●羽化した卵
夜の闇の中を、奇妙な虫が飛んでいた。
否、赤と黒で彩られ、毒々しい蛾のような羽を持つそれはダークネス――シャドウだ。その腹部は異常なまでに膨らんでおり、その中でナニモノカが蠢いているようにも見える。
それは何かを探しているかのように住宅街の上空を彷徨い……やがて一軒の家に近付くと、窓の開いているその部屋の中へと向かう。そこには一人の少年が寝ており、シャドウはそのまま少年のソウルボードの中へと消えていった。
「……っ……ぁっ……」
直後、少年が苦しそうに呻くも、それは数分もしない内に収まる。
後に残ったのは、いつも通りに眠り続ける少年という、いつも通りの光景のみであった。
●卵の行方
「さて、今回の事件だけれど……これは絆のベヘリタスの卵に関係するものになるわ。最近誰も予知できていなかったものだけれど、どうやら理由があったらしいわね」
そこで一旦言葉を区切ると、四条・鏡華(中学生エクスブレイン・dn0110)は皆の顔を見回した。それから、その続きを話し始める。
もっとも理由とは言っても、大したものではない。妨害されていた、などというものではなく、単に事件が起こっていなかったために、そもそも予知することなど出来るはずがなかった、というだけなのである。
「まあ当たり前の話よね。とはいえ、それの意味するところまでが大したことではない、というわけではないのだけれど」
今回の事件を引き起こそうとしているのは、羽化してしまったベヘリタスのシャドウだ。
彩瑠・さくらえ(望月桜・d02131)が探ってくれた情報より判明したことだが、それがどこからともなく現れて、眠っている人間のソウルボードの中に入り込んでしまう、というのが今回の事件の概要である。
「もっとも、幾つか気になることはあるけれど、やることそのものは単純よ」
ソウルボードに入り込まれた人が起きる前に、その人のソウルボードの中へと入り、シャドウを撃破する。それだけだ。
「展開としては、シャドウがソウルボードに入るのを確認してから部屋に入り、それからあなた達もソウルボードに入る、という形になるでしょうね」
尚、ソウルボードに入る前に攻撃を仕掛けようとすると、バベルの鎖で察知され別の人のところへと向かわれてしまうため、対処できなくなってしまう。そのため、ソウルボードに入る前に攻撃は厳禁だ。
「ソウルボードに入った直後だから、悪夢を利用した配下などはいないし、シャドウ本人と戦う事になるわ」
ソウルボードの中ということもあり、シャドウの戦闘能力はあまり高くない。
「ただしそれは、あくまでも前哨戦よ」
このシャドウはソウルボードを通じて撤退する能力は持たないため、ソウルボード内で撃破する事ができれば、現実世界に出現してくる。
「現実に出てきたシャドウは強敵ではあるけれど、今のあなた達ならば決して倒せない敵では無いわ。可能な限り灼滅できるように、戦ってちょうだい」
シャドウはシャドウハンター及び影業相当のサイキックを使用してくる。ポジションはジャマーだ。
また、ソウルボードの中と外では、強さが違うだけで攻撃方法などは変わらない。
「大体こんなところだけれど……あとは、そうね。今回の敵は、絆のベヘリタスの卵から生まれた、ベヘリタスとは違う姿をしたシャドウよ。何か嫌な予感がするから、確実に灼滅して欲しいわ」
それと、このシャドウの腹部からは別のシャドウの気配も感じられる。
「そっちは戦闘能力などは非常に低いと思われるけれど……くれぐれも、最後まで油断しないようにね」
最後にそう言って、鏡華は話を締めくくるのであった。
参加者 | |
---|---|
加藤・蝶胡蘭(ラヴファイター・d00151) |
犬神・沙夜(ラビリンスドール【妖殺鬼録】・d01889) |
裏方・クロエ(土星の守星者・d02109) |
黒乃・璃羽(ただそこに在る影・d03447) |
三上・チモシー(津軽錦・d03809) |
月詠・千尋(ソウルダイバー・d04249) |
阿久沢・木菟(八門継承者・d12081) |
エリスフィール・クロイツェル(蒼刃遣い・d17852) |
●
風一つない、静かな夜だった。頭上では月が煌々と輝き、周囲を明るく照らしている。
そんな中で、ふと、加藤・蝶胡蘭(ラヴファイター・d00151)は空を見上げた。
目を細めてみるが、そこにあるのは星と月だけであり、それ以外の何かの姿は見えない。
だが今夜それが現れるのは確実であり、思考は自然とそれのことへと向けられた。
(「絆のベヘリタス、姿形もそうだが何をしようとしているのか目的が見えない分何だか不気味だな」)
新宿橘華中学で出会ったこともあるのだが、その時のそれとは大分見た目も違うようだ。そのことは果たして、何を意味するのか。
しかし。
(「ともあれ、何か企んでいるならその前に潰すだけだ!」)
それだけだと、拳を握り締めた。
と、視界に映る光景に変化が訪れたのは、そんな時のことであった。
最初それは黒い染みのようなものであったが、少しずつその姿は大きく見え始め、やがて完全なそれを現す。
赤と黒で彩られ、毒々しい蛾のような羽を持つ虫――間違いなく、件のシャドウだ。
それはすぐ近くの家の窓から中に入ると、その姿を消した。それを確認すると、身を潜めていた八人もその後を追うべく次々と部屋に侵入していく。
月詠・千尋(ソウルダイバー・d04249)がそこに降り立ったのは、ちょうど少年が苦しんでいる時であった。呻き声を上げている少年に近づくと、その髪に手を伸ばし、ゆっくりと指で梳いていく。
「今は苦しいだろうけど、しばしの辛抱だ」
呟きつつ振り返れば、仲間の皆の姿がある。
互いに頷き合うと、シャドウを追い、自分達もソウルボードへと向かった。
降り立った先にあったのは、一面の草原であった。太陽が燦々と周囲を照らし、気持ちのいい風が吹いている。
だがその中に一つだけ、異質なものが含まれていた。それが何であるかなど改めて言うまでもないだろう――虫のような姿をした、シャドウである。
「シャドウは元より悪趣味な輩だが、更に姿からして悪趣味となったな……」
その姿を眺めながら、エリスフィール・クロイツェル(蒼刃遣い・d17852)が呟いた。
「虫っぽいシャドウのお腹からなにかが出てくるって、できればお目にかかりたくはないなあ……虫は平気な方だけど、グロ注意な予感はさすがにちょっと勘弁」
同じように眺めながら、三上・チモシー(津軽錦・d03809)が嫌そうに顔を顰める。その腹部であろう場所に視線を向けてみるも、さすがにどんな感じなのかは分からない。
(「宿敵云々はどうでもいいのですが、新しいシャドウが生まれてしまう可能性があるのなら早々に芽は摘んでおきたいものですね。生まれたばかりは弱くても成長したら手に負えなくなる可能性は否定できません」)
そんなことを考えながら、黒乃・璃羽(ただそこに在る影・d03447)もまた静かにそれを見つめた。
今回は……或いは、今回も、よく分からないことが多い相手だ。考えられることは幾らでもあるが――。
(「ベヘリタスではないシャドウ。環境適応により新たな侵食方法を得たのでしょうか。あくまでこのシャドウは移動する手段だけであって、さながらシャドウに寄生されたシャドウ、無症候性キャリアにも似ているが本体は腹の中、と考えるのは早計か……」)
犬神・沙夜(ラビリンスドール【妖殺鬼録】・d01889)はそんな思考を弄びながら、小さく息を吐き出す。
結局のところ、戦ってみなければ解らない話だ。
ただ、問題は何を目的としているのか、ということである。従来通りに一般人を狙ったものなのか。或いは――。
(「――私達か」)
考えすぎの可能性はある……というか高いが、考えすぎない程度の思考は必要だろう。予想外のことが起こった時に、足を止めてしまわないぐらいには。
(「これまでと明らかに毛色の違うシャドウ、か。イヤな予感しかないけど、まずはコイツを狩る……だね」)
思いながら千尋が構え――シャドウが動いたのは、ほぼ同時だ。
「サリュ、来たばっかりで悪いけど早速出て行ってもらおう!」
告げ、地を蹴った。
●
接近と同時、その身体より生え、伸ばされた触手を、千尋は余裕を持ってかわした。上体を倒して掻い潜り、勢いを殺さないまま、さらに一歩。蹴り付け、前方から伸ばされた触手を、その手に持つ真銀の魔槍――銀槍【終の穿影】で以って捌いた。
直後にそれを地面に突き刺したのは、その先の地面が黒く変質していたからだ。それはシャドウを中心として広げられた影であり、千尋はそれごと貫いた魔槍へと力と体重を入れると、一際強く地面を蹴る。
瞬間、その身体が持ち上がり、大跳躍。地面より伸びた複数の触手が、千尋を串刺しにせんと殺到するが――遅い。
その時には既に、千尋は空を駆けている。ドリーム・ウォーカーが掴んだ大気を蹴り、宙を滑り、後から追いかけてくる触手を置き去りにし、一瞬にしてシャドウの後方へと回り込む。
慌てたようにその身から触手が伸ばされるが、やはり遅い。悠々とかわし、擦れ違い様に魔槍を突き出す。
狙いはその腹部。捻りを加えられた穂先が、違うことなくその身を貫いた。
だがそこを狙うことに意味はないのか、それはただ痛みに苦しむだけだ。
しかしならば、そのまま撃退のみである。
その思考に同意するように、続けて蝶胡蘭が飛び込んだ。その拳に雷を纏い、振り上げる。
頭部に直撃したそれは、そのまま振り抜かれ、シャドウの視界を強制的に上向かす。
それはほんの一瞬ではあるが、確かな隙だ。
合わせエリスフィールが疾風の如く駆け、その腕を振り抜く。握られた剣は、破邪の白光を纏いながら斬り裂き、同時にシルヴァリアが霊撃を叩き込んだ。
悶え苦しむその姿へと指を向けながら、チモシーはふと首を傾げる。
「そういえば、ベヘリタスのシャドウはたぶんクラブなんだろうけど、中にいるやつのトランプマークはなんだろう。違うのかな」
狙いを定め――。
「んー、いろいろ気になることはあるけど、後回しだね。今は目の前のシャドウ倒すのに集中集中」
呟きながら放ったのは、制約を課す魔法弾。
しかし、いつまでもやられっぱなしでいるわけではない、とでも言うかの如く、それを叩き落さんと触手が伸ばされる。
が、瞬間、その死角へと回り込んでいた影が一つ。
璃羽だ。
表情一つ変えることなく淡々と、当たり前のように斬り裂いた。
その衝撃で叩き落すことに失敗した弾丸が突き刺ささり、報復のように向けられた触手を、やはり淡々と璃羽がかわす。
後方へと飛び退き……入れ替わるように、前に出る者が一人。
阿久沢・木菟(八門継承者・d12081)である。
握り締める拳に影を宿し、懐へと踏み込む。
良心回路と共に殴り飛ばした。
直後、自身ごと閉じこめんとするかのように、シャドウが発生させた闇が周囲を覆うが、その時には誰の姿もない。
変わるようにそこにあったのは、文字通りの影。
裏方・クロエ(土星の守星者・d02109)のものだ。
闇ごと纏めて斬り裂き、晴れたその正面に居たのは、沙夜。
オーラを集束させた拳で、殴り飛ばした。
吹き飛んだシャドウを追うため、千尋の身体が僅かに沈み――そこで止めたのは、シャドウの身体が地面に溶けるように消え始めていたからだ。
「よっしゃ。前哨戦はまずまず、本番飛ばしていくでござるぜッ!」
木菟の言葉を耳にしながら、消えたそれから視線を外し、睨みつけるように空を見上げる。
「逃がしはしない、本番はこれからだ」
目覚めた瞬間、視界に映し出されたのは、当たり前のように先ほどの部屋の光景だ。
だがそこで休んでいる暇はない。
起き上がり構えたのと、シャドウが実体化したのはほぼ同時であった。
「連戦か、手はず通り近くの空き地まで。こっちだシャドウ!」
しかしこのままここで戦ってしまえば、少年を巻き込みかねない。その姿を確認すると、蝶胡蘭は即座にその場から移動を開始した。
窓に足を掛けると、一気に飛び降りる。皆もその後に続き、シャドウも後をついてきているのを確認しながら、近くの空き地へと向かう。
「コッチだ、追いついて来い!」
千尋が誘い込んでいるのを横目に、到着と同時に殺界形成を使用し、直後にチモシーがその場の音を遮断する。
即座に反転し――。
「さて、二戦目開始だ!」
地を蹴った。
●
自身へと襲い掛かってきた触手の一つを防ぎながら、蝶胡蘭はその衝撃に顔を顰めた。一本でこれだ、複数であれば、直撃すれば勿論のこと、例え防いだとしても碌なことにならないだろう。
「やはりソウルボード内とは強さが段違いだな」
もっともならば、まともに受けなければいいだけの話である。捌くだけでも小さくない痺れが腕を襲うが、構わず踏み込む。
しかし瞬間、カウンターの如くその眼前には触手が伸ばされており――やはり構わずに、さらに一歩。自らそこに飛び込み、だが触れる直前にそれは斬り飛ばされた。
「さて……そう言えば、現実世界でシャドウを相手取るのは初めてだな……」
エリスフィールである。
呟きと共に、蝶胡蘭へと無茶をするとでも言いたげな苦笑が向けられ、しかし蝶胡蘭は口元に浮かべた笑みで以って返す。一足飛びに、懐にまで飛び込んだ。
突き出した槍で、捻りを加え抉りながら貫き――瞬間、その場に触手が殺到する。それは明らかに捌ききれるものではなく、だがそれがその身に届くことはなかった。
その直前に、その前へとシルヴァリアが躍り出る。庇いながらも霊撃を叩き込み、生じた隙の間に蝶胡蘭は後方へと飛び退いた。
擦れ違い様に前方へと向かったエリスフィールから視線を向けられ、今度は蝶胡蘭が苦笑を浮かべる。
しかし即座に逃がさぬとばかりに触手が伸ばされ――だが今度もそれが届くことはなかった。
「そう簡単には、通さぬよ。確かに、中々に堪えるがな……」
自身の身を以って防いだエリスフィールが、お返しにと向けたのは砲台と化したその腕。
死の光線を打ち込み、ほぼ同時、その周囲の触手ごと、木菟が操った鋼糸が斬り裂いた。
しかしすぐに再生された触手が、今度は狙いを変えたのか、エリスフィールへと殺到する。即座にその場を離れるも、先の衝撃は思っていた以上であり、僅かに動きが鈍った瞬間、再度その身を衝撃が貫いた。
吹き飛ばした先へと、触手が追撃の為に動き――不意に、その動きが止まる。
否、それらに巻き付き動きを封じているのは、鋼糸だ。
暗器・緋の五線譜。
血の代わりとばかりに黒の残骸を作り出し、千尋の操る指の動きに従い、続けてその本体を封じる。
瞬間逃さず踏み込んでいた沙夜が盾で殴り、ほぼ同時に構築されたのはクロエの作り出した結界。エコーの放った猫魔法が突き刺さり、その間に良心回路がリングを光らせエリスフィールの傷を癒す。
さらにチモシーが魂の奥底に眠るダークネスの力を引き出すと、それを注ぎ込んだ。
直後、暴れ周囲を薙ぎ払った触手はそれの怒りによるものだろうか。
だが関係ないとばかりに、璃羽は腕を持ち上げながら、その姿を見つめる。
璃羽は今回の敵の目的を、ソウルボード内で何かする為ではなく、体内に孕む存在を産み落とす為ではないかと予想していた。そのため、それを守るような行動を見せるかもしれない、などとも思っていたのだが……着実に攻撃を重ねているはずなのに、今のところそういった様子は皆無だ。
予想が外れていたということなのか……しかし何にせよ倒すことに違いはなく、またいざとなれば逃げ出されてしまう可能性は否定出来ない。
少しでもその可能性を抑えるためにも、制約を加える弾丸を撃ち放った。
狙ったそれは違うことなく突き刺さり――瞬間、その動きが僅かに止まる。
その一瞬を逃さぬと、チモシーが飛び込んだ。その身体を持ち上げ、飛び上がると、そのまま地面へと叩き付ける。
直後に爆ぜ、そこに待ち構えていたのは沙夜。オーラを纏った拳で殴り飛ばし、上空から降り注いだ鋼糸が、千尋の意図するままに斬り裂く。
刹那、調子に乗るなとばかりに触手が蠢くが、その合間を縫って進むのは、エリスフィールより放たれた聖布――Totenbuch。
貫き、忍び寄っていた木菟が殴り飛ばすと、同時に網状の霊力を放射し、縛った。
それは僅かな、だが明確な隙を相手に生じさせ……踏み込んだ蝶胡蘭の手に握られているのは、ロックハート・アタック2。
「一撃で仕留める!」
叫び、全力で叩き込むと共に魔力を流し込み――次の瞬間、爆ぜた。
ゆっくりと倒れこんでいくそれには、既に生気はなく……だが誰一人として、そこで気を抜くことはない。
「さて、これで鬼が出るか蛇が出るかでござるな。何が詰まってござるんだろうか? まあ、夢や希望じゃないのは確かでござるな。シャドウだけに」
それが起こったのは、木菟がそんなことを呟いた、次の瞬間であった。
地面に倒れこんだシャドウの、その腹の部分が弾け飛んだのだ。
「……うげ」
その光景に、思わず誰かの呻き声が上がる。
しかしそれも仕方のないことだろう。破れたシャドウの腹の中から現れたのは、三十匹近い虫だったのだ。
しかもその姿は、明らかに今倒したばかりのシャドウと同じであった。
「ふむ……分からん。何でござるかこれ?」
一見すれば子供のようにも見えるが、それはないだろう。
ダークネスに生殖能力はない。そこに例外はなく……で、あるならばアレは――。
考え、しかしやはり分からぬと木菟は首を横に振った。
そして考えるよりもまずは、アレを何とかする方が先である。
鋼糸を操るとそれに向け――あっさりと斬り裂いた。
「おや……?」
どうやら数はいるものの、非常に弱いらしい。
逃げ出そうとするそれらを、一体一体確実に、或いは纏めて薙ぎ払いながら、潰し、倒していく。全てを片付けるのに、数分もかからなかった。
周囲を見回し、取りこぼしがないことを確認した後で、沙夜は小さく息を吐き出した。
小さい蟹とかが沢山出てくるのは勘弁して欲しい、などと思っていたのだが……果たしてどちらがマシだったのだろうか。
ともあれ。
「ここは片付いたが……さて、取りこぼしがどれ位になるだろうか……」
空を見上げながら、エリスフィールは溜息を零した。
考えても仕方のないことではあるのだが、気にするなという方が無理だろう。
それに何よりも――。
「……一体、何が起ころうとしている?」
眉を潜めながら、怪訝そうに千尋が呟いた。
結局のところ、何が起こっているのかは不明のままだ。アレが何だったのか、手掛かりすら得られてはいない。
分かっていることがあるとするならば、一つだけ。
少なくとも、碌でもないことが起こっている……或いは、起こそうとしているということだけであった。
作者:緋月シン |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年9月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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