寸多・豆虎(マメマメタイガー・d31639)は、こんな噂を耳にした。
『真夜中の恐竜博物館で、都市伝説が現れた』と……。
この博物館は恐竜の骨格のレプリカが展示されており、それなりに人気を博していたようだ。
しかし、夜な夜な恐竜の骨格のレプリカが動き回っていたため、警備員が怖がってしまい、誰も警備をしなくなってしまったようである。
恐竜の骨格のレプリカは都市伝説で、ティラノサウルスや、トリケラトプス、ブラキオサウルス、イグアノドンなどに変化し、警備員達を追い掛け回していたらしい。
いまのところ、死亡者などは出ていないようだが、身の危険を感じると、見た事もないような恐竜の姿に変化し、噛みついてくるので要注意。
そういった事も踏まえた上で、都市伝説を灼滅するのが今回の目的である。
参加者 | |
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エルメンガルト・ガル(草冠の・d01742) |
神凪・陽和(天照・d02848) |
雛本・裕介(早熟の雛・d12706) |
マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・d21200) |
迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801) |
七那原・エクル(虹雷を継ぐ者・d31527) |
寸多・豆虎(マメマメタイガー・d31639) |
藤花・アリス(淡花の守護・d33962) |
●真夜中の博物館
「人の居ない真夜中の博物館ってそれだけで何かこう……展示物が動いたりキケンなことが起きたりしそうでロマンを感じるよね……」
エルメンガルト・ガル(草冠の・d01742)は警戒した様子で、仲間達と一緒に真夜中の博物館にやってきた。
博物館の入り口は厳重に鍵が掛けられていたものの、スタッフ用の出入り口には鍵が掛かっておらず、警備員達もいないようだった。
おそらく、見回りの途中で都市伝説に襲われ、鍵も閉めずに逃げ出してしまったのだろう。
だが、エルメンガルト達にとっては、都合が良い状況になっていた。
「博物館の展示物が動くとか、恐竜が襲いかかってくるとか、まるで何かの映画みたいだな?」
マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・d21200)が警戒した様子で、博物館に入っていく。
博物館の中は真っ暗だったが、下手に明かりをつけて、面倒な事になっても困るため、懐中電灯などを使って辺りを照らす事にした。
こうしておけば、万が一警備員が返ってきたとしても、何処かに身を隠すだけの時間を稼ぐ事が出来るはずである。
「まあ、都市伝説に常識は通じんか」
迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801)が自分なりに納得しつつ、懐中電灯で辺りを照らす。
館内には恐竜の骨格のレプレカが展示されており、今にも動きそうなほどの迫力だった。
「恐竜さん……! 都市伝説さんです、けれど……会えるのが楽しみ、です……!」
藤花・アリス(淡花の守護・d33962)が、ウイングキャットのりぼんと一緒にワクワク。
どんな恐竜が現れるのか、内心楽しみにしているようである。
「むふふ~、一体どんな恐竜が出てくるんだろ。たっのしみだな~♪ あ、あれだね。……ジュラシックなんとかって映画、あったよね」
そんな中、七那原・エクル(虹雷を継ぐ者・d31527)がワクワク気分で、館内を歩いていく。
気のせいか、レプレカなどの配置も映画を意識したものになっている……ような気がする。
「恐竜と対決なんて楽しそー♪」
仲村渠・弥勒(マイトレイヤー・d00917)も一緒になって、ウキウキ気分。
「よっしゃァ! 恐竜とか、まぢロマン溢れる感じでテンション上がるぜ! なんか有名な洋画を組み合わせた感じのシチュエーションだよなァ。危ねえからやっつけるぜ……勿体無ェけど」
寸多・豆虎(マメマメタイガー・d31639)に至っては、ハイテンションでヤル気満々であった。
「あ、あの……きょ、恐竜が……」
次の瞬間、大豪院・麗華(大学生神薙使い・dn0029)が懐中電灯で、何かを照らす。
そこにあったのは、ティラノサウルスの骨格のレプリカ(都市伝説)であった。
それがまるで生きているように首を揺らし、麗華達を威嚇するようにして咆哮を上げる。
「う、うわああああああああああああ、こ、こっちに来るううううううう」
すぐさま、小此木・情(きゅうり・d20604)が飛び跳ねる勢いで、その場から逃げ出した。
麗華も何度も転びそうになりながら、その後を追う。
その事で都市伝説が興奮したのか、ドシンドシンと足音を響かせ、二人を追いかけていく。
「恐竜は浪漫!! ……でも動き出したら怖い上に、一般人の方が物凄く危険です!! 暴走は、ここまでですよ!!」
それと同時に神凪・陽和(天照・d02848)が、都市伝説の行く手を阻む。
しかし、都市伝説がそのまま突っ込んできたため、陽和が転がるようにして横に飛ぶ。
「今日は悪戯で済むとて、明日も同じとは限らぬでな。……なれば退治するが道理よ」
それに合わせて、雛本・裕介(早熟の雛・d12706)が全身の筋肉を隆起させ、都市伝説にタックルを浴びせた。
それでも、都市伝説は裕介を押し倒す勢いで、グイグイと前に押してきた。
●決戦!
「まだまだァァァァァァア!」
だが、裕介は怯む事無く都市伝説をガッチリと押さえ込み、鬼のような形相で歯を食いしばる。
「グオオオオオオオオオオオオオン!」
次の瞬間、都市伝説が咆哮を響かせ、裕介の左肩をガブリと噛んだ。
その拍子に裕介が険しい表情を浮かべて怯み、都市伝説の体当たりを食らって、壁にガツンと叩きつけられた。
「とりあえず、アレを倒せばいいんだよねー」
弥勒が仲間達に確認するようにして、都市伝説に攻撃を仕掛けていく。
それと同時に都市伝説がトリケラトプスに姿を変え、猛牛の如く勢いでドシンドシンと突っ込んできた。
これには弥勒もさすがに驚き、ギリギリのところで横に飛ぶ。
「牛タンもテンション上がるだろ? 恐竜だぜ、恐竜」
すぐさま、豆虎がライドキャリバーの牛タンに飛び乗り、興奮した様子で都市伝説の注意を引く。
「ヒュー! スリル満点じゃねえの!」
牛タンも興奮した様子で爆音を響かせ、都市伝説の注意を引く。
「ひい、ひい! 恐竜、足ハヤいな……!!」
エルメンガルトも無駄に曲がり角で滑って、慌てた様子で汗を拭う。
なるべく狭い道に都市伝説を誘き寄せようとはおもっているが、まわりにあるレプリカを壊しながら追いかけてくるため、色々な意味でシャレにならなかった。
そう言った意味で、後の事を考えるとガタブルものだが、自分達の身を守るためには仕方のない事だった。
「うわああああ、こっちに来たああああああああああ!」
情が半ばパニックに陥りながら、都市伝説めがけてカオスペインを使う。
それと同時に都市伝説の身体がグニャリと変化し、見た事もないような恐竜の姿になった。
おそらく、精神が暴走した事で自らの肉体を維持する事が出来なくなったのだろう。
まるで異世界からの転送に失敗したのではないかと思うほど異形な姿になっていた。
「こんなこともあろうかと、恐竜図鑑を持ってきたで! これで恐竜の対処法が……えーと、あの恐竜は身長50m、体重2万t……ん? おかしいな。……あ! 間違えた。これは『怪獣図鑑』や!」
炎次郎が架空の怪獣の図鑑を間違えて持参し、ツッコミを入れるようにして、地面にガツンと叩きつける。
何としなく怪獣っぽく見えるが、おそらく別物。
そのため、この図鑑は役に立たない。
「みんな注意して、背ビレがある恐竜は熱線を吐いてくるかもだよ~」
そんな中、エクルが都市伝説を怪獣の類であると確信し、警戒した様子で身構えた。
確かに都市伝説には背びれがあるものの、曲がりなりにも恐竜のはず。
「……まさか」
マサムネが苦笑いを浮かべて、殺界形成を発動させた。
しかし、都市伝説はエクルの期待に応えるようにして、熱線っぽいものを吐く。
それが実際に熱線なのかよく分からなかったが、いかにもそれっぽく、迂闊に浴びれば『ギャーッ!』と悲鳴をあげてしまいそうなシロモノであった。
「……って、あれ……恐竜じゃないんですか!?」
麗華が今にも泣きそうな表情を浮かべて、その場でストンと腰を抜かす。
「りぼん、大豪院さんにも……気を配って下さい、です」
それに気づいたアリスが、りぼんに声を掛けつつ、麗華の援護に向かわせる。
だが、それよりも早く都市伝説が、麗華に対して牙を剥く。
「麗華さん、危ない! 食らえ! 『怪獣図鑑の角アタック』!」
すぐさま、炎次郎が足元にあった図鑑を拾い上げ、その角で都市伝説に迷わずアタック!
その隙に傍にいた麗華を抱きかかえ、自らの身を守るようにして横に飛ぶ。
「それじゃ、いっきますよおおおおおおおおおおおおお!」
続いて陽和がレガリアスサイクロンを仕掛け、都市伝説にダメージを与えていく。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
その一撃を食らった都市伝説が、怒り狂った様子で咆哮を響かせた。
●最終決戦!
「勿体無ェけど、夢の時間も終わりにしねえとな……行くぜっ」
豆虎が牛タンに乗ったまま、都市伝説にクルセイドスラッシュを使う。
だが、都市伝説は怯む事なく、イラついた様子で熱線を吐く。
「……すげえなァ!」
間一髪で都市伝説の熱線をかわした豆虎が牛タンに乗りつつ、ある程度の距離を取った。
「あの熱線にあびないようにしないと、です」
それを目の当たりにしたアリスが、身の危険を感じて、りぼんと一緒に後退する。
しかし、都市伝説は自らの怒りをすべてぶつける勢いで、狂ったように熱線を吐きかけた。
「う、うわあああああああああああ!」
それをモロに浴びた炎次郎が、両手で顔を押さえて、のたうち回る。
真正面から熱線を浴びてしまったせいで、大火傷をしたように両手が腫れ上がり、顔はドロドロ。
「……あれ?」
そんな自分の姿を一瞬思い浮かべてしまったが、現実には何の変化もない。
火傷どころか、まったくの無傷。
「……って、ハッタリかよっ!」
これにはマサムネも、思わずツッコミを入れる。
一体、この攻撃に何の意味があるのか分からなかったが、噂から生まれた都市伝説らしい攻撃とも言えた。
「……所詮は紛い物か」
それと同時に裕介が都市伝説にタックルを浴びせ、力任せに放り投げる。
その一撃を食らった都市伝説が壁に身体を打ちつけ、身体の一部が辺りに散らばっていく。
「うーん、このまま滅ぼすのは、忍びないなぁ。出来れば、吸収してくれるかな?」
そう言ってエルメンガルトが、情に祈るような視線を送る。
そのため、情はおっかなびっくりしながら、『だ、大丈夫だよね?』と言って、都市伝説を吸収した。
「……とは言え、酷い事になってますね」
陽和が気まずい様子で汗を流す。
都市伝説が暴れ回ったせいで、辺りに展示されていたレプリカはほとんど壊れてしまっており、修復するのも困難になっていた。
「とりあえず、やれるだけの事はやっておこうか」
そう言ってエクルが辺りに散らばったレプリカを拾う。
さすがにすべて元通り、と言う訳にはいかないが、やるだけの事をやっておいて損はないだろう。
そして、エクルは時間が許す限り、館内の片づけをするのであった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年9月16日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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