●
校舎の中をチャイムの音が響く。
少女は学生鞄を持って走り、階段を上り、廊下を曲がり、教室の扉を開けた。
「みんなおはよう!」
目が覚めるような笑顔の彼女に、教室のクラスメイトたちは一斉に笑顔で振り返った。
「「おはよう、サチコちゃん!」」
今日もたのしい学校がはじまる。
少女サチコがスキップでもするように席につくと、周りのクラスメイトが一斉に集まってくる。
「今日もかわいいね、サチコちゃん!」
「お弁当作り過ぎちゃったの、今日も一緒にたべよ!」
「新しいゲームが出たんだ。一緒にやろうぜ!」
「だめよ私と一緒に遊ぶんだから」
「だーめ。喧嘩しちゃだめだよ?」
サチコはにっこり笑った。
「合い言葉は?」
「「……みんななかよし」」
全員の息がぴったりとあった唱和だった。
ぱちんと手を合わせるサチコ。
「それじゃあ、ホームルームしよっか。今日の議題、昨日カナエちゃんが自殺しちゃいました! 誰のせいでしょうか?」
しんと静まりかえる教室を、サチコはぐるりと見渡した。
笑顔のままで言う。
「だれの、せいでしょうか?」
「……リエです」
「ちょっと!」
教室の中の一人が、隣のクラスメイトを指さした。
「昨日カナエと話してるのを見ました。ぜったいリエのせいです」
「やめて! 私そんなことして……してない! ちがうの! テメェ! クソッ! 取り消せ!」
掴みかかろうとしたリエ――の首を、サチコが片手で掴んだ。
頭の位置が数十センチ上がる。否、首を釣り上げられているのだ。
「あっ……ガッ……」
「いったよね?」
笑顔のサチコ。
「クラスメイトをいじめたりしちゃだめだよ?」
笑顔のサチコ。
「ねえみんな? 合い言葉は?」
「「みんななかよし!」」
ごきぐしゃり。
首があり得ない力で方向にねじ切られ、地面に落ちた。
落ちた首を拾い上げ、カナエのものと思しき空白になっている机に置くと、サチコはくるりと振り返った。
「もう一回言ってみんな。合い言葉は?」
「「みんななかよし!」」
クラスメイトのみんなは、笑顔で言った。
●
静寂のあと、天野川・カノン(中学生エクスブレイン・dn0180)は湯飲みを机に置いた。
「……っていう話だよ。気づいてると思うけど、サチコっていうのは淫魔で、クラスメイトは眷属化しているの。こうなったら、もうおしまいだよね」
瞑目するカノン。静寂はまた続いた。
ある田舎の学校に、存在しないはずのクラスがある。
淫魔『サチコ』によって作られたその架空クラスは全国から誘惑によって集められた一般人が偽りの学校生活を送り続けるというもので、22人のクラスメイト全員にサチコによる最低限の強化がなされている。
クラスメイトたちはそれぞれ学校に極度になじめなかった学生だったため、この偽りの環境を死んでも手放したくないと考えています。
環境を破壊するもの。環境に侵入してくる異物。そういったものは全て実力で排除しようとするでしょう。それこそ死ぬまで。
「『サチコ』は淫魔だから、複数の灼滅者を相手に戦えるくらいの戦闘力があるけど、クラスメイトはそうじゃないみたいだね。いっぺんにばーってやれば二分くらいで殺せちゃうんじゃないかな。文房具で攻撃しようとしてくるし、弱いといっても鉛筆やコンパスで刺されたら痛いもんね。皆してサチコを庇うと思うし、結局は倒さなきゃね」
既に地域ごと破棄されているよな廃校なので周辺地域への配慮は必要ない。突入にもそう難儀しないだろう。
「これを放って置いたら、サチコはまたクラスメイトを補充していくもの。しっかり終わらせて、しっかり消そうね」
参加者 | |
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江田島・龍一郎(修羅を目指し者・d02437) |
識守・理央(オズ・d04029) |
柏木・イオ(凌摩絳霄・d05422) |
ゲイル・ライトウィンド(ホロウカオシックコンダクター・d05576) |
天槻・空斗(焔天狼君・d11814) |
飯倉・福郎(原典怪奇・d20367) |
迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801) |
オルゴール・オペラ(魔女の群・d27053) |
●大人になって流した涙は二度と君には戻らない
現地へと向かう電車の空気は、控えめに言って険悪だった。
天槻・空斗(焔天狼君・d11814)は読み終えた資料を膝に置き、腕を組んで瞑目している。話しかけてくれるなというサインだ。その横では、迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801)はまだ資料を開いて難しい顔をしていた。
「この教室は腐っとる。みんななかよし言うわりにはサチコの玩具や。気まぐれな死を待つだけやで」
「それだって本人が選んだことだ。死ぬまで夢の中にいたいなら、死なせてやろう」
江田島・龍一郎(修羅を目指し者・d02437)の言葉が重く響く。
さらなる重みを加えるかのように、ゲイル・ライトウィンド(ホロウカオシックコンダクター・d05576)が車窓にため息をついた。
「何も聞かずに死なせたほうがいいと思いますがね。あの場にいる人たちはみな他人に疲れた人ばかりだ。今更何も変わらない」
諦観のように目を閉じる。
一方で、やや離れたボックス席では識守・理央(オズ・d04029)とオルゴール・オペラ(魔女の群・d27053)が向かい合って座っている。
「分かってるんだ。余計なお世話だって。知ってるんだ。助けられない筈だって。所詮一方的な、押しつけのような、暴力みたいなものだけど、それでも僕はやめない。人を助けたい」
「リオはいつもそうよね」
腕組みしてとっくりと眺めるオルゴール。その横で、柏木・イオ(凌摩絳霄・d05422)がからからと笑った。
「そう言うなって。救いがあるのはいいことじゃねーか。救えるなら救うってのは、誰でも考えることだろ?」
「それは実際、みんなが考えていたことよ。共通のテーマだったもの。救えそうかどうかは、主観でしか測れないけれど」
「ンー? どうしたんですか皆さん」
飯倉・福郎(原典怪奇・d20367)が何がおかしいのかゲラゲラと笑っている。
「すくうとかすくわないとか、スープの底に沈んだ野菜か何かの話ですか? どうせ最後はまとめて飲み込むんですから、細かく刻んでやればいいんですよぉ」
いつの間にか取り出したナイフを手の中でくるくると回す福郎。
オルゴールは前髪を大きくかき上げて、わざと悪辣な顔をした。
「なんですそれ」
「これからする演技の準備」
●世界には変化しか起こらない。元に戻るものも、不変なものもない。
チャイムの音が鳴る。淫魔サチコはぱちんと手を合わせた。
「それじゃあ今日はここまで! みんな、また明日ね!」
そういって教室を出ようとしたサチコを遮るように、扉が独りでに開いた。否、理央とイオがそれぞれ教室に踏み込んできたのだ。
紛れて入ってきた小汚い犬が、サチコと目を合わせた途端にやりと笑って空斗の姿へと変わる。
一方で、後方の扉からは炎次郎と龍一郎がそれぞれ押し入っていた。
ざわめくクラスメイトたち。その内の一人がサチコに問いかけた。
「新しいクラスメイトじゃ、ないよね」
「うん、違うよ。『いつものやつ』だね」
「そっか、じゃあ」
クラスメイトはカッターナイフやシャープペン、彫刻刀やハサミを手に取り、乱雑に龍一郎たちへと襲いかかった。
「悪いけどここで死んで貰うね。はいみんな、合い言葉は」
「「みんななかよし!」」
現実の話をまずしておくべきだと思う。
日常において、カッターナイフを振り回す人間に話しかけることは難しい。
かといってそうしなければならない立場と状況であれば、怪我をすることと引き替えに話しかけることもできるだろう。
たとえば顔面や腹や腕などを切りつけられてもそれが可能ならば、恐らくどんな状況でも問いかけは可能な筈である。
実際の、そして今回の話に戻す。
理央は今、頬と胸と腕と眼球にペンやハサミを突き刺された状態で喋っていた。
「なめんじゃねえ、自分の弱さから逃げた袋小路を必死で守るとか笑わせんな!」
「うるさい!」
木製の古い椅子が頭に叩き付けられる。人類のうち七割以上はこれで黙るだろうが今の理央はそうでない方の人間だった。
「ムカついたかよ。負けたくねえだろ。立って拳を握れ。こんな所で死ぬな!」
「うるさい! 仲良しのクラスを――」
「ほんとに仲良しか? このクラス」
イオはオーディオプレイヤーからポピュラーな合唱曲を再生した。
当然イオとて満身創痍である。体中にカッターナイフの傷が走り、所々には折れた刃がそのまま食い込んで残っている。日常ではまず見ないくらい痛々しい傷口だった。
「仲良しだったらこの歌、上手に声揃えて歌えるよな」
「私はそういうのが嫌で――」
「なあ、お前らが求めてたのはこんな暖かいつながりじゃないのか。サチコが何か言えば切り捨てる薄情な関係でいいのか?」
「う、うるさい!」
イオの口に、カッターナイフがねじ込まれた。
その一方。サチコは何もせずに傍観していたわけではない。
それこその現実の話をしてしまうようだが、自分の娘がどこかへ消えて、たとえば携帯のGPSがこの場所を示していたなら、迎えに来て色々と説教をするだろう。友達や教師を連れてくることもあるだろう。そんな時は皆仲良く襲いかかり、皆仲良く皆殺しにしておしまいにしていた。今日は珍しく灼滅者が徒党を組んでやってきたが、クラスメイトを得たサチコにとってまだ驚異ではない。
「もー、ダメだよみんな。合い言――」
「黙っていろ。そして動くな」
龍一郎が鋭く踏み込み、刀を抜いて首をはねにかかった。
曲芸のように身体をねじ曲げ、刀の下を滑り抜けるサチコ。龍一郎の腕と刀の背を掴むと、窓めがけて放り投げた。
「邪魔しないでね」
「そいつは聞けない相談だ」
天井に両足をついた空斗が、サチコめがけて飛び込んでくる。
「『目覚めろ。疾く翔ける狼の牙よ。吼えろ、焔天狼牙』!」
剣を展開して切りつける。くるりと踊るようにかわすサチコ。砕け散る机と椅子。
間髪入れず、炎次郎が除霊結界を発動。サチコを霊力網にとらえるが、それを彼女は内側から引きちぎった。
灼滅者が三人がかりで襲いかかってもまだ足りない。が、今は倒すつもりではない。足止めができればいいのだ。
日常の中の、それも力ない一般市民への拘束力としては、出入り口や窓際に立ってやるだけで監禁が成立する。そういう判例があるくらいだ。だが肉を割き宙を舞い闇を具現化するサイキックの世界において、それはきわめて難しい。
チェスの駒ではないのだ。動き回るし、振り回される。故に食らいつき続ける必要があるのだ。
更にサチコを守るべく食らいついてくるクラスメイトがいるとなれば、場は混乱を極めることになる。
「サチコちゃんから離れろ!」
羽交い締めにしてくるクラスメイト。それを振り払う龍一郎。
「聞くが、カナエという子が自殺したそうだが、本当に自殺なのか?」
「そんなのお前に関係ないだろ!」
「関係ねえからなんだ!」
繰り出されたカッターナイフを手のひらで受け止めつつ、空斗は吠えた。
「そこのサチコは全員盾にして逃げるぞ。素晴らしい仲良しっぷりだな」
「それの何が悪い!」
「悪いやろ」
なおも食らいつこうとするクラスメイトを引きはがす炎次郎。
「仲良しってのは友達のいいなりやない。皆と手を取り合うことや。次に殺される恐怖におびえるか、自由と本当の平等を得るためにやり直すか決めろ!」
そんな彼らの後ろでは、オルゴールが気だるそうに壁によりかかっていた。
「『合い言葉は?』だって、ウケる。学校いけないからここにいるとかマジ意味不明なんですけど。家で寝てりゃいいじゃん」
「うるさい! うるさいうるさい! 勝手なこと言うな! 私の何が分かるんだよ!」
「出た出たおきまりのセリフ」
失笑するオルゴール。
「他人なんて知るわけないじゃん。馬鹿なの?」
「まーまーみんなー、おちついてー」
場にそぐわない、しかし異常に明るい声でサチコが唱えた。
空斗と龍一郎の首をそれぞれ掴み、そして握りつぶしてその場に捨てる。
「この人たちの言ってること、私すっごくわかるなー。だって友達は手を取り合うものだって言ってるんだよ。本当の平等と自由! 大事だよね、サチコも自由大好き! みんなだって合唱の練習全然しなかったから、きっとさっきの歌も歌えないよね。傷だらけの人が怒ったのもわかるよ。今度一生懸命歌の練習しよ? そしたら世界一上手になれるよ」
「う、うん……」
気圧されたクラスメイトの一人が手からカッターナイフを取り落とした。
笑顔でそれを見やるサチコ。
「どうしたのキミエちゃん? このクラスから出たくなっちゃった?」
「ち、ちがうの、ただ、なんだか」
「聞くな! サチコに脅かされる必要なんて――」
理央やイオが割り込もうとした、その時。
「きれい事はそこまでにしてもらいましょう。聞くに堪えない」
教室にゲイルが割り込んできた。
反対側。つまり窓から福郎とビハインドが飛び込み、窓際にいたクラスメイトたちの首を一斉にはねて飛ばした。
一部のクラスメイトは反射的にお互いを庇いあい、半数ほどは生き残ったが、それだけである。死ぬまでの時間が一分そこそこ延びただけだ。ビハインドが即死したクラスメイトに愕然とする女子の顔を掴み、衝撃波で破裂させる。
「キンコンカンコーン! 残念でしたね~! 五分経過! 道徳の時間は終わりでーす! 次の時間は~? 解体ショー!」
「待っ――」
「待ちません。これ以上無抵抗を続ければ全滅するのはこちらだ。サチコが攻撃の手を抜いていたからいいものの、最初から全力を出されていたら今頃僕らは全滅だ。最終目的すら失敗していたかもしれない」
「んふふ~、隠し事なんてずるいな~♪」
場にそぐわない、まるで馬鹿にするようなイントネーションでサチコは言った。
「えっとね、教えてあげる。『みんななかよし』のルールは皆が皆をかばい合って支え合ってお互いに隠し事を一切しないでみんなが喜ぶことをみんなのためにすることだよ。つまりね?」
学校の文化祭で見るような、ピクニックの先で見るような、明るい笑顔でサチコは言った。
「一番強くて一番偉い私のためにみんながすべてを捧げることが、なかよしのルールだよ? 私に捧げられた全てのものを私がちゃーんと綺麗に分配するの。私の下では誰も争わないし誰も仲間はずれにならないよ。それが真の平等で、本当の自由だよね。あはっ、私いいこと言っちゃった!」
「何がや、クソッ……」
酷く毒気付いた炎次郎が起き上がった。倒れるギリギリの所で霊犬ミナカタに助けられたのだ。龍一郎もまた同じである。さりげなくフォローにあたっていたオルゴールによって治癒されていた。
一方で、理央は大量に生み出されていく生徒の死体にわなわなと震えていた。その様子を横目に肩をわずかにふるわせるオルゴール。
「予定通りだ。分かってるな」
「分かってるよ……!」
理央はサチコに跳び蹴りを繰り出した。
間に割り込んでくる生徒の腹にめり込む脚。人間の肉体組織を容赦なく破壊する感触が足から伝わった。
「ぐっ……!」
歯を食いしばり、蹴り抜く理央。
龍一郎が刀を大きく振りかぶる。
「それが君たちの覚悟か。了解だ、来い」
言いつつ、虚空を横一文字斬りにする。サチコを庇ったクラスメイトや巻き添えをくったクラスメイトたちが一斉に切り裂かれていった。日常の人間が見ないような、想像するだけで禁忌とされるような光景が広がっていく。
だが龍一郎は知っている。世界は最初からこうだ。人間は生き物だ。物質だ。切断すれば内容物が露出するし循環する液体が流出する。それによって維持された中枢組織は機能を失って停止する。要約すると、人は殺せば死ぬ。
それについてはゲイルも同じだ。クロスグレイブを引っ張りだし、右から左へ掃射する。
強化一般人などと言いつつも、所詮はダークネスのおこぼれ。順調に破壊され、順調に死んでいく。
お互いをかばい合うクラスメイトたちも、半分に、半分に、また半分に減っていき、最後は片手で数えるほどになった。
「たとえばペットショップが犬を仕入れるとします。犬は良い飼い主に買って貰って幸せになるでしょう。しかし全てがそうではない。売れ残った犬がいる。犬猫併せて年間二万匹だそうです。しかし全て引き取る無駄金をもった大富豪はいない。野に放てば人を襲う野犬になります。ではどうする? 殺すんです。お互いのために、殺すんです。生きていくことが出来ず自ら死ぬことも出来ないなら、出来る人間がやるしかない。支え合いとはそういうものではありませんか」
「すまんな君ら。痛かったやろ。その痛み数千倍にして返したるわ」
炎次郎は刀を構え、サチコへと突撃した。
眼球を貫いて、後頭部から突き出す刀。
「いくら淫魔でも――」
「やだなー、あははっ! 人間じゃないんだから」
サチコはそのままずぶずぶと根元まで『詰め寄る』と、炎次郎の眼球めがけて鉛筆を振り上げた。
手を挟み込んで止めるイオ。
「この――!」
至近距離でオーラキャノンを乱射。サチコは直撃をくらったが、朗らかに笑いながらイオと炎次郎をまとめて突き飛ばした。
窓ガラスを突き破り、野外へ放り出される二人。
その一方で、福郎が生徒の一人の首を掴んで釣り上げていた。別人めいた声で言う。
「……言葉が事象を切り取ってきた。分かりやすく、目的に沿うようになァ。だが、虚実入り混じる事象を切り取ったところで、それは真実じゃあねェ」
手に力を込める。
「淫魔に支配されたクラス。その実何人もの人間が守りたかったのが人間ってのは一体どういうことなんだ? 俺にゃ全く分からねェ」
ごきりと音がして、福郎はその場に相手を捨てた。
残るはサチコだけだ。
「サチコ、僕はお前を哀れむ」
剣を握って飛び込む理央。
サチコの手首が切断されて飛んでいくが、サチコはもう一方の手で理央を掴んで地面に叩き付ける。
そこへ飛び込んでいく龍一郎。サチコの首を切断。更にゲイルがその首を槍で突き刺し、黒板に叩き付けた。ひとりでに動き出したサチコの胴体に空斗が割り込み、蹴りつける。机を大量に破壊しながら飛び、身体は動かなくなった。
そして。
黒板に叩き付けられて歪んだサチコの首が、笑った。
「ねえみんな、合い言葉は?」
「……」
ぐしゃり。
オルゴールのガラス細工のような剣が叩き付けられ、サチコの首もまた跡形も無くなった。
周囲を見回す。
生きている者はいない……かと思われたが。
後日談ではない。
サチコの教室の中で、一人だけ生きていたクラスメイトがいた。
彼女はひどく取り乱していたが、眠らされて安全な場所へと運ばれた。きっと一般的な手順を踏んでもとの生活に戻されるだろう。
それから先、どうなるかなど、誰にも分からない。
作者:空白革命 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年10月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 9/感動した 3/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 6
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