この2日間、武蔵坂学園は学園祭で大いに盛り上がった。
盛り上がった。過去形である。
つまり学園祭は多くの生徒に惜しまれながらも幕を閉じたのだ。
また明日から学業や戦いの日々が我々を待っている――と思うのは早計である。
何故ならば……。
「なるほど、これがあらすじってやつかー」
「学園祭の打ち上げが……って、ジャマするなよぉーう!」
「やあ我が親愛なる友。学園祭のステージ跡で何やってるの?」
「あ、ああ……。ここで学園祭の打ち上げを兼ねた『参加自由の皆で盛り上がる音楽ライブイベント』をやるって聞いたから先回りしてあらすじを語っていたんだよ」
「それに何の意味が?」
「趣味」
「趣味なんだ」
「ある種使命感のようなものも感じているよ」
「あらすじは大切だからね。それじゃ折角だし、その音楽イベントとやらに参加してく?」
「……オフコース」
何かの予感により学園のグラウンドに設置されていた特設ステージまで足を運んでいた観澄・りんね(高校生サウンドソルジャー・dn0007)は、その会話を聞いていた。
「やっひゃりこふぉひもひゃるんやね!」
両手と口に戦利品――グルメストリートで手に入れた数々の食べ物――を抱えながら。
「やっぱり今年もやるんだね!」
口の中の食べ物を飲み込むと、あらためて言った。
抱えていたグルメの数々を一旦しまうと、背負っていたピンクのギターケースを体の前に回す。
「今回はどんなライブが繰り広げられるのか楽しみだね。ふっふっふ!」
楽しみすぎて黒幕のようなキャラになっているりんねはさておき。
今宵、新たなステージの幕が上がるのだ!
●ライブスタート!
ドラムセットにツインペダルを取り付け終えた亮太郎は、【SWEET SOUNDZ】の仲間たちに声を掛ける。
「皆、頑張って楽しもう!」
彼らにとっては馴染み深い激励に、メンバーは思い思いの返事をする。
気合も入った所で演奏開始、の前に見桜と瑠璃がステージ前方へ。
「みんなおつかれさま!」
「お祭りは、御仕舞です! しかしッ!」
マイクを掴み、顔を振り上げながら叫ぶ瑠璃。
「夏はまだ、これからです! この真夏の太陽すらも焼き尽くすように! 燃え上がる魂で、最後まで走り抜けていきましょう!!」
「そんな感じで楽しんでいってね!」
2人のMCに会場のボルテージも高まり、
「はっはっはー! 全力での演奏を見せマスヨ!」
あきらの弾けるギターサウンドと共に彼らのライブが始まった!
上方からは空飛ぶ箒で宙に浮かぶハンナのテナーサックスが艶のある音色であきらのギターを追撃する。
ダブルネックベースを自分の一部のように操る瑠璃、パワーのあるドラム捌きの亮太郎が音を重ねる中、見桜が自慢の喉を存分に発揮する。
多様な楽器が主張していても負ける事なく通るハスキーな歌声は、聴衆を魅了するのに時間は掛からなかった。
あっという間に1曲目が終わり、流れるように2曲目へと突入する。
黒色のサックスを丁寧に仕舞うと、今度は可愛らしい水色のギターを肩に掛けるハンナ。
「エレキはあんまりうまくないけど、楽しむんだよ~」
一方の見桜。ワインレッドが鮮やかなギターを取り出し、ハンナと視線を交わしたかと思うといきなり2人でバッキングを捩じ込みにきた。
リードギターとして引っ張ってきたあきらも負けじと追いかけ、追い抜く。
所々でポーズなんかもキメたりする余裕も見せ、聴衆を目で楽しませる事も忘れない。
『明日は道の真ん中を大股で歩こう』
『昨日までの私にさよなら出来るかな』
『明日はきっと笑えるかな』
瑠璃のコーラスを背に、ギターを低く構えながら歌う見桜。
その歌いっぷりに乗せられて、あきらもボーカルに参戦するヒトコマも。
間奏に入っても、いや間奏だからこその見所が盛り沢山になる。
瑠璃がベース速弾きを魅せたのだ!
ダブルネックの速弾きの迫力は尋常ではない。黒い陣羽織のような衣装と併せてみるとまるで武将の戦舞にも思えるかもしれない。
だが、それを挑戦と受け取った亮太郎はドラム超速連打で対峙する!
超高速の世界に誰もが息を呑む。と、突如亮太郎がリズムに緩急をつけ出した。
(「先輩はどう出るかな?」)
そんな意味合いと好奇心を含んだ視線に気付いた瑠璃は、涼しい顔で亮太郎のリズムに追走してきた。
いつしかそれはアドリブやアレンジを掛けながら原曲のメロディへと回帰していく。
これが勝負だとしたら引き分けになるのだろうか。
それぞれが全力の演奏を、歌を披露し、汗だくになりながら……しかし全員いい笑顔のまま完走した。
「――ありがとうございました」
「楽しんで、もらえたかな」
見桜とハンナは息も上がってくたくたになっていたが、それを吹き飛ばすような歓声が彼女たちの全身を突き抜けるのだった。
「おっすりんね、今年の夏も熱くしめようぜ!」
「やあ、一くんにリュシールちゃん! もちろんそのつもりだよ!」
りんねと挨拶を交わした一とリュシール。
リュシールは楽譜をりんねに渡し、伴奏をお願いする。
「即興アレンジもどんどんOKですから」
「まかせて!」
快諾し、楽譜に目を通したりんねは早速ギターを構える。
「……ね、一」
「んー?」
それを確認したリュシールは、どう盛り上げようか考えているであろう一に話しかけた。
「今年は去年と違う事してみない?」
「去年と違う事ってなんっ!?」
不意に、一の腕がリュシールに引っ張られる。
故郷の収穫歌を歌いながら踊り出し、そして一も踊らされている!
「ちょ、突然すぎるだろ!」
「一、もしかしてついて来られない?」
「……そう思うか? オレをなめんなよ?」
体勢を崩していたのも一瞬の事。一は不敵に笑うとリュシールのステップを忠実に追従し、みるみる上達していく。
(「流石、知らないダンスでもすぐついてくる!」)
伴奏に合わせ力強く床を踏み鳴らし、手を繋ぎ変え、手を打ち、互いの体を飛び越え、勿論霊犬の鉄も鈴を鳴らしながら駆け巡り……。
「もしかして、この歌知ってた?」
「全然!」
「どうです、もっと飛ばしてもついて来られます?」
「あんまり遅いと置いてっちまうぜ?」
知らずとも勝手知ったるようなアドリブを入れてくる一。
それが楽しくて思わず笑うリュシール。
3人と1匹の『戯れ』はくるくると続いていく。
「双子の美少女アイドルユニット『だぶるいちご』だよ♪」
「せっかくのステージなので歌とダンスを披露しますね」
裳経・いちごと黒岩・いちごはこの時点で2つの秘密を隠していた。
1つは双子。見た目は(胸の大きさ以外は)瓜二つなのだが、実は血の繋がりはないのだとか。
そしてもう1つ、黒岩・いちごの胸は平坦だが――まあ、そういう事だ。
2人は白のパーカーにショート丈のデニムパンツ、胸元はビキニかフレアトップかの違いはあるが、お揃いでキメている。
「激しい曲だから、みんなついてきてねー!」
「いきますよっ♪」
アップテンポな曲ながらも、双子、いやそれ以上に息ピッタリなダンスで観衆の視線を釘付けにする。
勿論踊りながら歌っているのだが、これもかなりのもの。
「いちごちゃん!」
「任せてください、いちごさん!」
仲の良い姉妹のようにハイタッチを交えながら互いにソロパートを熱唱し、個人でもしっかりアピール。
始終オーディエンスの熱狂的な支持を受けながら彼女たちの1曲目が終わった。
「どうだった、りんねちゃん?」
「いかがでした、りんねさん?」
全く同じタイミングで舞台袖の方にいたりんねに声を掛ける2人のいちご。
「やっぱりいちごさんたちのコンビはすっごいよ! 見とれちゃった!」
「それなら2曲目は」
「りんねちゃんも一緒にやろ?」
「待ってました! 今回も2人に負けないくらいバッチリキメるよっ!」
3人でノリにノッた歌とダンスを楽しんで暫く。
「わたしも混ぜてくださいー!」
悠花の登場に、一同は快く歓迎した。
「りんねさん、さっきは勝負とかしてましたけど、ここではセッションしちゃいましょう!」
「おっけー! いくよ、悠花さんっ!」
もう何度も一緒に音楽をしている仲だけあって、悠花とりんねはこれといった打ち合わせをしなくてもすぐに音を合わせる事ができるようになっているようだ。
そんな楽しげなセッションを観客席から応援している少年が一人。
「やっぱりすごいなぁ、お姉ちゃん……」
サーシャは悠花がここでライブに参加する事を知り、駆け付けていたのだ。
悠花のパフォーマンスに圧倒され、拍手していると。
「おや、サーシャ君?」
ステージ上の悠花も気付いたようで、「こっちおいでー」と手招きをしている。間違いなく自分を呼んでいる悠花に戸惑いながらも、素直に舞台へと上がるサーシャ。
「え、えっと、僕何をすればいいの……?」
「一緒に踊りましょ♪」
「ええっ!? でも……」
「いいのいいの、音楽のままに身体を動かせばダンスなのです!」
そういう事なら、とサーシャの挑戦が始まった。
悠花の動きを真似て、少しずつサマになってきた……かと思いきや。
「次の動きは……あ、あれ? あっ!」
「にゃー!?」
徐々に混乱してきたサーシャは脚をもつれさせ、悠花を巻き込みながら転んでしまった!
「いたた……」
「あいたた、サーシャ君大丈……」
「あれ、手に柔らか……って!?」
同時に転んだ男女の実に7割は彼の様なラッキースケベを獲得し得るという。
「君はどうしていつも……人前ですよー?」
「わ、わざとじゃないから、偶然だからー!?」
やわからかな双丘を思いっきり揉まれた悠花は、しかし怒るよりも仕方がないという笑いを浮かべながら立ち上がった。
顔を真っ赤にしながら慌てて逃げ出すサーシャを、一部は「可愛いな」と微笑み、一部は「羨ましい」と悔しがりながら見送るのだった。
沖縄の民謡は、あまり音楽やその土地に詳しくない者でもその情景が頭に浮かぶような独特の魅力がある。
ギターで沖縄民謡に更に幻想を感じさせるアレンジを加え演奏する狛。
それを受け滔々と歌いあげつつ、手首を陽気なしなやかさでのびのび動かし踊る『カチャーシー』も披露するキャロル。
(「コマちゃんのご当地、そしてぼくの第二の故郷、沖縄の音楽で一緒のステージに立てる……。今、とっても幸せです♪」)
そんなキャロルの想いが伝わったのか、狛は「準備は良いですか」と目配せをしながら笑い、曲のテンポを段々と上げていく。
これまでが沖縄の朝を表現していたとすると、ここからは賑々しい昼のテンション。
じっとりと暑い夏の武蔵坂学園が、今だけは爽やかなでどこか愉快な沖縄の空気に包まれているかのようだ。
やがて昼間の喧騒も落ち着いてきて、間もなく夕暮れ。
曲調もゆったりとして、心が安らぐものに。
夜の沖縄は特別。
狛とキャロルが紡ぐ物語もそろそろ終わりを迎える。
「キャロルくん……仕上げましょう」
そう目で語りかけられたキャロルは瞳を閉じ、そして。
――その瞬間、誰の前にも夜空の星々が眼前に広がっていた。
そう語る他にない、キラキラと輝く終奏だった。
「今しがた沖縄民謡が披露されましたが……いやはや、実は先の修学旅行で沖縄に赴いたのですが、そこでこちら」
流希が大きな包みを解くと、
「三味線を経験してきたのですよ……」
なんと立派な三味線が!
帰ってきてからもずっと練習してきたという。
「経験したことを練習して、それを披露できる……。とても嬉しいことですよ~」
歌いながら三味線を弾く流希からは充実した濃密なサウンドが感じられるのだ。
自分の経験を言葉ではなく音楽で語るという事では、続く周もそれに近いだろう。
「よーりんね! 今年はこういうのやろうと思ってなー」
と、周がりんねに持ちかけたセッションの内容はジプシーパンク。
あまり聞き馴染みのないようなジャンルかもしれない。
あるロックバンドが開拓した音楽なのだが、これが何とも形容に難しく、そして単純に純粋に楽しめ、そして圧巻される内容になっている。
多数の言語や民族音楽が飛び交う、いわば祭? ごった煮?
とにかく独創的な音楽なのだ。
「最近気に入ったんだよなー。色んな意味で倒錯的っつーか?」
「うんうん。こんなはちゃめちゃなライブにはうってつけかもねっ!」
「だろ? そうだそうだ。誕生日の時の新曲、ここいらで一発やってみるのもいいかもな!」
「うん! 実は歌にしたいことがいっぱいで全然まとまってない!」
「まとまってねぇのか!」
「でも形になってない曲もアリだと思うんだ!」
そんなこんなで周とりんねのカオスな、この場限りのノリの一曲が披露される事となる。
「こんばんは、りんねさん。次は私とセッションやらない?」
カントリーっぽいサウンドが終わったところで、アリスは事前に用意していた楽譜をりんねに渡した。
「こんばんはーアリスさん。これは?」
「題して『エレキギターとキーボードのための協奏曲』よ。18世紀頃のバロックを従弟に翻案させたわ」
原曲ではハープシコードのところをキーボード、ヴァイオリンをギターとしてアレンジしたようだ。
ハープシコードとは別名チェンバロ、形状はピアノにも似た撥弦楽器だ。閑話休題。
「へぇー、なんだかすごそ、う?」
勿論りんねはスコアは読める。読めるが、普段目にしているそれとは何かが違う。
やたら本格的で濃密なのだ。
「さあ、始めましょう! アーリーミュージックに今の息吹を吹き込むの! 絡み合うように、戦うように、奏でましょう!」
「ええっ、アリスさんキャラが変わってない!? あわわ、ちょっと待ってー!」
かつての名曲は、全く新しいサウンドに生まれ変わり新時代を歩み出した……のかもしれない。
「企画自体は面白そうだが……ボーカル無しなんて言う事態も起きそうだな。大丈夫かこれは」
アルディマは緊張していた。
練習した結果を人前でうまく披露できるか。そういう類の緊張ではない。
【鳴梟荘】のライブは斬新そのものだった。
事前打ち合わせはほぼなし。使用楽器、パートは一切相談しない。決めていたのは『ノリの良いアップテンポな曲』を演奏するという事だけ。ステージに立ったこの場で初めてメンバーの楽器が判明するという闇鍋状態のバンド、『闇バンド』を仕掛けてきたのだった。
つまりこの場に立った以上、今初めて知った情報で演奏を完遂しなければならない。
これは誰もが不安に思っても仕方がない話ではある。
「僕はこれ! バスクラリネットだよー!」
聴衆に手を振りまくっていた一正がずずいと取り出したのは大きな管楽器。
通常よく見るクラリネットよりもサイズが大きく、ベルが上を向くように曲がっているのが特徴の楽器だ。
主に低い音を出す際に用いられ、コアなファンが多い印象がある。
「俺は小鼓と締太鼓、桶胴太鼓の和ドラムセットを用意した」
厳治はドラムを担当するようだが、そのドラムは和太鼓で構成されている。
とはいえ、特に桶胴太鼓は大きさや設置方法が洋ドラムにも似ているところがあるため、あまり違和感はないかもしれない。
とにかく夏祭り完全対応なのは間違いない。
「オレはオカリナにしたデス!」
唯が懐から取り出したのは、実に安心のチョイスであるオカリナ。
とはいえ唯は周囲を見て「ちょっと地味すぎた?」と心配になっているようだ。
昨今はオカリナ奏者もあまり見かけなくなってきた節があるため注目はされるだろう。
「私の楽器は……鍵盤ハーモニカですわよ! 幼稚園や小学校低学年の頃よく弾いたものですわ」
しみじみと過去を懐かしむように遠い目をしている狗姫が手にするものはそう、息をチューブ吹き込みながら演奏する懐かしのアレ!
優雅な雰囲気の狗姫が演奏するとなると違和感がなくはないが、しかし鍵盤ハーモニカはプロのミュージシャンも利用する事がある立派な楽器のひとつである。侮れないものだ。
「こういう風に皆で集まって何かするって、やっぱりいいですね。あたしはアルトリコーダーです。音楽の時間に習ったきり、ですが」
紅葉が両手で握るのは、これもまた学校の授業でお馴染みのアルトリコーダー。
中学生が使うにしてはテクニカルな操作を要求され、なかなか苦労した、あるいはしている諸君は多いだろう。
なお、ソプラノリコーダーは小学生が武器に見立てるアイテム筆頭として有名。
「俺はキーボードにした。これならばまだ出来ないこともないからな」
やや控え目な様子の千都はどんな状況にも対応できるキーボードを担当する。
他のメンバーが一体どんな奇抜な楽器を持ってくるのかと若干恐々としていたが、概ね問題なさそうなラインナップなので安心しているようだ。
「私もキーボードだな。折角の機会だ、好きなように演奏させてもらおう」
「それなら俺も程よく楽しませてもらうとしようか」
アルディマも同じくキーボードで編成が被ってしまったが、勿論こうなる事は想定済み。
遠慮する事無く、それぞれが楽しんで演奏すればいいのだ。
「皆様、準備は宜しくて?」
「……よし、大丈夫デス!」
「さぁ、テンション上げていってみよーか!」
狗姫の声に、唯と一正が応じ――いよいよ闇バンドがそのベールを脱ぐ!
ベースラインを一正のバスクラリネットがの重く安定した音で奏でてしっかりとした道筋を立て、厳治の各種和太鼓がリズムを示す。
太鼓のポンポコポップな鼓動に誘われて狗姫の鍵盤ハーモニカがフレキシブルな音程で踊り出す。
楽しい音楽に体が動き出したのは、狗姫のビハインドの御剣先輩。鍵盤ハーモニカの良い意味でチープな音階にイケメンオーラを撒き散らす御剣先輩のダンスパフォーマンスが突き刺さる光景。
その影響か定かではないが、唯のオカリナから「ピゥロリっ」と変な音が飛び出した。
変? いや、この闇バンドの中にミステイクとなる音は存在しない。ちょっと失敗した音とて重要な一音。
オカリナと支え合い、骨子に絡むのは紅葉のアルトリコーダー。落ち着いた音階に、しかしハイテンポに進む波に負けない力強さを隠さない。
時折暴れそうになる笛の響きこそ、曲のアクセントでありチャームポイントでもあった。
亮太郎の奏でる本格的なメロディに押されないよう、2つのキーボードが両サイドを固め、バンドの音を引き締める。
それぞれ全く違う音を弾いているキーボードだが、それがどうだろう。
目立とうと先行するアルディマが立てた激しい波を追走する千都が上手く力を分散させ、最適化しているかのようだ。
――誰がどう見てもでたらめな演奏。しかしこれは何だ。
ひとつの完成した楽曲ではないか!
聴衆はその矛盾の調和に心を震わされてしまっていた。
唯曰く「不思議はーもにー」で厳治が語るに「音楽史に名を残す」であろう鳴梟荘の闇バンドライブ。
興奮の冷めない熱狂の中、絶賛の拍手はいつまでも鳴り止まなかった。
作者:黒柴好人 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年8月4日
難度:簡単
参加:24人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 5/キャラが大事にされていた 3
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