チョコを添えて……

    作者:奏蛍

    ●チョコは必需品
    「ちょうどよく焼けたみたい!」
     オーブンからチーズケーキを取り出した少女が嬉しそうな笑みを見せる。ほわっと漂う甘い香りに自然と顔も緩むというものだ。
    「こっちもできたよー」
     できた料理を机に運んでいた友人からの声に、時間を確認してほっとする。二人の親友のための誕生パーティーをこれから開くのだ。
     親友との約束の時間まで後十分ちょいというところか……。予定していた料理を全て作り切ることができた。
    「……ちょ、なにやってんの!?」
     冷ますために、チーズケーキを型から外して悲鳴をあげていた。並んだ料理にかけられたチョコソース。
    「え? だってチョコ好きだよね?」
    「好きでもかけないわよ!」
     オムライスのケチャップの代わりにかけられたチョコソース。サラダのドレッシング代わりとなったチョコソース。
     スープの中央で溶け始めているチョコの欠片。チョコ、チョコ、チョコ、チョコ……。
    「どうすんのよ!?」
     もう作り直す時間もないというのに、友人はきょとんとした表情で少女を見つめ返している。そんな時だった。
    「あぁー、甘い匂いって素敵!」
     突然響いた女の声に、二人は親友が到着したのかと思った。けれど、そこにいたのは全く知らない女……。
    「うふふ、チョコって素敵よねー、もうどんな料理にもチョコが必需品? みたいな?」
     幸せを満喫した表情で料理に手を伸ばす。
    「だ、ダメ! ダメだよ!」
     それは親友のために用意した料理なのだ。友人が女から料理を取り上げている。
     何が起こったかわからない少女の前で、女の表情が豹変する。そして気づいたときには、友人が倒れていた。
     そして女は少女にも迫ってくる。
    「い、いやぁーー!」
     少女の悲鳴が響き渡り、静かになった。
     
    ●何かにプラスして……
    「みんなはチョコが好きだろうか」
     どこか無気力な様子で水瀬・瑠音(蒼炎奔放・d00982)が首を傾げた。そして須藤・まりん(高校生エクスブレイン・dn0003)からの情報を話し始める。ダークネスの持つバベルの鎖の力による予知をかいくぐるには、まりんたちエクスブレインの未来予測が必要になる。
     瑠音の予感が的中して、チョコに関係する都市伝説の存在が明らかになった。大量の料理全てにチョコを添えると、料理に誘われて現れてしまうようなのだ。
     そして料理を食べようとするが、料理を取り上げられると怒り出してその場にいる者を殺してしまうのだ。みんなにはこの都市伝説の女を灼滅してもらいたい。
    「料理を用意してもらう必要があるな」
     少し考えるようにして首を傾げた瑠音が、詳細を説明する。何かの料理にチョコを追加してもらうことになるのだが、チョコを使うのが定番となっているものでは現れてくれないのだ。
     例えば、シュークリームやバナナのトッピングにチョコをかける。カレーの隠し味にチョコを入れる。人に受け入れられているようなものだと出現しにくくなってしまうらしい。
     そのため、チョコを使わないものにチョコを使ってもらうことになる。しかしあまりにも突飛なものだと、後々食べることもできない……。
     何てことになってしまうと非常に勿体ないので、チョコを入れてもいけるんじゃないか? というものを模索してもらえたらと思う。
     デザートじゃないものを、デザートとしてアレンジしてしまうのもひとつの手かもしれない。もちろん、おいしくなあれを使えば問題ないという時は、奇抜なものを作ってもらっても大丈夫だ。
     料理に誘われて現れた女が、料理を食べようとしたら何としても阻止してもらいたい。女が怒り出して攻撃を仕掛けてきたら、灼滅の合図だ。
     女はダイダロスベルトとクロスグレイブを使ってくる。
    「灼滅後は試食会っていうのもありだな」
     さてどうしようかと、マイペースに説明を終えた瑠音が仲間を見渡すのだった。


    参加者
    江良手・八重華(コープスラダーメイカー・d00337)
    花藤・焔(魔斬刃姫・d01510)
    氷上・蓮(白面・d03869)
    淳・周(赤き暴風・d05550)
    護宮・サクラコ(猟虎丫天使・d08128)
    黒芭・うらり(高校生ご当地ヒーロー・d15602)
    エルカ・エーネ(おもちゃばこ・d17366)
    鳥居・薫(涙の向こう側にある未来・d27244)

    ■リプレイ

    ●チョコ料理
     意外と新しい境地が開けるかもしれないと思いながら、花藤・焔(魔斬刃姫・d01510)がラザニア用のパスタを茹でていく。茹であがったら、湯煎したチョコと生クリームを混ざたもので絡める。
     味もイチゴ味に抹茶味、ミルクチョコ味と用意して、彩も綺麗なパスタを焔が並べた。
    「あたしは米でいくぜ」
     声を上げた淳・周(赤き暴風・d05550)がオリーブオイルでにんにくと唐辛子を焦がさないように炒め、洗った生米を加えた。そこに白ワインとさらにダシを加えて、程々に柔らかくなるまで煮込む。
     至って真面目に調理を進めていく周だが、正直また変な条件の都市伝説が現れたという感じだ。麦チョコやお菓子のチョコ掛けは受け入れられているということで、割と何でもありなリゾットを選んだ。
     イチゴでもできるのだし、チョコでも問題ないはず! 用意してきたチョコを少量加えた周が均一に溶かしていく。
     最後に塩で味を調えて完成させた。
    「どれどれ……」
     味見をしながら周が首を傾げる。しょっぱ甘いのがポイントなんだとか……。
    「チョコとラーメンって案外相性がいいような気がしますけど気のせいでいす?」
     そう言いながら護宮・サクラコ(猟虎丫天使・d08128)が取り出したのはトムヤム麺だ。案外相性がいい気はするが、普通のラーメンを入れるのは気が引ける。
     ということで、サクラコ的には甘辛酸が基本だと思われるタイ料理を作ることにした。
    「甘さの部分をチョコで補ってあげればおいしくなるはずでいす」
     辛すぎたら砂糖を入れればいいじゃないと、卓上に砂糖がある置いてある国だからこれで合っているはずとサクラコが頷いてみせる。もしこれでダメなら本当にラーメンで挑戦しようと思っている。
     チャーシュー代わりに板チョコをトッピングさせるつもりだ。しかしその場合、早く食べなければチョコが溶けてしまって見た目がアレな感じになってしまいそうだが……。
     そんなサクラコの隣で、そっと頭を抑えた黒芭・うらり(高校生ご当地ヒーロー・d15602)が息を吐き出した。どうしてか懐かしい感じがして頭が痛くなってくる。
     頭痛は兎も角として、都市伝説を放っておくわけにはいかない。気合を入れて料理を作っているみんなの前に、料理を差し出した。
    「私のお料理はこちら」
     鴨のオレンジソースかけとかと同じノリでいけるはずと思ったうらりの料理は、大トロのお刺身、チョコソースかけ! むしろマグロなら何でもいけると信じているうらりだ。
    「Let's do it!」
     うらりの言葉は都市伝説の灼滅にかかっているのか、それとも並べられていく料理に対してか……。
    「これならどうかな?」
     こっちも負けていないというように、エルカ・エーネ(おもちゃばこ・d17366)がねばーとした納豆を取り出す。ただでさえ茶色な納豆の上に、チョコソースがかけられていく。
     茶色い! これは茶色い! インパクトを重視したというエルカの言葉通りに、なかなか忘れられなくなりそうだ。
    「大丈夫? できる?」
     エルカを猫っ可愛がりしている氷上・蓮(白面・d03869)が後ろから手元を覗き込む。そんな蓮にこくこくと頷いたエルカが、完成したチョコ納豆を見てふぅと息を吐いた。
    「食べます! はい!!」
     言うなり、混ぜていたチョコ納豆をエルカが口に入れる。
    「ああチョコ味……」
     納豆自体に味が付いている訳ではないからか、まさにチョコが際立っている。
    「ヤバいな、かなり混沌としている。俺がこれを出されたらブチ切れるぞ」
     冷静に自分が作ったものを見た江良手・八重華(コープスラダーメイカー・d00337)が呟いていた。すっと帽子の鍔に指で触れた八重華の表情は変わらないが、瞳が微かに揺れる。
     前にもゲテ物食いの都市伝説がいたような気がする。確かその時はサラダうどんだったわけだが、果たしてどちらがマシだろうか……。
     そんな八重華の視線の先には、普通のつけ麺にチョコを溶かした汁が何とも言えない雰囲気で並んでいる。チョコフォンデュっぽいと言えばそんな気もしてくるが……。
    「オレはチョコ掛けの天ぷらを用意してきたぜ」
     さつまいもや南瓜なら甘いもの同士あるのではという発想から、鳥居・薫(涙の向こう側にある未来・d27244)が天ぷらを差し出す。天ぷらと言ってしまうとなかなかチョコに合わせるイメージはないが、小麦粉と野菜中心の具材なら合わないこともないんじゃないかという気がしてくる。
    「チョコそのものを具材にすればデザートにもなるしな!」
     何とかなるというように薫が頷く。しかしそもそも料理は素材の味を生かしてこそだと薫は感じる。
     どんな料理にもかけるというのはさすがにどうかと思うのだった。
    「できたよ……」
     最後に蓮がマイペースに料理を並べた。お好み焼きの粉に千切りキャベツと細かく切ったりんごを入れて混ぜる。
     具には細かく刻んだチョコと角切りのバナナを入れて、バターを引いたフライパンで焼く。仕上げにチョコソースと練乳をかけられたチョコレートのお好み焼きは、デザート感覚で美味しそうな気がしてくるのだった。

    ●甘い香りに誘われて……
    「あぁー、甘い匂いって素敵!」
     料理が並んで甘いチョコの香りが充満した瞬間、いないはずの女の声が響き渡った。うっとりとした表情で、ふらふら~っと料理に近寄ってくる。
    「うふふ、チョコって素敵よねー」
     堪らないというように手を伸ばした女の目の前から料理が消える。
    「そんなもん食ったら腹壊すぞ」
     さっと料理を女から遠ざけた八重華が、変わらない表情で女を見る。
    「ちょこっと食べさせてあげたいでいすが、あげませんよ! チョコだけに」
     よこせと声を荒らげ始めた女に、サクラコがにやりと笑ってみせる。その言葉に女の声がぴたりと止まった。
    「人様に迷惑をかけちゃうのはちょこっと頂けないなー」
     甘いものが好きなのは共感できるけどと呟いたエルカもにやりと笑う。
    「チョコだけに!」
     エルカの言葉に、止まった女の手が震えた。そしてその表情が豹変する。
    「よこせって言ってるのよ!」
     苛立った声と同時に、帯を翼のように全方位に放出して前にいる灼滅者たちを纏めて捕縛する。予想はしていたが、突然の攻撃に息を飲んだうらりが微かに眉を潜めた。
    「わ、私の魂が傷んで疼く……お菓子をデコれとマグロが叫ぶ!」
     なぜマグロが叫んだ!? というように驚きの表情を浮かべた女の目の前で、半闇堕ち風味のヤバイ笑みを浮かべる。
    「そうよ、三崎のマグロ復権の為……私は新時代を切り開かないといけないの!」
     過去に洋菓子にマグロの切り身を投げ込んだ前科を持つうらりだけに、冗談ではない本気の雰囲気が漂う。
    「え? マグロ?」
     何を言われているのかわからない女から困惑した声が響く。確かにチョコソースのかかった大トロが並んではいるが……。
    「ともかくこれはアタシ達の分、アンタにゃ渡せねえな!」
     さっと飛び出した周が出現させた炎を叩きつける。衝撃によろめいた女の帯から脱出した仲間たちが、一気に行動を開始した。
     帯から解放されるのと同時に、焔が跳躍する。素早い動きで女の視線をかく乱させてから、飛び出す。
    「逃がしませんよ」
     女の死角から現れた焔が、容赦なく刃で斬った。
    「ぷすっと……」
     焔の攻撃に気を取られていた女の目の前に現れた蓮が攻撃を仕掛ける。みんなに攻撃しちゃ、だめよ? と表情が変わらないままふわりと首を傾げた。
     その姿は美しく、クールに映る。けれど実際はというと……ぼんやりとした中身を持つ天然系な蓮だった。
    「遠慮なくいかせてもらうでいす!」
     片腕を異形巨大化させながら、サクラコが声を上げる。軽やかにかけるサクラコのポニーテールと大きなリボンが綺麗に軌跡を描く。
     その優雅なリボンの動きとは裏腹に、強靭な力で殴り飛ばした。吹き飛ばされた女が、受身を取って起き上がる。
    「唐揚げレモンの感覚でチョコを掛けるな!」
     自らを覆うバベルの鎖を瞳に集中させながら、薫が女を見る。
    「いや、やったのは都市伝説じゃなくて事件に巻き込まれた女性だけど!」
     あまり人には教えないが、料理が得意であり甘いものも好きな薫だからこそ許せないものがある。料理を台無しにする都市伝説にイラっとしていたりするのだった。

    ●甘い香りの中
     素早い動きで跳躍した八重華が死角に回り込みながら女を斬り裂いた。
    「くっ……! こんなに甘美なチョコの香りがしているのに!」
     体勢を立て直しながら、女が忌々しそうに口にする。
    「あげない……よ」
     料理に視線を向ける女に向かって、蓮が漆黒の弾丸を放つ。貫かれた女が転がりそうになりながらも、前に飛び出した。
     クロスグレイブを巧みに操り、蓮を突き叩く。
    「黒潮号、頼むよ!」
     うらりの声を聞いた霊犬、黒潮号が蓮を回復するために軽やかに駆けた。一緒に飛び出したうらりが、シールドを出現させて女を殴りつける。
    「させない! マグロビンタ!」
     衝撃にふらついた女が、蓮との間に割り込んできたうらりを見て間合いを取るように飛んだ。
    「隠れる場所はないよー」
     女の後を追うように跳躍したエルカが、螺旋の如き捻りを加えた一撃を穿つ。愛らしいスイートコーデの雰囲気からは想像できない強力な攻撃に、女がバランスを崩した。
     そこにエルカのウイングキャット、プリムラがこれまた愛らしい肉球で叩く。こちらもその愛らしさとは反して、痛い。
     転ばされた女が流れるような動きで立ち上がり、灼滅者たちを鋭い視線で睨みつける。そんな女の足元に、薫の影が忍び寄っていた。
     音もなく伸びた影は、一気に口を広げて女を飲み込んでいく。気付いて驚きに瞳を見開いた瞬間には、その体が闇に消えた。
    「斬り潰します」
     薫の影に向かって無敵斬艦刀のイクス・アーヴェントを構えた焔が振り下ろした。超弩級の一撃に女の体が影から吹き飛ばされる。
     そのまま地面に激突するように見えた女の手が、地面に触れて体勢を立て直す。衝撃を抑えて着地した女が帯を射出した。
    「……っ!」
     避けられないスピードで迫ってくる帯に、周が身構えた。しかし予想した衝撃は周ではなく、代わりに攻撃を受けた蓮が受けた。
    「ん……」
     微かに声を漏らしながらも、蓮の表情に変化は見られない。蓮にお礼を言った周が拳にオーラを宿して飛び出した。
     そしてお返しとばかりに連打を繰り出した。
    「休む暇はないでいす!」
     周の拳に息を付いた女に向かってサクラコが駆け出していた。流れるような動きで飛んだサクラコの炎を纏った蹴りが女を吹き飛ばす。
     その間に薫が指先に霊力を集めて撃ち出し、蓮の傷を癒した。

    ●そのお味はいかに……
     うらりがシールドを広げて、近くの仲間ごと覆っていくのと一緒にエルカが動いた。女の死角から一気に飛び出したエルカが容赦なく斬る。
    「何なのよ!」
     怒りの声を上げた女は、度重なる攻撃に足元をふらつかせた。畳み掛けるように駆け出したサクラコが、再び異形巨大化させた片腕で女をとらえた。
    「ここらで終わりにしよう」
     サクラコと同時に飛び出していた八重華が口にしながら、炎を纏った蹴りで女を追い詰める。
    「頼んだ!」
     薫が声を出すと、走らせていた影が再び女を飲み込む。
    「任せてだよー」
     返事をした瞬間に、エルカの姿が消える。素早い動きでいつの間にか死角に回り込みながら、女を斬り裂いた。
     空気を切り裂くような悲鳴が響き渡る。薫の影が地面に戻った時には、そこには何も残っていなかった。
    「それじゃあ、みんなで食べるか!」
     声を出した周が用意してきたジュースを取り出す。グレープフルーツなどの酸味の強いものを取り揃えてきた。
    「見た目がアレでソレでもきっと……」
     並んだチョコ料理を見ながら、サクラコが呟く。もしとんでもない味だとしても、最後はおいしくなあれ! してしまえば大丈夫。
     そして甘すぎたら辛くしてしまえばいいのだ。
    「ハイ、覚悟して食べちゃうのでいす!」
     いざ! というようにサクラコが作ったものを口に入れる。
    「蓮ー、一緒にたべよー」
     自分も食べようと、エルカが蓮の隣に滑り込む。そして自分で作ったお好み焼きをもぐもぐしていた蓮に頂戴と口を開ける。
    「……あーん」
     意図を簡単に察した蓮がそっとエルカの口にお好み焼きを入れてあげる。
    「なるほど甘いお好み焼き……!」
     もぐもぐとしたエルカが自分のもと、今度は蓮にあーんと差し出す。
    「……ねばねば?」
     さすが納豆、チョコに絡められていても糸が伸びた。首を傾げた蓮がチョコ納豆をもぐもぐする。
     辛いものや苦いものをほとんど食べない蓮だが、甘いものには寛容だ。
    「あまい……おいしい」
     他の甘そうな料理も気になって、視線を送る。
    「あ、そうだ」
     そんな蓮の視線に薫がフライドポテトを取り出す。チョコばかりだと口の中が甘いだろうと思って用意してきたのだ。
    「あ、これもチョコ掛けたらイケるかも」
     ふと溢れた薫の言葉に、みんなの視線が集まる。
    「……なんてな、冗談だよ」
     しないしないというように薫が首を振って、天ぷらに手を伸ばす。食べ物を残すことなんてできない貧乏性故か……。
     意地でも全部食べるという決意が瞳に宿っている。
    「……意外とイケるんじゃないか?」
     すでに自分の料理はおいしくなあれをかけ終えている八重華が、お好み焼きを口にして呟いた。
    「私も食べてみます」
     八重華の言葉を信じて、焔もお好み焼きに手を伸ばす。
    「ふふふ、お刺身は水で洗えばチョコが落ちるのよ」
     これがマグロのDHAを定期的に摂取して鍛え上げられた冴えた頭脳の証拠と、うらりが笑みを浮かべている。そして一気に大トロが水洗いされていくのだった。
    「さ、美味しいお刺身にはお醤油かけて、いただきまーす」
     幸せそうな表情で大トロを口にしたうらりが満面の笑みを浮かべた。
    「や……やっぱり食材の組み合わせって大事ですよね」
     だんだんと胸焼けが置き始めてグロッキー状態になってきた焔が肩を落とすのだった。

    作者:奏蛍 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年9月25日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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