子爵襲来~夜空を覆う死の使い

    作者:六堂ぱるな

    ●妄念より出でし死
     ところ狭しと積み上がり、床すら見えないゴミの山。
     そのゴミにまぎれて、原型すら定かならぬほど破壊された人のパーツ。元の住人をそうした元凶は、熱に浮かされたように呟いていた。
    「る……瑠架ちゃん僕の瑠架ちゃん。君のために、僕はここまで来たよ。さぁ、瑠架ちゃんの為に、この街の人間を全て、血祭りにあげるんだ。そうすれば、瑠架ちゃんは、僕に会いに来てくれる。あぁ、瑠架ちゃん……。しばらく見ないうちに、きっと成長しているよね。あぁ、その成長を今すぐ目に焼き付けたい、撫でて触って確かめたい、あぁ、瑠架ちゃん」
     突然吐き出される粘液。
     それが蠢くと、たくさんのコウモリが翼を広げて飛び立つ。

    「さぁ、僕のタトゥーバットよ、この街の人間を全て殺しつくせ! 邪魔する奴がいるなら、誰でも構わない、すぐに殺してしまうんだ」
     ゴミためになった洋館の窓から、禍々しい紋様を翼に刻んだコウモリが放たれていく。
     その一群が高度を下げ、街路灯に照らされて夜道を歩く人へ狙いを定めた。
     『殺しつくせ』。
     タトゥーバットが主の言葉どおり、獲物へと踊りかかる。

    ●市街掃討作戦
     難しい顔で現れた埜楼・玄乃(中学生エクスブレイン・dn0167)は、黒板に三重県・津市の地図を貼ると説明を始めた。
    「諸兄らの調査が実を結んだ。津市にある洋館がヴァンパイアの拠点となり、そこから無数のタトゥーバットが放たれることが判明した」

     無論、洋館への侵入作戦も同時に行われる。しかしタトゥーバットが放たれるのは防げないらしい。
    「このタトゥーバットを一匹残らず殲滅してくれ」
     タトゥーバットのターゲットは津市の一般人。
     幸い、灼滅者が割って入れば邪魔とみなし、一般人には目もくれず最優先で殺しにくるので、一般人の避難誘導の必要はない。
    「戦うことになるのは12匹。素早く数を減らさねば、諸兄らといえど苦戦は免れんし、危険だ。戦術を工夫して貰いたい」
     担当地域は洋館に近い住宅街の一角。
     ここに現れるタトゥーバットの翼の眼球状紋様は赤く、アンチヒールの効果のある攻撃をしてくるのが特徴的だ。勿論、催眠状態を誘発したり超音波による攻撃もある。

    「敵の目標は津市の市民の虐殺。絶対に許すことはできん。タトゥーバットとはいえ油断せず、くれぐれも気をつけて戦ってくれ」
     少しばかり心配そうにそう続けて、玄乃は話を結んだ。


    参加者
    花守・ましろ(ましゅまろぱんだ・d01240)
    万事・錠(ハートロッカー・d01615)
    神凪・陽和(天照・d02848)
    迅瀬・郁(陽だまりの詩・d03441)
    成瀬・圭(キングオブロックンロール・d04536)
    ゼアラム・ヴィレンツィーナ(埼玉漢のヒーロー・d06559)
    端城・うさぎ(リンゲンブルーメ・d24346)
    葵・さくら(ツンデレ系女子高生・d34645)

    ■リプレイ

    ●狂騒の幕開け
     深夜の街角。出の遅い月は夜空の縁にまだ顔を出さない。
     住宅街での討伐担当となった一行は、戦場になる路上の周囲に照明を設置していた。
    「なんだか子爵さんがとってもあやしい人だけど……一般人さんを危険に晒せないから、がんばる、よ!」
     ウィングキャットのたれみみが彼女に寄り添い、端城・うさぎ(リンゲンブルーメ・d24346)がぐぐっと拳を握る。神凪・陽和(天照・d02848)も吐き捨てるように呟いた。
    「意地汚い奴のやる事はとことん汚いですね……厄介です」
     平安の昔より、力無き人々に仇なす悪を祓ってきた神凪家当主の実妹として、およそ自分勝手な欲望で一般人を襲う『子爵』のような存在こそ、不倶戴天の敵。幼げな表情は引き締まっている。迅瀬・郁(陽だまりの詩・d03441)も憤然とした声をあげた。
    「ただ自分の欲を満たすための手段として一般人を殺すなんて、絶対に許せない……!」
     他にも色々と企んでいるらしいが、何であれさせるつもりはない。
    (「仲間達と力を合わせて、企みは一つ残らずへし折ってみせる!」)
     誓う郁の隣で、花守・ましろ(ましゅまろぱんだ・d01240)は夜景へ目をやった。
    「夜の街は静かでちょっぴり怖いけど、あのお家のひとつひとつに、しあわせな人達が居るんだもんね。虐殺なんて、絶対にさせない、よ」
     彼女の言葉に鷹揚に頷いて、ゼアラム・ヴィレンツィーナ(埼玉漢のヒーロー・d06559)が人を安心させるような笑い声をあげる。
    「はっはっは、このゼアラムに任せるさね、一匹残らず粉砕するさよー」
     周辺哨戒に行った葵・さくら(ツンデレ系女子高生・d34645)が小走りで戻ってきた。どうやら予測の男性二人以外に人は歩いていないようだ。と、夜道の向こうから男性が一人、その後ろから一人と姿を現した。
    「あっちもお出ましらしいぜ」
     万事・錠(ハートロッカー・d01615)の鋭い声に仲間が空を仰げば、雲のように広がるコウモリの群れ。その一群が高度を下げ、こちらへ向かってくるのが見える。
    「一般人を巻き込む所業、ここで喰い止めてみせます。行きますよ」
    「オーケイ。仕事を始めようぜ」
     照明のスイッチを入れながら立ち上がる陽和に先んじて、成瀬・圭(キングオブロックンロール・d04536)が飛び出した。当然コウモリより先に武装した彼を目にした男性たちが、身の危険を感じたのも無理はなかった。
    「えっ! 何、カツアゲ?!」
    「おっさんら、早く逃げろ! 今からひと暴れすっからよ、さっさとしねえとケツに火が点くぜ!」
     叫びながら男性の前に滑りこんだ圭の腕が鋭い爪を備えた巨腕に変わり、夜の闇からいきなり現れたコウモリを路上へ叩き伏せた。同時にマントのような虹色のオーラを翻したゼアラムの拳が、雷光の尾を引いて追い討ちを見舞う。
    「醜い蝙蝠ども、私達がお相手して差し上げますわ!」
    「ここは危ないんだよ、早く逃げて逃げてっ! ほらほら、蝙蝠さん達はわたし達が相手なんだよっ」
     コウモリを挑発するさくらを背に、あどけない顔立ちのましろが急き立て、コウモリの注意を引こうと両手を広げる。
    「大丈夫、今のうちに逃げて!」
    「ひいっ!!」
     照明を運んできた郁にも促され、何が何だかわからないなりに男性二人が駆けだした。安心した郁が戦闘音で人々を驚かせないよう、音を遮断する。
    「――16ビートは好みかい? 聞かせてやるぜ、オレらの曲をさ!」
     釘バットを突き付けての圭の宣戦布告に、コウモリたちの翼の赤い眼球のような呪術紋様が輝いた。

    ●下僕と踊れ
     飛び交う十二匹ものタトゥーバット。その数は次々に減っていく。
     唾棄すべき敵の放った下僕を前に、普段は幼げな笑顔を見せる陽和も冷徹に表情を凍らせた。鋭い爪のある狼の前脚に変じた腕で殴りかかる。避ける暇もない一撃の一方で、飛び出した彼女に二匹のコウモリが衝撃波を放った。
    「かかってきな、クソコウモリ共。一匹残らず場外ホームランにしてやるぜ」
     ひゅんひゅんと風切り音をたてて回転した圭の釘バットが、その勢いを殺さずコウモリの一匹を殴り消し飛ばす。べ、と舌をだして挑発する彼に超音波が飛んできたが、鮮やかなステップでかわした。
    「頑張ろう、ね、たれみみちゃん」
     ゼアラムを庇って傷を引き受けるうさぎの囁きに、彼女の相棒・スコティッシュフォールドのたれみみが鳴いて応え、尻尾のリングを輝かせて中衛のコウモリを撃つ。
    「食らうがいいさよ!」
     武器とするのはまとうオーラと肉体のみ。コウモリを鷲掴みにしてゼアラムがサイドスープレックスを仕掛けた。逃れる術もなくひしゃげたコウモリが崩れ去る。
     攻撃手である彼と圭がいたこともあり、3分が経過する頃には作戦どおり、庇い手の二匹は落ちていた。次は攻撃手の猛攻を凌ぎつつ、中衛を中心に半数まで減らすこと。
     そう難しくはなかったが、そこからの3分は灼滅者たちを苦しめた。積み重なるプレッシャーが攻撃力を削ぎ、アンチヒールや催眠を解除するため回復は切らせない。
     なんとか当初の半数になったコウモリたちを一行は素早く包囲した。攻撃のため高度を下げ、前・中衛のポジションにいる彼らを囲い込むのは容易い。
     ダメージの嵩んだ一匹を抱え、ゼアラムがパイルドライバーでアスファルトに沈めた。
     息絶えたコウモリが消し飛び、赤く輝く『Honk the Horn』を構えた錠が宣告する。
    「……生憎だがこっから先は通行止めだぜ。この路は一方通行だ。お前らに先も後もねェ、一匹残らずバラし尽くしてやらァ!」
     唸りをあげた標識の一撃でよろめいたコウモリと距離を詰め、うさぎの『葦鳴』が軽快な音を鳴らす。軽やかに宙を舞って蹴撃を叩きこみ、彼女は微笑んだ。
    「鬼さん、こちら……っ!」
     たれみみの尻尾のリングが輝いて仲間を癒す。
     中衛のコウモリへダイダロスベルトを滑らせ引き裂く圭の背へ、治療を阻害する呪いのこもった衝撃波が飛ぶ。なんとか陽和が割り込んで庇ったが、その隙をついて放たれた超音波がまともに郁を直撃した。防具が軋んだがなんとか踏みとどまる。
    「郁くん!」
    「大丈夫だよ。平気だから!」
     ましろが心配そうな声をあげるのへ、郁は努めて笑顔を返した。クルセイドソードを掲げて、戦線を維持している仲間の傷を癒す風を巻き起こす。
     押し切れるはず。そう思うけれど不安がこみあげてきて、ましろは無意識に大切な人から貰った指輪に触れていた。
    (「もう少しだけ、がんばれるように力を貸し、て?」)
     生みだした風は柔らかく仲間を包み、傷を塞いで身を蝕む異常を清める。
    「郁さん、大丈夫ですか? オーラの癒しで回復して差し上げますわ」
     さくらが闇の力を注ぎこみ、後列にいる郁の傷を塞ぐ。
     少しでも中衛の動きを阻害し、ダメージを入れる方法を。陽和の『天日』が展開し、赤地にあしらわれた黄金の太陽が輝きを放った。輝きはコウモリたちの動きを戒める結界を構成し唸りをあげる。

    ●狂騒の終焉
     タトゥーバットたちも反撃を始めた。前衛たちはゼアラムや陽和を狙い、中衛の一匹は傷が嵩み、足がもつれがちなうさぎを狙いすまして超音波がとぶ。さくらを庇っているたれみみのカバーは間に合わない。
     びくっと身を縮めたうさぎだったが、前に飛び出した錠が一撃を引き受けていた。
    「万事、さん……?!」
    「気にすんな。頑丈さだけが取り柄だからよ!」
     続けざまに別の超音波の直撃を受けて錠の身体が揺らいだ。踏みとどまった彼の目には強敵への期待が、頬には狂気をたたえた笑みが浮かぶ。
    「複数敵相手ってのも悪くねェな、ゾクゾクするぜ。変態が主人ってのはちょい同情すっけどな。けど、そいつはメチャクチャ強ェんだろ? ならお前らも愉しませてくれるよなァ!」
     意識を揺さぶる音波の余波を叫びで断ちきり、『SCREAM』を深々と突き立てる。深々と抉られたタトゥーバットは苦痛の叫びをあげ、アスファルトに落ちて崩れ去った。
    「こいつらそんな期待できんのかねえ」
     風を切ってマイクスタンド型の妖の槍を豪快に操り、素早く圭が繰り出したスパイクが手前の一匹の身体を穿ち抜く。
     子爵の下僕になど決して負けない。郁が放った光の刃は中衛のコウモリの身体を二つに断ち切った。残る中衛の一匹にはさくらが既に狙いを定めている。
    「全てを破壊するオーラの力、受けてみるがいいわ!」
     目を灼くオーラの奔流が宙を貫くと、コウモリは跡形もなく燃え尽きていた。
     残るは攻撃手のみ。あとは一気に決めるだけだ。
     状況を冷静に見定めていた陽和は攻撃で受けた衝撃を勢いに回転をつけ、脚に力をこめた。履いている『天つ風の靴』のデザインさながら、翼のように黄金と白の入り混じる炎を噴いた蹴撃をコウモリに見舞う。
     吹き飛んだコウモリにゼアラムのエルボースマッシュが捩じこまれ、サイドに回りこんだましろが紅蓮の炎の尾をひくハイキックを叩きこむ。うさぎとたれみみの主従コンビも攻撃に転じ、ほどなく一行はタトゥーバットの殲滅を終えた。

     9分余りとはいえ、これほどの数の敵を相手にすることは珍しい。
    「みんな、怪我は大丈夫? ちょっと見せて」
     郁が仲間の怪我を気遣った。うさぎも手伝って一人ひとり治療する。前衛たちは勿論、中衛のさくら、後衛のましろや郁とて無傷ではなかった。
    「殲滅完了ですわね。これだけの数、さすがに疲れましたわね」
     さくらが眼鏡を外して汚れを拭き始めた。戦いでのクールさからは意外な童顔に、なんとなく仲間の視線が集中したのに気付いて、可愛らしく頬を染める。
    「いやだ、そんなに見ないで下さい。恥ずかしいですわ」
     さくらの慌てた声を聞きながらも、周辺に満ちる殺気を肌に感じて、錠は眉をひそめた。
     敵はすべて倒したはずなのに、このちりちりした感覚は何なのか。
     一帯に戦闘による被害がないか気にかけていたましろが、不安そうな表情で路地の奥へと進む。異変に気付いたその足が少しずつ早まっていった。
    「みんな、なんか変だよ」
     不自然なほど音のしない一角。それは仲間による音の遮断を意味する。
     顔を見合わせた一行は、すぐさま彼女の後を追った。

    ●仲間とともに
     路地を奥へ行った住宅街の一角。同じ事態対応にあたっていたチームがそこにいた。しかし四人が倒れ伏し、前には三匹のタトゥーバットが舞っている。
    「まあ七星さん、大丈夫ですの?!」
     見知った顔に驚いて、さくらが思わず声をあげて駆け寄った。つい先日共に闘った和弥を見て、ゼアラムも驚いた顔になる。
    「和弥、ここにいたとは思わなかったさね」
     さくらを振り返った七星は、こちらの状態を一瞥すると一瞬ためらったようだった。視線がわずかに逸れる。
    「……葵先輩、……悪いが、後を頼めないか?」
     震えた声にこもった想い。悔しさも怒りもあるだろう。
     さくらはひと息もおかず頷いた。
    「ええ、お任せを。皆さまはひとまず退いて、お怪我を治さなくてはいけませんわ」
     四人もの重傷者。こうなるまで戦ったのかと思うと、ましろの胸が痛む。
    「みんなの尽力は絶対無駄にしないさよ」
     ゼアラムが怒りをこめてそう請け合い、頷くと前へ出た。
    「悪いけど、よろしくお願いするよ」
     頷いた和弥が七星たちと共に、仲間を抱えあげて離脱を始める。
     仲間たちが順にゼアラムに続いてすれ違い、十分に七星たちが離れて再び戦場の音が遮断されるや、二度目の戦いの幕はあがった。
    「仲間の借りは返すさよ!」
     超音波を受けながら一歩も引かず、突進したゼアラムが雷光の尾をひくラリアットをお見舞いした。残る二匹がましろとゼアラムめがけて超音波を放つ。遅れて吹き飛ばされたコウモリもゆらりと呪術紋様を光らせた。催眠効果がさくらを惑わせんとする。
    「援護する、よ!」
     ましろを庇う陽和、さくらの前に立ちはだかった錠、ゼアラムを蝕むあらゆる異常を、うさぎが起こした柔らかな風が清め傷を塞ぐ。続いた郁のセイクリッドウィンドが、残る癒せる限りの傷を癒した。
    「俺らの仲間に手ェかけたんだ、覚悟はできてんだろうなァ!」
    「できてねえじゃ済まねえぜ!」
    「だよなァ圭!」
     掛け合いながら、吠える錠の断斬鋏がタトゥーバットの被膜を引き裂き、圭が鬼のもの化した腕を揮って叩きのめす。
    「一気に仕留めますよ!」
     この勝負は短期決戦にしなくてはならない。加速し、素早く懐に踏み込んだ陽和が狼の前脚と化した腕で胴を薙ぎ、ましろが抱えたバベルブレイカーが高速回転でコウモリを巻き込み捩じ折る。さくらのオーラの奔流がコウモリを撃ち抜けば、横面にたれみみのぱんちも炸裂。
     灼滅者たちは残る力を振り絞り、タトゥーバットたちを一匹ずつ駆逐していった。
    「わりーね、ハッピーエンド至上主義でさ。お前らの持ってくるバットエンド――もとい、バッドエンドは返品決定だ!」
     呪術紋様を忌まわしく光らせるコウモリをかわした圭が笑みを浮かべる。
    「地獄のバックスクリーンまで、飛んでけェーーーッ!!」
     振りかぶった釘バットがしたたかに最後のタトゥーバットの胴を捉え、夜空へ届かんばかりに打ち抜く。コウモリは長い苦鳴をあげて吹っ飛び、空中で派手に四散した。
     三分と数秒。
     仲間から引き受けた戦いも終幕を迎える。
    「肩慣らしにもなんなかったさよ」
     なかなかに深い傷をこしらえながらも、ゼアラムが楽勝といった様子で笑った。どれほど傷が深くとも彼が弱音を吐くことはない。手当をしようとましろが駆け寄ってくる。
     自慢の日本刀を一振りして汚れを飛ばし、さくらが苛立たしげに呟いた。
    「汚らわしい、自慢の日本刀が汚れてしまいましたわ」
     七星はじめ、仲間を傷つけた敵と思えば身震いがする。
     タトゥーバットの群れですらこれでは、子爵がいるという屋敷ではどうなっているか。屋敷へ向かった学園の仲間たちを想うと、郁は居たたまれなかった。
    「みんな、どうか無事で……!」
    「願おうぜ。全員が無事に、学園に帰還できるようにってさ」
     深手を負った錠が頬にとんだ血を拭う。彼のみならず、誰もが傷は深い。
     敵を殲滅し、仲間たちからの想いも引き継いで住民たちの安全を確保した彼らは、学園へ帰還することにした。

     津市全体を巻き込んだ企みののち、流れはどこへ向かってゆくのか。
     この夜の戦いがその答え――次なる争いへ、灼滅者たちを誘う。

    作者:六堂ぱるな 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年11月6日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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