●introduction
伸び上がる影法師。朗々と歌う様に夕陽が昇る。
静けさに紛れて、小さな秋がゆらゆらと揺れている――それさえも優美で。
ざりざりとコンクリートを掻き毟る少年は「どうして」とぶつぶつと呟いた。
「出して、出して、出して出して出して出して出して出して――タ、――スけて」
ぶつぶつと呟く少年の額から紅い液体が滴り落ちる。
彼を心配そうに見つめる人々だってその公園には存在していた。
哀れな『密室』に閉じ込められた六六六人衆。彼は振り向きざまに一人、二人と心の中で殺し続ける。その手は己を傷つける事で人を殺す事から逃れていた。
六六六人衆、序列にして不明『弓沢・瞭』は今日もこの場所から逃れるために人を殺し、解体し、嬲る想像を続ける。
●
「新しい六六六人衆の密室殺人事件が発生してるんだけど、少しだけ様子が違う様なの」
不破・真鶴(中学生エクスブレイン・dn0213)は云う。六六六人衆も閉じ込められ、外に出る事ができないのだと。
「密室に閉じ込められた六六六人衆は、殺人衝動から『出る為に人を殺さなくちゃならない』という強迫概念に襲われてるそうなの。
彼――弓沢さんは、闇堕ちしたばかりで、殺人を行っていない。けど、それも時間の問題なの」
閉じ込められた恐怖心から人を殺めんとする。それは、時間が経つにつれ強い衝動となるだろう。
その密室を『解除』する事が出来れば、六六六人衆を闇堕ちから救い出せる可能性もある。
「弓沢・瞭さん。中学一年生の男の子。自傷行為でなんとか自我を保ってるらしいの」
密室は、中から外に出られないだけで、外からは簡単に入る事が出来、予知も可能であるらしい。アツシの物では無い密室はその辺りが違うようだ。
「密室は公園を構築してるのね。隠れる場所も少ない、遊具が多い変哲のない夕暮れの公園。
トンネルの遊具の中で膝を抱えた弓沢さんがいるの。彼は家族を六六六人衆に殺された事があるのね、大切な人を目の前で失う恐怖とそれに『羨ましい』と感じた自分の想いを否定し続けてるの」
自分を否定するのは、どれ程に辛いことか――瞭は膝を抱えて頭を掻き毟る。非常にナイーブな少年なのだろう。常に伏し目がちで眠たげな瞳が印象的なのだと言う。
「彼の衝動を肯定してあげて、抑える方法を考えて上げるのがいいかもなの。
でも、これは救う為の『ヒント』であって、救う救わないは皆に任せるのね」
できれば、救ってあげて欲しい――それはエクスブレインにとっての我儘なのかもしれない。
弓を獲物とした六六六人衆は遠距離攻撃を得意としている。
密室殺人鬼と為って密室を解除するか、死ななければ『密室は解けない』のだ。救うか殺すかの二択となってくる、選択するのは灼滅者達だけ。
「だれかが、密室に弓沢さんを捕まえたんだと思う……。
救えるなら、救って欲しいの。ハッピーエンドは皆の手で、だもの!」
参加者 | |
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宮瀬・冬人(イノセントキラー・d01830) |
風華・彼方(小学生エクソシスト・d02968) |
静永・エイジ(影戯のデスペラティオ・d06387) |
椋來々・らら(恋が盲目・d11316) |
狼幻・隼人(紅超特急・d11438) |
椛山・ヒノ(ハニーシュガー・d18387) |
目・茸(サガン・d19289) |
ハレルヤ・シオン(ハルジオン・d23517) |
●
静まり返った公園には背の高い時計が立っていた。作りだす影が、夕陽の位置で段々と変わりゆく。
伸びゆく影はまるで侵食する様で、心の中で、頭の中で騒ぎ出す思いを抑える様に唸り声を上げ続けた。
広がったのは、紅い、僕の―――?
「密室なあ。六六六人衆って相変わらず閉じこもったり閉じ込めるのが好きなんやな」
ゆっくりと足を踏み入れて、臆する事のない狼幻・隼人(紅超特急・d11438)に続く様にあらたか丸が尻尾を揺らす。愛らしい風貌に、ぴょんと立った耳が少しばかり折れている。『リアル』と切り離された『密室』に恐れを抱くのは誰だって同じだ。
行きはよいよい、帰りは怖い。謡う様に口にした椋來々・らら(恋が盲目・d11316)はチョコレート色のブーツの爪先でゆっくりと闇の中を往く。不安げに彼女の肩にぴったりと張り付いたキャロラインは闇を切り裂く様に行く灼滅者達に「いってはだめ」と言う様にくいくいと服を引っ張っている。
「だいじょうぶだよ、らら達にしか出来ない事があるんだもん」
悪戯めかして笑って見せて。普段通りのららの様子に椛山・ヒノ(ハニーシュガー・d18387)は嬉しそうに柔らかく笑った。砂を蹴り飛ばした爪先が、公園の変化をその体に感じさせる。スチームパンク風の衣装にその身を包み、陽の色の髪を揺らしたヒノの目の前で揺れる紅いバンダナはヒーローの証しのように思えて彼女は唇で弧を描いた。
「きっと、ヒーローを待ってるんデスよね」
「それってららたちのこと? カッコイイ!」
二人揃って笑い合う。場馴れした雰囲気の彼女達とは対象的な目・茸(サガン・d19289)は緊張した様にロープをぎゅっと握りしめた。
工事中の立ち入り禁止の看板、張り巡らせたロープ。必要以上に『犠牲』を出さない為の準備は万端だ。あとは『中』をどうにかすれば――「んー、んんー」と小さく唸ったのは、緊張からくるものか。
初陣はどうにも緊張して仕方がない。不安と共に片腕で揺れるブレスレットを眺めた茸は「大丈夫やろか」と小さく呟く。緑の髪を揺らす彼女の何処か固い表情を心配げに眺めていた宮瀬・冬人(イノセントキラー・d01830)は、年長になる事が多かったからだろうか、『お兄ちゃん気質』を発揮する様に彼女へと微笑みを浮かべる。
「大丈夫だよ。俺たちなら何とかなるから」
「……そうやね」
なんとか、しなくちゃいけない――そう思わせるのはこの『密室』の主の為。
ざあと吹く秋風が来訪者を拒絶する様に向かい風になっていく。柔らかい紫色の髪を煽ったそれに風華・彼方(小学生エクソシスト・d02968)は何処か不快だと言う様に髪を抑える。高い襟の中、ちらりと見え隠れする傷は彼が『此方』に踏み込んだ時に得たもの。
「あんた達……」
「こんにちは。弓沢さんの、あの遊具の中の彼の御近所さんなんだ。任せて欲しいんだけど、いいかな?」
背後からじっと眺める一般人の視線を受けて、傷を抑えたままに柔らかく微笑んだ彼方の言葉に彼らは顔を見合わせて不安げに遊具へと視線を送る。臆することなく、遊具へと歩を進めた静永・エイジ(影戯のデスペラティオ・d06387)は光の射さぬ闇色の眸でちらりと一般人へと視線を向け、唇を歪めて笑った。
「案ずるな。私達は失敗などせん」
●
密室と言う言葉に、ハレルヤ・シオン(ハルジオン・d23517)が感じたのは親近感だったのかもしれない。
「アハ、懐かしいねえ」
ぎょろりと動いた金の瞳、少年の様な外見の彼女は遊具の出入口を塞ぐ仲間達へと視線を送る。
「アレが居なくなっても密室は増えてるんだ。ふーん……」
幾許か共に動いた六六六人衆達。己を受け入れてくれた『居場所』。こちらとあちらの境目が余りにも不鮮明だった頃に――出会ってしまった、極悪人の忘れ形見のように思えて、ハレルヤは思考を棄てる。
そんな事を考えるのは『ガラ』じゃない。
ららと茸が周辺へと声を掛けると同時、周囲の音を遮断する冬人によって、更に『異空間』の雰囲気が増したこの密室は案外、居心地は悪くない。
差し込む夕陽に、伸びる影を追い掛けて、鳴く鴉の声に合わせてららは柔らかに笑う。チョコレイトにキャンディを添えて――小さな魔法少女から感じるには違和さえも感じさせる圧倒するオーラにじりじりと後退する一般人達は「だるまさんころんだをしようよ」と誘う彼女に促され背を向けてゆく。
それでも、トンネルを伺う人々へと茸が「こんにちはァ、サイン会はあっちでやるからねっ☆」と可愛らしいアイドルを装って声を掛ける。その囁きに頷いて、ゆらゆらと歩く一般人達の間をすり抜けて、遊具へと手を掛けた隼人は残る仲間達の面立ちを確認する様に見回した。
「エンドレスノットが動いてるっつー噂もあったんやけど、それならそれで、こっちは真鶴の言う所のあれや、あれ。
ハッピーエンドをエンドレスでつないでやろうや。今、それが出来るんは俺らだけやしな?」
「ハイ! ハッピーエンドをエンドレスにしましょう!」
へらりと笑う隼人の言葉に大きく頷くヒノの視界に、膝を抱え異質なモノを見る様な視線で射る少年を捉える。
身震いするほどに不安げで、怯えた様に掻き毟った爪先に滲んだ赤がこびり付いている。
伏し目がちで、眠たげで、それでいて――恐怖心を宿した瞳は何処までも暗い。
背を遊具に預けたまま、怖い怖いと己を抱いた彼の唇から声なき叫びが漏れだしたのを彼女は確かに聞いた。
「貴様が弓沢・瞭か?」
「う、う………ッ」
嗚咽にも似た、声が唇から漏れだした。エイジは蒼天の髪を秋風に揺らして彼の不安を如何に理解すべきかと首を捻る。
誇り高きバンパイアは抗えぬ衝動も、死を怯え自傷するその行為さえも理解できない。しかし、看過する事も出来ないのだろう。『民草風情の一つ、二つ。救えぬにして何が高貴なるヴァンパイアであるか』――怜悧な眸に宿した野心は彼なりの歪んだ優しさなのだろう。
「何、怯えるな。私は貴様を理解しにきたのだ」
「……?」
「そう、理解しに来たんデスよ。瞭が手に入れた力のことを教えに来たんデス」
ゆっくりと、様子を伺いながら話す。ヒノの言葉に続いてハレルヤは手を差し伸べる。その名の通り『歓喜』を与えんと、優しげに、パニックを抑えんと普段の調子とは何処か違った様に。
「キミを助けに来たんだあ。イキナリ何言ってるんだって思うだろうけどお」
「助け――……ここから、でれ、でる、」
たどたどしく、言葉を漏らす瞭の瞳に浮かんだ不安と恐怖は灼滅者達の落ちつきようからくるものだったのだろう。
咄嗟に背に隠した弓を握りしめたのはいざという時の『保険』なのだろうか。
(「似てる――んだろうな。俺と、彼は……」)
とくん、と。鼓動が一つ音を立てる。
脳裏に過ぎった滴る液体。牙の感触に、歓喜と羨望、惧れを為した心が首を絞めたその日がフラッシュバックする。衝動は、何時だって襲ってくるものだ。柔らかに微笑んでいたって、その眸が捉えるのは何時だって『生者』か『否』か。
「……家族や友人を殺したいって、思ったの?」
「ッ――」
びくりと肩を揺らしたのは、突拍子もなく本音を言い当てられたから。
遊具の冷たいコンクリートに掌をぺたぺたと付けて後ずさる。しゃがまなければ大人一人も厳しいその隙間を余りにも容易に行く少年の背を見逃さんと反対側の出入り口で茸は立っていた。
「衝動も、感情も、自分らでどーにかなるもんやないねん。そんな簡単なものちゃうねん」
「そう。だから、もうかくれんぼはやめようよ? 鬼さんみぃつけた」
背に隠したダイダロスベルト。伸びる影に合わせて、ゆっくりと広がってゆく、影業。
避難対応を終えたららと茸の姿を確認し、逃げ場を喪ったと悟った瞭は弓を構える――『殺さなくちゃ』
「こ、殺さなくちゃ――厭だ、やだ、こわい、殺さなくちゃ、殺されちゃう、殺さなくちゃ殺さなくちゃ僕が」
母の様に。父の様に。兄の様に。
地面を蹴ると同時、砂利が跳ねる。運動靴の裏が蹴り飛ばしたコンクリートは余りにも冷たくて。
弓を器用に使って打ち出したそれを体をバネの様に跳ねさせた茸が受けとめる。けたたましい音を立ててエンジンの駆動音を響かせたチョボ六の椅子を足場とし、飛びこんだ茸の影業がぐるりと縛る様に蠢いた。
「腹たつわぁ……本人、嫌がってんのに無理やり人殺しさせよとすんの、やめよや……」
体を受けとめる様にタイヤを回転させ、茸の着地点へと滑りこむチョボ六に茸は「おおきに」と小さく笑う。
彼の不安を嫌でも感じとるからこそ、此処は応戦するほかない。とん、と確かめるように地面を蹴ったヒノの柔らかな笑顔が何処か固くなってゆく。
「その力は傷つける為だけの力じゃないデス! 誰かを傷つけなくても、殺さなくても、自分を傷つけなくても良いデス!」
「でも、母さんは! こ、殺され―――何もしなかったら、殺され、て」
駄々を捏ねる様に首を振る。衝動が暴走する様で。白い首筋を晒すヒノが余りにも甘美な獲物に思えて堪らない。
殺されたくないから、武器を持って。
殺したくないから、駄々を捏ねて。
殺したくて、堪らないから、泣きごとを言う。
「罪無き者に手を掛けない気概は貴様の本質だろう。貴様の望みを口にしろ。
誰も殺したくないというのであれば誰も死なせん。傷ついているその体の代わり位にはなろう」
後方で癒しての役割を担う彼の言葉にキャロラインがぱたぱたと手を揺らして頷いた。
「よしっ! 衝動をぶつけてこい! 俺らはそんな生半可に倒れへんで!」
掛かってこいと胸を張った隼人めがけて弓が飛ぶ。体を翻し、ヒノが縛霊手で殴りつける様に瞭へと一歩迫った。
「痛くて苦しいのはあたしも同じデス。大丈夫、どんな思いがあっても自分は自分なんデス。だから、しっかり向き合って下さいデス、否定するのは簡単だから、逃げないで」
直向きな彼女の声に、抵抗する様に瞭が首を振る。
がくん、と膝から抜けた力は僅かながらに言葉の与えた力か。
影の鎖が縛りあげる。その瞬間にちらりと過ぎった『死のヴィジョン』。振り払う様に冬人は首を振って笑って見せた。
「俺も、同じなんだ。だから、瞭もそのままでいいんだよ。
抑える方法なら、俺が一緒に考える。目一杯悩んで、目一杯考えて、一人じゃないって――そう納得してくれればうれしい」
●
「……堪え続ける事でその心さえ殺してやるな。
貴様が羨ましいと感じたものをぶつけてみてほしい。一度顔を上げてその瞳を周囲に向けてみろ――貴様の言葉なら、全て聞き、受け入れよう」
エイジの言葉に、瞭の瞳から一筋水滴が堕ちる。塩辛い、甘くは無い雫。
弓を握りしめたまま彼は震える唇で言葉を紡ぐ。どうしようもないんだ、と。
「母さん達が死んだ時、怖かった。同じ力があるんだって、思った。
だけど、どうしても、僕も殺したいって――羨ましくて、堪らなかったんだ」
紅い月が嗤っていた。あの夜は、どうしようもなく誰かを傷つけたくて。流れる血しぶきを浴びたくて堪らなかった。
「瞭が、怖くて堪らない夜は異変を予知してくれる子だっているの。
もしもの時はこうやって駆けつけて止めて上げる。だから、心を殺さなくっていいんだよ。
キミのコロシタイって衝動を全部らら達が食べてあげる。キミが弓沢瞭でいられる証明をらら達があげるから」
ふわりと揺れる慈愛の塊。偽だらけの魔法少女ごっこ。
自分を、認められない自分を、嫌いだ。
そんな自分みたいな『かっこ悪い彼』も、嫌いだ。
武器はもう必要ないと彼女は笑った。本音は、全て毀れていく。
エイジが言う様に、己を殺すことで平静を保っていた。
冬人が言う様に、耐え難い衝動を抑えることは難しかった。
ららが言う様に、駆けつけてくれるなら――自分は、自分でいられるかもしれない。
「もう一度、僕は、普通に笑ってられるかな……」
「何言うとんのや。気付いてないんか? お前、今、笑ってるやろ」
隼人の言葉に唇を噛み締めた。張り詰めていた糸がピンと切れた気がして。傷つけた場所が、傷つけあった所が、止め処なく壊れそうで。
彼の足へと擦り寄ったあらたか丸が尻尾をゆらりと揺らす。
居場所ならいくらだってあるのだと、学園へとの誘いを手に彼方がゆっくりと彼へと歩み寄る。
「お兄さん、年上なんだからしっかりしてくださいよ。……大丈夫、その力は怖くないんです」
自分も、その力を持っているから、理解して上げられる。
もう――ひとりで、かかえこまなくていい、と。言い聞かせて。
じくじくと痛んだ傷口が。どうしようもなく痛みと共に溢れだしそうで。
その手から滑り落ちた弓が、からんと音を立てて転がって行く。伸び上がる翳に被さる様に少年は膝を付いて、泣いた。
「痛い? 怖い? それならキミは大丈夫。その傷、ボクが治したげよっか」
ゆっくりと見下ろしたハレルヤの掌から滑り落ちたウロボロスブレイド。
狂気を孕んだ瞳に俄かに滲んだのは羨望だった。平穏を生きようとする少年の悪あがきへの、たった少しの嫉妬。
膝を抱えたまま、合わせる顔がないと彼はしくしくと泣いている。
「オトコノコは泣いちゃダメなんだから。ほら、お腹もすいちゃったし、帰ろっ?
何時か、その力でららたちを助けてね。大丈夫、瞭なら出来るから」
ウェーブの掛かった桃色の髪を秋風に揺らし、滑り台の上で膝を抱えた瞭を見上げたららが困ったように笑う。
非日常に足を踏み入れた混乱は、己の抱えた不安を爆発させる様で。
ゆっくりと階段に足を掛け、もう小さくなってしまった滑り台の手摺に手を添えたまま冬人は彼の背を撫でる。
理解してやることはできる――理解はできるし、共感できるが、共有は出来ない。
彼の抱える物は、彼だけのものなのだから。
小さく欠伸を噛み殺し、電池切れが近いと言う様に眠たげな彼方の手招きに瞭は首をふるりと振った。
自分は、人を殺そうとしてしまったから。幾ら『非日常に両足を突っ込んだ』と言われたって。
「大丈夫だよ。学園には沢山のそう言う人達がいるから」
「言ったじゃないデスか。一緒に、生き抜きましょ。この非日常(にちじょう)を」
ネ、と柔らかく微笑んで。暗い眸に差した光が、彼の心を強くしてくれればとヒノは祈る。
誰もが抱えた爆弾(きょうき)を胸に宿して――今日はもう帰ろうと手を差し伸べて。
「帰る場所位なら用意してやろう。言っただろう? 誰かに頼ってでも良い。少しずつ受け入れてやってくれ」
今日、君が安らかに眠ることのできる夜が訪れることだろう。
作者:菖蒲 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年10月18日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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