その拳、絆手繰りて

    作者:波多野志郎

     山の中を、一人の青年が駆け抜けていく。
    「まったく、ああいうのは埒外だぜ」
     身長は一八十をいくらか超えた程度。筋骨隆々の大男であるが、鈍重さとは無縁だ。夜の暗闇の中を気配だけで疾走する――視力があれば、もっと速度は上がるだろうが、今はそれが精一杯だった。
    「殴り合っても、楽しくない輩ってのもいるもんだな!」
     見上げた先には、体長3メートル弱。知る者はこう呼んだだろう――絆のベヘリタス、と。そのベヘリタスを芋虫型にし蛾の羽をつけたようなシャドウは、ギュガ!! と生み出した漆黒の弾丸を青年へと撃ち込んだ。
     ゴォ! と大地が穿たれる。その砂塵の中から駆け出した青年――アンブレイカブルは、舌打ちしながら身構えた。
    「心躍らぬ相手だが、仕方ない。やられる前に、やれってか!!」

    「……この後返り討ちにあって、連れ去られるんすけどね?」
     そう、湾野・翠織(中学生エクスブレイン・dn0039)はため息混じりにこぼした。
    「アンブレイカブルにベヘリタスの卵が植え付けられて羽化する事件が発生してたんすけどね? 四津辺・捨六(伏魔・d05578)さんたちの追跡で、逃走したアンブレイカブルの状況を知ることができたんすよ」
     現在、逃走したアンブレイカブルは、日本海の北側に向けて山中を移動しているらしい。加えて、このアンブレイカブルを、3m程度まで成長した、羽虫型のベヘリタスが襲撃することが予知された。
     このまま放置すれば、アンブレイカブルは羽虫型のベヘリタスに連れされてしまうだろう。
    「おそらくは、再び、ベヘリタスの卵の苗床にするつもりっすね」
     ダークネス同士の争いなので一般人の被害などは無い。しかし、ベヘリタスの動きを放置する事はできないだろう。それに加え、アンブレイカブルが軍艦島のダークネスに合流するというのならば、こちらも灼滅する必要もあるだとう。
    「今なら、アンブレイカブルが羽虫型ベヘリタスが接触する場所に先回りする事ができるんすよ」
     状況としてはアンブレイカブルか羽虫型ベヘリタス、どちらか――あるいは、両方を灼滅する事となる。
    「アンブレイカブルと羽虫型ベヘリタスが激突する場所はわかってるっす、そこで隠れて待ち伏せしていてほしいんすよ」
     両方ともダークネスだ、ましてやアンブレイカブルは目的地がある。バベルの鎖で異常を察知すれば、双方とも逃げられてしまう――慎重な行動が必要だ。
    「後は、羽虫型ベヘリタスが来る前にアンブレイカブルを灼滅するか、羽虫型ベヘリタスがアンブレイカブルと戦闘を開始してから羽虫型ベヘリタスのみを灼滅する。そして、羽虫型ベヘリタスがアンブレイカブルを撃破した後に羽虫型ベヘリタスを灼滅するか、羽虫型ベヘリタスが現れてからアンブレイカブルを灼滅するかっすね」
     最初の場合、アンブレイカブルは弱っているので難しくない。ただ、羽虫型ベヘリタスが来る前に灼滅してしまえば、羽虫型ベヘリタスは戦場に現れない。これでも、卵を植え付けられるのも阻止できる事を考えれば十分な戦果だ。
     二番目の場合、アンブレイカブルは取り逃がしてしまう事になるだろう。羽虫型ベヘリタスは、強力な力を得ている。その事を考えれば、これも倒せれば十分な結果だ。
     三番目は、双方を消耗させた倒そう、という策になり、四番目は先にアンブレイカブルと羽虫型ベヘリタスの二連戦になる。成功すれば、もっとも高い成果を上げるのがこの二つの案となる。
    「アンブレイカブルの師匠だった業大老を軍艦島のダークネス達がサルベージしようとしているという情報もあったっす。もしかしたら、何か関係があるかもしれないっすね……とにかく、難しい判断が求められるっす。心して挑んでくださいっす」


    参加者
    鹿島・狭霧(漆黒の鋭刃・d01181)
    葛城・百花(クレマチス・d02633)
    桃野・実(水蓮鬼・d03786)
    武神・勇也(ストームヴァンガード・d04222)
    メルフェス・シンジリム(魔の王を名乗る者・d09004)
    霧島・サーニャ(北天のラースタチカ・d14915)
    荒谷・耀(護剣銀風・d31795)
    ウィスタリア・ウッド(藤の花房・d34784)

    ■リプレイ


     夜の山の中を、一人の青年が駆け抜けていく。時折、振り返っては虚空へと暴風を巻き起こすが、それはまるで紙細工のように内側から爆ぜていった。
    「近接戦闘となりゃあ、足を止めてになんからなぁ、クソが」
     愚痴をこぼし、青年はダン! と大きく跳躍。ヒュオッと吹き抜ける風、眼下の森――足場の悪い坂道を飛び越え、青年は不意にその足を止めた。
    「――何だ?」
     ズサ! と砂煙を上げて着地した青年は、気付いている。そこに待ち構えていた一団に。
    「我々は武蔵坂学園の灼滅者です。この場は引き受けます」
    「あ?」
     荒谷・耀(護剣銀風・d31795)の言葉に、青年――アンブレイカブルが呆気に取られた表情を見せる。それに、桃野・実(水蓮鬼・d03786)が問いかけた。
    「アンブレイカブルの人……えっと、俺桃野っていうけどあんたの名前は?」
    「あー、どういう状況だ? これは」
    「今回だけは見逃してあげるわ。1点貸しよ」
     言い捨てた鹿島・狭霧(漆黒の鋭刃・d01181)に、アンブレイカブルは苦笑する。
    「なるほどな、随分と高い貸しを売りつけられる訳か」
    「加勢に来たなんて恩を売るような事は言わないわ」
     ウィスタリア・ウッド(藤の花房・d34784)のフォローに、武神・勇也(ストームヴァンガード・d04222)も言い捨てた。
    「こちらの勝手な事情でだが、この戦闘に介入させてもらう。説明は悪いが後だ」
    「とっとと消えたら? なんなら、手伝ってくれると助かるけど」
     ぶっきらぼうに言い捨てる葛城・百花(クレマチス・d02633)に、アンブレイカブルは小さく肩をすくめ――そのまま、ノーモーションで右回し蹴りを放った。
    「ッ!?」
     ガゴン! という快音。ヒュガガガガガガガガガガガガガガガ! と森の木々を縫うように放たれた漆黒の弾丸、羽虫型ベヘリタスのデッドブラスターが着弾寸前に蹴り砕いたのだ。
    「恩には着ない、が、貸しは覚えておくぜ? 灼滅者」
    「私、荒谷耀っていいます。いつか、こんな虫の邪魔の入らないところで戦いたいですね」
     耀の言葉に、アンブレイカブルが笑う。心地いい、そう言いたげにアンブレイカブルは名乗った。
    「はやかぜ――隼風だ。覚えておけばいい、こちらも覚えておく。あんなモノに、やられるなよ?」
    「ま、さっさといけば良いんじゃない? 何をたくらんでるかは知らないけれど」
     にべないメルフェス・シンジリム(魔の王を名乗る者・d09004)の言いようにも、アンブレイカブル――隼風は、走り出す。その疾走は、速い。それは背中を無防備に敵にさらそうと構わない、どこか皮肉めいた信頼だった。
    「あれだけ大きいと虫っぽさよりも怪物らしさが勝るでござるな。虫は嫌いではないけれど、どっちにしろあの顔では好きになれんでござる」
     隼風の背を見送って、霧島・サーニャ(北天のラースタチカ・d14915)は頭上を見上げた。そこにいたのは、3m程度まで成長した羽虫型のベヘリタスだ。確かに虫と呼ぶにはあまりにも、生物から外れた姿だった。
    「耳障りな音ね。不協和音のほうがマシだわ」
     ブブブ、という羽虫型ベヘリタスのホバリング音に、メルフェスが吐き捨てた瞬間だ。
     ヒュッゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!! と羽虫型ベヘリタスの周囲に無数の闇が銃弾として生み出され、灼滅者達を襲った。


     ゴゴゴォ!! と羽虫型ベヘリタスのバレットストームが森を蹂躙する。羽虫型ベヘリタスは、順番を間違えない。そのまま灼滅者達を無視して頭上を飛び去ろうとした、その時だ。
     不意に、その視界が霧に覆われたのは。
    「先輩がコレを噴霧器っつってたの理解出来たわー」
     ウィスタリアが、夜霧の吹き出る解体ナイフを眺め、しみじみとこぼす。夜霧隠れ、とはよく言ったものだ。羽虫型ベヘリタスがその羽ばたきで眼前の霧を飛ばした瞬間だ。
    「通さん」
     言い捨て、跳躍した勇也が跳び出した。人間の身長に匹敵する刀身を持つ、西洋の大剣を模した巨大な鉄塊――『無銘』大業物を肩に担いだ状態から、豪快に大上段に振り落とす!
    『――!?』
     ザン! と、勇也の戦艦斬りを受けて、羽虫型ベヘリタスが落下。地面に叩き付けられる寸前で大きく旋回、激突を免れた。
    「だが――」
     着地し、勇也はそれを視線で追う。自身の目的は果たしたのだ、高度さえ下がってしまえば――。
    「ここは、俺達のフィールド」
     木の幹を足場に加速、実の跳び蹴りが羽虫型ベヘリタスを捉える。重圧を受けて更に沈む羽虫型ヘベリタスを、霊犬であるクロ助は斬魔刀を突き立てた。
    「森の中では、その巨体じゃ飛ぶのも一苦労でしょう?」
     ESP隠された森の小路によって、足場を気にせずかけたメルフェスが、クロスグレイブを手に回転。ガガガガガガガガガガガガガガガン! と縦横無尽にクロスグレイブを振るい、殴打していく。
    『――――』
     メルフェスの十字架戦闘術を受けながら、羽虫型ベヘリタスは強引に飛ぶ。知能ではなく本能で、この状況の不利を悟ったのだろう。大きく上昇しようとするのを、死角から駆け込んだ耀の護法の鶴翼が翼のように広がった。
    「隙だらけ、です……!」
     ザザン! と耀の黒死斬を受けて、ガクンと羽虫型ベヘリタスが大きく体勢を崩す。そこへ、サーニャが大きく跳躍した。
    「ここで会ったが百年目! 害虫退治の時間でござる!」
     バサリとサーニャのマントがたなびいた瞬間、翼のように広がり羽虫型ベヘリタスを絡めとる。刀を振るう遠心力を利用して、サーニャが横に回転、振り回された羽虫型ベヘリタスを百花は破邪の白光の宿る剣を振りかぶり、待ち構えていた。
    「ま、頑張って粘りましょ。痛いのも疲れるのもヤだけど」
     ザン! と百花の大上段のクルセイドスラッシュが、羽虫型ベヘリタスを斬り裂く! そのまま空中でバランスを崩した羽虫型ベヘリタスに、狭霧が言い捨てた。
    「飛んで火にいる夏の虫、ってヤツ? この手の害虫は、焼き尽くすに限るってね」
     その手にレーヴァテインの炎を燃やし、狭霧は疾走。その加速に全体重を乗せた燃える拳の一撃を、羽虫型ベヘリタスへと叩き込む!
     ドォ! と羽虫型ベヘリタスが地面へと叩き付けられた。しかし、すぐさま急上昇――森の上でホバリング、静止する。
    「様子が変わったわね、追う気を無くしたと言うより――」
    「先に、俺達を排除したいみたい」
     ウィスタリアの言葉を継ぐように、実は告げた。事実、その通りなのだろう。全速力で逃げるアンブレイカブルを、灼滅者達の追撃をかわしながら追い切れるか? その答えは、NOだ――少なくとも、あの羽虫型ベヘリタスはそう判断したのだろう。
    「来るわよ」
     メルフェスの指摘と同時、ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドゥッ! と羽虫型ベヘリタスのオールレンジパニッシャー、魔法光線が乱舞した。


    (「脅威だな、これは」)
     勇也はキャップライトの光源で頭上を照らし、身構える。障害物が多い森という地の利、人数という数の利、そして、アンブレイカブルとの戦いの損傷という状況の利――その三つが揃って、ようやく互角。それが、眼前の存在の戦力だった。
     闇に紛れそうな漆黒の刀身を持つタクティカルナイフを手に、狭霧は駆ける。羽虫型ベヘリタスの死角――懐へと潜り込むと、そのままナイフの切っ先を突き立てた。
    「――今!!」
    「了解でござる!」
     そこへ、すかさずサーニャが迫る。マントをひるがえして、大上段からの斬撃――サーニャの雲耀剣が大きく羽虫型ベヘリタスを斬った。
     そこへ、重ねるように真横から耀が駆け込んだ。
    「これ以上、動かないでっ!」
     耀は三宝の御幣――その内の緋色の勾玉を輝かせて振り抜いた。しかし、羽虫型ベヘリタスは止まらない。ホバリングしたままその場で横に一回転、ダダダダダダダダダダダダダダダダダダン! と流星がごとく漆黒の矢を降り注がせた。
     それを庇って受けたのは、百花だ。その動きを先読みして、その場に滑り込む。
    「……ッ! しっかり反撃、よろしくね。倍返しと言わないぐらい、返してきてちょうだい」
    「了解よ」
     ダダン! と地面を蹴って、メルフェスは森の木々を縫うように走り出した。そのまま、羽虫型ベヘリタスの眼前へと跳ぶと燃え盛る踵を落とす!
     ガゴン! と火の粉を散らして、大きく羽虫型ベヘリタスが体勢を崩した。そこに、勇也は拳にオーラを集中、そのオーラを炎で燃やしながら繰り出す。
    「――ッ」
     ガゴン!! という鈍い破砕音が鳴り響いた。羽虫型ベヘリタスが零距離のデッドブラスターで、勇也のレーヴァテインを相殺したのだ。そのまま、牽制のデッドブラスターが勇也の顔面を狙うが、それはベヘリタスを蹴って後退した勇也にかわされる。
    「クロ助、お願い」
     クロ助に百花の回復を頼んで、実は飛び出した。高く跳躍してからの、燃える後ろ回し蹴り――グラインドファイアだ。ゴォ! と羽虫型ベヘリタスが背を焼き切られてのたうつそこへ、クロ助の浄霊眼による回復を受けた百花が、死の力を宿した咎人の大鎌を振り抜いた。
    「逃がさないよ?」
     百花の言葉に、羽虫型ベヘリタスが急上昇する。囲まれれば不利だ、という事を本能で理解しているのだろう。その動きを視線で追って、ウィスタリアが霧を生み出した。
    「あっちも削れてきてる、もうちょいよ」
     夜霧に飽きたけど、結局霧なのね、と自分でツッコミを入れつつ、ウィスタリアは見上げた。
    「本当、あんなのが大量発生とか考えただけで気が滅入るわよ」
    「そうだね」
     実は、短く肯定する。ましてや、あれがアンブレイカブルから生まれたのだと思えば、おぞましさも倍増する想いだ。
    (「……体から虫が出てくるなんて、怖かっただろうな。それでへこたれなくて、ああやって走って戦おう逃げようとしてるアンブレイカブルの人達の姿勢は、尊敬する」)
     最大の懸念は、それがアンブレイカブルだけで終わるか? という事だ。その矛先が他に向かってしまったら……それは、あまり愉快な想像ではない。
     戦いは、状況の優位があってなお互角だった。だからこそ、一つの狂いが大きく状況を動かす――その時は、唐突に訪れる。
    『――――』
     ブブブ、と羽音をさせながら、羽虫型ベヘリタスは森の中を進んでいく。三メートル、という巨体はこの場合は不利に働く――だからこそ、メルフェスは距離の離れたその瞬間に、全力を尽くした。
    「残念、私の『雷』は射程距離よ」
     メルフェスが語るのは、雷霆の鬼人の物語。メルフェスの背後に現われた鬼人はその腕を雷化、ズドン! と雷音を轟かせて走らせた。雷の腕が羽虫型ベヘタリスを掴み、地面に叩き付ける。バウンドしたベヘリタスへ、耀は葬闇の奥津城を構えた。
    「終末の光と共に……凍てつきなさい!」
     ゴォ! と耀の黙示録砲を受けて、羽虫型ベヘタリスがビキビキビキ! と凍てついていく。そこに、ウィスタリアが解体ナイフで空中に逆十字を刻んだ。
    「ようやく、霧以外も出せたわね。受け取って?」
     ザザザザン! とウィスタリアのギルティクロスが羽虫型ベヘタリスを切り刻む。羽虫型ベヘタリスがその胸元にブラックフォームのスートを浮かべた、その瞬間だ。
    「首痛めて背中強打しろ」
     上から振ってきた実がベヘリタスの首を両足で挟み、そのまま後方へと投げ飛ばした。フランケンシュタイナー、というプロレス技だ。地面に叩き付けられた瞬間、爆発が巻き起こる――実のご当地ダイナミックである。そこへ、すかさずクロ助が斬魔刀で斬り裂いた。
    『――――ッ!!』
     羽虫型ベヘリタスが、上へと逃げる。それを読んで、真上には百花が待ち構えていた。
    「させると思って?」
     夜の森、その闇の中から無数の影の触手が伸びて羽虫型ベヘタリスを捉えた。影縛りで捉えた百花はそのまま再行動、咎人の大鎌でベヘタリスを切り裂いた。
    「その翼も、必要ないわよね」
     そして、ガシャンと変形したChris Reeve “Shadow MKⅥ”を手に狭霧がベヘリタスに切りかかる。そのままガガガガガガガガガン! と狭霧が羽ごと斬り飛ばした直後――勇也の貫き手が、真っ直ぐにベヘリタスを刺し貫いた。
    「終わりだ」
     もがくベヘリタスへそう勇也が告げた刹那、サーニャが刀を大上段に振り上げた。
    「夢から生まれた虫ならば、夢の如くに消え去るでござる!」
     一刀両断、ベヘリタスがサーニャの雲耀剣によって断ち切られる。まさに、夢幻がごとく、闇に解けるようにベヘリタスは消え失せていった……。


     戦いが終わった、その事に全員がようやく緊張を解く。狭霧は隼風の消えていった方向を見やって、呟いた。
    「ま、片方は潰せたけど片方は見逃がしちゃったわね。まぁいいや、どちらか片方の勢力が力付けると厄介だし。何か漁夫の利狙ってるカンジであんま気分よくないけど」
    「心躍る戦いが出来そうな奴だったのが、唯一の救いね」
     ウィスタリアも、あのアンブレイカブルを思い出して言う。貸し、とは言ったものの、いざ戦いとなればあれは全力を尽くしてくるだろう。戦いには真摯な奴だろう、そう確信があった。
    「何にせよ、重要なのはこの後ですね」
     耀は、こぼす。あんなベヘタリスが、まだいるのだ。この先にどんな戦いが待っているのか? 未来は、目の前の夜の森のように見渡せるものではなかった……。

    作者:波多野志郎 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年10月27日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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