竜種イフリートの洞窟

    作者:三ノ木咲紀

     目を覚ましたら、何故か洞窟の中だった。
     佐伯・雄一は痛む頭を一つ振ると、周囲を見渡した。
     自然にできたような洞窟で、天井の割れ目から陽の光が差し込んでいる。
     天井は高く、上からは抜けられそうにない。
    「……え? ここはどこだ? 俺はなんで、こんなところに……」
     確か雄一は、三宮で夏季アルバイトの面接に行っていたはずだった。
     実入りも良くて楽な仕事。いいバイトにありつけそうだと思っていたのだが、どうしてこんなところにいるのか全く分からない。
    「と、とにかくここから出よう。それにしても暑いな」
     混乱した雄一は、出口と思われる日の光が見える方へと歩き出した。
     洞窟の奥で、赤い目が光る。
     雄一は最後まで、危険な獣が迫っていることに、気づくことはなかった。


    「洞窟に迷い込んだ一般人が、竜種イフリートに殺される事件が発生してしまうんや。皆は雄一はんを助けたって欲しいんやわ」
     くるみは黒板に貼った地図を見ると、北陸地方の山奥を指差した。
    「場所はここ。雄一はんは三宮でバイトの面接を受けた、言うてたけど、えらい離れたところで見つかりはるんやわ。ここは竜種イフリートの洞窟でな、今まで身をひそめてた隠れ家みたいなもんや。なんで竜種イフリートの洞窟に雄一はんが迷い込んでもうたんかは分からへん。せやけど、今やったら雄一はんを救出して竜種イフリートを灼滅することも可能や」
     竜種イフリートは、元々あった小さな洞窟を広げて、自分の住みやすいサイズにして使っている。
     竜種イフリートは大型犬くらいの大きさで、洞窟内で戦うにはギリギリといったところか。
     天井に裂け目があり、光が入ってきているため灯りはさほど必要ない。
     外は割と開けた場所で、一般人を守りながらおびき寄せることができれば、有利に戦うことができる。
    「この竜種イフリートは、姿を見た者を全部殺そうとするんやわ。そやさかい、雄一はんが竜種イフリートと接触する前に救出したってや」
     雄一は混乱しながらも、出口と思われる光に向かって歩いている。
     救助に来たと言えば、信じて貰える可能性は高い。
     竜種イフリートのポジションはクラッシャー。
     ファイアブラッドのサイキックを使う。
    「バイトの面接受けただけやのに、起きたら洞窟やったとか、災難やなぁ。雄一はん救出が第一やけど、この際やから竜種イフリートも灼滅したってや!」
     くるみはにかっと笑うと、親指を立てた。


    参加者
    ギィ・ラフィット(カラブラン・d01039)
    本山・葵(緑色の香辛料・d02310)
    リーグレット・ブランディーバ(ノーブルスカーレット・d07050)
    虹真・美夜(紅蝕・d10062)
    名無・九号(赤貧大学生・d25238)
    宮野・連(炎の武術家・d27306)
    阿礼谷・千波(一殺多生・d28212)
    榊原・結慰(四劫の翼・d28565)

    ■リプレイ

     竜種イフリートがいると予知された洞窟を、本山・葵(緑色の香辛料・d02310)は覗きこんだ。
    「三宮から北陸とかどう考えても人為的だろ。竜種イフリートの邪魔したいやつでもいるのか?」
     葵は不審そうに周囲を見渡した。
     観察する者がいるのか確認してみたが、見た限り監視の目はなさそうだった。
     葵は一つため息をつくと、急いで仲間の後を追った。


     薄暗い洞窟を不安そうに歩く雄一の背後に、危険な獣が迫っていた。
     一般人である雄一は、背後に気付かない。
     人の気配に救助が来たと思った雄一が、ホッとした様子で大きく手を振った。
    「おおーい! こっちです!」
    「危ない!」
     阿礼谷・千波(一殺多生・d28212)は薄暗い洞窟を一気に駆けると、呑気な雄一の手を強引に引いた。
     息を潜め、獲物に襲い掛かろうとしていた牙が、千波の腕を噛む。
     同時に巻き起こる炎。鋭い牙の一撃を、千波は眉をひそめて耐えた。
    「四劫が廻り巡る1と0の法則」
     落ち着いた声と同時に放たれた癒しの光が、千波に降り立った。
     榊原・結慰(四劫の翼・d28565)が放つ癒しの光が、千波を癒し炎を消し止める。
     癒えきらない傷に、虹真・美夜(紅蝕・d10062)が手を掲げた。
     白い炎が前衛を包み、癒えきらない傷を癒す。
    「全く……。この暑い中、随分元気に暴れまわってくれるじゃない」
     一般人を庇いながらで防御が完全ではなかったとはいえ、侮れない攻撃力だ。
     何事が起きたのか分からずにへたり込む雄一の手を、宮野・連(炎の武術家・d27306)は取った。
    「無事か?」
    「は、はい。でも、あなた方は……」
    「話は後だ、行くぞ!」
    「は、はい!」
     プラチナチケットの効果もあり、雄一は素直に頷いた。
    「出口はあっちだ! 気を付けろよ!」
     葵の声を背中に受けながら、連と雄一は歩き出す。
     雄一が安全な場所に行くまでは、ゆっくり後退しながら足止めに専念する。
     竜種イフリートの唸り声を聞きながら、灼滅者達は静かに後ずさった。


     危険な目を光らせながら、竜種イフリートが牙を剥く。
     獲物を横取りされたと思ったのだろう。竜種イフリートは腹立たしげに大きく口を開けると、灼熱のブレスを放った。
     猛烈な炎が前衛を襲う。
     炎の前に、連のビハインド・鈴さんが躍り出た。
     リーグレット・ブランディーバ(ノーブルスカーレット・d07050)を守った鈴さんは、炎に巻かれて大きく後退する。
     鈴さんと入れ替わるように前に出たリーグレットは、蛇のようにうねるロンダ・ル・ヴァリエを構えた。
    「あの青年……。誰が何故ここまで運んだのか気になる所だが……」
     狙い違わず伸びたロンダ・ル・ヴァリエが、洞窟の空気を切り裂く。
     鞭剣に引き裂かれた竜種イフリートは、獲物の反撃に大きくのけぞった。
    「まあ、お前に聞いても分かるはずがないか」
    「幻獣種イフリートも大概知性と縁遠かったっすけど、竜種となると、もうどうしようもないっすからね。……殲具解放!」
     ギィ・ラフィット(カラブラン・d01039)はリーグレットと入れ替わるように前に出ると、無敵斬艦刀『剥守割砕』を振りかぶった。
     振り下ろされる重い一撃に、竜種イフリートは大きくのけぞった。
     後退した竜種イフリートの隙に、葵は交通標識を構えた。
    「洞窟は狭くていけねぇな!」
    「炎注意」と書かれた黄色い標識にスタイルチェンジした交通標識から、光が溢れ出す。
     敵の攻撃への耐性を得た前衛に、被せるように結慰の清めの風が吹き抜け、美夜の白い炎が傷を癒す。
     美夜は出口を振り返ると、そこまでの足場や障害物を確認した。
    「雄一さんは、視界にはいないわ。後、少し先に大きな岩がある。足を取られないようにね」
     美夜の声に頷いた名無・九号(赤貧大学生・d25238)は手を挙げると、殺界形成を放つ。
     完全な力を発揮しにくい洞窟の中を、灼滅者達はヒット&アウェーの動きで少しずつ出口へ向けて後退していった。


     その頃。
     雄一を連れて避難していた連は、安全圏へ向かって走っていた。
     北陸地方の山奥のこと。昼なお暗い森の中だが、人の手は入っている。
     生い茂る下草にモタモタする雄一を連れて、連は安全圏へと急いだ。
    「と……ところで、あなた達は、どうして、あそこに?」
     息を弾ませながらも問う雄一に、連は答えた。
    「あそこは何らかの動物が掘った洞窟でな。その動物が残ってる可能性や、崩壊する可能性が否めねぇんだわ。だから俺らは巡回してんだ」
    「さ、山岳救助隊か、何か、なんですね」
     息も絶え絶えな雄一を連れた連は、来る時に通った林道にたどり着いた。
    「や、やっと道だ……」
     へたる雄一の隣で、連は無線機で仲間に連絡を入れると雄一を見下ろした。
    「じゃあ、後は行けるな?」
    「え!?」
     突然の言葉に、雄一は驚いて顔を上げた。
    「地図もあるから、大丈夫だろう。俺はさっきの獣を退治しに……」
    「ち、ちょっと、待って! ちゃんと人里に連れてってくださいよ!」
    「あぁ、分かった! 分かったから離せ、な?」
     死に物狂いで連の足にしがみつく雄一に、連は途方に暮れたように空を見上げた。


    「避難完了ね? 分かったわ」
     連からの無線連絡を受けた千波は、仲間に声を掛けた。
    「皆! 雄一さんの避難完了よ!」
    「よっしゃ! やっと外に出られるぜ!」
     狭い場所にうんざりしていた葵は、竜種イフリートを警戒しながらも出口から外へと駆け出した。
     一気に動いた灼滅者達に、竜種イフリートは猛然と駆け出した。
     広い場所に躍り出ようとした竜種イフリートが、突然弾け飛んだ。
     振り向きざま振り抜いた九号の盾が、竜種イフリートの鼻面に直撃する。
     反作用で弾き飛ばされてへたり込む九号に、竜種イフリートは怒りの目を向けた。
     炎を帯びた鋭い牙が、尻餅をついた九号に襲い掛かる。
     全てを引き裂く牙を、駆け出した千波の霊犬・リコが受け止める。
     牙をまともに受けたリコは、小さな悲鳴を上げると消えていった。
    「ここからは、あたしたちが攻める番だぜ!」
     広い空間に大きく伸びをした葵は、竜種イフリートに突きつけた交通標識を振り上げた。
    「炎禁止」の文字か書かれた赤い標識にスタイルチェンジした交通標識が、竜種イフリートの横面を張り倒す。
     横にそれた竜種イフリートの脳天に、リーグレットの踵が突き刺さった。
     流星の重力と煌めきを纏ったハイヒール――エトフィラムが、屈服させるように竜種イフリートの頭を下げさせる。
    「ふぅん、竜種イフリートと聞いていたのでもう少し大きいのを想像していたのだがな。ちゃんと楽しませてくれるのか?」
     昂然と見下ろす視線を憎々しげに見上げた竜種イフリートは、低い唸り声を上げた。
     千波の魔導書から溢れ出す原罪の紋章が、竜種イフリートに向かっていく。
    「アンタの原罪、身をもって知りなさい!」
     紋章の直撃を受けて身をよじる竜種イフリートの死角から、炎を帯びた無敵斬艦刀が薙いだ。
    「さあ、燃えるといいっすよ!」
     大きく裂かれた竜種イフリートの傷口から、竜種イフリートのものではない炎が燃え上がる。
     拍手喝采を浴びたような音を立てながら炎に包まれた竜種イフリートは、それでもまだ戦意が衰えない。
    「まぁ、サウナダイエットだと思って、さっさと片付けるとしましょ?」
     美夜は右腕を半獣化させると、大きく振りかぶった。
     一気に振り下ろされた巨大な爪が、竜種イフリートの胴をとらえる。
    「竜種のイフリートねぇ……。アラビア半島に居る人達が聞いたら、何て反応するんだろう?」
     唸り声を上げる竜種イフリートに、結慰は影縛りを放った。
     結慰から伸びる影が、竜種イフリートを捕らえるように広がる。
     ジャンプで避けた竜種イフリートは、岩場の上に立つと大きく咆えた。


     咆哮と共に放たれた炎が、前衛を襲う。
     全てを滅するような灼熱の炎が、薙ぎ払うように放たれる。
     九号を中心に巻き起こる炎の嵐を割るように、新たな炎が巻き起こった。
     九号に守られて無傷のリーグレットが、炎を纏ったエトフィラムを竜種イフリートの腹に食い込ませる。
    「雄一を食えなくて、残念だったな!」
     ダンスのステップのように着地したリーグレットの隣を、漆黒の刀が駆け抜けた。
     黒い刀身に紅蓮のオーラを纏わせたギィが、竜種イフリートに向けて大きく無敵斬艦刀『剥守割砕』を振り抜く。
    「痛いじゃ、ないっすか!」
     切り裂かれた竜種イフリートから溢れる血が、ギィの無敵斬艦刀『剥守割砕』に吸い込まれていく。
     血と炎を体に浴びて回復したギィは、唇の端を上げた。
     千波は熱波を受けた自分の二の腕を掴むと、オーラを集めた。
    「熱いじゃない! この暑いのに!」
     戦うオーラが癒しに換えた千波は、引いていく痛みに息を吐いた。
     回復が追いついていない九号を中心に、美夜は白い炎を投げかけた。
     だが、まだ足りない。灼熱のブレスの直撃を受けた前衛の傷は、深いものだった。
     そこへ、癒しが降り立った。
     結慰が解き放った癒しの風が、前衛を吹き抜けその傷を癒す。
     結慰は竜種イフリートを見た。大型犬のような竜種イフリートは、体中に傷を負いながらも、まだ灼滅者達に好戦的な視線を投げかけている。
     全身から溢れる炎に、結慰は小さく息を吐いた。
    「有翼巨人の存在だと教えられてたのに姿が全然違うし、多彩な魔術を扱える存在だと教えられてたのに炎しか扱えないとか……」
    「大きな犬は、しつけねぇとな!」
     葵は影業を竜種イフリートに向けると、影を放った。
     生き物のように伸びる影が、竜種イフリートの足を捕らえる。
     一瞬動きを止めた竜種イフリートは、怒りに目をぎらつかせた。


     竜種イフリートは岩場を蹴ると、ブレスを受けて血まみれで転がっている九号へ向けて牙を剥けた。
     回復が追いつかないままの九号は、迫り来る牙に身を竦めた。
     重傷を覚悟した九号だったが、痛みは襲って来なかった。
    「悪ぃ! 遅くなった!」
     雄一の避難から戻った連が、九号を庇って竜種イフリートの牙を腕で受け止めた。
     襲う痛みに歯を食いしばる連に、竜種イフリートの猛攻は続く。
    「お注射の時間ですよ?」
     そっと忍び寄っていた美夜が、Crimson Kissを首筋に打ち込む。
     打ち込まれる猛毒に、竜種イフリートは連を離してのけぞった。
     痛みに暴れ出す竜種イフリートを遠ざけるように、リーグレットはグラインドファイアを放った。
     吹き飛ばされた竜種イフリートに、葵は影喰らいを放った。
     着地し、バックステップで避けた竜種イフリートに、ギィのギルティクロスが突き刺さった。
     体毛より赤い逆十字が竜種イフリートを遠ざける。
     竜種イフリートは距離を保ったまま、用心深くこちらを見てうなりを上げた。
     敵も相当消耗しているが、なお攻撃の意思を感じる。
     ビリビリくる視線を感じながらも、結慰は九号に駆け寄った。
    「九号さん! ごめんなさい、今……」
     結慰が癒しを使おうとするのを、九号は手で遮った。
    「いえ、連さんを優先してください。私は大丈夫ですから」
    「でも……」
     申し訳なさそうな結慰に、九号は首を横に振った。
    「私は、いわゆるモブ体質でして。影が薄くて、こういう扱いには慣れていますから」
     九号は軽く笑うと、竜種イフリートを睨みつけた。
    「邪魔なんだよ、竜種イフリートが!」
     竜種イフリートゆえの獰猛さに対抗するように、九号はシャウトを放った。
     思わず出た地の自分を構うことなく上げた叫び声は、九号の傷を癒していく。
     肩で息をする九号の調子を確認した結慰は、軽く頷くと癒しの矢を連に放った。
     連に向かった矢は当たるたびに光の膜となり、連を癒す。
    「さて。遅くなっちまったが……。あと一息、ってとこか?」
     唸り声を上げる竜種イフリートに狙いを定めながら、連はバベルブレイカーを構えた。


     全身に傷を負いながらも、竜種イフリートは回復をしなかった。
     猛烈なブレスが、再び前衛へと襲い掛かる。
     前衛を炎に巻き、竜種イフリートが油断したその一瞬を、灼滅者達は逃さなかった。
    「サウナダイエットも、そろそろおしまい!」
    「ここで会ったのが、運の尽きね!」
     美夜が放った逆十字の魔力が、竜種イフリートに叩き込まれた直後、一気に距離を詰めた千波のティアーズリッパーが閃いた。
    「お痛が過ぎるぜ?」
    「真実って、本当に残酷だね」
     葵が放った影縛りが竜種イフリートの動きを再び封じ、結慰が放った癒しの風が前衛の体力と気力を取り戻させた。
    「さあ、この斬艦刀の錆になるといいっすよ!」
    「それなりには、楽しませて貰ったぞ」
    「君のことは……たぶん、忘れるね」
     ギィの無敵斬艦刀が叩き割るように竜種イフリートに迫り、リーグレットのグラインドファイアが竜種イフリートを蹴り飛ばし、九号のスターゲイザーが竜種イフリートを地面に縫い付ける。
    「じゃあな、竜種イフリート!」
     連が放った尖烈のドグマスパイクが、竜種イフリートを大きく穿ち、弾き飛ばした。
     竜種イフリートはよろりと立ち上がると、空を見上げて遠吠えをした。
     竜種イフリートの体が、細かく割れる。
     弾けて消えるその瞬間まで、竜種イフリートは遠吠えをやめなかった。


     遠吠えとなって消えた竜種イフリートを見送った葵は、改めて周囲を見渡した。
     もう一度観察者がいないか確認したが、それらしい物も人も発見できず、洞窟内には何もなかった。
     人心地ついた千波は、空を見上げて呟いた。
    「あいつも、縄張りに入られたから対応しただけなのに。可哀想ねぇ……」
     哀れに思う千波の声に、美夜はふと顔を上げた。
    「そういえば。雄一さんはどうなの?」
    「あぁ。興奮してたから、何とか言い含めて置いて来た。地図があるから大丈夫だろう」
    「地図?」
     首を傾げるギィに、全員は顔を見合わせた。
    「まぁ、色々聞きたいこともあるし、行ってみたらいいのではないか?」
     リーグレットの提案に、全員で林道へ向かった。
     果たして、雄一はそこにいた。
     下手に連を追いかけて山の中に踏み入れられたら、遭難は必至だ。その場で待機していた雄一に、連は胸を撫で下ろした。
     膝を抱えてのの字を書いていた雄一は、現れた灼滅者達に顔を上げた。
    「あぁ! やっと来てくれたぁっ! 僕、ひとりぼっちで怖かったんですからね!」
    「すまんすまん。山犬を退治しないといけなかったからな」
     連の顔に安心したのか、雄一は目から大粒の涙を零した。
    「だって! 追いかけ、ようとしたら、なんか怖いし! どっち、行けばいいか、分かんないし! バイトの、面接で、コーヒー飲んだだけなのに、なんでこんなことになるんだよぉ!」
     今までのストレスを吐き出すように、雄一は泣きだした。
     色々聞きたいこともあったが、とても聞き出せる状態ではない。
     べそべそ泣く雄一を宥めすかしながら、灼滅者達は山を下りていった。

    作者:三ノ木咲紀 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年8月8日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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