もち肌淫魔☆危機一髪

    作者:森下映

    「今日のライブも楽しかったな〜☆」
     鼻歌まじりに深夜の路地をスキップしているのは、ふんわりした内巻きのボブともち肌が自慢のアイドル淫魔ルリコ。地下アイドル活動は順調のようだ。
    「次のライブもがんばりますよう! ……ってあれ……なんだろう……」
     ルリコに向かって近づいてくるのは3メートル程もある……羽虫型ベヘリタス。そして羽虫はルリコに襲いかかり、
    「きゃ、きゃああああ、助けて、えっ、あれっ、」
    (「ルリコ、今誰に助けを求めようとしたんだろう……」)
     混乱するルリコは一方的に羽虫に攻撃を受け、どこかへ連れ去られてしまった。

    「みんな大変だよ!」
     須藤・まりん(高校生エクスブレイン・dn0003)が言った。
    「『宇宙服の少年』が、都内で路上ハグ会を開いていたラブリンスターを襲撃、その絆を奪って連れ去ってしまったんだ。星野・えりな(スターライトエンジェル・d02158)さん達が、いち早く気づいてラブリンスターの行方を追ったのだけれど、羽虫型ベヘリタスに邪魔されて追いつくことはできなかったみたい……」
     さらに、絆を奪われて混乱するラブリンスター配下の淫魔達を、羽虫型ベヘリタスが襲撃、連れ去ろうとし始めているとのこと。
    「みんなには、この淫魔への襲撃を迎撃して欲しいんだ」
     ダークネス同士の争いなので一般人の被害などは無いが、ベヘリタスの動きを放置する事はできない。ラブリンスターの行方も気になるが、まずは、ベヘリタスの攻撃を迎え撃つことが必要だろう。
     成長した羽虫型ベヘリタスは大きさが3メートル弱まで育っており、戦闘力もかなり強力になっている。出現するのは1体のみ。ポジションはクラッシャーで、使用サイキックはシャドウハンターとヴェノムゲイル相当。羽を使って移動するが飛行ポジションにはならない。
    「それからアイドル淫魔の方なんだけど……」
     ルリコは戦闘力があまり高くないこともあり、戦闘が始まるとあとは任せたとばかり逃げ出してしまう。が、
    「うまく説得すれば一緒に戦ってくれるかもしれないよ」
     戦闘力が高くないとはいってもルリコもダークネス。ルリコが一緒に戦ってくれれば、戦闘は相当楽になるだろう。
    「成長した羽虫型ベヘリタスを見る限り、ベヘリタス勢力の戦力はかなり強くなっていそうだよね……タカトのことも気になるし……とにかくみんな、頼んだよ!」


    参加者
    黒曜・伶(趣味に生きる・d00367)
    葛木・一(適応概念・d01791)
    普・通(正義を探求する凡人・d02987)
    皇樹・桜夜(夜光の死神・d06155)
    アレクサンダー・ガーシュウィン(カツヲライダータタキ・d07392)
    銀城・七星(銀月輝継・d23348)
    白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)
    真波・悠(強くなりたいと頑張るココロ・d30523)

    ■リプレイ


    「絆を奪った上に連れさるとか、ひでぇ事するなぁ」
     葛木・一(適応概念・d01791)が言った。ポメラニアンのような見た目の頼れる相棒、霊犬の鉄を連れている。
    「ラブリンスターとの絆も取り返してやりてぇけど、まずは虫退治からだ」
     一の言葉に、ライトをぶら下げた真波・悠(強くなりたいと頑張るココロ・d30523)は、
    (「虫に襲われる女の子助けるって、いいな……がんばる」)
     冒険活劇が大好き、ライトノベルや漫画のキャラのようにカッコよくなりたい悠らしい。
    「ルリコさんか。七星さん達とは面識あるんだっけ」
     悠がたずねると、銀城・七星(銀月輝継・d23348)と白臼・早苗(静寂なるアコースティック・d27160)が頷いた。寮やクラブが同じ七星と一緒の依頼、悠はとても心強く思っている。
    「ラブリンスターの力を奪うなんて、……本当に、真の狙いが見えないよ」
     早苗が言った。
    「今度はラブリンスターか……タカトとやらは活動中の高位ダークネスを全員襲う気か?」
     と、鰹モチーフのライドキャリバースキップジャックに乗ったアレクサンダー・ガーシュウィン(カツヲライダータタキ・d07392)。
    「タカトとベヘリタスは許せませんね……見つけたら確実に殺しましょう」
     清楚な口調ながら。皇樹・桜夜(夜光の死神・d06155)はラブリンスターの大ファンであり、今回の事件にはものすごく苛ついている。そう、殺す以外の選択肢はないという位に。
    「当然配下の方の危険も見過ごせません。しっかりと助けられるように頑張りましょうか」
    「そうですね。ラブリンスターさんは一応は友好的な関係を築けている数少ないダークネスですから、助け合いは当然ですよね」
     漆黒の髪が長く落ち、眼鏡の奥の瞳は青く済む。黒曜・伶(趣味に生きる・d00367)が言った。
    「それにしても絆を奪うだけではなく配下の淫魔を攫うとは……自分の駒を増やし、何か大事を起こそうと企んでいるのでしょうかね」
     ききながら考える七星の首元、ローレルの枝を銜えた銀猫の、青瑪瑙の瞳が光る。ルリコとは2度会ったことがある。特別に好意を持っているわけではないにしろ、タカトやベヘリタスのやり方が大嫌いなことも加わり、
    「……なるべく力になってはやりてーかな」
    「うん、がんばろー、おー!」
     悠が言った。
    「しかし灼滅者が、絆を奪われたダークネスを忘れないのはどうしてだろうな? 本質的にはダークネスと違う所はないはずなのにな……」
     ――本質的には違う所はない。アレクサンダーの言葉を普・通(正義を探求する凡人・d02987)は噛みしめる。未だに戦闘は苦手、心には常に正義とは何かという問いが渦巻く。ダークネスとでも共存できたら……とは通の素直な気持ちである。
    (「ルリコさん、襲われてるとこ助けに行くから、ちょっとお手伝い期待してもいいのかな? でも、タイミング良すぎ? って思われるかな?」)
     現場に到着。各々身を潜める中、悠が小声で七星にたずねた。
    (「そんなにひねくれたヤツじゃないから大丈夫じゃねーかな」)
     七星が言う。
    (「うん。どっちにしても、カッコ良く邪魔しに行くよ!」)
     そう言った弟分の悠を見る七星の瞳は、どことなく優しげなのだった。


    「きゃ、きゃああああ、助けて、えっ、あれっ、」
    「今助けます! さあ、狩りの時間だ!」
     振り返ったルリコの視線の先、桜夜の着ていた和服がその趣を残した戦闘装束へと変わり、手には淡い桜光を放つ聖槍が握られた。
    「何をしようとしているのかわかりませんが、阻止します!」
     伶は殺界を形成すると、虫を見据えたまま胸元へスートを浮かべ、より高い攻撃力を得るため、魂を闇へと傾ける。
    「この身、一振りの凶器足れ」
     七星は音の壁を発動しつつスレイヤーカードを解放。大切な相棒である幽羅と夜深も姿を現した。
    「グギ!」
     桜散る漆黒の袂が翻る。桜夜の槍が激しく虫を穿ちぬいた。さらにその後ろから、早苗の詠唱の声とともに、開いた十字架の全ての砲門から光線が乱射される。その眩さにルリコが目を細めた瞬間、
    「ルリコさんから離れなさい!」
     通が全身から炎を吹き出し、ルリコの視界はさらに薄れた。虫は早苗の光線に灼かれ、通に炎を叩きつけられ。そして、
    「お前の相手はこっちだ」
    「ウギュユ!」
     勢い、帽子で押さえられた灰色の髪がざっとなびく。麻痺状態で燃え上がる虫を、アレクサンダーが手甲から展開したシールドで殴りつけた。続きスキップジャックが突撃を喰らわせ、噴きとんだ虫が身体を折り曲げながらルリコからアレクサンダーに標的を移した隙、
    「適応概念(トランスアジャスト)!」
     宙を跳ぶ一。背後、黒い狼が現れ、
    「おっす、もち肌アイドル、助けに来たぜ!」
     共にルリコと虫の間に飛び降りた。
    「た、助けに?」
    「この虫使って悪さしてる奴からお前ら狙われてるんだぜ。っと、」
     アレクサンダーに向かい飛び立とうとした虫へ向かい、影の狼が走りだす。ルーガルー。それは育ての親が一へと付けた忌み名。今は影業の名として残る。
    「はいはい、防御は任せてね! ここは通さないよ」
     狼の爪と牙に切り刻まれた虫の前に、飛び込んだのは悠。
    (「うわー、虫だー。こわー。かたそー」)
     痛そうだなと思いつつもがんばる気持ちは人一倍。
    「まずはどかーんと、あれ?」
     しかし叩きこもうとした拳に雷が走らない。戸惑う悠の背中を七星がぽんと叩き、
    「慌てるな。耐性はオレがつける」
    「うん!」
     七星が『七曜区間』を掲げる間に、悠はオーラを手のひらにためた。正七角形の標識に描かれた猫耳淫魔のピクトグラムと文言が毒への注意を促し、悠はオーラ弾を発射。オーラは飛ぶ虫を追跡、炸裂する。が、虫も翅をばたつかせ、毒の風を送ってきた。
    「鉄!」
     仲間の傷を見極めた一の指示に従い、鉄が回復に駆ける。
    「ここでこの羽虫を逃せば、またルリコさんを襲いに行くかもしれません」
    「え」
     既に逃げようとしていたルリコが、通の言葉に足を止めた。
    「で、でもみなさん強いですしい、」
    「いえ、かなりの強敵です。僕達だけではもしかしたら……」
    「けど、」
     気の進まなそうなルリコの前、虫が不気味な声を上げ自らに呪をかける。
    「きゃ」
    「そう簡単には彼女を連れて行かせたりしませんよ……?」
    「グギャア!」
     虫の身体中が斬り刻まれた。他の者には伶が素手で斬り刻んだかのように見えたかもしれない。伶の手のひらに巧妙に隠された断斬鋏は、密かに呪力をも宿す。そして伶は笑顔でルリコを振り返ると、
    「よろしければ、ルリコさんも少々手をお貸し頂けませんか?」
    「!」
    「ここで確実に灼滅するために、です」
     通が続けた。
    「こいつらは多分、あなたたちの異常を知ってて狙ってる……ここでしっかり潰しておかないと、また狙われる、と思う」
     ルリコに寄りそうように立ち、早苗も言う。
    「あれ、あなた、」
     早苗の物言いと顔に既視感を覚えるルリコ。早苗は頷き、
    「だから、力を貸して……!」
    「我々が倒れてしまった場合を考えれば、今共闘して確実に倒す方が君の為にもなると思うな」
     説得する者とルリコの両方を守るべく、アレクサンダーが壁となる。入れ違い、早苗は回復に備え準備を整えた。
    (「毒に、気をつけなきゃ……!」)
     そして、
    「ラブリンスターの事忘れちまったか?」
     一が言う。
    「らぶりん、すたー?」
     全く知らない、という様子。が、
    「ラブリンスターはお前と同じアイドルだ。攫われた上に忘れられてる」
    「アイドル……らぶりんすたー……」
    「アイドルにとって人から忘れられる事って怖いだろ? それにラブリンスターはお前らを守ってくれてた。今度はお前らが助けてやらなきゃどうすんだよ」
    「守って……そう、ルリコたちはなにか、とても強いものに守られて……でもでも、思い出せないんですよう!」
    「その記憶の靄は、シャドウであるタカトや今目の前にいるベヘリタスのせいです」
     耳を押さえてしゃがみこんだルリコに、桜夜が言った。
    「アイツの……せい?」
    「そうです。もし、ルリコさんが思い出したいと思うのなら、力を貸して頂けないでしょうか?」
    「思い出し……」
    「よぉ、久しぶり」
     鈍銀の十字碑、GrimReaperを担いだ七星が、トン、と側に降り立った。
    「あ、あなたも! なんで、」
     ルリコが目を見開く。
    「今回、ワケあって助けに来たけど……お前さ、今助けを求めたの、オレ達じゃねぇって自覚してんだろ?」
    「それは……でもっ、」
    「初めて会った時、お前『ルリコはいつだってラブリンスター様のために』って言ってたんだぞ」
    「ルリコが……?」
    「そ。ここでお前が逃げてもオレ達がなんとかするけど」
     流れだす聖歌、GrimReaperの銃口が開く。その在り様は一つ、我が道を阻碍するダークネスに死を。
    「お前のその大切な忠誠、こんな虫たちに奪われたまんまでいいのかよ?」
     光の砲弾が放たれた。それを追うように駆ける悠の足元は、七星から誕生日に贈られたNachtschwalbeが包む。
    「行くよっ!」
     煌きは星雲、軌跡は流星。七星の込めた思いの通り、悠はNachtschwalbeで宙高く翔け昇った。
    「グギイイイぁ」
     七星の砲弾が命中、凍った翅を砕くように、悠の重い蹴りが襲う。それを見つめるルリコの視線を遮る、アレクサンダーの身体に虫の吐き出した毒の塊が炸裂した。毒に蝕まれつつもアレクサンダーは鋭い鋏の先を虫へ向け、突進して断ち切る。
     虫の片を食らった鋏からアレクサンダーは傷を回復するが十分ではない。ルリコが何か口を開きかけた瞬間、早苗の天使を思わせる歌声が響いた。その声はアレクサンダーを癒し、回復役の恩恵で毒をも取り除く。
     そして桜夜がブーツの足で瞬時に距離を詰めると、漆黒の杖を羽虫へ叩きつけた。桜光が放たれ、桜夜が飛び抜けたと同時、流し込まれていた桜夜の魔力が虫の内部で爆発する。
     ルリコも同じことができる。歌い、杖を使い、そして、
    「逃げてもぽっかり空いた心の穴はずっと埋まんないんだぜ」
     スキップジャックが機銃を掃射する音をバックに、一が言った。
    「攫われたラブリンや他のアイドル淫魔達もこのままじゃピンチだ」
     立ち上がれと語りかけるような。『不屈の魂魄』を拳へ集束させた通が、羽虫の懐へ飛び込む。
    「オレ達もいっぱい手伝うからさ、力貸してくれルリコ」
     タイミングを見極めた通の細身の身体がしなり、沈み、羽虫へ強烈な連打を喰らわせた。
    「この虫強敵だけど、ルリコが一緒に戦ってくれっと、絶対倒せるからさ!」
     鉄を回復に控えさせ、一は片腕を半獣化させると、虫が通の打撃に吹き飛んだ方向へ走る。一の銀爪が虫を真っ向から斬り裂いた。だが即座に虫は反撃にでようとする。
     と、そこへ、早苗のものではない歌声がきこえてきた。歌声に惑い、苦しむ虫。
    「ありがとうございます、ルリコさん」
     変わらぬ笑顔で伶が言うと、
    「んと、がんばるですよう!」
     ルリコは両手でロッドを握りしめた。
     

    「一本釣りリフト!」
     高知のご当地ヒーローらしい大技で、アレクサンダーが虫を地面に叩きつけた。爆発の中から起き上がった虫を僅か振り返るように避け、L'Heure Bleueの裾と紅の髪をなびかせ跳んだ七星が、『回避不可』と猫耳淫魔が告げる赤色標識で殴りつければ続き、敗けぬ身軽さでルリコがロッドを振りかぶる。
     起きる爆発の中へ飛び込んでいくのは血の如く赤黒いオーラ『闇の羽衣』を拳へ集束させた桜夜。このまま散らさんとばかりに連打を加えていく。
     灼滅者同士連携の生じにくい場面はあったが、個々の戦略は噛み合い、ルリコの加勢も得て戦闘は有利に進む。
    「回復するよ!」
     オーラを癒しのそれへと変えて、悠が言った。
    「私も、浄化を」
    「オレも鉄とフォローするぜ」
    「りょーかいですよう! んじゃルリコは、」
     早苗と一が鳴らすギターの音に、ルリコの歌声がのり、再び虫を惑わせる。回復の効率もいい。攻撃も十分。あと一息。
    「今更逃しはしません」
     傾いた虫を、伶が指輪から発射した魔法弾が射抜いた。そこを狙う鬼の腕。通が変化させた異形の片腕に虫が叩き潰された手前、アレクサンダーが両足で踏み切る。
    「毒虫は確実に駆除しておかないとなっ」
    「グゲエ……エ、」
     蹴りから放たれた炎の中、虫は燃え尽きた。


    「やっぱりラブリンスターのことは覚えてないんだな?」
     一が言った。桜夜の手当を受けながらルリコは首を振った。
    「誰か組織の上のヤツとかはいるか?」
     アレクサンダーの問いにも首を振る。ラブリンスターに守られ、好きなように暮らしていたのだろう。
    (「害をなす要素がないのであれば協力していきたいですから、何か情報が得られればいいのですが……」)
     見守る伶。そこに、
    「お疲れさまです」
     通が声をかけ、
    「その……よければ、一時的に武蔵坂学園に身を寄せてもらう、というのはどうでしょう?」
     灼滅者たちが答える前に、ルリコが首を横に振った。そして皆を上目遣いにみると、
    「ルリコ……灼滅されたくない、ですよう……」
     今のルリコにとって、学園へ行くということは、自分を灼滅することができる者が多数いる場所へ何の保護もなく1人で行くということと同じだった。
    「えっと、以前も面倒な連中に絡まれてたけど、」
     早苗はルリコの隣にしゃがみ、
    「……うん、気を落とさないでね。気を、……強く持って行こう」
     励ますと、ルリコの口元に笑みが浮かぶ。早苗は続き、
    「できたら……他の仲間にも呼びかけて、繋がりを確認してみて。……心配だし」  
     ルリコが頷いた。そこへ、
    「ルリコさん、今日は手伝ってくれてありがとう!」
     悠がぴょこんと顔を出す。
    「それで……ルリコさんってアイドルなんだよね?」
    「そうですよ?」
     答えたのは桜夜。そしてルリコに、
    「できればサインをいただけますか?」
    「もちろんですよう!」
     アイドル扱いが嬉しそうなルリコ。サインをし、
    「これからも頑張ってください」
     との桜夜のエールに、
    「がんばりますよう!」
     と立ち上がった。
    「いいなーアイドル。ライブとかするのー? 行きたいなー!」
     などとごねる悠をおさえつつ七星は、
    「今日はありがとな。んで、これ」
     ルリコにメモを渡し、
    「何かあったら連絡くれ……ライブ告知でもいいから、さ」
    「はい、ですよう!」
     と答えたルリコの言葉の真偽はともかく。
    「じゃ、ルリコはそろそろ」
    「あ」
     早苗が呼び止めた。
    「?」
    「もち肌の秘訣を、聞けたらなぁって……」
    「ふふ。ナイショですよう?」
     ルリコが早苗に何か耳打ちする。と、早苗が真っ赤になった。
    「それでは、ごきげんようですよう!」
     ルリコの後ろ姿を見送りながら、
    「それで、秘訣とは何だったんですか?」
     伶がたずねる。
    「私の口からは……ちょっと……」
     早苗の顔が増々赤くなった。

    作者:森下映 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年10月26日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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