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「るーんたった、るんたった」
巨乳のギャルがスキップで町を行く。
それだけならああ乳が揺れますねノーブラですねで済む話だが、彼女が恐ろしき淫魔レプラコーン(の分割存在)だっていうから大変である。
しかも彼女の後ろをパンツ(ギャルのパンティ的なやつ)の群れが飛んでいるっていうから! いうから! 大変である!
「うれしいな、うれしいなったら、うれしいな。早速このフライングパンツをみてもらお!」
その様子を、偶然通りかかった人たちは右から左が見過ごし、そして俺疲れてるんだなと言って病院へ直行したという。
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「レプラコーンを知っていますか? 妖精職人としても知られ、靴からメイド服までありとあらゆるフライング服装系眷属の生産技術に長けている淫魔です。今回そのレプラコーンの分割存在たちが安土城怪人の傘下に加わるべく、サンプルに作成した眷属を従えて移動しています。この大変な事態を、いち早く解決しなくてはなりません!」
エクスブレインはそう説明しているが。
大変なのはもはやそこじゃない。
そこじゃないよ。
説明によればレプラコーンは素早さの高い淫魔でそれなりに強いらしいということが分かっている。
あと彼女の連れている眷属フライングパンツはリバーレースやラブリーチャームといった可愛らしい大人向け女性用下着の姿をした郡制一個体型の眷属でぱっとみ沢山居るようにみえるがダメージを共有した一個体の存在なのだそしてそんな中にはどう見てもヒモにしか見えない下着や実用性を考えたら謎すぎる場所に穴が空いている下着もあってそのすべてにパラダイスノイアというタグがついているので見分けが付くようになっているらしいあとその場に行くと気づくが下着からはベリー系のいい香りがしてそういう趣味がなくても思わず手に取ってしまいたくなるような誘惑があるけどこれは別にBSとかじゃなく全人類が持ってる共通の欲望だから君の友達が急にパンツを鷲づかみにして臭いをかぎ始めても変態扱いしちゃいけないぞそして鷲づかみにした瞬間きっと君はパンツのなめらかな生地に気づくだろう男性が三枚百円とかで買ってる駄パンがゴミにみえてくるくらいの違いに驚愕するに違いないだってあれ色からして綺麗で香りもよくて肌触りもいいものを常に身につけているのがそういうものを好む女性なんだからこの世は天国ですよねそうおもいま――はっ!?
「すみません、どこまで話しましたっけ。そうそう……今回の任務はレプラコーンとその眷属を灼滅することです。頑張ってください!」
参加者 | |
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アンネスフィア・クロウフィル(黒い一撃・d01079) |
姫条・セカイ(黎明の響き・d03014) |
皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424) |
白金・ジュン(魔法少女少年・d11361) |
イサ・フィンブルヴェト(アイスドールナイト・d27082) |
照崎・瑞葉(死損ないのディベルティメント・d29367) |
裳経・いちご(五平餅はご飯じゃないのっ・d31542) |
敷原・舞(中学生サウンドソルジャー・d35853) |
●運命の赤い糸がパンツに縫い込まれてる人たち
レプラコーンが通るという町の一角に陣取った敷原・舞(中学生サウンドソルジャー・d35853)たちは、あれやこれやをどーのこーのして一般の人立ち入り禁止エリアを作り出していた。
ほんのりとしたベリー系の香りと共に、遠くに見えるレプラコーンがパンツの群れと共に接近してくるのが分かる。
「うわー、あんな下着を従えているなんてうらやまし……はっ、私ってばなんて変なことを考えてるのよ!」
これでは乙女検定失格だわとばかりに両手を頬に当てて盾ロールヘアを振り乱す舞。
その後ろでイサ・フィンブルヴェト(アイスドールナイト・d27082)はシリアスな顔をしていた。
「下着はそれほどまでの戦闘力をもつのか。そしてなんだこの甘酸っぱい香りは……心が引き寄せられていく」
「わー! だめ! 人類の本能に身を任せちゃだめ!」
「うーん、この依頼。私のキャラじゃないと思うんですよね」
それよりも手伝ってーと言ってイサを引っ張る舞たちを無視して、アンネスフィア・クロウフィル(黒い一撃・d01079)はため息交じりに首を振った。
「二年ほど休憩していましたけど、私ってもっとシリアスなキャラだと思うんです。血しぶきの中を舞い踊ったり、銃弾の中を鎌一本でかいくぐったり……ねえ、そう思いません?」
「私は無乳じゃないよ?」
一語一句たりとも噛み合わない返答をする照崎・瑞葉(死損ないのディベルティメント・d29367)。
「レプラコーン。作ったのがブラじゃなくて命拾いしたよね。下着くらい、女の子だけの場所なら恥ずかしくないし。今日だってみんな女の子でしょ」
「え、えっと……たしか三人ほど……」
「胸の小さい人もたっくさんいるしね! 勝った! 私が勝った!」
虚空を見上げて一人ガッツポーズをとる瑞葉に、かけられる言葉などない。
その一方で、皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424)は別の虚空を見上げていた。
「なんで……私、ここにいるんだろう……」
「まあまあ。今日はお知り合いも多いことですし。いちごさんだって居るんですよ」
にっこりした姫条・セカイ(黎明の響き・d03014)が零桜奈の肩に手を置いた。
「その人だけど……いちごじゃないよ」
「えっ? まさか……!?」
慌てて振り向くセカイに、裳経・いちご(五平餅はご飯じゃないのっ・d31542)は手人形をぱくぱくさせた。
「パンツの申し子いちごちゃんです☆ アリカさんもいますよ! ひゃー! アリカさーん、無視しないでー!」
「いちごさん!」
「……」
拳をぐっと握るセカイに、零桜奈(美少女)は無言を通した。
ちょろいなこの人、とは言わない。
「流しパンツにはショウガが合います!」
「やっぱりいちごさんじゃないですか!」
そんな光景を無言で見つめる人がもう一人。
白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)である。
「なんだか、今日、色々ややこしいな……」
咳払いするジュン。
「いけないいけない。この前から私のイメージが崩れてきてるんだから、今日はビシッと事件を解決してイメージアップをはからないと! パンツなんてただの眷属、毅然としていれば大丈夫なはず!」
とかフラグを建設していると。
「現われたわね灼滅者。ここは通させて貰うからっ!」
こちらに気づいていたレプラコーンが眷属たちに合図を送った。
「いきなさい、フライングパンツ!」
「あっ無理だこれ」
ジュンから本音が漏れた。
●最近パンツ多すぎやせんかね
「マジピュア・ウェイクアップ!」
気を取り直してカードを掲げたジュンは高く跳躍。
光を纏い、着ていた服を光の渦のなかに消していく。
虹色の幕がかかった淡いボディラインにブラやリボンが加わり、アラビアンなコスチュームへとチェンジしていく。
その間ずっと彼女の周りを無数のパンツが周回していた。
「希望の戦士ピュア・ホワイト、参上!」
きゅぴーんと構えるジュン。その後ろでずっと周回してるパンツ。
「……こらえて私。今反応したら以前の二の舞!」
パンツを無視し、ジュンはレプラコーンを指さした。
「服飾の腕をこれ以上悪事に使わず大人しくしてくださいレプラコーンさん! なんなら、別の所で働く気はありま――」
「問答無用キーック!」
目にもとまらぬホップステップドロップキックでジュンの顔面をヤるレプラコーン。
「あーっ!」
そのままジュンはオシャレなカフェへ一緒になって突っ込んでいった。
「ジュンがやられた! おのれ……下着どもめ!」
イサは美しい槍を構えると、周囲をふーわふーわ飛び交うパンツをにらんだ。
「貴様のような布の塊は私の槍で……」
目の前を右から左へ流れていく紫レースのパンツ。
丁寧に縫い込まれた刺繍に、視線が右から左へ流れていく。
「断ち切って……」
鼻腔をくすぐる甘酸っぱい香り。
樹脂に下がる果実に手を伸ばすがごとく、イサはレースのパンツを手に取っていた。
「この指触り……さらさらで気持ちいい……実用性の分からない穴も、身につければ理由が分かるだろうか……」
「ちょっと、ヤられてる! 下着の誘惑にヤられてる!」
しっかりしてよと言いながら背中をぽかぽか叩く瑞葉。
イサは自分の腰のあたりにパンツを当て、くるりと振り返った。
振り返った拍子にたわわな果実(意味深)がたゆんと揺れた。
「…………」
「どうだろう照崎さん、私に似合うだろうか」
「……神は仰せになった」
「照崎さん?」
「『乳をもげ』と!」
キシャーといいながらイサに襲いかかる無乳崎さん。
「きしゃー!」
襲いかかる途中、空中で直角にカーブしこっちに……こっ、うわ、く、くるなー!
「シネエエエエエエエ!」
「どうしよう、地の文を殺しちゃった!」
「照崎さん? さっきから何を言っているのかわからないんだが……とにかく見てくれ、この下着は履いてみると案外実用性が高そうなんだ。肌を圧迫しないし蒸れない。必要な部分に必要な布があるのみという潔さだ」
「はははははスカートをたくし上げてみせても読者にそれが伝わらないなー! よかったー殺して!」
「ドクシャ? ところでこの穴は何に使うものなんだ?」
「知らないし知りたくないよ! あとその乳をよこせ!」
「綺麗な下着が……シルクでしょうか? いえ、違いますね、シルクはもっとばーっと動きますもの……」
「セカイさん帰ってきて! 廃人になる一歩手前みたいな台詞吐いてる!」
「うふふ、この普通の店舗にはまず販売していないような扉のついた下着をつけてみればきっと……うふふふふ……」
「だめっ、キュアらない! BSじゃないから!? だめだよ私セカイさんの着替えシーンなんて………………ま、いっか」
「あきらめないでくださいそこで!」
はっ、生きてる!?
いけーと言って霊犬いぬたろうを遠投フォームでぶん投げたアンネスフィアが、下着の群れを霊犬インパクトで蹴散らした。
後ろでは零桜奈(美少女)が両手で顔を隠しつつ指の間からチラッチラッしていた。
「なんで、止めなかったの」
「だって私いちごちゃんですし」
「『ですし』じゃ、なくて……」
両手でわたわたジェスチャーする零桜奈(美少女)。彼をよそにアンネスフィアは襲い来るパンツを右へ切り左へ切りの大立ち回りを演じていた。
「よい子の武蔵坂学園生徒は路上で生着替えなんてしません! いいですね!?」
「そ、そうでした。わたくしとしたことが破廉恥な……」
とかいいながらセカイはガーターベルトを装着することを前提にデザインされたシースルーの下着を大事そうに懐にしまっていた。
「言ってるそばからこのひとは」
「こんな逸品、安土城怪人にはかせるつもりですか!」
「はかれてたまりますか!」
「もうみんな、真面目にやってよね!」
舞は振り向きざま、放っていた鋼糸をリールに収納した。
彼女の周囲から一斉攻撃をしかけようとしていたパンツたちがはらはらと落ちていく。
頬にかかった髪を払い、キッとシリアスな顔をする舞。
「これはレプラコーンの罠に違いないわ。皆で力を合わせて乗り越えましょ!」
……のポケットから大量のパンツがあふれ出ていた。
「んん、んっ……オホン!」
粗い咳払いをして、アンネスフィアは一連のあれこれを記憶から消すことにした。
●れぷらこーん? ポップコーンの親戚かなにかです?
「きゃああああああああ!」
マジピュア天空クロスアタックの直撃をうけたレプラコーンはきりもみ回転しながらカフェの窓から飛び出してきた。
頭から被ったベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノを払って立ち上がる。
「意外と強いのね、ピュアホワイト」
「あなたこそね、レプラコーン」
頭からシングルベンティキャラメルアーモンドヘーゼルナッツモカホワイトモカチョコチップエキストラホイップキャラメルソースチョコソースバニラクリームフラペチーノを被ったジュンがシャープな構えで店から出てきた。
「どうやら、パンツたちも仲間が一通り倒してしまったみたいですし、ね!」
「ええっ!?」
振り返るレプラコーン。
そこにはなんと!
「だっ、だめです二人とも、そっ、そんなところを!」
「うう、うごけ、ない……」
「もー、ほんとにあなたたちはトラブル体質なんだから」
パンツまみれのベッドに押し倒されたセカイが零桜奈(美少女)といちごちゃんに乳をもみしだかれていた。
「ああまって私の愛しい下着さん。あなたを身につけてじっくり感触を堪能するんだ。この場で履き替えて私の者にしちゃうのー」
舞があははうふふと言いながらちょうちょ追いかけるみたいにパンツをおいかけていた。
「あはははははははははあの子たちは男の子だったんだあはははははは私男の子に色気であははははあはははあははは無乳っていうなあああああああああああああああうあああああああああああ!」
殺人鬼でもないのに全身を殺意で覆った瑞葉だったものがパンツを引きちぎったり食いちぎったりしていた。
「くっ……ころせ!」
街灯から上下逆さにぶら下がってスカートを豪快にめくりあげたイサが女騎士定番の台詞と共にお手上げしていた。
「パンツを食べることで私とパンツはひとつになるのです。己の闇と罪を自らの中へ取り込み受け入れることで私と宇宙は渾然一体となり宇宙の心を理解する……はっ、これがサイキックハーツ!」
男物のパンツを必死に貪り喰いながら目を怪しく光らせるアンネスフィア。
そんな光景が、広がっていた。
「…………」
「…………」
顔を見合わせるジュンとレプラコーン。
こうなった経緯を、できれば説明したいが、軽くリプレイが三倍の分量になるので、悔しいが割愛させて頂きたい。
「え、えっと……マジピュアビーム!」
「きゃあああああああああ」
びびーっと放ったジュンのビームを受け、レプラコーンは灼滅された。
眷属のフライングパンツたちはただのパンツへとかわり、地面にはらはらと落ちていく。
だからって何がどう変わったわけでもねえ現場の惨状へ振り返り、ジュンは……。
「私は大丈夫。私はマトモなはず。私は大丈夫……」
必死に自己暗示をかけることで事なきを得たのだった。
こうして、放っておけば軽く補導されそうな八人は人々が戻ってくる前に撤収し、現場には飛び散ったなんとかフラペチーノと何かの切れ端だけが残ることとなった。
あとパンツは各自持ち帰った。
作者:空白革命 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年11月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 7/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
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