プールサイドで 踊れや唄えや太鼓を叩け!

    作者:三ノ木咲紀

     ドンドコドンドコドンドンドン。
     太古のリズムを刻む太鼓の音が、新潟県の高校に響いた。
     ドンドコドンドコドンドンドン。
     ほえあ~えんや~は~ら~え~~や~~。
     太鼓の音と共に、アフリカっぽいとしか表現しようのない歌声も響く。
     近づく太鼓の音と声に、水泳の部活中の高校生たちが不審そうに音のなる方を見た。
     ドンドコドンドコドンドンドン。
     ほえあ~えんや~は~ら~え~~や~~。
     アフリカの原住民が着ていそうな服を着たご当地怪人が、踊りながらプールサイドに乱入する。
     逃げ惑う高校生たちを片っ端から捕まえたアフリカっぽいご当地怪人は、それっぽい太鼓と歌と踊りを生徒たちに強要し始めた。


    「新潟県にある海沿いの高校でな、アフリカンご当地怪人達が事件を起こしとるみたいなんやわ」
     くるみは腕を組むと、黒板に貼った新潟県の地図を指差した。
    「場所はここ。今、日本海側の地域の気温がアフリカ並に上昇しとってな、その影響かどうかは知らんけど、アフリカンご当地怪人となったご当地怪人たちが、ご当地のアフリカ化を目指しとるみたいなんやわ」
     この事件に、ご当地幹部アフリカンパンサーが直接関与しているわけでは無さそうだ。だが、このままご当地のアフリカ化が進めば、何か良くない事が起こるだろう。
    「その前に、アフリカ化したご当地怪人を灼滅したって欲しいんやわ。そやけどその前に、部活中の一般人を避難させたってや」
     プールには、部活中の水泳部員が八人とコーチが一人練習している。
     丁度休憩中で、全員プールからは上がっている。
     大会が近いため、皆真剣に練習をしている。
     アフリカンご当地怪人達とは、プールサイドで戦うこととなる。
     プールサイドには広いところもあるので、特に何もなければ普通に戦うことが可能。
     ただし、何らかのアクシデントでプールに落ちてしまった場合、強制的にバッドステータス【ずぶ濡れ】が与えられる。
     アフリカン新潟怪人はクラッシャー。
     エアシューズとサウンドソルジャーみたいなサイキックなのは偶然だ。
     アフリカのガイアパワーまで得ているため、話は通じないが相当強化された難敵だ。
    「みんなの力やったら、そない危険はあらへんと思うけど、油断は禁物や。暑いさかい熱中症には気を付けて、行って来たってや!」
     くるみはにかっと笑うと、ぺこりと頭を下げた。


    参加者
    ジュラル・ニート(デビルハンター・d02576)
    射干玉・夜空(高校生シャドウハンター・d06211)
    黒芭・うらり(高校生ご当地ヒーロー・d15602)
    ファルブン・ダイス(クロックワークス・d18001)
    オリヴィエ・オーギュスト(従騎士・d20011)
    ガーゼ・ハーコート(自由気ままな気分屋・d26990)
    禰・雛(ファクティスアーク・d33420)
    天草・日和(深淵明媚を望む・d33461)

    ■リプレイ

    「はぁ……。あっついなー……」
     新潟県の高校のプールに、ガーゼ・ハーコート(自由気ままな気分屋・d26990)の魂からの声が響いた。
     気温は連日アフリカ並。それでも大会のために頑張って練習していた水泳部のコーチが、ガーゼの声に気付いて近づいてきた。
    「きみ達、何か用か?」
    「突然ごめんなさい、今日だけこのプールを貸切で使わせて欲しいの。今日だけでいいから、お願い」
     黒芭・うらり(高校生ご当地ヒーロー・d15602)は、さり気なく胸を寄せてスタイルの良さをアピールしながらコーチにお願いをした。
     スクール水着姿の女子高生に上目づかいでお願いされたコーチは、思わず頷きそうになる。
     だが、寸でのところで思いとどまる。ラブフェロモンの乗らない視線でも効果は抜群だったが、コーチの理性と試合への想いがわずかばかり勝利した。
     部員達の視線を浴びながら、コーチは首を横に振った。
    「ダ、ダメダメ! 大会が近いんだ!」
    「大会への気持ちは素晴らしいと思うよ。応援したいが、出場自体が危うくなる。今はこの場を離れてくれ」
     禰・雛(ファクティスアーク・d33420)の真剣な声に、異変を感じた部長らしい男子部員が近づいて来た。
    「なんだお前達? 練習の邪魔……」
     部長が言い終わるよりも早く、太鼓の音が響いてきた。

     ドンドコドンドコドンドンドン。
     ほえあ~えんや~は~ら~え~~や~~。

     変な太鼓の音と歌声に、他の部員も立ち上がった。
     避難を促すよりも早く、アフリカン怪人がプールサイドに躍り出た。
     アフリカっぽい丸い仮面に、アフリカっぽい黄色と赤の腰蓑。アフリカっぽい太鼓に、アフリカっぽい歌。
    「アフリカっぽい」を体現したアフリカン怪人に、部長は指を突きつけた。
    「な、なんだあいつ! 暑さにやられた変質者か!?」
     中らずといえども遠からずな部長の叫びに気付いたアフリカン怪人は、目を輝かせると部長に向かって猛突進をかけた。
    「ほえあ~!」
    「危ない!」
     部長に向かって振り下ろされそうになった飛び蹴りを、WOKシールドを展開したうらりが受け止めた。
     透明な盾と、アフリカンゲイザーの間に火花が散る。情け容赦ない攻撃は、WOKシールド越しにも大きなダメージをうらりに与えた。
     こんな攻撃を、一般人の部長が受けたら即死だ。助けられた命に、うらりは安堵の息を吐いた。
     突然の出来事に、部長は腰を抜かして座り込んだ。
    「な、なんだ!」
     部長の叫びに、オリヴィエ・オーギュスト(従騎士・d20011)は勢いよく飛び出した。
     そのまま、アルティメットモードを発動させる。普通の少年から最終決戦モードに変身したオリヴィエは、へたり込んだ部長に手を差し伸べた。
    「信じられないかも知れませんけど、僕達は所謂ヒーローです! これからここで危険な事が起こるのは本当なんです!」
    「なっ……、ヒーロー?」
     目を白黒させる部長に、天草・日和(深淵明媚を望む・d33461)はスタイリッシュモードを使った。
     最終決戦に臨むようなオリヴィエと、スタイリッシュな姿に変身した日和に、部員は感動に包まれる。
    「真剣に打ち込んでいる部員殿は、本当に気の毒であるな。だがまあ、命あっての大会。ここは大人しく避難していただくとありがたい」
    「大会前の大切な時期に……迷惑な怪人だな」
     歩み出た雛は、王者の風を使う。威圧されたように大人しくなる部員に、雛は微笑みかけた。
    「早急に片付ける。だから、心置きなく大会に臨んで欲しい」
     きょとんとする部員達に、ジュラル・ニート(デビルハンター・d02576)が苦笑いをこぼした。
    「大会前の大事な時期だっつーのに、練習中断させてすいませんね。アレ追い出したら、私らもすぐ出ていきますんで。ハイ」
    「君達……」
    「大会が近いキミたちがあんな変なのと関わって、もし事件にでもなったら、大会出場が危ぶまれるよ。ココは部と関係ないボクに任せて、一旦外に出ていて」
     怪人をずびし! と指差す射干玉・夜空(高校生シャドウハンター・d06211)の「大会出場が危ぶまれる」の声に、コーチは大きく頷いた。
    「よ、よし! 皆、上がれ! 今日は筋トレだ!」
    「はら? え~~や~~!」
     ぞろぞろと移動する一般人の姿に、アフリカン怪人が振り返る。
     追いかけようとするアフリカン怪人を、ダイダロスベルトが牽制した。
     ファルブン・ダイス(クロックワークス・d18001)が放ったレイザースラストが、アフリカン怪人を切り裂く。
     突然の攻撃に、アフリカン怪人は足を止めた。
    「太鼓や踊りは何時習ったんでしょうか?」
    「ほえあ~!」
     にっこりと首を傾げるファルブンに、アフリカン怪人は腹を立てたように太鼓を叩いた。


     苛立ちのビートが、どんどん早くなる。
     遠いアフリカを思わせる太鼓の音色が、ファルブンを襲う。
    「させぬ!」
     音の塊の前に、日和が飛び出した。
     襲う音の襲撃に、神経がかき乱される。体の中を切り裂かれるような痛みに、日和は体をかきむしった。
     はらり、という音がした気がした。
     日和の水着の紐がほどけ、床に落ちる。
     露わになる、豊かで柔らかな二つのそれに、思わず集中する視線。
     日和は顔を真っ赤にすると、胸を押さえてしゃがみ込んだ。
    「くっ……! いっそ殺せ!」
     かかされた恥をどこか嬉しそうに、日和は落ちた水着に手を伸ばす。
    「日和さん!」
     日和を文字通り庇うように、うらりがWOKシールドを展開した。
     不透明な盾が、衣服を整える日和を中心に前衛を包み込んで癒した。
     嬉しそうにステップを踏むアフリカン怪人に、ファルブンはダイダロスベルトを放った。
     白い帯がアフリカン怪人に迫り、腰蓑を切り裂く。
     全身タイツで実害はないのに身をくねらせるアフリカン怪人に、ファルブンは問いかけた。
    「あなた、元は何の怪人さんだったんですか? たれカツ丼? へぎそば? ポッポ焼き?」
     挙げられる新潟名物に、アフリカン怪人はステップを踏むのをやめる。
    「あ、あいは~」
     アフリカン怪人は何かを思い出すように頭に手をやると、落ちた腰蓑を拾い上げた。
     その隙を逃さなかった。
    「いっくよ!」
     夜空は声を上げると、一気に駆け出した。
     バスターライフルの銃底で、アフリカン怪人を殴りつける。
     衝撃に頭をクラクラさせたアフリカン怪人に、白い帯が迫った。
    「大会出場の、邪魔はさせぬ!」
     雛が放ったレイザースラストに弾かれて、アフリカン怪人がよろめく。
    「そぉい!」 
     掛け声と共に放たれたジュラルのドロップキックが鳩尾に決まる。
     たたらを踏んだアフリカン怪人に、クロスグレイブが迫った。
    「うぇーい」
    「ほ、ほんやぁ!?」
     テンションの低い声と共に放たれた十字架にどつかれたアフリカン怪人は、それでもギリギリでプールサイドへとどまった。
     一瞬ホッとしたアフリカン怪人の体が、宙に浮く。
    「えぇいっ!」
     オリヴィエの全身タックルがアフリカン怪人の足に決まり、諸共プールへ落ちる。
     水中で手を離したオリヴィエは、水面に上がるとアフリカン怪人に指を突きつけた。
    「ぷぁ。……怪人め、自分のご当地の色までなくして、何がご当地怪人だ! これ以上好きにはさせないぞ!」
     オリヴィエは大きく叫ぶと、うらりを振り返った。
     うらりの癒えきらない傷に、オリヴィエが護符揃えを構えた。
     無数の符が、うらりの傷を癒す。ホッと一息ついたうらりに、オリヴィエはプール内から心配そうに声を掛けた。
    「大丈夫?」
    「ありがとう。……早く水泳部さん達に、プール返してあげないとね!」
    「うん!」
     元気よく頷いたオリヴィエは、プールサイドに手をかけた。
     ジュラルのナノナノ・軍師殿が、急いで日和の傍に飛んでいった。
     ナノナノの姿に、水着を着終えた日和が力強く微笑む。
    「わいは大丈夫だ!」
    「ナノ!」
     飛び出した五島弁に、軍師殿は問答無用でふわふわハートを放った。


     プールに落ちた怪人は、いったん沈むとすぐに浮かび上がって来た。
     腰蓑をしっかりと握りしめたアフリカン怪人は、抗議するように水面を叩いた。
    「ほえや~へんや~!!」
    「もはや新潟怪人っぽさが欠片も残ってないな。つーか何喋ってるのかさっぱりわかんねぇよ、日本でおk」
     面倒くさそうに見下すジュラルの声に、アフリカン怪人は思わず黙り込んだ。
    「どんなに暑くても新潟への愛を忘れちゃダメです! 貴方が本当に広めたいことは、アフリカなんかじゃないでしょう?」
     ファルブンの声に、アフリカン怪人は水面に映った自分の姿を見つめた。
    「ほ、ほえ~?」
     プールに入って、少し頭が冷めたのか。アフリカン怪人は己が何者なのか苦悶するような表情で頭を抱えた。
    「エネルギー、フルチャージ。シュゥゥゥトォッ!!」
     少しだけシリアスな空気を引き裂くように、夜空が放ったマジックミサイルがアフリカン怪人に突き刺さった。
    「えんや~!!」
    「ゆけ! サイボーグ・カバ!」
    「己のトラウマに沈むがいい!」
     日和の語りによって現れたサイボーグのカバが、凶暴な口を開けてアフリカン怪人に襲い掛かった。
     口からビームを放つサイボーグ・カバの攻撃に呼応するように、雛の影喰らいがアフリカン怪人を襲う。
     アフリカン怪人の直前で大きく形を変えた影は、見たことのない怪人の姿に変わり、アフリカン怪人を締め上げた。
     大ダメージを負ったアフリカン怪人は、己への疑問を振り払うと大きく腕を振り上げた。
    「はらえ~~や~~~!!」
     アフリカっぽい歌が響き、広範囲な音の振動が前衛を襲った。
     アフリカの悠久の大地を思わせる歌が響き、歌声とそぐわない音波が引き裂く刃となって前衛に迫る。
     うらりは三たびWOKシールドを展開した。
     半透明な盾が音の波を軽減する。霊犬の黒潮号が、うらりの盾が弱いところをガードする。
     感涙にむせぶアフリカン怪人を、うらりは軽く睨んだ。
    「アフリカの怪人達には、少しだけ因縁があるのよね。さっさと倒しましょう!」
    「だなぁ。ただでさえ暑いっつーに、さーらにクッソ暑くなってるからなぁ。さっさとボコって涼を取りに行こうぜぃ」
     ジュラルはけだるそうに言うと、魔導書を開いた。
     魔導書より放たれる、アフリカンを否定する光線がアフリカン怪人に突き刺さる。
     仮面が欠けたアフリカン怪人は、何かを思い出すように両手を見つめた。
     呆然とするアフリカン怪人に、攻撃が迫った。
     WOKシールドのお蔭でダメージが最小限に抑えられたのを確認したオリヴィエは、プールサイドを蹴ると一気にジャンプした。
     そのまま、踵落としの要領で怪人の頭を一気に蹴りつけた。
     攻撃後着水したオリヴィエは、一旦深く潜るとまた浮かび上がる。
    「ぷはっ……! 何だい、外にいるより楽な位だっ!」
     攻撃を受けてよろめいたアフリカン怪人に、無数の砲弾が迫った。
     黙示録砲からの砲弾が前段着弾したのを確認したファルブンは、アフリカ化のメッキがはげかけているアフリカン怪人を説得するように問いかけた。
    「せめて日本らしく夏祭り化とかにしましょう!」
    「なんや~~!」
     ファルブンの問いかけに、アフリカン怪人は何を思ったのかくるりと身を翻すと、反対側のプールサイドへ泳ぎ出した。
     意外と達者なアフリカン怪人の動きが、反対側のプールサイド間際で止まる。
    「あんや~~」
    「ふふ、何処へ行くのかなー?」
     静かにプール内へ移動していたガーゼが放った影縛りが、プール際でアフリカン怪人を止める。
     Sっ気混じりに微笑むガーゼに、アフリカン怪人は大きく口を開けた。


     アフリカン怪人の口から溢れ出したのは、新潟民謡だった。
     アフリカっぽさの残る新潟民謡は、本来のアフリカンボイスの効果を発揮できてはいない。だが、歌は確かにアフリカン怪人を癒した。
     同時に、眩しい光がアフリカン怪人より放たれる。
     光が収まったとき、そこには別の怪人がいた。
    「ふ……ふふ! はーっはっはっは! 礼を言うぞ灼滅者ども!」
     それは仮面の上に腰蓑を乗せた、パスタのような怪人だった。
     いや。パスタではない。ソース焼きそばにトマトやミートのソースをかけた、新潟県民のソウルフードの一つ。
    「俺はアフリカン怪人ではなーい! 新潟名物・イタリアン怪人だ!」
    「すごい! 思い出したのね!」
     手を叩いて喜ぶファルブンに、イタリアン怪人は得意げに腕を組んだ。
    「俺はアフ……」
    「アフリカ退散! 必殺、マグロダイブキィィィック!」
     プールサイドを回り込んだうらりは、畳みかけるチャンスとプールサイドを蹴った。
     高低差を利用した飛び蹴りが、イタリアン怪人を直撃する。三崎港で水揚げされたマグロのオーラを纏った蹴りがイタリアン頭を直撃し、そのままプールに飛び込んだ。
    「な、何をする! 水に濡れることが怖くないのか!」
    「漁港生まれを舐めないでよね! 水に濡れた程度で萎れると思ったら大間違いよ!」
     水着っぽい戦闘装束に身を包んで器用に立ち泳ぎをしながら、うらりはイタリアン怪人を振り返った。
    「さっさと終わらせるか」
     気怠そうに言ったガーゼはクロスグレイブを構えると、一気に突き出した。
     イタリアン怪人が避けた先に、ジュラルのクロスグレイブが火を噴く。
    「日本語、喋れんじゃん」
     プールの水が氷りつき、イタリアン怪人の動きを止める。
     そこへ、雛の影喰らいが巻き付いた。
     全身を黒い影で覆われたイタリアン怪人は、苦悶の声を上げながら手を伸ばした。
    「どんな苦境でも、最後は必ず逆転勝利する。それが正義の味方だよね!」
     夜空の元気な声と共に、バスターライフルからビームが放たれる。
    「新潟イタリアン万 歳!!」
     両手を上げたイタリアン怪人が上げた水しぶきが消えた時、そこには何も残ってはいなかった。


     静けさを取り戻したプールに、雛は一礼した。
     武道の挨拶のようにきちんとした礼に頭を上げた雛は、仲間達を振り返った。
    「お疲れ様だ。――ここの水泳部員達、大会でいい結果を出せるといいが」
     少し首を傾げた雛は、真剣な様子のコーチや部長を思い出して一つ頷いた。
    「そうだなぁ」
     ジュラルは大きく伸びをすると、トマトジュースをあおった。
    「悪は滅びた。……とまあ長々居座って練習の邪魔するのも悪いし、さっさと退散して、かき氷でも食いに行きましょうぜ」
    「待って! その前に、戦闘の痕跡だけ掃除して帰らなきゃ」
    「私も手伝うよ!」
     うらりとファルブンは、一緒にプールを整える。
     ファルブンに貰ったジュースを開けながら、雛はプールを振り返った。
     もう少ししたら、水泳部員達が帰って来て、また練習を再開するだろう。
     頑張る部員達を思い、雛は小さく手を振った。
    「あれほど真剣だったのだから、きっと問題ないだろう」
     雛はプールを一度だけ振り返ると、先を行く仲間たちの背中を追いかけ駆け出した。

    作者:三ノ木咲紀 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年8月7日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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