虫が、夜の空を飛ぶ。
奇怪にして、いびつな怪虫である。
胴体部分は赤と黒の芋虫。浮かび上がる模様はトランプのクローバー。顔に当たる部分には、呪術師めいた面が張り付いていた。
怪虫は、毒々しい蛾のような羽を羽ばたかせ、ゆっくりと飛び続ける。何かを、探すかのように。
やがて、ある一つの家屋の上に留まる。品定めをするかのようにぐるぐると飛び回り、異様に膨れ上がった腹部がその動きに合わせるかのように蠢き続ける。
そして怪虫は、暑さで開けられていた窓の一つから家屋の中へと侵入した。
家の中で眠る、夏休み明けに友達たちと遊ぶことを夢見る少女のソウルボードへと入り込む為に。
その途端、少女は苦しげに呻き声を上げた。だがその声は誰にも届く事無く薄れていき、やがて何事も無かったかのように静かな寝息を立てるのだった。
●
「彩瑠・さくらえ(望月桜・d02131)さんが探られていた情報のお蔭で、絆のベヘリタスの卵に関する事件に関する予知を行うことが出来ました。羽化してしまったベヘリタスの卵のシャドウが、新たな事件を起こそうとしているようです。ここしばらく、絆のベヘリタスの卵に関する予知を行えませんでしたが、恐らく今回の事件もそれに関わっていたと思われます。何がしらの不穏な動きがある事は確実ですので、ぜひ皆さんには灼滅をお願いします」
東雲・彩華(高校生エクスブレイン・dn0235)は普段より硬い声でそう告げると、資料を渡し事件の概要に関して皆に説明を始める。
「羽化したベヘリタスの卵のシャドウは、どこからやって来たのかまでは分かりませんが、資料にある家屋に住む小学四年生、吉田・佳奈(よしだ・かな)ちゃんのソウルボードに深夜二時に侵入します。侵入すると同時に、羽化したベヘリタスの卵のシャドウは佳奈ちゃんの友達を彼女の目の前で貪り食らい、恐怖を与えた上で本人も食べ尽くす悪夢を見せようとするようです」
羽化したベヘリタスのシャドウが起こす事の説明とはいえ、自分の言った事に気分の悪さを感じた彩華は一瞬言葉を止めた後、改めて説明を続ける。
「今回まず皆さんには、ソウルボードに入り込まれた佳奈ちゃんが起きる前にソウルボードの中に入って頂き、ベヘリタスの卵から羽化したシャドウを撃破して頂きます。シャドウがソウルボードに入り、佳奈ちゃんの友達が食べ尽くされた後に彼女自身も食べられてしまえば絶叫と共に目を覚ましてしまいますので、そうなる前にシャドウが入った直後に皆さんも入って頂き、彼女の友達と彼女自身が傷付けられる前に撃退して下さい。
この際の注意事項ですが、ソウルボードに入る前に攻撃を仕掛けようとするとバベルの鎖で察知され別の人間の夢の中に入ってしまい対処できなくなってしまいますので、ソウルボードに入る前に攻撃をすることは止めておいて下さい」
ここまでの内容を理解してくれるのを待ってから、ソウルボード内のシャドウの戦力に関して説明する。
「今回の羽化したベヘリタスのシャドウですが、ソウルボード内では戦闘力は高くありません。今の皆さんの実力ならば、それほど苦労せずに倒せます。使用してくるサイキックは解体ナイフと影業の斬影刃と影縛りに相当するサイキックを使ってきます。ポジションはクラッシャー。シャドウはソウルボードに入った直後である為、悪夢を利用した配下などはおらず、戦う相手はシャドウ本人のみになります。
ここまでは通常のシャドウへの対処と同様なのですが、今回は確実に異なる点があります。それは今回のシャドウはソウルボードを通じて撤退する能力は持たない為、ソウルボード内で撃破する事が出来れば、確実に現実世界に出現してきます。これも確実な灼滅をお願いします」
彩華の言葉に場の空気が僅かに硬くなる。それを受けながら、現実に現れるシャドウの対処法を説明する。
「シャドウの出現場所は、佳奈ちゃんの家から300mほど離れた空き地です。元々は畑だったようですが、新興住宅地として開発されている場所です。まだ住宅の建設は始まっていませんので、時間帯もあり一般人の方達が周囲に訪れる事はありません。ただ戦闘音により不測の事態が起こる可能性もありますので、その点に関しては注意が必要です。
現実に現れたシャドウは戦闘手段やポジションは同じですが、ソウルボード内に比べて強力です。ですが今の皆さんの実力ならば、決して倒せない相手ではありません。どうか灼滅をお願いします」
一息つくような間を開けて、警告のような言葉と、そして激励を口にする。
「今回の敵は絆のベヘリタスの卵から生まれた、ベヘリタスその物とは異なる姿のシャドウです。そしてその腹部に、本体とは別の異なるシャドウの気配を予測した際に感じました。その無数に蠢くような気配は決して強い物ではありませんでしたが、どうか皆さん、今回の敵を倒した後も、決してすぐには気を抜かず気を付けて下さい。
いつも皆さんを危険な場所に送り出すだけで申し訳ありません。私に出来る事は祈る事だけですが、せめて皆さんのご無事を祈らせて頂きます。どうか、皆さんにご武運がありますように」
参加者 | |
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上名木・敦真(大学生シャドウハンター・d10188) |
天木・桜太郎(夢見草・d10960) |
浦原・嫉美(リア充爆破魔法使い・d17149) |
シエラ・ヴラディ(迦陵頻伽・d17370) |
空月・陽太(魔弾の悪魔の弟子・d25198) |
ディエゴ・コルテス(未だ見果てぬ黄金郷・d28617) |
リサ・ヴァニタス(アンバランスライブラ・d33782) |
霞月・芳夜(幾望・d34794) |
●悪夢を撃破せよ
少女の夢が怪物に侵される。
友達と遊ぶ運動場。そこに突如現れた見上げるほど大きい奇怪な虫。それは己が影を伸ばし少女と友達を縛ると、恐怖を煽るようにゆっくりと近づきながら膨れ上がった腹を縦に裂けさせる。
それは巨大な口。少女と彼女の友達を食らうべく、刃物のような歯をカチカチ鳴らし近付いていく。
そして少女は恐怖に声すら上げられず、怪物に食い散らかされる――
その悪夢を、灼滅者達は切り裂いた。
「食べさせるかよ虫ケラ」
目にも止まらぬ斬撃が走る。それは怪虫と共に、少女達を縛っていた影すら切り裂く。
「お前が食える物なんてここには何もない。代わりに嫌というほどサイキックを喰らわせてやるよ」
フードを脱ぎ淡々とした声と無表情で立ちはだかったのは空月・陽太(魔弾の悪魔の弟子・d25198)。突然の攻撃に怪虫が警戒し動きが止まる中、夢の主である少女・佳奈とその友達をシエラ・ヴラディ(迦陵頻伽・d17370)と共に退避させる。
それに気付き改めて襲う掛かろうとする怪虫。しかしそれを、ディエゴ・コルテス(未だ見果てぬ黄金郷・d28617)が抉り止める。
「殺し合いの最中に余所見してんじゃねぇぞ」
螺穿槍が怪虫の横腹を抉り突き刺さる。怪虫は痛みに声を上げ、芋虫の胴体から生えている、本体からすれば短くぶよぶよした脚を振り回す。けれどディエゴはそれを難なく避けると、
「来いよ虫ケラ。ぶっ潰してやる」
自分達に集中するように怪虫を挑発。そしてディエゴが攻撃し注意を引く間に灼滅者達は配置を完成させた。
迎え撃つ怪虫から息が詰まるような殺気が吹き荒れる。
それが佳奈を怯えさせる。これまでの日常全てが否定されるような戦いの中、体を恐怖に強張らせ目には涙が溜まっていた。
それを癒すように、澄んだ歌声が響き渡る。シエラのディーヴァズメロディ。それは怪虫にダメージを与えると共に、佳奈の心を落ち着かせた。
「大丈夫。みんなで守ってあげるから。だから安心して……」
背に庇う佳奈に、シエラは優しく微笑む。それが佳奈の心を包み込み、恐怖ではなく安堵で涙を流させた。
それに怒りの声を怪虫は上げようとするも、先んじてシエラの霊犬・てぃんだの斬魔刀が切り裂き止める。
そこへ天木・桜太郎(夢見草・d10960)の炎纏う攻撃が追撃で入った。
「虫が炎に勝てると思うなよ!」
エアシューズでローラーダッシュ。反応する余裕すら与えず間合いを制するとグラインドファイアを叩き込む。
蹴り飛ばされながら炎に包まれる怪虫。
「飛んで火にいる夏の虫ってな!」
桜太郎の挑発に怪虫の意識が向いた隙を逃さず攻撃を重ねたのは浦原・嫉美(リア充爆破魔法使い・d17149)。
「見た目といい気味が悪いわね! 害虫は駆除あるのみよ!」
バベルブレイカーを手に踏み込む。気付いた怪虫が羽を刃物のように高質化させ切り裂くべく伸ばす。
しかし当たらない。嫉美は避けると、
「ジェラシーに捩じ切っちゃうわ!」
尖烈のドグマスパイクを放つ。高速回転する杭が虫の腹を貫き動きを麻痺させた。
かくして戦いは続く。敵はソウルボードで弱体化している事もあり攻撃力はそれほどでもない上、ジャマーに就いていた嫉美によるBSが良く効き、偶に攻撃すら出来なくなっていた事もあり、灼滅者達の圧倒的有利で進む。それを更に優勢にするべく、攻撃を重ねて行く。
「頑張ろう、朔」
霞月・芳夜(幾望・d34794)は自らの霊犬・朔に呼び掛け共に怪虫に挑む。
戦闘直前に、戦いへと意識を切り替える為に朔の背中を撫で心を落ち着かせた芳夜と朔は、息を合わせ攻撃する。
先行したのは朔。主の攻撃を助けるために怪虫へと踏み込むと、次々に襲い掛かって来る影の刃を掻い潜り斬魔刀を放つ。
その瞬間、朔の動きに合わせ攻撃を見極めていた芳夜の制約の弾丸が放たれる。
それは見事命中。額にぶち当たると動きを麻痺させた。
そこへ追撃を放ったのはリサ・ヴァニタス(アンバランスライブラ・d33782)。
「あはっ、動けないんだ。つまんなぁい。ねぇ、楽しませて?」
リサは蠱惑的な笑みを浮かべ、誘うように囁きながら踏み込む。触れ合えるほどの距離で怪虫の膨れ上がった腹に手を這わせると、
「お腹の中の子たちにも興味はありますけどぉ……まずは楽しみましょ?」
戦いの喜びに笑みを浮かべ殲術執刀法を放つ。それは怪虫の急所を切り裂いていった。
こうして重ねられた攻撃は確実に敵を弱らせる。そしてその果てに止めを刺したのは上名木・敦真(大学生シャドウハンター・d10188)。
「友達を目の前で食らう。単純であるがゆえに効果的かつ非道な夢ですよね。ですが――」
敦真はマテリアルロッドを手に踏み込む。それを迎撃するべく怪虫は羽ばたき、毒の疾風を放つ。しかし既にボロボロの怪虫の攻撃に鋭さは無く、敦真は瞬時に間合いを制すると、
「つまらない悪夢はこれで終わりです。ここで確実に潰します」
マテリアルロッドを叩き付けフォースブレイク。怪虫を内側から爆散させ夢から消し飛ばした。
夢の中での戦いは終わる。けれど即座に現実で連戦をこなさなければならない。
灼滅者達は戦いの意識を保ったまま、即座にソウルボードから現実へ帰還しようとする。
そして消えゆく灼滅者達に佳奈は何かを口にしようとするも、あまりにもざわめく心に巧く言葉が出てくれない。そんな彼女に、
「もう悪夢は終わり。楽しい夢をみてね……」
シエラは優しく告げる。それに佳奈は泣きながら笑みを浮かべると、
「うん……ありがとう……」
灼滅者達に感謝の言葉を口にした。
それを背に受け、灼滅者達は現実に帰還する。即座に佳奈の家から外へ。戦場となる空き地への道中、
「回復は大丈夫、朔? 一緒に頑張ろう」
芳夜が朔に呼び掛けてやりながら皆の回復をするように、皆も出来得る限りの回復を行いながら戦場へと向かう。
灼滅者達の動きは速い。それが功を奏す。下手に完全回復の為に時間を取っていれば、敵もソウルボードでの不意打ちから立ち直り万全な上に完全回復までしていた所だが、灼滅者達の動きが素早い為に、敵は戦闘への万全な体制は取れつつも完全回復までは出来ていない状態での戦闘になる。
そしてESPを使い周囲への対策も万全な中、現実での戦いが始まった。
●一匹残さず灼滅せよ
敵はソウルボード内とは比べ物にならないほど強かった。
だが、戦いから戦いへの素早く適切な対処が功を奏し、確実に追い込んでいく。
「……気持ち悪い……でも、頑張ろうね、てぃんだちゃん……」
虫が苦手なシエラは怪虫の気持ち悪さを必死に堪え傷付いた仲間を癒していく。囁くように歌う優しいエンジェリックボイスが最もダメージを受けた仲間を癒し、てぃんだも主に倣い浄霊眼で回復とキュアを行う。
これにより、次に敵が攻撃を放っても体力は危険域には到達しないほど回復し、そして重ねられた攻撃に怪虫の気配は確実に弱まっている。だからこそ、灼滅者達は一気に止めを刺すべく攻撃に集中した。
「奇怪な卵から生まれる奇怪な虫……なんてのはB級映画みたいで嫌いじゃねぇ。けど、害虫は駆除しないとな!」
桜太郎は自身の龍砕斧・Triskeleに全身から生み出した炎を纏う。炎宿る歯車仕掛けの三日月斧は、怪虫の羽の一枚を付け根から粉砕。更に炎で焼いていく。
苦痛と怒りに怪虫は鳴き声を上げる。怒りのまま灼滅者達へ襲い掛かろうとしたその時、
「うーん、動かれて実にエンヴィー! 大人しくしてね!」
嫉美の影縛りが動きを封じる。幾つもの影の拘束に動けず暴れる怪虫に、敦真はバベルブレイカーを手に踏み込む。
それに、無理矢理影の拘束を引き千切り自由になろうとする怪虫。だが敦真の方がはるかに速い。
「遅いですよ」
撃ち込まれる尖烈のドグマスパイク。高速回転する杭が胸部を抉り貫く。その衝撃に、怪虫の動きは瞬間止まった。その隙を突き、芳夜と朔の連撃が入る。
言葉を掛ける必要すらなく、アイコンタクトで互いの最適な動きを図る。
芳夜は交通標識を手に踏み込み、その後を朔が就く。
その動きに気付いた怪虫は自らの影を伸ばすも、それまで付与されたBSでまともに動かせない。芳夜を拘束しようと跳び出した影は全てが避けられ、芳夜が放った赤くスタイルチェンジした交通標識を、本体からすれば短くぶよぶよした脚に食らう。
粉砕され吹き飛ぶ怪虫の脚。その対となる脚を朔の斬魔刀が斬り飛ばした。
「お疲れさま、朔」
芳夜が朔に労いの言葉を掛ける中、残った脚で何とか動こうとする怪虫。だが、そんな余裕など与えずリサの追撃が入る。
「あはっ、脚が大変だぁ。どうするの?」
まともに動きが取れぬ中、怪虫は残った羽を羽ばたかせバランスを取ろうとするが、
「うふふ、すっごい、頑張り屋さんだぁ。でも、おいたはダメよ?」
交通標識を手に怪虫の体を駈け上がる。そして振り落されるより早く、残った羽を切り裂くようにして、赤くスタイルチェンジした交通標識を叩き付け羽を破壊した。
重ねられたダメージとBSにまともに動く事すら出来ない怪虫。そこへ陽太の強力な一撃が入った。
「影に飲まれて消えろ」
自身のガンナイフ・McMillan CMS5の照準を付ける。銃口から生み出したのは漆黒の弾。それを現実の厚みを持って地面から飛び出した陽太の影が飲み干す。それにより膨れ上がった影の弾丸は引金を引くと共に飛翔。怪虫に命中すると同時に呑み込んだ。
絶叫するような怪虫の鳴き声が響く。悶え苦しみ残った脚で体を引き裂くほどにかきむしる。その度に体をひび割れさせていった。
もはや怪虫の最期が近いのは誰の目からも明らか。そこに止めを刺しのはディエゴ。止めを刺すべく一気に距離を詰める。
それに怪虫は最後の足掻きとばかりに反撃した。
仮面のような顔が縦に裂け、割れる。その下から現れたのは赤黒い舌と牙。食い千切るべく、首から上がゴムのように伸びる。
しかしそれは黄金の輝きに砕かれた。
「往生際が悪いんだよテメェは!」
サイキックエナジーが注がれ活性化されたバトルオーラ。金色の色彩を放つそれは拳に集中、眩いばかりの黄金の輝きと共に叩き込まれる。
怪虫の顔が砕け吹っ飛ぶ。そこへ連続で叩き込まれる拳打。怪虫の顔全てを粉微塵に砕き、見上げるほどの巨体を仰向けに倒れさせ滅ぼした。
その瞬間、怪虫の膨れ上がった腹が勢い良く蠢き、内側から破裂する。
そこから現れたのは、三十匹近い虫の群れ。それぞれが、いま倒したばかりの怪虫によく似た、まるでミニチュアのような姿をしていた。
そいつらは現れるなり逃げ出そうと動き始める。しかしそれを許す灼滅者達ではない。既に囲むような配置に就いていた。
「逃がせばどんなに厄介な存在になるかわかりません。一体残らず灼滅すべきですね」
敦真は、そう言うが早くヴォルテックスを放つ。小さな怪虫達は、魔術によって発生した竜巻で体を引き裂かれ灼滅される。
「攻撃力が分散するのでも一撃か……念の為、単体攻撃だとどうだ?」
桜太郎は小さな怪虫達に気味の悪さを感じつつも、出来得る限り情報を集める為に攻撃を試してみる。ダメージを受けていない個体にスターゲイザーを放つ。食らった小さな怪虫はあっけなく蹴り潰された。
列攻撃でもほぼ間違いなく、単体攻撃ならば一撃で確実に倒せる。今の小さな怪虫であれば。それが攻撃をする中で得た感想だった。
そうして情報をより得られれば良かったが、小さな怪虫達も必死に逃げ出そうとする為、そんな余裕はない。
「逃がさない! 虫には氷殺ジェットってね!」
「一匹たりとも逃げられると思うな」
「連戦の後でキツイってのに、面倒かけてんじゃねぇぞ!」
嫉美や陽太、そしてディエゴがフリージングデスを使い凍らせ、
「うふふ、こんなにたくさんのお相手が居るなんて……ふふ、愉しい」
リサは、溢れ出してきた小さな怪虫達と殺し合える事にうっとりとした喜びを抱きながら、フリージングデスで仕留めきれなかった個体を確実に仕留めていく。
そうして時間はそれほどかからず、全ての小さな怪虫達は灼滅された。
「よく頑張ったね、朔。ありがとう」
戦い終わり、芳夜は朔の背中を撫でてやりながら労をねぎらい、
「怖かった……もう虫はイヤ……」
虫が嫌いな中、頑張って戦っていたシエラは、てぃんだをぎゅっと抱きしめるのだった。
かくして戦い終わり、灼滅者達は誰も犠牲を出さずに事件を解決する。
けれど今回の事件で知ることの出来た、ベヘリタスの卵が羽化し生まれ出て来たシャドウが一体何で、背後に何が隠れているのか。それはまだまだ見えてこない闇の中だった。
しかしそれらが明らかになっても、きっと灼滅者達は解決するに違いない。そう思える依頼であった。
作者:東条工事 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年9月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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