消えない炎と傷痕

    作者:夏雨

    「丹奧(におう)さんちの犬が殺されたんだと」
    「ありゃあクマの仕業だとよ」
    「息子が一緒にいたんだろ? よく無事だったな」
    「きっとコウがユキムネくんを守ってくれたんだよ、かわいそうにねぇ」
     山に囲まれた町というより村の道路を歩いていると、イノシシ、鹿、タヌキなどの野生動物に出くわすのは珍しくない。そんな山奥に近い地域で事件は起きた。
     地元に住む中学2年生の丹奧・潔宗(におう・ゆきむね)は、飼い犬のコウと一緒に散歩に出かけた。はずだったが、血まみれのコウを抱きかかえて戻って来た。
     コウの体には痛々しい爪痕が残されており、何かどう猛な獣の仕業に違いないことは明らかだった。コウは柴犬に似た容姿の雑種犬で、白い毛並みは真っ赤に染まっていた。
     詳しい事情を聞こうにも、潔宗は当時のパニック状態から塞ぎ込み、何も語ろうとしなかった。
    「コウのことを兄弟のように可愛がっていたから、よぽっど堪えたのね……」
     家に事情を聞きに来た駐在に、潔宗の母親は涙を浮かべて語った。
     地元の猟友会のメンバーらは、張り切ってクマ狩りに乗り出したが、山の中で見つけたクマはすでに息絶え、惨殺されていた。
    「大変じゃ! もう1頭クマの死体が見つかったぞ!」
    「……本当にクマの仕業だんべか?」
    「馬鹿言うでねぇ……クマじゃなかったらなんだって言うんだ!」
    「おっそろしい……山神様のタタリかのぅ?」
     付近に住む住民は騒然となり、まじめに祈祷師を呼ぶかどうかすら話し合われた。
     コウの事件から1週間が経った早朝。潔宗の母親は台所の窓の外に人影を見る。庭先を歩く人影は、部屋で寝ているはずの潔宗だった。潔宗の部屋着や顔には、赤黒い血がべったりと付いていた。
     母親は震え上がりながらも忍び足で玄関から風呂場に向かう潔宗に声をかける。
     潔宗が家に入った瞬間から、濃い獣の臭いが漂ってきていた。黙って母親を見つめる潔宗の目は、獣のような眼光を放ち、別人のように据わっていた。
    「ユキ……、どうして……!?」
     母親がある結論に至ったのを察したように、潔宗は2階へと駆け上がる。母親の制止も聞かず、潔宗は2階の部屋の窓から外へと飛び降りた。
    「潔宗っ!」
     潔宗はそのまま家から走り去り、山の奥へと姿を消した。

    「コウを殺してしまったのは、イフリートと化して暴走した潔宗さんだったの……」
     須藤・まりん(高校生エクスブレイン・dn0003)は事件の経緯を話し、潔宗がイフリートであることを明かした。
     山のクマが殺されたのも、イフリート化した潔宗によるものだった。大切な家族を殺してしまった罪悪感に苛まれながら、潔宗は自身の闇と葛藤していた。
    「そろそろ潔宗さんは限界みたい。皆の力で潔宗さんを助けて、町の人たちへの被害を防いでほしいの」
     完全にダークネスの力に支配されれば、潔宗は人を襲うこともためらわなくなるだろう。そうならないために、闇堕ちが不完全な状態で潔宗を倒し救出するか、灼滅する必要がある。
     家から山奥に逃げた潔宗は、川をたどった上流付近でイフリートの姿を現す。象のように巨大な火を吹く狼の姿をした潔宗は凶暴で、人らしい理性は消えつつある。戦闘になれば、『ファイアブラッド』と同様のサイキックで攻撃を行う。
    「潔宗さんはコウを殺してしまった自分自身を許せなくて、自暴自棄になっているのかもしれない……でも、潔宗さんの家族はコウだけじゃないよね。潔宗さんのことを心配している人たちのためにも、潔宗さんには戻りたい気持ちを強く持ってもらわないと……皆の潔宗さんを助けたい強い気持ちがあれば、きっと潔宗さんにも通じるはずだよ」


    参加者
    神虎・闇沙耶(ラグドールのウェアライダー・d01766)
    夜鷹・治胡(カオティックフレア・d02486)
    シェレスティナ・トゥーラス(欠けていく花・d02521)
    香坂・颯(優しき焔・d10661)
    宮武・佐那(極寒のカサート・d20032)
    マナ・ルールー(ステラの謡巫女・d20938)
    マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・d21200)
    クレンド・シュヴァリエ(ワールドオブシールド・d32295)

    ■リプレイ


     青空と緑の風景が広がり小鳥がさえずる野山の様子は、一見のどかなものに思えた。恐ろしい獣が山を徘徊してさえいなければ、絶好のハイキング日和である。
     踏みならされた山道を進む一行の中に、翼の生えた猫の存在があった。自在に空中を泳ぐイリスとケレーヴとは違い、ウイングキャットの王様は宮武・佐那(極寒のカサート・d20032)の頭の上に体を預け、動くのを面倒臭がっている。佐那の体格からして頭にのしかかる体重は重そうに見えるが、いつものことのようだ。
     皆を先導するように道の先へと飛んでいくイリスとケレーヴは、何かを見つけたように鳴き声をあげる。2匹が見下ろす場所には何か大きな獣の足跡があり、イフリートが奥へと進んでいることを示していた。
     ビハインドの綾を連れた香坂・颯(優しき焔・d10661)は、足跡をたどり始めながらつぶやく。
    「この先にいるみたいだね」
     川沿いに奥へと進むにつれ、皆の緊張は高まっていった。
     何か風の音とは違う音を聞き取り慎重に歩みを進めていくと、遠目には岩の塊に見えた大きな影は、川の水を飲むイフリートの姿だと気づいた。
    「あれが潔宗ちゃんか」
     すっかり野生に馴染んでいる潔宗の姿を見つけ、シェレスティナ・トゥーラス(欠けていく花・d02521)はつぶやく。
    「コウは助けられなかったけど、潔宗ちゃんは必ず助けるから」
     そう決心してシェレスティナは潔宗のそばへと踏み出す。
     マナ・ルールー(ステラの謡巫女・d20938)は箒にまたがり飛行する準備を始めると、
    「これ以上大切なものを失ってはダメですよう、ユキムネさま。頑張りましょーねい」
    「これが終わりじゃない……始まりになるよう助け出す!」
     そう意気込み、マサムネ・ディケンズ(乙女座ラプソディ・d21200)は戦闘に臨む構えを見せる。
     クレンド・シュヴァリエ(ワールドオブシールド・d32295)は自らのデモノイド寄生体を操り、
    「皆で必ず救い出そう」
     右腕に青い刃を現す。寄り添うビハインドのプリューヌと共に、1歩ずつ潔宗に近づいていく。


     戦闘域となるその場でESPの処置が行われると、その気配を感じ取った潔宗は川から顔を上げ、やって来た一行に警戒心を露にする。
     牙をむき出し毛を逆立てる巨大な狼に向かって、神虎・闇沙耶(ラグドールのウェアライダー・d01766)は堂々と尋ねる。
    「お前が潔宗か」
     人の言葉を介さない潔宗は、低いうなり声で闇沙耶に答える。元々返答など期待していなかった闇沙耶は、即座に手にした巨大な刀を炎の刃に変えた。今にも飛びかかりそうな潔宗に向かっていき、同時に潔宗が振り上げた前足を斬りつける。
     槍を構えた夜鷹・治胡(カオティックフレア・d02486)は、左目を通る傷口を軽くなでてつぶやく。
    「丹奥……コウを死なせたのが辛くてしょうがねーんだろ」
     その傷口から吹き上がった炎は、治胡が突き出した槍の切っ先を包み込み、武器と一体となる。
     かつて同じファイアブラッドの力により暴走の恐怖を味わった治胡。潔宗に同情を寄せながらも攻撃の手は緩めない。身を翻す潔宗は治胡の間合いから退こうとするが、炎をまとう治胡の槍は潔宗の腹部を捉え、飛びすさる潔宗を勢いよく突き飛ばす。
     川辺の砂利の上を転がる潔宗に向けて、佐那は巨大な十字型の銃砲を構え、
    「落ち着いて話をしたいところですが、まずは冷静さを取り戻してもらいます」
     佐那の銃砲から冷気を帯びた光の砲弾が打ち出されると、潔宗は巨体にものを言わせて砲弾へと突進した。直撃した砲弾は粉々に砕け散り、潔宗は佐那へと猛進する。肉球パンチをお見舞いしようとした王様も、その巨体に弾き飛ばされて宙を舞う。
     一瞬王様に気を取られる佐那の前に、颯は進み出る。ビハインドの綾は颯の行動をくみ取り、佐那を押し退けるように急いで潔宗の前から遠ざける。
     どう足掻いても押し負けるのは目に見えていたが、颯もただで攻撃にさらされるつもりはなかった。即座に剣を刃の連なるムチに変形させ、颯は潔宗の頭突きをまともに食らいながらも前足に刃を巻き付けた。
     潔宗は片足に巻き付き食い込む刃をがむしゃらに振りほどこうとする。が、颯は剣の柄を離さず、引きずられそうになる潔宗の力と対抗し続ける。
    「君はコウを殺したいと思っていたの? そうじゃないよね?」
     シェレスティナの言葉に対し、潔宗は理解を示すようにシェレスティナを見つめた。しかし、潔宗は一瞬抵抗をやめただけで、堂々と語りかけるシェレスティナに牙をむく。シェレスティナに届く直前スレスレで牙をガチンと噛み合わせる潔宗は、颯による拘束を解けずにいる。
    「大切な存在を死に追いやった自分を許せない気持ち……俺も分かる、知ってるよ」
     颯は剣を握る力を決して緩めずに続ける。
    「だけど、このまま闇にのまれちゃ駄目だ! 君を心配する人は他にも居るはずだ」
     ケレーヴとイリスも総出で潔宗の動きを封じにいき、威嚇する潔宗の周りを飛び回り、パンチを命中させようとする。俊敏に飛び交う2匹に翻弄される潔宗に対し、シェレスティナは縛霊手をはめた手で殴りかかる。シェレスティナの一撃を受け止めながらも、潔宗はケレーヴを捕らえた。
    「うにゃアッ!」
     潔宗の肉球と地面の間にしっぽを挟まれ、ケレーヴは地面を引っ掻いて必死に脱出しようとする。潔宗の牙の間から火の粉がこぼれ始めるのを見た闇沙耶は、夢中でケレーヴをつかみあげ、空中へと放り投げた。
     潔宗の目の前に躍り出た闇沙耶は、激しい炎の奔流にさらされる。闇沙耶は巨大な刀を盾にして、潔宗が吹き出す炎から身を守ろうとする。
     箒に乗って飛行するマナは、空中に投げ出されたケレーヴを受け止めた。マナは上空まで舞い上がる熱風にも耐え、
    「あちちぃ……ッ、これぐらい、コウちゃんを失った悲しみに比べれば――」
     ケレーヴと共に闇沙耶の援護に乗り出す。
     クレンドとプリューヌも加勢し、潔宗の注意を闇沙耶から逸らそうと攻撃を仕掛ける。
     炎の勢いが弱まったかと思うと、潔宗の体は霜に覆われ始める。忍び寄る冷気に混乱する潔宗の足元には肉球の形の魔法陣が現れ、ケレーヴの魔法により体の自由を奪われていく。
     勢いが弱まる潔宗の炎を振り払い、闇沙耶は潔宗の前足の付け根に刃を突き立てた。痛みに吠える潔宗は闇沙耶に襲いかかろうとするが、マサムネはバベルブレイカーのジェット噴射を利用して突撃し、打ち出される巨大な杭を潔宗の胴体に命中させる。その衝撃で吹き飛ぶ潔宗は地面に体を伏せ、苦しそうに起き上がる。それでも潔宗の鋭い気迫は揺るがず、自身を取り囲む灼滅者たちに牙をむこうと身構える。


    「ユキムネさま、あなたが自棄になっちゃダメですよう」
     ケレーヴと共に宙を飛びながら、マナは潔宗に呼びかける。
    「そうやってまた、コウちゃんだけじゃない、大切な人も失ってもよろしいのかしら?」
     潔宗はマナの言葉に反応するように、一層低い声でうなる。
     陣を組む皆へと突っ込んでくる潔宗は地面を激しく蹴散らし、火の粉を舞い上げながら暴れ回る。変わらず敵意をむき出しにする潔宗の姿が頑なに心を閉ざしているように見え、治胡は余計に熱くなって思いをぶつける。
    「自分を諦めて楽になりたいのも分かるけどよ……オマエが大切に思ってたコウのこと、忘れてイイのかよ!?」
     深紅の翼を模した治胡のベルトは自在に伸び、射出されたベルトは鋭い刃のように潔宗を切り裂いた。
     潔宗は幾度となく攻撃を振り切り、ひたすら目の前の相手を排撃しようと向かっていく。
    「死んだコウが、お前が苦しみ続けることを望んでると思うのか?」
     マサムネは暴れる潔宗に絶えず呼びかける。
    「過去は変えられない……でも、絶望を乗り越えることはできるはずだ。コウもそれを願ってるはずだ」
     鼻息荒く火の粉を舞い上げる潔宗に立ち向かうマサムネは、流れるような足さばきで相手へと接近し、攻撃を放とうとする潔宗を蹴り飛ばす。
     潔宗はマサムネの一撃で傾く体をどうにか持ち直した。依然として攻撃の勢いが衰えない中で、王様は潔宗の攻撃を引きつけて隙を作る。そこへ佐那が攻撃を叩き込み、潔宗を圧倒しようとする皆の猛攻が続く。
     攻撃をかわそうと身を躍らせる潔宗を、闇沙耶の影の刃はどこまでも伸びて追いかける。
    「お前が消えたら、誰がコウのことを思い続ける?」
     潔宗に届くと信じて、闇沙耶は強く言い聞かせる。
    「お前は生きて親友の命を背負わねばならない。それがコウのためだ」
     闇沙耶の刃が潔宗の体を鋭く切り裂くと共に、咆哮が響く。
     すぐそばの大木に向かっていく潔宗の行動は、逃げるような素振りにも見えた。しかし、潔宗は大木の幹が砕けるほど何度も体をぶつけ始め、不可解な行動を取る。皆の呼びかけに反応していることを示す行動なのかどうか、シェレスティナは期待も込めて再度潔宗に言葉をかける。
    「戻っておいでよ。自分から、現実から、真実から目を背けないで?」
     クレンドは何かに苦しむように一層息を荒げる潔宗へと接近しながら、
    「君の辛さは分かるよ。俺も家族をこの手で殺した――」
     潔宗は攻撃を放とうとするクレンドを、全身を使ってはね除けようとする。しかし、クレンドは潔宗の背に刃を突き立て、潔宗の巨体から離れずしがみつく。
     潔宗はクレンドを振り落とそうと、傷口から炎を噴き出しながら無茶苦茶に動き回り、一向に大人しくなる気配はない。
    「今はあの時とは違う、救い出す術を知った……!」
     ロデオのような状態になりながらも、クレンドは懸命に潔宗に呼びかける。
    「心の死を選ぶな! 抗え! コウのためにも! 元に戻って俺達の力は誰かを護るためにあると証明するんだ!」
     佐那はクレンドが振り落とされぬようにと影の形を自在に操り、
    「ちょっとお座りしてください!」
     潔宗の胴体にリードのように巻き付ける。
     潔宗が動きを押さえつけられている隙に、マナはウイングキャットたちと共に皆の傷を癒すためにサイキックを操り、
    「悲しい結末にはさせませんよう! もう少しの我慢ですよう」
     潔宗への攻撃を後押しする。
     最後の追い込みと言わんばかりに、途切れることなく繋がる攻撃。皆の攻め込む勢いにより、潔宗の動きは次第に鈍くなる。
     治胡は全力で相手を突き倒そうと槍を振るい、燃え上がる炎は勢いを増した。
    「戻ってこい、丹奧!」
     そう言い放つ治胡の一突きにより、潔宗は地面に体を預け、目を塞いだたまま動かなくなった。体中に残る潔宗の傷口からは炎がくすぶり始め、やがて激しく燃え盛る。炎と共にもうもうと白煙が立ち込め、潔宗の全身を包み込んでいく。潔宗の体を覆う炎と煙の勢いが衰え始めると、そこには人間の姿の潔宗がボロボロの状態で横たわっていた。


     気を失っている潔宗を激戦の跡が残る川辺から運び出し、一行は近くの木陰で潔宗が目覚めるのを待った。
     目覚めた潔宗は、皆の顔をぼんやりと眺めて開口一番に言った。
    「夢じゃなかったんだ……」
     潔宗は動くのが辛そうに目を伏せ、木にもたれたまま尋ねる。
    「どうして、俺なんかを助けに来たの……?」
    「それを説明すると、少し長くなるんだけど……」
     颯はできるだけ簡潔に武蔵坂学園や灼滅者の存在について説明し、潔宗の疑問に答える。
     ビハインドやウイングキャットたちの存在をまじまじと見つめている潔宗に対し、佐那は自らの半身であるサーヴァントについて話す。
    「コウさんが生き返るわけではありません。でも、丹奧さんが抱くコウさんへの想いが確かなら……言葉通り、自身の半身としてコウさんを甦らせることは可能なんです」
     潔宗は佐那の言葉に反応するが、最も知りたいことは別にあった。
    「コウは、ずっと俺を呼んでくれてたんだ……俺が目を覚ますまで、ずっと。俺が、ひどい目に合わせたのに――」
     目に涙をためる潔宗は、震え出す手を押さえつけ、声をつまらせながら続けようとする。
     治胡は自身を責める潔宗の考えを否定する。
    「丹奧が悪い訳じゃないだろ。コウはお前にこんなにも思われてるじゃないか」
    「コウだって、潔宗ちゃんのことが大好きだったんじゃないの? 潔宗ちゃんが悲しんでたら、コウも悲しいんじゃないかなあ?」
     シェレスティナが潔宗にかけた言葉を耳にし、颯とクレンドは生前の家族の姿であるビハインドを見返した。
    「君は日常に戻ることを選ぶこともできる。どうするかは君が選ぶと良い」
     クレンドは穏やかな口調で潔宗に選択を促す。
     潔宗は何か決意をしたように、はっきりとした口調で尋ねた。
    「力を抑えるには、どうすればいい? どうすれば、あんたたちのようになれるんだ?」

    作者:夏雨 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年11月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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