目覚めた先に待つモノ

    作者:緋月シン

    ●見知らぬ洞窟
     寝苦しさで目を覚ました由希の視界に広がっていたのは、むき出しの岩肌であった。
    「はへ……?」
     あまりに予想外なことについ間抜けな声が漏れてしまうが、それも仕方のないことだろう。
     周囲を軽く眺めてみるに、どうやらこの場所は洞窟のような場所らしいが、当然のようにそんな場所で眠った記憶はない。
     というかそもそも、眠った記憶の時点で存在していなかった。
    「確か、今日はアルバイトの面接があったから、その面接場所に向かって、受けて……?」
     しかし記憶を辿ってみたところで、覚えているのはそこまでだ。
     面接の途中で寝てしまったのだろうかとも思ったが、さすがにそれはないだろう。
     誘拐、という言葉が一瞬頭を過ぎるも、そんなことをするメリットが感じられない。
     とはいえそれ以外となると――。
    「……ま、考えたところで分からない、か」
     何にせよ、直前の記憶がないのであれば予測するにも限度がある。
     勿論気にはなるが、そのことについて考えるのはもっと落ち着いた場所に移動してからでいいだろう。
    「さて、と」
     そうして頭を切り替えると、由希はその場で立ち上がった。
     だが周囲を改めて見渡すも、当然どの方角に何があるのかなどは分からない。
    「ふむ……まずは出口を目指すべきだとは思うけど、どっち行けばいいんだろうね?」
     不安は当然ある。
     先ほどから頻度の高い独り言が、その証拠だ。
     しかし震えて待っていたところで助かる保障がないのであれば、自らの足でどうにかするしかない。
    「それにしても、何か暖かい……というか、暑い? こういう場所ってもっと涼しいようなイメージがあったんだけど……」
     もしかして意外と出口が近いんだろうかと思い、由希は熱を感じる方向へと足を向けるのであった。

    ●その先に待つモノ
    「まあ、その先には竜種イフリートが居るのだけれど……」
     事件の概要を告げた四条・鏡華(中学生エクスブレイン・dn0110)は、そう言うと溜息を吐き出した。
     端的に言ってしまうならば、とある洞窟に一般人が迷い込んでしまい、そこに居る竜種イフリートに殺されてしまう、ということだ。
    「けれど、今ならば彼女を救出して竜種イフリートを灼滅する事が出来るわ。何故一般人がそんな場所に迷い込んでしまったのは、少し気になるところだけれど……まずはそれよりも彼女の救出を優先にすべきね」
     場所は群馬県の北東部。人里離れた山中の洞窟の中だ。
     別に有名な洞窟だったりするわけではなく、どうやら元々は小さかった洞窟を竜種イフリートが拡げたものであるらしい。
    「とはいえそれほど広いものではないし、複雑でもないから、内部で迷うことはないと思うわ」
     ただし竜種イフリートは自分の姿を見たものは必ず殺そうとするため、彼女の救出は竜種イフリートと接触する前に行なう必要がある。
    「気をつけるところがあるとしたら、その点かしらね」
     竜種イフリートが使用するサイキックは、ファイアブラッド相当のものだ。ポジションはジャマーである。
    「この竜種イフリートは、おそらく朱雀門が戦力増強の為に集めた戦力なのでしょうね」
     一般人の救出も勿論大事ではあるが、この機に竜種イフリートを灼滅することが出来れば、後々の為にもなるだろう。
    「さて、説明はこんなところかしら。それじゃあ、あとはお願いするわ」
     そう言って、鏡華は灼滅者達を見送ったのであった。


    参加者
    加藤・蝶胡蘭(ラヴファイター・d00151)
    時渡・竜雅(ドラゴンブレス・d01753)
    赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959)
    千条・サイ(戦花火と京の空・d02467)
    栗橋・綾奈(退魔拳士・d05751)
    皇樹・桜(桜光の剣聖・d06215)
    月夜・玲(過去は投げ捨てるもの・d12030)
    不破・桃花(見習い魔法少女・d17233)

    ■リプレイ


     足を踏み出すたびに、僅かな残響が大気を震わせ、地面へと震動を伝えていく。一応なるべく足音は立てないよう気をつけてはいるのだが、さすがに完全に殺すことは不可能だ。
     それに、どれだけ音に気をつけたところで、そのせいで間に合わなくなってしまっては意味がない。
    (「一般人がイフリートのいる洞窟に迷い込むなんて、早く助けに行かなくちゃ!」)
     故に、栗橋・綾奈(退魔拳士・d05751)は只管に地を蹴り、全力で追いかけるのである。
     そしてそれは、他の七人も同様だ。
     だが、全力で向かっていて尚――否、今回のことを真剣に考えるからこそ、首をもたげる疑問がある。
    「なんだか、いつもの竜種事件とはちょっと違う感じですね」
     不破・桃花(見習い魔法少女・d17233)はそう呟き、首を傾げ……しかしすぐに、脇に退けた。
     今考えたところで分かるものではないし――。
    「一般人の方を救い出すため、全力で頑張りたいと思います!」
     何よりもそれが最優先だと、小さく拳を握り締める。
     と、その拍子に前方を行く者の姿が視界に入った。
     赤槻・布都乃(悪態憑き・d01959)だ。その足元にはクッション付きブーツを着用しており……だが歩を刻むその勢いが、僅かに緩む。
     何事かと問うことはしなかった。その前に、その視線が皆に送られ、人差し指を立てた手が口元に寄せられる。
     見た目通り、静かに、と注意を促すための仕草であり、その意味するところは明白だ。前方へと目を凝らしてみれば、そこには今にも歩き出そうとしている一人の少女――由希の姿があった。
     どうやら間に合ったようだが、安堵している暇はない。
     故に。
    「あ、あの、待ってください!」
     敢えてある程度の足音を立てながら、桃花は少女へと声を掛けた。
    「へ……?」
     先に進もうとしていたその足が、止まる。驚愕を浮かべたその顔がこちらに向けられるが――。
    「この洞窟は危ないから立入禁止なんだが、何故ここに?」
     構わずに、時渡・竜雅(ドラゴンブレス・d01753)は問いかけた。
    「え、何故っていうか……むしろこっちが知りたい、かな?」
    「あー、やっぱりか。猛獣の巣に運ばれた人が居るって話を聞いて探しに来たんだが……最近そういう事件がよく起きてるしな。っと、そうだ、水飲むか?」
    「え、そんな話聞いたこと無いけど……あ、水は有り難く貰う。ありがと」
     やはり構わずに言葉を重ね、布都乃が水を差し出すが、戸惑いながらも由希はそれを受け取り……そこでふと、由希は何かを思い出したかのように、あ、と呟いた。
    「そうだ、あの時コーヒーを出されて、飲んで……?」
     どうやらそこで、記憶は途切れているらしい。
     そのことについて、詳しい事情を聞いてみたいところではあるが、生憎とそんな時間はない。
     仕方なく、加藤・蝶胡蘭(ラヴファイター・d00151)は今自分達が来た方向を指差した。
    「それで、外に出る気はあるか? 私達は今、外から来たんだけど。だから、出口は逆方向だ」
    「え? うん。出口が分かるんならそっち行くけど……その言い方からすると、そっちは行かないの?」
    「他にも人が入った形跡があるからな。俺達はちょっと奥の様子を見てくる。先に外に出ていてくれ」
    「というか、帰れそうならそのまま帰っちゃっても大丈夫だけど……ここから家まで帰れる? ここ群馬県の北東部なんだけどさ」
    「え、ここ兵庫じゃないの?」
     月夜・玲(過去は投げ捨てるもの・d12030)の言葉に、由希がさらなる驚愕を浮かべた。完全に予想外だったらしい。
    「ああ。此処は群馬の山中だぞ?」
    「……何で群馬? 面接場所は芦屋だったのに……」
    「まあ無理っぽいし、なら洞窟の入口辺りで待っててよ」
    「そうだな。ここまでは一本道だったから迷うことはないだろうし……それと、これがあれば道中も問題なく歩けるだろう」
     そう言って蝶胡蘭が渡したのは、首下げ式の灯りだ。光量が足りない場合に使用しようと、事前に用意しておいたものである。
     もっとも人数分は用意したものの、予備などはないが――。
    「えっと……いいの?」
    「一つぐらいなくなっても、問題はないだろうしな」
     現状を考えれば、戦闘中に使うことがないだろうことは明らかだ。何の問題もなかった。
    「じゃあ、うん、ありがとう。えっと……気をつけて?」
    「ああ、そっちも気を付けてな」
     また後でと別れ、ちらちらとこちらを気にしながらも、由希の背中が少しずつ遠ざかっていく。
     やがてその姿も見えなくなり……誰からともなく、安堵の息が吐き出された。
    「これでとりあえず一安心、というところですね」
    「そうだね♪」
     桃花の言葉に、皇樹・桜(桜光の剣聖・d06215)が同意を示しながら頷き――。
    「間にあって良かった。これで思いっきりイフリートと戦えます」
     綾奈もまた、息を一つ吐き出す。
    「それにして、とんだ面接もあったもんだね。まさか面接官が竜種だとは……なんてね」
     と、そのまま去っていった方を眺めていた玲がポツリと呟いた。
    「しかも面接中に居眠りして、気がついたら洞窟でしたって何その不思議体験。いやー不思議だねー災難だねー。けど洞窟の奥に竜がいるってのは王道だね」
     そんなことを嘯きながら、軽く伸びを一つ。振り返り、その先に居るのだろう敵に僅かに目を細めた。
    「ま、冗談はさておき。お仕事お仕事っと」
     そんな気楽に響く声を聞くともなしに聞きながら、布都乃も同じように視線を向ける。ふと頭を過ぎるのは、今回のことや最近の事件などだが――。
    (「ココ最近、ダークネス勢力の戦力一点集中が目立って来た気がするな。今回のもいけ好かねえ吸血鬼が関わってるらしいが……」)
     また面倒な話だと、溜息を吐き出した。
     ともあれ、これ以上ここに留まっていることに意味はない。
     念のため由希が戻ってくることのないようにと、蝶胡蘭が殺界形成を使用しながら、奥へと進んでいく。
     その場には当然、千条・サイ(戦花火と京の空・d02467)の姿もある。
     というか、先ほどからもちゃんとその場にいたのだが、会話に加わっていなかったのは敢えてだ。
     後で奥に侵入していた体で話を合わせるために闇纏いで身を隠しており、さらには奥の気配を警戒していたのである。
     とはいえ、後者に関しては、必要がなかったかもしれないが。
     勿論、意味がなかったということではない。
     一歩を進むごとに、肌を焼かんばかりの熱が伝わってきているのが、その答えだ。
    「この暑いのに、外より暑くなって来たな」
    「暑い……熱い」
     近くに居るのだということを、文字通り肌で感じる。
     そして。


     曲がり角を曲がった、その直後であった。
     今まで変化に乏しかった景色に、唐突の変化が生じる。
     もっともそれは、眼前に炎が迫っているという、赤に彩られた光景ではあったが。
     タイミングが必殺であれば、威力もまた必殺だ。状況が回避を許さず、一瞬の後に着弾した炎塊が全てを焼き尽くさんとばかりに燃え広がる。
     だが。
    「我が前に爆炎を」
    「さあ、狩りの時間だ!」
     それを斬り裂くが如く、声が響く。ゆらりと炎が揺れ、その中から八人は悠然と現れた。
     恐れはなく、油断もない。視線の先のそれの口が開かれ、口内から炎があふれ出るのが見えるが、それもやはり想定の範囲内だ。
    「通常のイフリートよりも戦闘力は高いはずだ。気を引き締めていくぞ!」
     蝶胡蘭の言葉に応えるように、皆が一斉に地を蹴り――同時にそれが、戦闘開始の合図となった。

     後方で爆炎が上がり、轟音と共に発生した熱が背中にまで伝わってくる。
    「竜種イフリートと戦うのは初めてかな?」
     しかしその程度のことはどうでもいいと言わんばかりに、そのまま桜は踏み込んだ。
    「殺しがいがあるといいな。楽しませてね」
     嘯き、淡い桜光を放つ聖槍が舞う。
     螺旋の如き回転で以ってその肉体を抉り取るが、開いた口から吐き出されるのは、苦悶ではなく炎だ。
     だが桜はそれに、口元に笑みを浮かべながら飛び退く。すかさず竜種も後を追い――しかし轟音が響いたのは、竜種の頭部からだ。
     玲である。
     さらには突き刺した足を基点にして宙を舞い、反射的に上を向いた竜種の腹部を、メカサシミの機銃から放たれた弾丸が貫く。
     竜種の顔がそちらに向き――再度その頭部を襲う、衝撃。炎を宿した玲の足が振り抜かれ、だがお返しとばかりに炎に焼かれた。
     しかし痛みを感じることがなかったのは、すぐさま蝶胡蘭より撃ち出された霊力がその身を癒したからだ。
     視線のみで後輩へと礼を述べ……だが玲が再度動き出すよりも先に、竜種はその顎を打ち上げられていた。
    「イフリートと戦うのは初めてだけど、どんなダークネスでも全力で戦うだけです!」
     叫び、雷の残滓が走る拳を綾奈が引き絞る。退魔の闘気を纏った拳を硬く握り締めたまま、宙空で、眼前にある顔面へと全力でぶち込んだ。
     轟音と炎とが踊る戦場を、一歩離れたところから眺めながら、桃花は小さく息を吐き出した。
     会話が望むが故の位置であったが、その身に理性がないのは瞳を見れば明らかだ。
     出来れば洞窟を作った理由などを聞いてみたかったのだが……聞けないのであれば仕方があるまい。
     すぐさま思考を戦闘のそれへと切り替え、吐き出された炎の前に躍り出た。
     仲間の代わりにそれを受け、しかし怯むことなくその手の槍を振るう。
     作り上げた冷気のつららを、お返しとばかりに撃ち出した。
     そしてそんな桃花へと、即座に布都乃から霊力が撃ち出され、さらにはサヤのリングが光り、桃花を含めた前衛の傷を癒す。
     しかしそれを許さんとばかりに、炎が口元より漏れ出ている竜種の真っ赤に染まった口内が晒されるが……それは本当に晒すだけで終わった。
     唐突に訪れた痛みに、その口が上を向く。
     その原因は、死角に回り込んでいたサイだ。口元をだけ楽しげに歪め、冷めた瞳が見つめる先を絶つ。
     勿論それを許さんと、すぐさま竜種の口がそちらへと向くが――戦闘はサイ一人のみで行っているわけではないのである。
     相変わらずの瞳に映っているのは、その後方。
    「俺の一刀両断!」
     跳躍した竜雅が、頭上から真っ二つにせんとばかりに、その手の剣を振り下ろした。


     改めて言うまでもないことだが、竜種イフリートとは決して油断をしていいような相手ではない。
     炎による一撃は勿論のこと、その皮膚は硬く、攻撃が通りづらい。
     であればこそ、その状況はむしろ当然のことであった。
     身に纏う色は、夕闇を思わせる黄昏。死角に回り込んでは斬り裂き絶ち、時にはトラウマを引き摺り出し……だがそれでもやはり、オーラを纏っただけの拳では致命に届き得ない。
     だがそれでもやはり、その口元は楽しげだ。別に油断をしているわけでも、出し惜しみをしているわけでもない。そんなことをしては勿体無い。
     しかしかと言って何か手があるわけでもなく……だからこそ、それでいいのだ。
     そもそもその身は、拳を致命に届かせる役目ではないのである。なればこそ、その拳が軽くても問題はない。
     その身は徹頭徹尾妨害役。あくまでも皆の攻撃を通すための下準備役でしかなく――だからこそ、それを侮った先の末路は一つだ。
     その拳が自身の身を貫くことはないと悟ったのか、竜種は未だすぐ傍で攻撃を繰り出すサイから目を逸らす。自身へと攻撃を加えようとしている別の者へと対処をしようとし――その反応が、僅かに遅れた。
     その原因がサイにあったことに、果たしてそれは気付いたのかどうか。それは分からず、また分かったところで変わりはない。
     サイは相変わらずの表情と瞳で、告げるだけである。
    「ささ、もっぺんおねむの時間やで」
     その言葉に応えるように、桃花が一瞬のうちに竜種の懐へと飛び込んだ。
     狙っていたタイミング通りに。狙っていた行動を以って。
     握り締めた拳は、その動きの観察を続けていたが故に、ほんの僅かな隙も逃しはしない。
     渾身の力を込められたそれは、触れた箇所に余すことなくその力を伝え、そのまま全力で振り抜かれた。
     直後、さすがにそれは効いたのか、竜種が苦悶の声を上げる。
     そして当然のように、それを見逃す理由などがあるはずもなく――ほぼ同時に踏み込んでいた布都乃が、ゼロ距離から緋色のオーラで以って斬り裂き、サヤの肉球パンチがその傷をなぞるように叩き付けられた。
     さらに苦悶の声を上げる竜種にメカサシミが突撃を仕掛け、重なるように炎を纏った玲の蹴りが放たれる。
     その直後に、一瞬出口の方へとそれが視線を向けたのは果たして気のせいか。
     だがどっちにしろ意味のないことだ。
     そちらを背にしていた蝶胡蘭の足元より伸びた影にその身を斬り裂かれ、最後の抵抗とばかりに炎を吐き出すも、それは誰の身にも届かない。
     逆に綾奈より放たれた風の刃によって斬り裂かれ――揺らぐ炎を背にした、血の如く赤黒いそれが視界に映る。
     手にするその名は蒼炎風の天輪。桜より繰り出されたそれが竜種の罪ごとその身を断ち切り――赤く染まったその瞳に最後に映ったのは、柄に竜の意匠が施された焔色の十手であった。
     叩きつけられ、流し込まれた魔力が爆ぜる。
     その衝撃によって、竜種の身体がついに地面へと向かい倒れ――しかしそれを迎えるのは、むき出しの岩肌ではない。
     それは、地を走り振り上げられる、炎刃。
    「燃え尽きろ! 俺の一撃必殺!」
     竜雅のそれが、振り抜かれ――直後に地面を震わせ、響いた二つの音が、戦闘終了の合図となるのであった。

     竜種と戦い疲れた身体を横たえ、その場で休む。そんなことが出来ればよかったのだが、生憎とそうはいかなかった。
     こうしている今も、由希が外で待っているだろうからだ。
    「それにしても、由希さんはどうして迷い込んだんでしょう? いえ、迷い込まされたんでしょう、と言った方が正確かもしれませんけど」
     と、そのことでふと思い出したのか、綾奈がそう呟くが、当然のようにそれに答えることの出来る者はいない。黒幕の予測は出来たとしても、その目的など分かるわけがないのだ。
     何にせよ、早くその黒幕を見つけて、止めなくちゃ、とも思うが、結局はどうやって見つけるのか、というところが問題か。
     ともあれ。
    「とりあえずみなさん怪我の方は大丈夫そうかな? それで、ちょっと提案なんだけど、このあとご飯とかどうかな?」
    「あ、それでしたら、由希さんも誘って色々と聞いてみます? 何か手掛かりが得られるかもしれませんし」
    「それはいいかもな。どうせ安全な場所まで送る必要はあるし」
    「あ、その前にちょっとここ調べてもいいか? 何か怪しい痕跡とかがないか探してみる」
     もっとも見た感じ何もなさそうではあるが、駄目で元々である。
     とりあえず蝶胡蘭は周囲を眺めながら、さて何かないかと、探し始めるのであった。

    作者:緋月シン 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年8月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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