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「グア……ア……バ、バケモノ……!! グェッ!!」
無慈悲な斬撃が肉を裂く。蒼き一撃が骨を砕く。
蒼き怪物は唯ひたすらに暴力を撒き散らし、何の感情も無く人々の死体を踏み越える。
全身を黒鉄の装甲で覆い尽くし、巨大な楯と同化した剛腕を持つ、巨躯の怪物。
これこそがクロムナイト。ロード・クロムの手によって作り上げられた、強化型デモノイドである。
この怪物の手によって、どれ程の人間が殺されただろうか。あまりにも凄惨な殺され方のせいで、それを数える事すら困難である。
人々の身体は潰され、抉られ、溶かされ、斬られ、殺される。
最早人々にはどうする事も出来ない。
多くの人々を効率よく殺戮する術を学んだクロムナイトは、無惨な死体の山と血だまりを残し、何処かへと去っていくのだった。
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「クロムナイト。ロード・クロムの手によって作られた怪物が、実地試験として多くの人々を虐殺して回る。この事件は既に多く予知されて来ましたが、また出たようですね」
神埼・ウィラ(インドア派エクスブレイン・dn0206)は赤いファイルを開き、事件の説明を続ける。
「皆さんはクロムナイトが虐殺を行う町に訪れるしばらく前に、奴に接触する事が出来ます。場所は町から離れた畑の隣にある、小さな無人駅。その時間帯には誰も人はおらず、また人も電車も訪れることはありません」
クロムナイトも灼滅者達を無視し町へ向かうことはないので、人払いに関してはあまり気を使う必要は無いだろうとウィラは説明した。
「ですが、このクロムナイトには厄介な性質があります。それは皆さんとの戦いですら、己の戦闘経験の糧としてしまうところ。クロムナイトが戦闘経験を積めば積む程、量産型クロムナイトの戦闘能力が強化されてしまうでしょう」
これを阻止する為には、クロムナイトを短時間で灼滅する必要があるとウィラは説明する。
「次に、クロムナイトの戦闘能力ですが……今回皆さんが相手するのは、巨大な楯と化した剛腕を持つ、防御に特化したクロムナイトです。攻撃の面ではそこまで秀でてはいませんが、とにかく硬いです。恐らく中途半端な戦術では、短期決戦に持ち込むことは不可能でしょう」
クロムナイトの攻撃方法は、巨大な楯による殴打、寄生体の蒼い刃による斬撃、寄生体の肉片から作り出した強酸の棘の射出、全身を痺れあがらせる霧の放出の4つである。
「恐らく個人で敵と戦うための能力というよりは、集団戦で敵を妨害しつつ戦線を維持する為の能力なのでしょう。とにかく、短期決戦を望むのならば厄介な相手です」
そこまでの説明を終え、ウィラはファイルをパタンと閉じた。
「説明は以上です。今回の戦いでは、クロムナイトを短期で灼滅することが望ましいです。が、それに拘りすぎて敗北してしまう可能性もあります。攻撃に秀でていないといっても、そもそもクロムナイトは強力な個体です。状況によっては短期決戦を諦める必要もあるでしょう。もし敗北してしまえば、多くの人々が犠牲になってしまうのですから」
参加者 | |
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風花・クラレット(葡萄シューター・d01548) |
芥川・真琴(焔と共に眠るもの・d03339) |
東雲・悠(龍魂天志・d10024) |
八咫・宗次郎(絢爛舞踏・d14456) |
鬼御影・燎(燐灰武装ペグマタイター・d16322) |
麻古衣・紬(灼華絶零・d19786) |
雲無・夜々(ハートフルハートフル・d29589) |
クレンド・シュヴァリエ(サクリファイスシールド・d32295) |
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クロムナイト。
ロード・クロムによって創り上げられたこの改造デモノイドの手によって、多くの人々が虐殺される。
そしてその虐殺を防ぎ、戦闘データ収集を防ぐべく、8人の灼滅者達はとある無人駅に集まっていた。
「クロムナイトねー……これが部隊作って運用され始めたら面倒な事になるねー……」
「しかも頑丈な挙句学習能力持ちとは、単体でも非常に面倒な相手ですね……」
芥川・真琴(焔と共に眠るもの・d03339)と麻古衣・紬(灼華絶零・d19786)がそう言いつつ、クロムナイトを待ち構えていた。
「(短時間で倒そうとすれば危険だが……)」
皆で力を合わせればやれないことなんてない。
クレンド・シュヴァリエ(サクリファイスシールド・d32295)が自身を鼓舞する様に呟いた。
と、その時。灼滅者達は何かが駆けるような足音を耳に捉える。
「……来たか。さっさと終わらせるぞ」
「そうね。全力で叩き潰してやりましょう」
雲無・夜々(ハートフルハートフル・d29589)と風花・クラレット(葡萄シューター・d01548)がスレイヤーカードを解放し、得物を構え音が聞こえた方向に目を凝らす。
次の瞬間。暗闇から姿を現したクロムナイトが、灼滅者達の前に躍り出る。
「ギギ……ガガ……住宅街到達前ニ人間ト遭遇……」
クロムナイトは灼滅者達の存在を認識すると、すぐさま戦闘態勢に移行する。
「学ぶのは良い事だが虐殺は戴けねーぜ。悪ィが止めさして貰う……行くぜ変身、燐灰武装ッ!」
鬼御影・燎(燐灰武装ペグマタイター・d16322)がスレイヤーカードを解放すると、燎は鉱物の如き無骨な殲術道具で武装した。
「目標は5分……クロムナイト。正々堂々勝負だ!」
東雲・悠(龍魂天志・d10024)は真っ直ぐな槍の切っ先を向け、クロムナイトに告げる。
「この焦燥感が戦いだ……行くぜ、クロムナイト。神速の果てに消し去ってやる」
八咫・宗次郎(絢爛舞踏・d14456)は殲術道具を構え、クロムナイトの動きを見定める事に集中する。
「ギギ……戦闘能力試験、開始……」
クロムナイトは蒼き楯を構えて灼滅者達に突撃する。
そして戦いが始まった。
●
「早速来たな……俺の役目は、仲間の盾となる事だ!!」
迫りくるクロムナイトの前に立ち塞がったクレンドは、仲間を庇いその一撃を受け止める。
その強烈な一撃にクレンドの身体が弾き飛ばされるが、クレンドはそのまま着地し持ちこたえる。
「……忌まわしき細胞と鎧に束縛された同胞よ。魂の解放のため、貴様を滅する! 恨むなら存分に恨め!」
そしてクレンドは『不死贄』と冠された紅き盾を構え、クロムナイトに突撃する。
誰も死なせないという思いが強い力となり、クレンドの強烈な打撃がクロムナイトの頭を打った。
「続きましょう……まずは、とにかく攻めるのみです」
紬は銀の杖に己の魔力を流し込むと、杖を振るって魔方陣を描きながら、魔術を詠唱する。
「死の魔術は、その肉体の全ての熱を奪い去る……フリージングデス!!」
紬が空に描いた魔方陣がクロムナイトの足元に浮かび上がり、眩い光を発したかと思うと、その全身を凍りつかせた。
「さて、行くよー……まずはみんなに、不死鳥の加護を与えましょー……」
真琴が大きく手を広げると、その背中に炎の翼が顕現し、灼滅者達は暖かな光と共に破魔の力を手に入れた。
「実地試験だっけ。私も覚えたご当地技使う良い機会だわ」
紬に続いて飛び出したクラレットがクロムナイトに肉薄し、その鎧を掴み上げ天高く跳び上がる。
「ギギ……ガガ……!!」
クロムナイトが振りほどこうともがくが、クラレットはがっちりとホールドしたまま地面に目を向ける。
「無駄よ、このまま一気に行くわ……鮒寿司ダイナミック!!」
流星の如き勢いで地上に落下したクラレットはクロムナイトの巨体を地面に思いきり叩き付け、膨大なご当地パワーによって大爆発が起きた。
「ガ……ギ、ガ……!!」
クロムナイトはふらついた様子で立ち上がると、灼滅者達に白い霧を放つ。
「これは、まずい……!」
攻撃を察知した紬は即座に黄色いオーラを拡散させ、仲間たちに加護を与えた。
「ふむ……やはりあの霧は厄介だ。だが今は、攻撃に集中するべきか」
燎は呟くと、片腕を赤く硬い鉱石の様に巨大異形化させる。
そしてクロムナイトに突撃すると、その剛腕を大きく振り上げる。
クロムナイトは燎の動きに反応しきれず、燎は一瞬にしてクロムナイトの懐まで潜り込んだ。
「行くぞ……豪腕砕撃ペグマラッシュ!」
赤き拳がクロムナイトの身体に何度も抉りこみ、クロムナイトの身体は地面に思いきり叩きつけられる。
「隙を見せたな……追撃する」
宗次郎は燎に続き、クロスグレイブを構えクロムナイトに狙いを定める。
「ギギ……迎撃行動、DESニードル発動……」
クロムナイトが放った無数の棘が宗次郎の身体に突き刺さるが、宗次郎は攻撃の手を緩めない。
「これが戦いだ、戦(いくさ)だ、正義だ。俺はこの為に生きている」
宗次郎はクロスグレイブの銃口を開くと、そこ膨大な光を集束させていく。
「己の正義は弱者では発揮できない……己の悪も、また然りだ。お前の主にそう伝えておけ」
そして宗次郎が放った光の砲弾がクロムナイトを直撃し、その内に秘めた業ごと身体が凍り付いた。
「随分冷たそうだねー……だったら今度は、キミに熱を与えてあげるよー……」
真琴はクロスグレイブに苛烈に燃え盛る焔を纏わせ、クロムナイトに接近する。
「熱は命、ココロは焔……」
真琴が放った一撃はクロムナイトの身体を強く打ち、放たれた焔はクロムナイトの全身を焼け焦がし、身体の芯まで熱くさせた。
「さてさて、このまま仕留めきれるか……まあとにかく、私の役目は味方を不自由なく暴れさせてやる事だ」
そう言って夜々はギターを取り出し、割と下手くそな演奏でなんとか仲間たちの傷を癒した。
「……よし、私も出るか……戦いの為の戦い。勇気と知恵を振り絞る、なんと野蛮で高尚な行為だろう!」
夜々はエアシューズを駆動させると全速力で駆け出し、クロムナイトに攻撃する隙を伺う。
「よし行くぞ! 私に続け!!」
一気にクロムナイトに接近した夜々は鋭い蹴りを足元に放ち、クロムナイトの動きを大きく鈍らせた。
「続けと言われて続かないわけにはいかないな……行くぜ!」
夜々の呼びかけに応えた悠が、槍を構えてクロムナイトの真正面から突撃する。
「ギギ……ギ……」
クロムナイトは楯を構えて防御の体制を取るが、悠はその走りを止めない。
「楯で前方を守ろうと、その後ろはガラ空きだぜ!」
悠はクロムナイトの盾を蹴り上に跳び上がると、槍に己の妖気を纏わせ何度も突き出す。
「氷の雨を喰らえ!!」
そして悠が放った無数の氷の刃が、雨の様にクロムナイトに降り注ぎ全身を突き刺した。
「ガガ、ガ…………戦闘機能に障害発生。現時点デ、戦闘データノ収集ハ未完了……」
クロムナイトはくぐもった声を響かせながら、傷を修復する。
闘いは、まだ続く。
●
灼滅者とクロムナイトの戦闘時間は、既に5分を経過していた。
クロムナイトがデータ収集に要する時間は全個体で統一されているという訳でもなさそうだが、このクロムナイトは未だデータの収集を終えてはいない様だった。
「灼滅者、殺ス……」
クロムナイトは片腕を巨大な刃へ変形させ、灼滅者達に向けて突撃する。
しかしそこにクレンドが飛び出すと、その強烈な一撃を身体で受け止めた。
「グ……! まだだ! 皆は俺に構わず奴に集中攻撃を!」
「見習いたいほどの心意気、流石だな。その心意気に応えてみせよう」
クレンドの呼びかけに燎は応え、刺々しい杖に己の魔力を込めていく。
激しく赤熱する杖を構え、燎はクロムナイトに接近する。
「これは当たると痛いぞ……喰らえ、魔導砕撃タイトブレイク!!」
燎が振り下ろした杖がクロムナイトの脳天を打ち、地面に叩き付ける。
そして同時に流し込まれた魔力が大爆発を起こし、クロムナイトの鎧の一部が砕け散った。
「グ……ガ、ガァァァァァアアッ!!」
クロムナイトは耳を破る様な雄叫びをあげ、灼滅者達に無数の棘を放つ。
「どうした、ようやく化け物の本性が出て来たか? ……豚は肥えた方が美味い。この私が全力を見せてやるというのだ、良く学べよ」
やたらと尊大な態度の夜々は再びギターを取り出すと、やっぱり下手くそな演奏でどうにか仲間たちの傷を癒した。
「(正直5分超えた時は相当焦ったが……まあなんとかなるだろう、うん。多分なんとかなる。筈)」
実は内心及び腰だったが、それを外に出すことなく、夜々は攻撃を仕掛ける。
「私の炎で燃やし尽くしてやる!!」
夜々が放った炎の蹴りがクロムナイトの胸を打ち、全身を炎で包みこんだ。
「さあ、ドンドン攻めてガンガン行くわよ~!」
クラレットは右手に杖、左手に剣を構えると、杖に魔力を込めながらクロムナイトに突撃する。
「吹き飛ばす!!」
クラレットが放った打撃がクロムナイトの肩を打ち、同時に魔力がブドウ色に爆発しクロムナイトを吹き飛ばした。
「更にもう一撃……ずんだ閃光百裂拳!!」
クラレットは剣を放り上げると拳に緑の闘気を纏わせ、クロムナイトの顔面にほのかに甘く強烈な打撃を叩きこんだ。
「グガ、ガァァアアア…………!!」
苦しげに呻くクロムナイトの前に、銀の杖を構えた紬が進み出る。
「ふん、殺戮技術何なんぞ学習して、なんになるっていうんですかね!」
紬は杖に爆炎を纏わせると、クロムナイトの動きを静かに見定める。
「…………ここです!!」
紬が振り下ろした杖がクロムナイトの脚を砕き、同時に放たれた爆炎がクロムナイトを包み込む。
「恐らくまだ短期決戦の範囲内……一気に攻めきりましょう!」
紬は仲間たちに呼びかけると、杖を構えて再び戦闘に集中する。
「……グァァァァアアアッ!!」
クロムナイトは咆哮し、怒りに任せてクレンドに突撃する。
「攻撃の矛先が俺に向いたなら、狙い通り。だが……」
クレンドはクロムナイトと真正面から相対し、盾を振りかぶる。
「俺もそう簡単に倒されはしないぞ!!」
クロムナイトとクレンドが突き出した盾がぶつかり合い、激しい金属音と共に攻撃が相殺された。
「時間が無い、被弾なんか気にしてる場合じゃねえ、とにかく全力で攻撃だ!」
悠は槍を構えて駆け出すと、クロムナイトに全速力で突進する。
「剣と楯……いや、槍と楯のぶつかりい合いというのは悪くないな! クロムナイトだかなんだか知らないが、砕けない楯なんて無い事を教えてやるぜ!」
とにかく全力で。搦め手が苦手な悠は開き直り、蒼き鉄壁と真正面から勝負を挑む。
「行くぜ、クロムナイト……これが俺の正真正銘全力の一撃だ!!」
一閃。
悠が放った刺突は、文字通りクロムナイトの楯を打ち砕いて貫通し、その胸に深々と刃を突き立てたのだった。
「グ、グオ、ギ、ギギ…………戦闘能力異常低下。灼滅者ノ戦闘能力ハ未ダ未知数……」
灼滅者達にじわじわと蓄積されてきたバッドステータスは、クロムナイトの戦闘能力をかなりの所まで引き下げていた。
「……クロムナイト。お前は強化発展中で、俺達との戦闘経験の糧になるんだろ?」
宗次郎は足元の影を無数の巨大な刃へ変形させながら、言葉を続ける。
「だがな……クロムナイト、テメエだけが戦闘経験で強くなると思うなよ。俺はお前を糧にして強くなってやる」
そして影の刃を放ち、クロムナイトに次々と振り降ろす。
「寄越せ、お前の全てをオレが奪ってやる。全てをよこしやがれぇぇッ!!」
宗次郎の怒涛の斬撃の嵐に、クロムナイトの全身はズタズタに切り刻まれる。
「ギギ、ガ、ギギギ、ギ…………」
全身を軋ませながら立ち続けるクロムナイトは、既に半壊以上の傷を負っていた。
灼滅者達の猛攻によって全身の装甲は剥がれ落ち、蓄積されたバッドステータスは確実にデモノイドの戦闘能力と体力を削っていた。
「流石にもう、終わりかなー……命無き哀れな人形。そう思うのは失礼なのかもしれないけど……まことさんが、この手で終わらせてあげるねー……」
そう語りつつもやはりぼんやりとした表情の真琴は、闘気を纏わせた拳に更に焔を纏わせる。
「グ、ガ、グアァァァァァァァァァァァァッッ!!」
瀕死のクロムナイトは力の限り叫び、灼滅者達に向けて無数の棘を放つ。
灼滅者達はその一撃を受けきり、あるいは避け、クロムナイトに一斉攻撃を叩きこんだ。
「これで終わりだ、クロムナイト!!」
宗次郎が突き出した鋭い刺突が胸を抉り、
「行くぞ! ペグマタイトキィィック!」
燎が放った必殺キックが頭を砕く。
「……皆で力を合わせれば、やれないことなんて無い!!」
クレンドが放った霊力の網が全身を縛り付け、
「碌な事に使われない戦闘経験なんて、絶対に渡しはしません!」
紬が放った無数の打撃がクロムナイトの鎧を打ち砕く。
「俺たちの勝ちだ、クロムナイト!」
悠が放った槍の一撃が片腕を抉り取り、
「仙台牛ダイナミック!」
クラレットが放った必殺の投げと爆発が、身体の多くを吹き飛ばした。
「これで最後だ、決めてしまえ!」
夜々が放った跳び蹴りがクロムナイトの体勢を大きく崩し、
真琴が静かにクロムナイトに歩み寄る。
「焔が灯らないから、キミはきっと蒼いんだね」
焔を纏わせた掌をクロムナイトに押し当て、真琴は呟く。
放たれた焔はクロムナイトの全身を包み込み、静かに焼いていく。
「グオォォォオオオ…………戦闘データ収集、未完了……戦闘データ収集、未完了……セン、ト、デー……ミカン、リョ……」
クロムナイトの巨体が地に倒れ伏し、そのままじりじりと全身を焼き尽くされていく。
そしてクロムナイトを包む焔が消え去ると、そこには僅かな灰しか残ってはいなかった。
「おやすみなさい、よいゆめを」
人を殺すために造られ、その使命を果たすことなく消えていったクロムナイトを思い、真琴は静かに呟くのだった。
●
こうして戦いは終わった。
強靭な肉体を持つクロムナイトに灼滅者達は果敢にも短期決戦を挑み、そして勝利した。
恐らく今回の戦闘のデータはクロムナイトに送られる事も無く、完全な勝利だったと言えるだろう。
そんな最高の戦果を手にした灼滅者達は、学園に帰還する。
クロムナイトとの付き合いは存外長くなりそうな予感もするが、今はとにかく次の戦いに備え、身体を休めるとしよう。
作者:のらむ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年7月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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