不気味な蟲が空を飛んでいる。赤と黒の身体は芋虫のようだ。
芋虫の腹は異常に膨らんでおり、ナニモノかがうごめいているようにも見えた。
ソレは毒々しい蛾のような羽で夜の空を飛び、ある少年を見つけた。
少年の部屋の窓が開いている。そこから部屋に入り込み、ソレは少年のソウルボードへ侵入して行く。
「う、ぁ……ああ、あ」
少年はしばらくの間、ベッドの上でうなされ続けた。
それが治まると、少年は再び何事も無かったかのように眠り始めた。
●依頼
「聞いて欲しいんだ。最近、絆のベヘリタスの卵に関する事件が予知できなかったんだ。けど、それには理由があったみたいなんだよ」
千歳緑・太郎(中学生エクスブレイン・dn0146)は集まった灼滅者を前にこのように切り出した。
彩瑠・さくらえ(望月桜・d02131)が探った情報で、羽化してしまったベヘリタスのシャドウが、新たな事件を起こそうとしているらしい。
「今回は、ベヘリタスの卵から羽化して成長したと思われるシャドウが、どこからともなく現れて、眠っている男の子のソウルボードの中に入り込む事件だよ」
少年が暮らしているのは、どこにでもあるような戸建ての家だ。その日、少年は部屋の窓を開けたまま眠ったらしい。シャドウは開いた窓から少年の部屋へ侵入する。
「それでみんなには、その男の子が起きる前に、ソウルボードの中に入って、ベヘリタスの卵から羽化したシャドウを撃破して欲しいんだ」
シャドウがソウルボードに入るのを確認してから部屋に入り、敵を追いかけるようにソウルボードに入るようにと太郎は言った。
「ソウルボードに入る前に攻撃を仕掛けてしまうと、感知されて別の人の夢の中に入ってしまうんだ。そうしたらもう対処できなくなっちゃうから、絶対にソウルボードに入る前には攻撃しないでね」
太郎は注意するよう呼びかけて、詳細な説明をした。
ソウルボードに入った直後であるため、悪夢を利用した配下などはおらず、シャドウ本人と戦う事になる。ソウルボード内のシャドウは、あまり強くないと言う。
「このシャドウはソウルボードを通じて撤退する能力は無いから、ソウルボード内で撃破できれば、現実世界に出現してくるよ」
現実に出てきたシャドウは強敵ではあるけれど、今の灼滅者であれば決して倒せない相手では無いだろう。
可能な限り灼滅できるように戦ってほしいと太郎は言った。
「ソウルボード内でも外でも、強さは違うけれどシャドウの攻撃方法は同じだよ。シャドウハンター相当のサイキックを使って攻撃してくるんだ。毒を伴う攻撃や回復手段もあるようだから気をつけてね」
それだけ説明すると、太郎はしばし厳しい表情を浮かべた。
「何か、嫌な予感がするんだ。だから、確実に灼滅して欲しいんだよ」
そして、今回の敵は、絆のベヘリタスの卵から生まれた、ベヘリタスとは違う姿をしたシャドウである事。このシャドウの腹部からは別のシャドウの気配が感じられる事が付け加えられた。
「腹部のシャドウは、戦闘能力とかは非常に低いと思われるんだけど、油断しないようにしてね」
最後に太郎はくまのぬいぐるみをぎゅっと握り締め皆を見る。
「それじゃあ、みんなどうか頑張って。無事戻ってきてね」
参加者 | |
---|---|
ポンパドール・ガレット(火翼の王・d00268) |
リュシール・オーギュスト(お姉ちゃんだから・d04213) |
高峰・紫姫(辰砂の瞳・d09272) |
吉沢・昴(ダブルフェイス・d09361) |
東雲・悠(龍魂天志・d10024) |
天宮・黒斗(黒の残滓・d10986) |
灯灯姫・ひみか(星降りシャララ・d23765) |
セレス・ホークウィンド(白楽天・d25000) |
●
この夜、住宅街は静かだった。
ただ一つ違うのは、赤と黒の不気味な蟲が飛んでいた事。その身体は芋虫のようで、毒々しい蛾のような羽を持つシャドウ。
やがてシャドウは、ある戸建ての窓の開いた部屋に侵入した。
それを見届け灼滅者達も行動を開始する。
空飛ぶ箒や縄梯子を使い次々に目指す部屋へ降り立った。
室内では、少年が苦しげに呻いているのが分かる。
リュシール・オーギュスト(お姉ちゃんだから・d04213)は少年に微笑を向け、思った。
(「いつでもぐっすり眠れますように」)
そして、その先にいるであろうシャドウを睨む。
(「邪魔者は私がぶっ飛ばすからね!」)
仲間達は頷き合い、少年のソウルボードへと入った。
皆の前に現れたのは、赤と黒のシャドウだ。
特徴的な柄の毒々しい羽も異常に膨らんだ腹も、聞いていた通りの見た目だ。
何というか、蟲かと、セレス・ホークウィンド(白楽天・d25000)が呟いた。
「普通なら何とも思わないがこのサイズだと流石にきついものがあるな」
「そ、そうだネ、あのお腹はだれがどう見てもヤバいネ……」
ポンパドール・ガレット(火翼の王・d00268)がナニかが蠢くシャドウの腹を凝視する。
「羽芋虫に寄生されるとか、あんまり嬉しい光景じゃないな」
東雲・悠(龍魂天志・d10024)がくるりと手にした槍を回転させた。
「もう夏も終わるし、季節外れの羽虫は退場の時期だぜ!」
羽芋虫とは良く言ったもので、目の前の芋虫のようなシャドウは灼滅者達を見て、毒々しい羽を何度か羽ばたかせて見せた。
「絆を奪って成長していったシャドウですよね」
武器を手に、高峰・紫姫(辰砂の瞳・d09272)も敵を見据える。これ程になるまでにどれだけの絆を奪ったと言うのか。自分を成長させてくれるのは友人達との絆である。そう信じているからこそ、紫姫は絆を奪う者に憎しみすら抱いてしまう。
「悪夢、じゃないんだな」
天宮・黒斗(黒の残滓・d10986)はソウルボード内の状態をじっと観察していた。
聞いていた通り、悪夢を利用した配下の姿などは見当たらない。
「きっちり片付けて、帰ったら飯でも食おうぜ」
黒斗に向けて、吉沢・昴(ダブルフェイス・d09361)はにっと笑顔を向けた。
同じ戦いに臨むのは久しぶりの事だ。
――ギチギチギチ。
嫌な音が響いた。
シャドウが身を起こし、疣足をうねらせる。
これから先は何があるのか分からない。気を引き締めなければと灯灯姫・ひみか(星降りシャララ・d23765)は思う。
そして。マントをばさりと広げ敵に向かう。
「さぁ覚悟なさい!」
ひみかの声と共に、戦いが始まった。
●
「みんな、気をつけていこうネ!」
ポンパドールは交通標識を黄色標識にスタイルチェンジさせた。前衛の仲間にイエローサインを送り、耐性を与える。
ウイングキャットのチャルダッシュには、メディックの位置取りをするよう指示を出した。
走り出したポンパドールの後ろから、リュシールが敵の前方へと躍り出た。今のところ周辺に異常は無い。シャドウはこちらを威嚇するように身を起こしている。そのポーズは、赤と黒のくっきりとした模様が殊更大きく感じられた。状況を観察しながら、エアシューズに炎を纏わせる。
「さっさと子供の夢から……出て行きなさいっ!」
更に一歩踏み出し、勢い良く飛び蹴りを放った。何より子供の安らかな眠りを守りたい。リュシールは弟妹を持つ姉なのだから。
ギチ、と、シャドウの体がきしむ音がする。
敵が動く前に、仲間達は次々に攻撃を繰り出した。
「攻撃に集中します」
紫姫は縛霊手『堕天使の黒翼』で敵を殴りつける。同時に網のように霊力を放出し、縛り付けた。
ここでの戦いでは、できるだけ素早く敵を仕留め傷を蓄積させない考えだ。
「確かに、速攻が理想だよな。黒斗!」
頷く昴は黒斗に向けて癒しの矢を放った。何より、ソウルボードに長居したくない。
「速攻だな。了解だ」
狙いの定まった黒斗はバベルブレイカーを抱え飛び上がった。
仲間の霊力に囚われ動きの鈍い敵に向かい、一気に距離を詰める。杭を強引に突き刺し、すぐさま高速回転させ赤と黒の不気味な模様から敵の躯体をねじ切った。
――ギチギチギチ。
シャドウの顎が震え不快な音を出す。痛みだろうか、それとも攻撃を受けての不快感か。
構わず悠も飛び上がった。
(「シャドウがシャドウを産もうとしてるって事なのか? 闇落ちしなくてもシャドウを増やすって割とヤバいんじゃねーのかな」)
悠は色々と考える。
だが、今はきっちり仕事をこなすと、槍を手に敵へ目掛け落下した。
「さぁ、思いっきり腹パンさせて貰おうか!」
落下の重加速も乗せて槍で敵を抉る。
――ギィイイ。
シャドウが仰け反った。
次々に攻撃が決まり、敵を追い詰める。ソウルボード内の敵はそう強くないようだ。
だが赤と黒の羽芋虫はまだ沈んでいない。
シャドウは身体を元に戻す反動と一緒に液体を吐き出した。
毒が黒斗に迫る。
その間に身体を滑り込ませたのはひみかだ。
「お守りしますね」
言葉通り、攻撃を受け止め庇う。
「チャル、回復だよ!」
すぐにポンパドールがチャルダッシュに指示を出す。
「助かった」
「さぁ右舷、頑張りましょう。後ろから皆さんを援護して」
短く礼を言う黒斗に頷き、ひみかが霊犬の右舷に指示を出す。
「ところで、虫は鳥に突かれる物だな。……灼滅頑張ろうか」
仲間の攻撃は効いている。これなら、この場での戦いはすぐに決着がつきそうだ。セレスは皆の動きを見ながら、自身に予言者の瞳を使用した。
「もう一押しです」
仲間を鼓舞するように紫姫が叫ぶ。
灼滅者達は一斉に攻撃を浴びせた。
仲間の攻撃でシャドウは消えかけている。
「これで最後だ」
セレスの妖の槍『ツグルンデ』から氷のつららが撃ち出される。それらが鋭く速くシャドウの体に突き刺さり、確実に仕留めた。
――ギチギチ。
シャドウが嫌な音を立て消える。
「すぐに現実に戻ろう」
槍を引いたセレスが仲間を見た。
頷き合い、灼滅者達は急ぎ現実へと戻った。
●
――ギチギチ。
赤と黒の不気味なシャドウは、現実世界に戻ってきても変わらず不快な音を立てる。
灼滅者を前にその場で暴れ出しそうなシャドウに、悠が攻撃をぶつけた。
「ほら、こっちに来い! こっちだ!」
窓に向かい走り、注意を引きつける様に声を上げる。
シャドウが悠へ顔を向けた瞬間、死角から昴が踏み込んだ。
「止まっていて良いのか?」
同時に武器を突き出し黒死斬を放つ。
――ギチギチ。
不快な音を聞きながら、昴も窓の方へ飛び再び距離を開けた。
ソウルボード内とは違い、一つ二つの攻撃では敵を揺るがせる事はできないようだ。
更に攻撃を続ける。
「子供の眠りを、邪魔させないっ」
リュシールが敵の羽を掴み、強引に引いた。ようやく敵の身体が傾く。それを確認し、縛霊撃を叩き込む。
「外で決着を付けようじゃないか」
狙いは、シャドウを庭へ引きずり出す事。
セレスも鋭い槍の突きを繰り出し、敵を窓へと吹き飛ばした。
「は、あ――」
続けて紫姫が縛霊手で殴りつける。
窓近くにいた悠と昴は、咄嗟に身体を捻りスペースを空けた。
「ほら、ちょうど戦いやすい場所があるでしょう?」
少年の眠る部屋で戦うよりも、外の庭の方が戦いやすい。
ひみかが最後の一押しと影の刃で敵を吹き飛ばすと、シャドウの体が窓から外へ吹き飛んだ。
灼滅者達がその後を追うのと、蟲が羽ばたくのとは同時だった。
ちょうど蟲の真下をくぐる事になったポンパドールはビクリと肩を震わせる。
「あ、ヤッパリ動いてるよネ」
腹の部分が良く見えた。やはり、何かが蠢いている気がする。
だが今は目の前の敵だ。
気を取り直し、縛霊手『ぐらっせ』の祭壇を展開する。構築した結界がシャドウを捉えた。
――ギィギイ。
シャドウの顎が震え、不快な音と共に庭に落ちる。
「よし、逃がすな」
黒斗が地面を走り、敵の死角から斬撃を放った。
仲間達はシャドウを囲むように位置を取り、逃がさないよう慎重に武器を構える。
――ギ、ギ、ギ。
赤と黒の不気味な蟲は、囲まれた事など気にしない風に素早い動きで地を這い、ポンパドールに向かってきた。ソウルボード内とは速さも違うようだ。
「――ッ」
「下がってください」
弾き返そうと武器を構えていたポンパドールの前に紫姫が躍り出る。
「うんっ」
跳ねて飛びのくポンパドールを背に庇い、紫姫は這い寄ってくる蟲を身体で止めた。
絆を奪う者には憎しみを抱く。
だが、それ以上に今目の前にいる仲間達を護りきる。
その信念を、紫姫は貫くのだ。持てる全てを以って目の前にいる全てを護り抜きたいと強く思う。
「そこね」
押し合う両者を引き離すようにリュシールが炎を纏った飛び蹴りで敵の身体を吹き飛ばした。
出来た間に、サーヴァント達が紫姫の傷を癒す。
「夢の中とは違うのね。硬い!」
同じ攻撃を繰り出しても、与える傷は軽微だ。
リュシールは表情を引き締め改めて敵を見据えた。
●
深夜の住宅街の一角で、激しい戦いは続いていた。
やはり敵は硬かったが、それでもセレスの放つ氷がじわじわと体力を削り続けている。昴の足止めや武器封じは動きを阻害し攻撃を弱め、徐々に灼滅者有利に戦いが傾いてきた。他にも、捕縛や麻痺、炎など、様々な効果で敵を弱らせる事ができている。
「だいじょーぶ? すぐに回復するからね」
「何度もありがとうございます」
ポンパドールがひみかに向けて霊力を撃ち出した。
ひみかがぺこりと頭を下げる。
仲間を庇い続けたひみかや紫姫は、やはり少しずつ体力が減ってきていた。けれどポンパドールが気をつけて回復させているので、傷は致命傷には至っていない。
「大丈夫です。ここで負けるわけには、参りませんから!」
ひみかは再び武器を構え敵を見た。
――ギ、ギ、ギ。
シャドウは素早く動き回り、前衛の仲間目掛けて走り込んで来る。
突進してくるシャドウの身体を受け流し、黒斗はバベルブレイカーを構えた。
「足止めは十分だな」
身体を半分回転させ、踏み込んで敵の背に杭を打ち込む。
暴れるシャドウを抑え込み、杭を高速に回転させ肉体をねじ切った。
――ギィギイ。
震える敵から黒斗が身体を離すと、その隙間を埋めるように昴が身を現す。
「続ける」
いつの間に近づいたのだろう。おそらく、シャドウは気づかなかったはずだ。気付いたときには昴が正面にいて、間合いを詰めている。流れるような動きで、昴は袈裟懸けに切り下した。
「こっちからも、行くぜ!」
敵の反応を待たず、悠も飛び込んでくる。
槍を振るい、冷気のつららで敵を貫いた。
――ィ、ィイイイイ。
赤と黒の不気味な蟲が、今までにない金切り声を上げる。身を捩り、痛みに耐えているようにも見えた。
「あと少しで届きそうだな」
セレスは敵の様子を見て踏み込み、殲術執刀法を放った。
腹部に奇妙な動きは見えない。そして、敵は確実に弱ってきている。
良く観察していたからこそ、敵の状態にも気づく事ができるのだ。
セレスがちらりとリュシールに視線を延ばす。
リュシールはしっかりとシャドウの腹部を見た。仲間は誰も倒れていない。まだ体力には余裕があるはずだ。対して、敵はあと少しで倒すこそが出来そう。
狙うは腹部だ。
その時、紫姫がエアシューズ『妖狐の白尾』に大きく炎を纏わせ敵の正面へ走り込んだ。
「さあ、私はここです」
仲間の狙いに気付き、相手の注意を自分に向けさせるよう大きく飛び上がる。
――ギ、ギ、ギ。
シャドウが紫姫を見たと同時に思い切り蹴り上げる。
――ィ、ィイギ。
敵の身体が仰け反った。
「ダークネス相手でも、乱暴なやり方は好きじゃないんだけどね……っ!」
その時を待っていたと、リュシールが腹を狙って縛霊撃を叩き込む。
「みんな、気をつけて。何かでてくるかも?!」
ポンパドールが注意を呼びかけ、皆表情を引き締め車道を取り囲んだ。
――ギィギイ。
シャドウが震えて不快な音を立てる。
だが、それは今までとなんら変わらない、敵の姿だった。期待したような出来事は起こらない。攻撃がヒットし、敵の体力を削っただけだった。
「それならば!」
ひみかが素早く敵に踏み込み、斬影刃を放つ。
――ギ、……。
それが止めの一撃となり、シャドウは息絶えた。
一瞬の静寂。
「皆、気をつけよう」
今度こそ、セレスが皆に警告する。
注視するのは、赤と黒のシャドウの残骸。その腹部の中が激しく蠢いている。
「で、出てくるよネ、きっと」
ポンパドールが恐る恐るその部分を覗き込んだその時。
元のシャドウの腹を突き破り、幾体もの小型の蟲が湧き出てきた。
「な――小さな、蟲の、シャドウ?!」
悠の声を聞いて、灼滅者達は弾ける様に動いた。
出てきたシャドウは、元のシャドウと同じような赤と黒の芋虫のような風貌だった。それが、20、いや30体ほど一斉に湧き出てきたのだ。小さな身体は、シャドウの幼生体のようにも思えた。全ての個体が逃げ惑い、庭に散ろうとする。
「こんなに前にでたくねえって思ったのはじめてだあああああ!!」
ポンパドールは両目に涙を溜めながら、それでも健気にレガリアスサイクロンを放った。
サイキックが命中したシャドウがパタパタと力尽き死んで行く。
「落ち着いて攻撃を当てたら倒せるよ」
リュシールは縛霊手の祭壇を展開させ、近くにいる蟲を一網打尽にする。
「弱った敵から叩きましょう」
逃げ惑う幼生のシャドウに、紫姫は強烈な回し蹴りを放った。ギチギチと小さく鳴き、次々に敵が消えていく。
「数は多いが、十分対処できる」
殺気でシャドウを覆いながら昴が言った。
「まとめて片付けてやるぜ」
槍を回転させ斬り込み、悠も複数の幼生シャドウを蹴散らして行く。
「速攻で終わらせよう」
杭を打ち込む振動波を起こし、黒斗も次々に敵を撃破した。
ここで逃がしてしまえば、誰かのソウルボードに逃げる可能性もある。そう思えばこそ、仲間達は最後の力を振り絞って攻撃を続けた。
「さぁ、もう一息。塵も残さないよう頑張りましょう」
ひみかも討ち漏らしが無い様、確実に幼生シャドウを潰す。
「虫は寒さに弱いか、一般的には。そういうわけで凍って貰おう」
セレスが周辺を凍りつかせた。
一体も逃がさぬよう、全員が細心の注意を払う。
腹部に潜むシャドウについては皆警戒していた。複数現れる状況も考慮していたため、幼生シャドウにも十分対応できている。
サイキックを繰り出し、力の限り攻撃し、灼滅者達は最後の一匹まで倒しきった。
再び、庭に静寂が訪れる。
そこには最早1匹のシャドウも残っては居ない。
それを確認し、灼滅者達は学園に帰還した。
作者:陵かなめ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年9月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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