松戸密室掃討作戦~武の密室

    作者:聖山葵

    「松戸市で発生していた密室事件は知っていると思う」
     君達の前に現れた、座本・はるひ(大学生エクスブレイン・dn0088)は先日この松戸市の密室事件を起こしていたMAD六六六の幹部になっていたハレルヤ・シオンの救出に成功したことも聞いているかと質問を投げる。
    「知っているなら、話は早い。今回集まって貰ったのはそれに関連しているのでね」
     ハレルヤは、MAD六六六の幹部だった。そして松戸の密室の警備を担当していたこともあった為に救出されたことで武蔵坂学園は松戸市の密室の詳しい情報を得る事ができたのだ。
    「この情報を遊ばせておく理由もない。故に今回、得た情報を元に松戸市の密室を一掃する作戦を行う事になった」
     松戸市の密室を一掃することが出来れば、迷宮殺人鬼・アツシが引き篭もる密室への侵入も可能になるらしい。
    「君達にもこの作戦の一端を担って貰いたい。アツシを灼滅すれば、松戸の密室事件を完全に解決する事ができると思われるのでね」
     腕を組んだまま君達へ視線を向けていたはるひは、そこまで告げると、脇で筒状に丸められていた紙を広げた。
    「次に密室の情報についてだが、この紙を見て貰いたい」
     君達へよく見えるよう上下が反転させた紙に書かれていたのは、何やらトーナメント表のようなもの。
    「これは、松戸のとある道場を密室化したアンブレイカブルの作ったトーナメント表だ。ただし、勝った方が先に進むのではなく、負けた方が先へ進む方式になっていて、負け抜けた者は、密室の主であるアンブレイカブルに殺される、と言う訳だ」
     弱者は唾棄すべき者とでも思っているのか、他に意図があるのかは不明だが、無闇やたらと密室に囚われた人々を虐殺する訳でもなく、トーナメントの審判を自ら務める時は、公平であり、怪我をしたなら手当は認めている。
    「他にも戦いと戦いの間にも体力を回復する為の時間をもうけるなど、囚われた人同士が戦う時は全力で当たれるように支援しているようにさえ見える。まぁ、アンブレイカブルというダークネスであることを鑑みれば、おかしい行動ではないと思うがね」
     むしろ、ひたすら強さを求め狂える武人らしいのかもしれない。
    「無論、囚われた人々にはたまったものではないだろう。密室は大きく分けてトーナメント戦を行う道場と、門下生が寝泊まりしていたであろう居住スペース、道具などがしまわれていた倉庫からなる」
     アンブレイカブルが居るのは基本的に道場で、密室に囚われた人々は普段居住スペースに押し込まれ、戦いの時だけ道場に呼び出される形らしい。
    「囚われた一般人の救出を考えるなら、試合が終わって一般人が居住スペースの方に引っ込んだ直後を推奨する」
     このタイミングであれば、道場にはダークネスしか居らず、戦いに一般人が巻き込まれる恐れはない。
    「戦闘になれば、アンブレイカブルの男はストリートファイターとバトルオーラのサイキックに似た攻撃で応戦してくる」
     この時、一般人が側にいても盾にしたり人質にすることは一切ない。
    「アンブレイカブルらしい、とでも言おうか。君達が強敵と見れば、喜び、おそらく密室内の一般人のことなど、一時的に頭から抜け落ちる」
     一般人の救出を考えるなら相当与し易い相手であるかもしれない。
    「これは松戸の密室事件を完全に解決するチャンスであると言っても過言はない、故に――」
     君達の善戦を期待させて貰う。そう、締めくくったはるひは教室を後にする君達を見届け、広げられていた紙を再び、丸め始めた。


    参加者
    佐津・仁貴(厨二病殺刃鬼・d06044)
    銀・紫桜里(桜華剣征・d07253)
    桜庭・遥(名誉図書委員・d17900)
    東雲・菜々乃(暑さに負ける中学生・d18427)
    ホテルス・アムレティア(斬神騎士・d20988)
    水無月・詩乃(稟武蒼青・d25132)
    有城・雄哉(高校生ストリートファイター・d31751)

    ■リプレイ

    ●乱入者を前に
    「道場というものにくるのもひさしぶりですね」
     確かに、道場と言えば道場ではあるのだろう。蹌踉めきつつも去って行く一般人をやり過ごし、東雲・菜々乃(暑さに負ける中学生・d18427)達の視線が向く先は、密室の一部でありつつも道場には違いない。
    (「密室……という割には出入りがなんとなく自由なイメージがあったりするんだが……な」)
     胸中で呟く佐津・仁貴(厨二病殺刃鬼・d06044)の足下を点々と続く赤い点は、試合で怪我でもした一般人のものか。
    (「強さを求めるという事自体は悪くは思いませんが、其れを他人に押し付ける等と言語道断!」)
     拳を握りしめ、顔を上げたホテルス・アムレティア(斬神騎士・d20988)の瞳に映る道場の戸は徐々に大きくなり。
    「手強い相手でしょうが……それでも負けるわけには参りませんね」
    「そうですね、必ずや勝利を掴みましょうぞ!」
    「は、はい。こ、この密室はわたしたちで解決しましょう」
     戸に手が届くよりも早く、水無月・詩乃(稟武蒼青・d25132)の漏らした言葉へ、ホテルスは桜庭・遥(名誉図書委員・d17900)と共に頷く。
    「突入タイミングとしては……この上なし、と言ったところでしょうか」
    「一般人を巻き込むのは、防げそうですね」
     中にいた一般人はすれ違ったばかり、セラフィーナ・ドールハウス(人形師・d25752)や銀・紫桜里(桜華剣征・d07253)も見る戸の向こうには、おそらく密室の主のみ。
    「わ、わたしたち、道場破りに来ました」
    「ほう」
     事実、開け放たれた戸の向こうで遥の声に顔を上げ灼滅者達を一瞥したのは、中にいた男一人だけだった。
    「我々は灼滅者、そして我輩は騎士ホテルス!」
    「招かれざる何とやらか、だが丁度良い」
     道場破りと言う単語から一同を自分へ挑む者と見たか、ホテルスが自分達の素性を灼滅者と明かしたからか、構えをとった男の身体からは闘気の奔流が噴き出し、揺れた。
    「おい、お前の名は?」
     そんな臨戦態勢を取る仁貴が問いを投げたのは、流石に呼び名がなければ不便と感じたからだが。
    「ふん。実るに居たらぬ武に名は不要、呼びたかったら好きに呼べ」
     鼻を鳴らした男はにべもない。
    「お前の名前はレイカブルだ……鞍部=レイカブル」
     ただ、仁貴も男の回答は想定済みで、ならばと勝手に命名してみせる。
    「好きにするがいい」
    「しかし、本当に取り付く暇なしだな」
     ぶつけたい問いは仁貴にとって他にも有ったが、望む答えが返ってくるとは思えない。
    「トーナメントを作って戦わせたりしているのはいけませんね。明らかに勝てる相手と戦ってもそれで満足するのですか?」
    「ふん」
     菜々乃も問いの形でを挑発してみるが、アンブレイカブルはただ鼻を鳴らすだけ。
    「お、おじさんはわたしたちには勝てません!」
    「面白い。だがな、勝てぬというなら、舌ではなくこれで来い」
     唯一反応を見せるのが、遥の口にした様に自分の方が強いと言った形のシンプルな挑発、これと言いつつ拳を握る動作から明らかだったのだ。会話にも言葉にもよりもただ拳を、戦いを望んでいることは。
    「先輩、行こうよ」
     筋肉を隆起させた有城・雄哉(高校生ストリートファイター・d31751)が口を開いたのは、まさにこの時だった。
    「密室解放のために、今はただ、全力で闘うだけ。言葉が通じないなら、会話は不要だしさ」
     ダークネス形態に変じつつ視線を向けた先は、構えをとったままのアンブレイカブル。
    「名前を聞くつもりはないし、こちらから名乗ることもしない。全力で力をぶつけ合う、それだけだ」
    「ふ、それでいい。さぁ、俺を倒して見せろっ」
     ウロボロスブレイドで己を包む様にして守りの構えを作る雄哉へ男は笑みを見せ。
    「我が剣に誓い人々の笑顔を守る為、騎士として必ずや御身に勝利してみせましょう!」
     ホテルスが剣を掲げる中。
    「……いきます」
     しかけたのは、紫桜里だった。

    ●しあい
    「うおおおっ」
     産まれた白光に伴う斬撃がオーラに包んでかざした男の腕とぶつかり。
    「隙あり、なのですよ」
    「ちぃ」
     横からクロスグレイブを振り上げて距離を詰めてきた菜々乃の姿に、舌打ちしたアンブレイカブルは、空いたもう一方の手を突き出した。
    「えっ」
     連係した上、一人目は雄哉の構えやホテルスの宣言が目くらましになっており不意をついたはずだった。
    「残念だったな」
     男の態度はその辺りまで加味しての物だったのだろうが。
    「みゃあっ」
    「な」
     凌いだという判断は速すぎた。菜々乃と同時に動いたウィングキャットが前足で殴りかかっていたのだから。
    「がっ」
     想定外のタイミングで顔面に見舞われたのは、肉球パンチ。シリアスな空気を微妙に台無しにしそうな一撃であったが、それで灼滅者達の攻撃は終わらない。
    「覚悟っ」
    「ぐおおっ」
     巨大化したホテルスの腕が、肉球パンチで前につんのめった男を押し潰し。
    「ぬぅぅぇいっ」
    「くっ」
     巨腕をはね除けアンブレイカブルが立ちあがった直後。
    「わたくしを忘れて頂いては困ります」
    「ぐぅっ」
     死角から詩乃の放つ斬撃が男の急所から赤い尾を引く。
    「ふ、面白い。こうでなくてはつまらん」
     だが、蹌踉めきつつも顔を上げ笑みを作ったアンブレイカブルは、倒れには至らず。
    「俺に傷を付けた礼をしてやろう」
     むしろここからはこちらの番だとばかりに、拳を握り込む。
    「ゆく……うおっ?」
     もっとも、その判断は間違っていた。反撃に出ようとした男の足にはセラフィーナから伸びた細い影が巻き付いていたのだから。
    「騎士、今の内に」
     修道服に身を包み影を手繰る主の言葉へビハインドの聖堂騎士は無言で頷くなり、動きの止まったアンブレイカブルへ襲いかかる。
    「甲冑騎士か、面白い。かかってきて見せろ!」
     つんのめるようにして崩れたバランスを立て直そうとしつつも吼える男に一撃を見舞うべく、聖堂騎士が肉迫し。
    「燃えてください!」
     攻防の結果が他者の目へ明らかになるよりも早くエアシューズを駆って接近した遥が摩擦熱に依って生じた炎を足に纏わせ、蹴りかかる。
    「うおおおおっ」
    「っ」
     咆吼と共に男が一撃を繰り出した瞬間、炎が散った。
    「相殺、された?」
     密室の一つを任されるだけはあると言うことか、そのアンブレイカブルは相応の猛者だった。
    「それだけの実力を持っていて、お前……何故アツシに協力をした……いや、どこで会って何を言われて協力する気になった?」
     思わず唸りつつ、仁貴は疑問を口にし。
    「舌ではなく拳で来いと言」
    「それならしてる、拳でないけどな!」
     答える気のなさそうな男を放っていたどす黒い殺気で押し包む。
    「うぐっ」
    「鏖殺されてしまえ、その殺気に」
     徐々に濃くなる殺気の中にアンブレイカブルの姿は消え。
    「おおおおっ」
     姿が隠れていたのは、ほんの数秒。
    「流石にこの程度じゃ、終わらないか」
     突き破り、絡み付く物は引きちぎるようにして出てくる男に、灼滅者達は身構えた。

    ●激戦
    「ふん、一匹一匹仕留めていけばすぐに終わると思っていたが……」
     戦いは、尚も続いていた。
    「っ、この位の攻撃で倒れるものか! 無理矢理に戦い合わされ! 命を奪われた人達の痛みに比べれば軽い物だ!」
    「回復はまかせてください」
     拳の嵐に翻弄されながらもすぐさま起きあがるホテルスへ、遥は癒しの矢を撃ち出す。
    「無理はしないで下さいね、こちらも支えますから」
    「ありがとうございます、すみません」
     すかさず、前に進み出て後ろを振り向かずアンブレイカブルへ斬りかかる紫桜里を含む二人にホテルスは応じ。
    「ぐぅっ」
    「先程『明らかに勝てる相手と戦ってもそれで満足するのですか』と聞きましたが、あの態度はひょっとして……」
     紫桜里の攻撃に繋ぐ形で蹴りかかった菜々乃は、男の腹に一撃を見舞った反動で飛びずさり、その目をじとーっと見た。
    「ちょっと考えてみたのですよ、囚われた人と戦う事が目的ではなく、追い込まれて闇落ちし産まれたダークネスと戦うつもりだったなら、あの対応も頷けるのです」
     強さを求めるアンブレイカブルが戦うべき猛者を養殖しようとしたなら、何の不思議もない。
    「だんまり、か。こっちの質問に答えてくれたら楽なんだけどな。『アツシという奴は何を企んでいる……密室を作ってダークネスに宛がって何の意味がある?』とか、よっ」
    「ふんっ」
     言ってしまえば無理があるのは仁貴にも解った。敵対してる相手に情報を渡してくださいと言われて、何の見返りも無しに、質疑応答する者が居るかと逆に聞かれたら首を傾げざるを得ないから。
    「今の一撃は悪くなかったぞ」
    「ああ、そうかい」
     死角からの斬撃を弾いた手を振りつつ男が口にしたのは自分へ向けられた一撃への感想のみ。
    「なら、次は僕だ!」
    「ふ、来い!」
     継いで道場の床を蹴った雄哉が拳を繰り出せば、男はこれに応じ。
    「ぐっ」
    「がっ」
     互いに相手へ拳を見舞った両者は、たたらを踏む。
    (「……闘うことが、こんなに楽しいなんて」)
     綻ばせた口の端から血を垂らしつつ、雄哉が覚えたのは喜び。そして、密かに抱いたのは、アンブレイカブルへの共感。
    「うおおおっ」
    「次は、わたくしが」
     上体を起こすなり咆吼する男目掛け飛び出したのは、詩乃だった。
    「くっ」
    「やあっ」
     雨紫光陸之型を振りかぶったまま肉迫した詩乃へとっさにかざした男の腕を殲術道具は打ち。
    「っ、ぐおっ」
     殴打の瞬間に送り込まれたものによって一瞬遅れて腕が内側から爆ぜたことで、アンブレイカブルの身体が衝撃に傾ぐ。
    「今です、ドールハウスさん!」
    「はい」
     詩乃の声に応じた時、セラフィーナは動き始めていた、ビハインドと共に。
    「ぬうっ」
     声を追うように男は首を巡らせるが、バランスを崩された直後。アンブレイカブルの身体が向きを変えるよりも、高速で振るわれた鋼糸がアンブレイカブルの体躯を捉える方が早かった。
    「があっ」
     斬られた男の血が、道場の床を汚し、下半身の無い甲冑騎士がその上を越えて一撃を見舞った。
    「変わりませんね、騎士はあのころと」
     その一撃に何かを重ねたのか、セラフィーナはポツリと呟き。
    「ゆくぞっ!」
     視線を戻せば、もう一人の騎士、ホテルスが膝をつくアンブレイカブルへしかけていた。
    「ぐぅっ、この、程度っ、がっ」
     非物質化したクルセイドソードの斬撃は蹌踉めくようにして身体への命中を避けた男の片腕を通過し、腕の霊的防護を破壊する。
    「ちぃっ」
    「動きが鈍ってきたようだな」
     フォースブレイクと神霊剣をモロに受けた男の片腕に纏っていたオーラが解けて居るのを見て、仁貴は呟く。
    「ダークネスの一人の強さではない、人の力を束ねた強さを見るがいい!」
    「くっ、なり損ない共がっ」
     ホテルスの言う、人の力を束ねた強さはこの人数に不意をつかれ、一斉に襲いかかられても簡単に崩れなかった男を追いつめ始めていた。
    「消えろぉっ」
     雄叫びと共に撃ち出されたオーラが道場の一角を漂白し。
    「おおおおっ」
     耐えてもう一撃見舞おうとする誰かが、オーラの中へ飛び込み。
    「な、なんて無茶を」
     その背に慌てて癒しの力を込めた矢を撃つ者が居て。
    「ば、馬鹿な、がぁっ」
     約一名の無謀さに思わず動きを止めるアンブレイカブルの腹を杭の形をした何かが、貫く。
    「ふん、俺もヤキがまわったか、この程度の事で隙をつくるとはな」
    「いや」
     口の端から血を零しつつ、自重めいた笑みを浮かべた男の言葉を、雄哉は否定しつつ足下に飛び込んでいた。
    「充分、強かったよ」
    「ごふっ」
     仲間の手前、楽しかったとは言えなかったからこそ。告げた直後、雷を宿した利き腕で放ったアッパーカットはアンブレイカブルに無理矢理天井を仰がせる。畳みかけるチャンスだった。
    「これで……、終わりですッ!!」
     紫桜里は非物質化させた殲術道具を上段に構えて斬りかかり。
    「ぐおおおおおっ」
     深々と縦一文字に傷を刻まれた男の身体が仰向けに倒れる。
    「ぐ、ふん……俺も、この程度か」
     起きあがろうとして失敗したアンブレイカブルは、消え始めていた己の腕を見て鼻を慣らすと。
    「墓標には刻む名前は『鞍部=レイカブル』……でいいんだな?」
     仁貴の問いかけへ、好きにしろとだけ答えて、消え去った。

    ●救出の始まり
    「居住スペースは向こうでしたね。怪我とかは治してもらっていたようですが」
     呟いて菜々乃が視線を落とした床には、道しるべのように点々と続く血の跡。
    「手当は認めてると言う話でしたし、救急箱とかを使って出来るようなごく普通の手当だったのではないでしょうか」
     同じ赤い点を見てそう推測したのは、誰だったか。
    「そう言うことなら尚のこと、様子を確認しておくのです。気が付いた事とかありましたら念のために聞いておきましょう」
    「そうですね、助け出した後なら話も聞けるかも知れませんし」
     頷いたセラフィーナを含め、この密室の主に勝利した灼滅者達は囚われていた人々を救うべく、ただ同じ方向へ進んでいた。
    「けど、結局あのアンブレイカブルの名前は解らなかったな」
     倒れた男には勝手に付けた名前を墓碑に刻むと伝え許可は得たものの、幾つかの問いかけにアンブレイカブルは答えぬまま消え、謎だけが残された。いや、それも正しくはないか。
    「あ、扉があるあそこみたいだね」
     声を上げたのは、人間形態に戻っていた、雄哉。
    「後は我輩達で事情説明して、避難誘導するだけですね。参りましょう」
     辿り着いた扉に手をかけ、ホテルスが振り返る。勝ち取った勝利と生き残った人々の未来も残されたのだから。
    「他の密室に行ったみなさんは大丈夫でしょうか」
     次々に仲間達が居住スペースへ入って行く最後尾、遥はは戸に手をかけたまま振り向いて呟いた。

    作者:聖山葵 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年9月4日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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