
「その程度かクズども! ガッツを見せろ!」
高校の広いグラウンドに大きな罵声が轟く。
「立て立て! それでも男か! やる気があるのかお前らは! そんな事で強いラガーマンになれると思うな!」
グラウンドには20人以上の筋肉質な学生達が疲れきった顔で座り込んでいる。その前に一際がっしりとした体型の男が楕円形のボールを手に見下ろしていた。
「あんた一体誰なんだよ……勝手に学校に入ってきやがって」
「俺か? 俺は通りすがりのラガーマンだ! お前らのような腑抜けは見てられなかったんでな、こうして鍛えてやってる!」
傲慢に男は言い放つ。この男の飛び入り指導の下、既に2時間以上ハードトレーニングが課せられていた。
「誰も頼んでねぇし!」
「そうだ! OBかなんかだと思って黙って聞いてりゃ関係ない奴かよ!」
「そうだそうだ! 関係ないなら何でお前の言うことなんか聞かなきゃならないんだよ!」
一斉に学生達が文句を垂れ始める。
「馬鹿野郎!!」
怒鳴り声に空気が振るえ、学生達の声が止まった。
「そんなクズみたいな根性だからダメなんだよ! 花園に行きたくないのか!?」
「うちみたいな人数ギリギリの公立が行ける訳ないじゃん……」
「この大馬鹿野郎!!!」
言い訳した学生に問答無用で男はボールを投げつける。ボールが顔面に当たって学生が吹き飛んだ。
「ひぃっ」
顔を凹ませた学生を前に、他の仲間たちが脅えた顔で声を詰まらせる。
「俺が指導する以上、お前らには花園で優勝してもらう。絶対だ! 分かったら立て! 肩車してグラウンド10週だ! 行け!」
既にへとへとな学生達だが、逆らえばどうなるかを見せつけられ、あんな目に遭いたくない一心から動き始める。
「そうだ! それでいい! 一人も遅れるなよ! ラグビーは皆で力を合わせるスポーツなんだからな!」
男は腕を組んで満足そうにそれを眺める。
「一人は皆の為に、皆は一人の為に!」
「やあ、みんな来てくれたみたいだね」
教室で能登・誠一郎(高校生エクスブレイン・dn0103)が灼滅者達を出迎える。
「みんなはスポーツとかやるのかな? 僕は運動は全然だけど、秋は運動も盛んな季節だよね。そんなクラブ活動をしている学校にアンブレイカブルが現れてしまうんだよ」
現れたアンブレイカブルはラグビー部の学生達にスパルタ的特訓を行い、心身ともにぼろぼろにしてしまうのだという。
「死者は出ないようだけど、重傷者も出るし、二度とスポーツをやらない人も続出するみたいなんだ。だからみんなにはこのアンブレイカブルを倒してきて欲しいんだよ」
善意であったとしても一方的なものを押し付けられるのは迷惑極まりない。
「敵の名は平山・亘。ラグビーで鍛えられた体をしていて、タフでパワーがあるよ」
アンブレイカブルらしくパワーに物を言わせた戦い方をする。正面から戦うなら噛み合う戦いになるが、被害も大きくなるだろう。
「現れる場所は都内にある放課後の高校。グラウンドで徹底的に基礎体力を身につける為の特訓を課すみたいだね」
現場には敵が現れる前に到着できるが、ラグビー部の学生が活動していないと敵が現れなくなるので注意が必要だ。
「こちらがラグビーにしろ喧嘩にしろ挑戦すれば集中して相手をしてくれるはずだよ」
敵がこちらに夢中になれば、学生達を逃がすのも簡単になるだろう。
「スポーツの秋っていうけど、無理矢理やらされるのは違うよね。せっかく打ち込んでいるスポーツが嫌いにならないよう生徒達を助けてあげて欲しい、お願いするね」
僕はスポーツよりも食欲の秋だけどと、誠一郎の手には秋の味覚特集の雑誌があった。
| 参加者 | |
|---|---|
![]() 花蕾・恋羽(スリジエ・d00383) |
![]() 巨勢・冬崖(蠁蛆・d01647) |
![]() 結束・晶(片星のはぐれ狼・d06281) |
![]() 檮木・櫂(緋蝶・d10945) |
![]() ハチミツ・ディケンズ(無双の劔・d21331) |
![]() 大和・猛(蒼炎番長・d28761) |
![]() 庄治・メアリー(耳はどこかに置いてきた・d33846) |
![]() 葵・さくら(ツンデレ系女子高生・d34645) |
●部活動
放課後のグラウンドではさまざまなクラブが楽しそうに活動をしていた。
「みんな頑張っているです」
その様子を花蕾・恋羽(スリジエ・d00383)と霊犬の豆大福は、暖かな陽気の中ぼんやりと眺める。
「皆様元気ですのね」
隣ではおっとりとしたハチミツ・ディケンズ(無双の劔・d21331)も、懸命に走っている生徒を目で追う。
「まだ現れんか、亘が来るまでは待機じゃあ」
バンカラな学ランを着た大和・猛(蒼炎番長・d28761)が腕を組み、じっと敵が現れるのを待つ。その瞳に宿る闘志は轟々と燃え盛っていた。
「アンブレイカブルはここで終わってもらうか、せめて丁重にご退場願わないとね」
ダークネスに勝手な真似ささせないと、庄治・メアリー(耳はどこかに置いてきた・d33846)もやる気を見せる。
「スポーツに打ち込んでいる学生達の邪魔はさせませんわ」
ラグビー部が泥だらけになりながらもタックルの練習をしている姿を眺めながら、葵・さくら(ツンデレ系女子高生・d34645)も頷いた。
「ラガーマンとして見過ごせんな。必ず倒して見せる」
ラグビーウェアを着た巨勢・冬崖(蠁蛆・d01647)は頭痛に耐えるように眉間にシワを寄せる。体は既に温まっておりいつでも戦えると気合十分だった。
「何時もなら無茶をして欲しくないと心配するんだけれど……。思うことがあるのでしょう、今回ばかりは大目に見てあげる」
そんな冬崖の様子を、檮木・櫂(緋蝶・d10945)は傍で優しく見守るようにしていた。
「私も男に生まれていたら……このように己の力を正面からぶつけ合う勝負に、夢中になってみたいものだ」
力一杯ぶつかり合う姿を見て、結束・晶(片星のはぐれ狼・d06281)が羨ましそうに呟く。
学生達が汗を流していると、グラウンドを囲む塀を乗り越えて一人の男が降り立った。ラグビーウェアの上からも筋肉に盛り上がった体つきが分かる。特に上半身が鍛えられ首は太腿のように太かった。
「おうっ、元気にやってるようだな! だがまだまだ足りん、もっと気合を入れられるはずだ!」
馴れ馴れしく男はラグビー部員たちに呼びかける。
「待て、まずは俺の相手をしてもらおう」
男が生徒達に近づく前に、冬崖が堂々と立ち塞がる。
「哀れな学生達を甚振るのは止めて、ここは一つ、勝負といこうじゃあないか。我々なら退屈はせんと思うぞ?」
「体力があり余ってるなら、私達がお相手して差し上げますわ!」
その隣に立った晶とさくらも挑戦的な鋭い視線を向ける。
「いいぞ、なかなかの気合の入りっぷりだ! どいつもガッツがありそうな目をしている! 期待できるな! 足腰立たなくなるまで鍛えてやる! とは言っても女のラグビーは無いがな」
男は大きな声で笑って冬崖に視線を向けた。
「頑張るにも限度がある、ってもんです。強制的に頑張らせるものじゃないです!」
恋羽がそう怒鳴ると、その通りだと賛同するように豆大福も吠えた。
「何を言うか! 頑張るというのは死の直前まで努力をするということだ! あまっちょろい事を言う奴は何一つ目標を叶えられない弱者の言い訳だ!」
男の唾が飛ぶ大声に空気が震え恋羽は耳を押さえて身を引いた。
「ラグビーをしていただけあって、良い筋肉してるわね。勧誘してみようかしら? なんてね」
冗談めかしながら櫂は殺気を放つ。それに当てられた生徒達は脅えたように遠巻きにし始めた。
「運動部のレギュラーになれず、早朝の学校屋上から飛び降りた少年の話を聞かせてあげるわ」
雰囲気を作ってメアリーが怪談を話し出す。すると周囲がざわめくように揺れ、肌寒いような感覚に学生達がどんどんと離れていく。
「変な相手がおるから離れとけ!」
続けて猛が一喝すると遠目にしていた生徒達も逃げ出し、グラウンドに戦う為の空間が出来あがった。
「ちょっと行ってくるわ」
メアリーが立入禁止の看板を持って駆け出した。
「さて、これで邪魔も入らん。わしらと勝負じゃあ!」
猛が一直線に突進する。技も何も無く、ただその体でぶつかり合う。
●特別指導
「ナイスタックル! だが腰が高い、もっと低く鋭くだ!」
押されていた男が踏み止まり、前傾姿勢となると逆に猛の体を吹き飛ばす。
「だがなかなか見込みのある、この平山亘が徹底的に扱いて、花園を目指せるラガーマンにしてやる!」
平山がどこからともなくラグビーボールを手にし、猛目掛けて蹴り放った。
「止める!」
そのボールを割り込んだ冬崖がキャッチする。暴れるボールを体で押さえ込み、肋骨にひびが入るのも構わずに勢いを殺す。するとすぐさまナノナノのババロアがハートを飛ばしてダメージを軽減した。
「ラグビーは皆様で力を合わせるスポーツ……とはいっても、力で、暴力のみで人を統率するだなんて、そんな事はとてもいい事とは思えませんし、許せませんの」
ハチミツが説教するように男に言葉を紡ぐ。
「それではわたくしたちで……わたくし………クク! 無理矢理にやらせるスポーツなど、面白くはあるまい?」
言葉の途中で俯いたハチミツが人が変わったように笑みを浮かべて男を見やり、挑発の言葉を投げかけながら目に見える程の殺気を放って平山の体を包み込む。
「さあ、始めますか! 手加減なしですわよ!」
そこへさくらが影で作った弾丸を撃ち込む。肩に当たった弾丸が皮膚を黒く染めていく。
「若いのはすぐに楽をしようとする、だが楽な道には決して栄光は無い! 栄光を手にしたければ汗と血を流すしかないのだ!」
平山は気迫でその身を侵食しようとする殺気を吹き飛ばし、皮膚の汚染を浄化した。
「口で言っても分からないのなら、体に教えてあげます! 行くよ豆大福っ」
恋羽が縛霊手を展開し結界を張って平山の動きを止めると、豆大福が駆け寄って咥えた刀で斬りつけた。
「これで俺の動きを止めたつもりか?」
平山が突っ込むと結界がぶち破られ、豆大福を拾い上げると投げ捨て、更に恋羽に迫る。
「返すぞ」
その眼前に冬崖がラグビーボールを投げる。咄嗟にキャッチしようと平山の腕が上がった。そこへ悪魔のような装飾の施された巨大なハンマーが唸りをあげる。
「吹き飛べ!」
冬崖はロケット噴射で加速したハンマーをフルスイングでボディに叩き込んだ。くの字になって平山が吹き飛ぶ。
「何時もより気合が入ってるわね、こちらも負けてはいられないわね」
続けて櫂が腕を獣のように変化させ、刃物のように鋭い爪で宙に居る平山を斬り裂く。
「いい連携だ!」
地面を転がっていて平山が跳ね起きる。そして吹き飛ばされても手放さなかったボールをキックする。弾丸のように放たれたボールが横から飛来した帯に当たり軌道を変える。
「ただいま、ちょうどいいタイミングだったわね」
看板を置いて戻ったメアリーが続けて帯を飛ばす。だが平山は腕を振るって帯を弾き飛ばし、メアリーに向けて突っ込んでくる。
「掛かって来たまえ、どちらのパワーが上か試してみようじゃあないか」
そこへ割り込み、腕を鬼の如く巨大化させた晶が待ち構える。
「上等だ!」
平山は愚直に真っ直ぐに向かってくる。そこへ拳を打ち込んだ。巨大な鉄拳が平山の顔にめり込む。だが後ろに下がる事はない、太い首が支えて拳を押し戻し、逆に晶の上半身が反らされた。
「ラグビーではこの程度の衝撃に怯んでいては勝てん!」
そのままタックルして晶を吹き飛ばそうとするが、そこに猛が加わる。
「ラグビーはチームでするもんなんじゃろ!」
2人の力で押し戻し、間合いを開けると猛が槍を平山の胸に突き刺す。胸の中央を狙った一撃。だが分厚い肉の鎧に阻まれ、内臓を傷つけるには至らない。
「一人は皆の為に、皆は一人の為に! それがラグビーの基本理念だ。だからどんどん協力してこい!」
平山は槍を手にすると持ち上げて、猛の体を地面に叩き付けた。
「回復はお任せあれ。魂の奥底に眠るダークネスの力よ、仲間を癒したまえ」
さくらが己が身に眠るダークネスの力を撃ち出し、猛の体に注ぎ込んで傷を癒す。
「守りが堅いなら、まずは動けなくしてやるよ! 身動きの出来ない状態で袋叩きにしてやる!」
縛霊手を装着した腕を伸ばし、ハチミツが平山の周囲に幾重にも結界を張り巡らせる。
●根性論
「ほうっこれはトレーニングにちょうどいい、全身に重圧が掛かっていい具合に鍛えられそうだ!」
平山は動きにくそうに体を動かし、満足そうに笑みを浮かべる。
「完全にトレーニングマニアです、付き合ってられないです!」
恋羽がローラッダッシュで突っ込み、跳躍すると炎を纏った蹴りを浴びせる。それと同時に後方から駆け抜ける豆大福が刀で胴を抜いた。
「普段からトレーニングに取り込めるような事はチェックする習慣をつけたほうがいい、意外と役立つものが身近にあるものだ」
平山は恋羽の足を掴むと、振り回して投げ捨てる。そしてそこに向かってボールを蹴り上げた。だがその前に影が過ぎる。
「キックのタイミングが見え見えだ」
冬崖がその体を盾にしてボールを弾く、衝撃にぐらりと体が揺れるが、そのまま足にタックルでぶつかる。
「足にきているんじゃないか? 力が入ってないぞ!」
平山が冬崖の体を振り解こうと蹴り上げる。だが冬崖は両腕で足を掴んで離さない。
「ラガーマンが一度掴んだ相手を放すと思うのか?」
歯を食いしばり痛みに耐える。意地でも離すかと力が籠もる。
「なるほど、確かにそうだ。一度組み付けば相手を倒すまで食らいつくものだ。素晴らしいガッツだ! お前なら花園も夢じゃない!」
「花園に行くことに執着している様子だけれど……どうしてアンブレイカブルになったのかしら?」
櫂の影が無数の蝶の姿となって平山の体を包み込む。
「俺は花園には行けなかった。だがその悔しさをバネにトレーニングを欠かさなかった。するとある時、人の限界を破って真のラガーマンに目覚めたのだ」
平山は全身に力を込めて纏わりつく影の戒めを引き千切った。
「結果普通の相手では勝負にならなくなってしまった。だからこうして俺と同じ次元で戦えるラガーマンを育てているのだ!」
地面を蹴る。爆発したような勢いで土が抉れ、平山の体が弾丸のように迫る。だがその体が前のめりになりバランスを崩して地面に手をついた。
「俺のことを忘れるな、まだ勝負は終わってはいない……!」
引きずられながらも冬崖が足に組み付き、動きを阻害していた。
「それにしても根性論だけでしか指導できないなんて完全に力量不足だと思うわ、選手の適性を見極めた上での適切な配置ってできない?」
メアリーが勢いをつけ炎を纏わせた足で顔面を蹴り上げる。
「根性だけでどうにかなるんだったら誰でもスーパーマンになれるじゃない、これじゃみんな壊れるだけ」
平山を仰け反らせると、くるりと回転して跳ね上げた足で後ろ回し蹴りを叩き込む。ぐらぐらと平山の上半身が揺れるが踏み止まった。
「根性とは基礎だ。土台の部分なのだ。これが鍛えられていないと何をしても駄目な奴になる。だから死んでも根性を鍛えねばならん!」
平山は冬崖の腕を掴んで引き剥がす。そしてその体をボールのように蹴り上げた。冬崖は肋骨を砕かれ意識を朦朧とさせていた。
「どんな怪我もすぐに回復して差し上げますわ」
さくらが宙にいる冬崖に力を撃ち込み、骨を繋げて意識を呼び戻す。
「そのムキムキの筋肉も努力の結晶ということか、その美しさは認めよう……だが!」
助走をつけた晶がその分厚い胸板に飛び蹴りを放つ。ゴムタイヤを蹴ったような感触が伝わるが、続けて反対の足で蹴って押し通す。
「それは他者を痛めつけるためのものではなく、護るものだ」
バランスを崩した平山が後ろに下がる。そこへ着地した晶がもう一度蹴りを入れた。
「ラグビーってのは面白いスポーツだなぁ! こうやって相手を倒せばいいんだろう!?」
ハチミツが背後から蹴りを叩き込む。平山が捕まえようと振り向きながら腕を伸ばすと、それを掻い潜って足に蹴りを放って距離を取る。
「根性が大事なのは分かるが、若者の意欲をへし折る様な真似は許さん!! ねじ伏せられる気持ちを少し味わってみんかい!」
正面から猛が殴りつける。息する間も無く連打を浴びせる。だが平山は殴られながらも蹴りを放って猛の腹に突き刺す。猛はそれに耐えながら自らも足を上げ、下駄を平山の腹に叩き込んだ。
「重い一撃だが、この程度では俺のガッツは折れんぞ!」
一喝して腹筋に力を込めると猛を吹き飛ばす。それを追うようにタックルへ向かうが、そこに満身創痍の冬崖が立ち塞がり、体と体がぶつかる。
「平山、お前の為に闘ってくれる『皆』ってのはいるのかい。俺には、いる。だから俺も皆の為に身体を張れるんだよ」
冬崖は平山の突進を止めた。ぼろぼろの体をさくらとババロアが癒して保っていた。
「私だって伊達にマネージャーしてないってことで」
櫂冬も崖に青い帯を巻きつけ崩れそうになる体を補強する。
「一人でも俺には折れぬ心がある!」
だが平山も負けじと更に力を込めて押し込んでくる。じりじりと冬崖の体が下がる。
「皆の為にか、美しい言葉だな」
そこへ晶が加わり、お手伝いしますと恋羽と豆大福も突っ込んだ。続けて他の仲間達も加わり一気に平山が押し返される。そこへ追い打つようにメアリーとハチミツが蹴りを浴びせた。
「どれだけ一人で強かろうと、協力する仲間のいないお前の負けじゃあ」
大きく振りかぶった猛の拳が平山の顔面を捉えた。よろりと膝をつき顔を上げる。
「そうだ、それこそがラグビーのスピリッツだ! 個人で負けていようと仲間と協力して乗り越える。やはりラグビーは最高だ!」
その目前で冬崖が巨大なハンマーを振り上げ、叩き下ろした。
●ノーサイド
戦いが終わり灼滅者達も離れると生徒達が戻り始める。
「……何とか、勝ったな」
「無茶しすぎよ、でもお疲れ様」
冬崖が平気な振りをして歩くのを櫂がそっと支える。
「暴虐ではあったが、芯の通った男じゃった」
全力でぶつかり合えた事に猛は満足そうにしていた。
「自分が好きで選んだ道、まだ投げ出すには早い」
晶が学生達に視線を移す。すると学生達はやる気に満ちた様子でクラブ活動を再開していた。
「やはりスポーツは楽しくやったほうがいいですわね」
大人しくなったハチミツがそんな様子を眺める。
「もう少しまともだったら良い指導者になれたのかもしれないです」
恋羽はお疲れ様と豆大福を撫でる。
「やっぱり秋といえば食欲の秋ですわね。この前できたお店、モンブランが美味しいんですって。これから食べに行きましょう!」
「そうね、アタシも運動してお腹が空いたわ」
さくらの言葉にメアリーが賛同し、他の仲間達も共に寄り道に向かう。
背後から学生達の元気な声が響き渡っていた。
| 作者:天木一 |
重傷:巨勢・冬崖(蠁蛆・d01647) 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
![]() 公開:2015年10月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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