。
     二人が一つの的を捉える。花火を肴に割ったスイカを頬張った。
    「ああいうのを見ると、いよいよ終わりかーって思っちゃうな」
    「あちらも楽しそうですねぇ……♪」
    「来年はあっちをやりたいのー」
     お喋りしながら満たされる。
    「ふふり、お腹も心も幸せでいっぱいだね」
    「皆で喰うとまた一層美味じゃのう」
    「学園祭が終わってしまうのは寂しいですが、夏はこれからですものね。たくさん遊びにいきましょうね♪」
    「夏はまだまだこれからだし。学園祭の後も楽しい思い出作れるといいよね」


     椋來々・らら(恋が盲目・d11316)は上総・鉄(鐵・d04137)が作った花冠をつけたまま、線香花火を手にする。
    「先に火が落ちた方が負け。負けた方は勝った方の言うことをひとつ聞くってのはどうだ?」
    「勝負? いーよ。ららが勝ったらどんなお願いきいてもらおっかなー」
     意気込んではみても、弾ける火を見ると終わりなのだと感じてしまう。いっしょに遊んだ2日間を振り返りつつ。
     二人の花火が同時にぽとりと落ちる。
    「あーあ、終わっちゃった」
    「一緒に来てくれてさんきゅ。オレ、お前と居ると楽しくて楽で居られるんだ」
    「ららも同じだよ」
     珍しく改まった鉄に、ららは笑顔で返した。
    「毎年恒例、後夜祭。今年は何の花火にしようかな」
     何て言いつつ、【無銘草紙】の楯縫・梗花(なもなきもの・d02901)の前にはお鍋が二つ。お雑煮とむめぞう煮……山葵が効いている一品。
    「山葵も結構余ってるな」
    「うん、山葵は残ってるけど、ってまさか」
    「なぁ、花火の勝負で山葵罰ゲームなんてどうだ? 手持ち花火が一番早く消えた人が負けって事でさ」
     桜倉・南守(忘却の鞘苦楽・d02146)の案に皆が乗る。
    「その勝負乗った!」
    「このミッション、必ず成功させるぜ!」
    「しょーぶ? ……バツゲーム? いーよ、ヤナ、まけない」
    「誰が一番早く消えるか勝負? いいけど、その山盛りの山葵を見ると負けられないね」
    「確かにこれをとっておくわけにもいかないし、ね!」
    「皆のノリの良さは流石だな」
     お雑煮食べて、気合い十分。
     東郷・時生(天稟不動・d10592)が手持ち花火は数本まとめて持ち、打ち上げ花火も並べて、片っ端から火をつける。平・等(眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡眼鏡・d00650)はじっと動かず。南守は花火を上に向けて延命作戦。
    「むめぞうの後夜祭はやっぱり花火だよね」
    「去年も、花火、みんなとやったから、たのしみ。おぞーに片手に、花火なんて、今年はちょっとぜーたく」
    「山葵特盛りは、誰になるのかしら!」
     果たして……負けた氷霄・あすか(高校生シャドウハンター・d02917)は涙目になって箸を進めた。
    「この世は、弱肉強食、だから。どんまい」
    「ちゃんと食べられるとイイね、くっくっく」
    「どれくらいで一杯とするかは各々の自由で!」
    「僕からの愛だよー」
    「よっ、学園祭最後の主役だなっ。大丈夫だ、骨は拾ってやる!」
     白星・夜奈(夢思切るヂェーヴァチカ・d25044)は容赦なくわさびを大盛りで入れる。等は持ち込んだ悪憎煮を投入。
    「え、ちょっとみんな、少し遠慮してくれてもいいのよ……」
     大量の山葵に悪憎煮の辛子れんこんのコンボを、あすかは何とか完食したものである。
    「今年も最後は、線香花火にする?」
    「遊んだあとは静かに締めたいね」
    「これは競走無しだな」
    「去年と同じで嬉しいわ。また来年も、皆と共にいられる事を願って」
     清水・式(愛を止めないで・d13169)と山田・菜々(家出娘・d12340)は浴衣姿で線香花火をする。
    「どっちが永く灯せて居られるかの勝負、絶対に負けないよ」
    「そういえば、去年もこんなことしてたっすね」
     勝負って言ってるけど、菜々はどっちでもいい。こうして一緒にいることがあたりまえになってることがうれしい。対して式の方は、浴衣のせいか菜々がいつも以上に艶っぽく見える。それに、今回の水着姿も大胆だったし――
    「あ……」
     悶々としてたら線香花火が、ポトリと落ちてしまった。
     でも、今はこの花火が落ちてもずっと一緒にいられるって思えてる。


     住矢・慧樹(クロスファイア・d04132)が雪片・羽衣(朱音の巫・d03814)の頬にぴとっと瓶サイダーを押し付ける。羽衣は飛び上がった後に、相手に気付いてニコリ。
    「とりあえずは、お疲れ様っ!」
    「おつかれさまー!」
     お返しに羽衣はスイカを半分渡してから、花火に火をつけてもらう。
    「まっすぐ持てよ! あの時も同じ注意、したっけなぁ」
    「二人で花火だと、修学旅行のころ思い出すのよー。あの時も、火をつけてもらったなぁなんて」
     もう夏で、今日あったこと、来年一緒に回ろうとの約束事も。
    「ちょいちょい、羽衣サン」
     慧樹が小さく手招き。顔が近づいた羽衣の唇へ軽くキス。
    「お前、昼間の……水着、目に毒だぞ? イヤ俺にとっては薬なのか? よくわかんないケド! 俺がどれだけ学祭の間我慢したか、ちょっとは考えてみるといいよ!」
    「ういがどれだけ水着のままでもスミケイに抱きつきたかったかとかも、考えればいいと思うのよ! ぎゅーって、したかったんだから!」
     今、一緒にいるのでなんかいろいろほっとする。 
    「花火か、二回目だなイヴ」
     暁吉・イングリット(緑色の眼をした怪物・d05083)は、火花シャワーを空に描く架橋・維(宙想・d22281)や大変そうなレナード・ノア(夜行・d21577)達の姿に、ほんの少しはにかむ。
    「スパーク発見! 維くんオレにも火くれくれっ。かっけくね!?」
    「維、こっちにも火を分けて。すごいすごい、何だか皆で魔法使いになった気分ね。燃日くんのパチパチは格好良いし」
    「さてさて、私にも火を……ってわー!!! レニー君ファイヤー!! でもちょうどいいからそこから火をもらっちゃえ!」
    「すげー! すげええ! 流石大学生!」
    「れ、レニーくんのは大丈夫…!? 爆発しない?」
    「大丈夫これ!? ……爆発すんの!?  アネラ気ぃ付けろ!慎重にな……!」
    「ふふ、本当巳桜の言う通り魔法使いさんみたい。レニーのは、何だか凄い勢い、ねっ。アネラはだいじょぶかしら」
    「危ないから振り回しすぎないようにね」
     ラムネ、綿菓子、ベビーカステラ、お好み焼き、チョコバナナにフランクフルト……食べ物を持ち寄って楽しむ【夜色】の面々は、あることに挑戦する。
    「ピカピカ?」
    「絶対いい思い出になると思うんだ」
     クラブ名のフラクタル。
     そして星マークを花火で描く。
    「こ……こう? 難しいな……」
    「オレ結構こうゆうの得意だぜー」
    「あ!! これ花火じゃなくてフランクフルトだった!!」
     ノリノリな燃日・萌火(まばゆい焔・d29934)はさらっと難しい部分を担当。
     西園寺・アネラ(夜香木・d23996)は慌てて花火を持ち直す。
    (「みんなでやったら何倍も楽しい。難しいけど少しずつ少しずつ上達できてれば……いいな……いいな……」)
     鬼灯・まなむ(虹想・d22278)はカメラに向かってピースサインを送る。
    「準備はいい? いくわよ」
     姫神・巳桜(イロコイ・d00107)がデジカメを設定してシャッターを押す。
     目、閉じたかもしない……それも良い思い出か。
     撮れた写真を確認して夢々・儚(轍の実・d23914)は星の形となっていることに、ほっとした。
    「ふふ、このピカピカは今年だけの特別ね」
    「まなむ十分上達早ぇし。儚の星もよく出来てんよ」
    「これが俺たちらしいよね!」
    「……誘ってもらえて良かった」
     素敵な一枚にほっこり笑みが零れた。
    「学園祭、お疲れ様」
    「学園祭、お疲れさまでした。楽しまれましたか?」
     薄灰色の甚平姿の水無月・飛鳥(俎板・d00785)と藍染に淡やかな撫子の柄の浴衣の繭山・月子(絹織の調・d08603)は冷たい飲み物片手に花火で遊ぶ。
    「行きたいところ行けたし、話もできたからね」
    「楽しまれたようで、なによりでした」
     飛鳥は月子の浴衣姿にドキドキする。打ち上げ花火と噴出花火を間隔をあけて一つずつ着火した。
    「これから派手なのいくよ」
     風向きが変わり煙に咽る。それも夏の風物詩。月子は少しだけ声をあげて、綺麗な光を楽しむ。
    「ところで、夏休みの宿題はちゃんとしてる?」
    「ぇ、ぁ……し、してないわけじゃないですよ……宿題」
    「必要なら頼っていいよ」
    「ずるに、なりませんか……?」
    「分からない所を訊くのはズルにはならないと思うよ?」
     学園祭の演劇に出演した斥谷・巧太(マリモのあんちゃん・d25390)は、霧島・夕霧(雲合霧集のデストロイヤー・d19270)を誘い出した。
    「皆で頑張ったからな! 夕霧ちゃんも来年どうよ?」
    「ん、凄かった……ね」
    「うお! すげえ! 花火キレー!」
     テンションが高い巧太に、夕霧は少し笑ってしまう。
    「やっぱ夏の花火って言ったらカキ氷だよなー。夕霧ちゃんは何味?」
    「ん、私はイチゴ。一口、食べる?」
     夕霧は一口掬って差し出すが、巧太は照れてしまって食べられない。
     手にした線香花火がお祭の終わりって感じがして少し寂しい。
    「デートに付き合ってくれてありがとな。楽しかった!」
    「……また。今度、どっか行きましょ」
     一緒に過ごしてくれる人が居るのが何となく嬉しくて――そして気恥ずかしい。

    作者:彩乃鳩 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年8月4日
    難度:簡単
    参加:42人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 8
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