どれ位の仲間が、脱出出来ただろうか。
日光の山中で仲間をベヘリタスの蟲から救って送り出すと、六門・恭二は空を見上げた。
美しい月が、丸く空に輝いて光を落としている。
自分自身も、日本海へと向かわなければという強い使命感のようなものがわき上がっているのを感じる。
以前、タカトに気をつけろと言っていた灼滅者たちの言葉が、今になって思い起こされた。
「既にあの時、絆を奪われていたのか……それとも…」
起きてしまった事は、考えても仕方ない。
恭二も後を追おうと歩き出した時、目の前に強烈な光が現れた。月の光とは違う、まばゆい閃光が照らし付ける。
「なんだ!」
手でとっさに目を庇ったが、恭二にはその光が強烈に焼き付けられていた。
光は、網膜ではなく心に焼き付く。
しばらくすると、恭二はうつろな目で歩き出した。
「……行かなければ…」
恭二に表情は無いが、思考ははっきりとしているのか、視界に映った日光宇都宮線上り線のパーキングエリアに姿を現した。
この時間帯は、人もほとんど居ない。
だが二〇分ほど過ぎた頃、一台の車が休憩の為に入ってきた。
「新宿の橘華中学まで行ってくれ」
「おい、これはタクシーじゃねえぞ」
ドライバーが、苛ついたように言い返す。車内はドライバーの男一人だったが、相手は年下一人だと軽く見たのだろう。
後部席の恭二の首元を掴んだ。
しかし、その腕を恭二が逆に掴んで捻り上げる。
思わず悲鳴を上げた男に、もう一度恭二は低い声で言った。
「新宿まで、だ」
「わ、わかったから離してくれ」
こくこくとうなずき、男はハンドルを握った。
校内のエクスブレインが、慌ただしく行き来していた。
相良・隼人もその一人であったが、教室に入ると集まった灼滅者の前に椅子を持ってきて腰掛けた。
どうやら、やっかいな事が起きているようだ。
「ベヘリタスの卵の背後にいた光の少年タカトと、アンデッド化して白の王の配下となったクロキバが衝突したが、クロキバを討ち取るという結果となった」
その報告は、皆も受けているようだった。
しかし正気を取り戻したクロキバは、新たに自分の継承者が現れると語ったのである。
クロキバを失った白の王は弱体化し、結果タカトが攻勢に出る事となった。拉致したラブリンスターを利用し、多くのダークネスに無差別籠絡術を使ったのだ。
「集まった軍勢を使って、何か大規模な作戦に出ようって腹だろう。この作戦については、残念だが俺達にもはっきりとは予知出来なかった」
しかし、武蔵坂学園に関わった事があり絆を持つダークネスに関しては、予知する事が可能だと隼人は言う。
「タカトに利用される位なら、ここで灼滅させてやるのが本望ってもんだ。あいつは仲間を業大老の元に送り出す為、最後までこんな所を彷徨いて見つかっちまったんだからな…」
恭二との戦いは厳しいものとなるだろう。
あれから恭二も力を付けただろうが、一度は追い詰めた事もあるのだから。
「パーキングエリアに行けば、恭二を待ち伏せする事は出来る。ただし、恭二にヒッチハイクされるはずだったドライバーは20分後に来るから、それまでには片付けてくれ」
橘華中学には行かせるな、と念を押すように隼人は告げた。
タカト、業大老、そして白の王。
これからダークネスとの戦いは、どう動いていくのか……波乱の予感に、隼人は眉を寄せるのだった。
参加者 | |
---|---|
狐雅原・あきら(アポリアの贖罪者・d00502) |
万事・錠(ハートロッカー・d01615) |
ライラ・ドットハック(蒼き天狼・d04068) |
御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166) |
鳴神・千代(ブルースピネル・d05646) |
森沢・心太(二代目天魁星・d10363) |
鏡・エール(カラミティダンス・d10774) |
清浄・利恵(華開くブローディア・d23692) |
しんと静まりかえったパーキングエリアに、青白い月の光が落ちていた。
誰かの邪魔さえ入らなければ、最後の戦いを行うのには良い場所であろう。鏡・エール(カラミティダンス・d10774)や他の仲間もライトを所持していたが、おそらく灯りは必要あるまい。
「最後まで戦うよ」
エールが言うと、…必ず、とライラ・ドットハック(蒼き天狼・d04068)が答えた。
怨みがあってそうするのではなく、戦わねばならない時に、戦いを望む者がそこにいるのだから。ここで逃げる事も、躱す事も多分お互いに望んでは居ない。
凛としたライラの視線が、道路の反対側へと向く。
建物の奥に、鳴神・千代(ブルースピネル・d05646)が連れた霊犬の千代菊がふと意識を向けたのだ。千代菊を撫でていた千代が、立ち上がって武器を握った。
「……来たんだね」
少し、千代の声は寂しそうであった。
ゆっくりと姿を現した恭二は、こちらに気付いた。しかし足を止める事なく、真っ直ぐに向かってくる。
恭二の姿を確認すると、狐雅原・あきら(アポリアの贖罪者・d00502)は自身のスマホに指を滑らせタイマーをセットした。時間は今から20分後である。
それぞれ戦いには思う所があるかもしれないが、あきらは比較的落ち着いた様子であった。戦う事だけ考えて、真っ先に飛び込んで、その末倒れたとしても笑っていられる。
同じように、万事・錠(ハートロッカー・d01615)と清浄・利恵(華開くブローディア・d23692)は17分後にセットする。これで最初に二人のアラームが、その3分後にあきらのアラームが鳴る事となる。
「縁があった野郎がここで灼滅っていうのに、迷いがねェな皆」
錠が言う。
迷い……と、千代は小さく呟いた。
ふう、と溜息のような息をついた利恵。
「力を求めた彼の行く先が、自分の意志で立たない戦場か」
だからこそ、望まない戦場に駆り出される前にボク達で終わらせる。それが、彼の望みだろうと利恵は考える。
ゆっくりと足を止めた恭二。
前に立った森沢・心太(二代目天魁星・d10363)が、何時ものように柔らかい表情で声を掛けた。
「お久しぶりです、恭二さん」
無言の恭二に、心太は言葉を続けた。
「あなたとはこれまで、色々と縁がありましたが、これが最後です」
何故戦うのか、とは言うまい。
堂々と正面からそう言った心太の話を、御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166)が後ろで聞いている。この中では心太が最も恭二と戦っているが、力生もこれで三度目だろうかと思い返していた。
すうっと身構えた恭二が、言葉を返す。
「……邪魔をするなら容赦はしない」
瞬時に、千代菊と芝丸を含めた7人が恭二の周囲を包囲する。遠くから車が行き交う音が、風の音のように響いていた。
飛び込んだあきらと錠を迎え撃つ恭二の瞳に、戦いに対する欲求は感じられなかった。
槍と一体と化したような突撃で、槍をねじ込むあきら。
恭二の動きを見つつ、両手に構えた槍でその体を狙い続ける。
それを受ける恭二は、体裁きでするりと致命傷を避けながらあきらに拳を叩き込んだ。強烈な一撃を受け、体勢を崩すあきら。
「…面白くなって来そうデス」
口から血をつう、と滴らせてあきらが笑う。
隙を与えず、錠は恭二の背後に回り込んで剣で切り上げた。いずれも全身の力を振り絞って攻撃を仕掛けるが、恭二に致命傷を与えるには至らない。
だが、錠の狙いは相手の守りを削る事。
恭二の守りを少しでも削ろうとする錠と、テンションを上げるあきら。
「守りは任せるよ!」
千代が、まずはエールにベルトを放って守りを固める。ちらりと視線を返して応答すると、エールは恭二の拳を受け止めた。
重い拳が、ずしりとエールの体に響く。
「大丈夫?!」
「お陰でね」
笑みを零して、エールは千代に声を返した。
千代に支援を受けた分、しっかり守らなきゃとエールは刀を振り抜いた。上段に構えた彼女の一撃は、恭二の体をかろうじて掠めるに留めた。
動きは速く、攻撃は重く、バランスが取れた肉体から繰り出される攻撃はかわしにくく、そしてこちらは当てにくい。
「……ならば」
ライラは心太と視線を交わしてタイミングを計ると、左右から異形化させて巨腕を振るい下ろした。タイミングを合わせた二人の攻撃が、恭二に影を落とす。
……浅い、とライラが呟いた通り、恭二はしっかりと両手で受け止めていた。
「こんなものじゃあるまい」
力生の声が、恭二の背後から聞こえた。
ライラ達の鬼神変による派手な攻撃に隠れるようにして、背後から蹴りを仕掛けたのだ。摩擦力が生んだ焔が、チリチリと恭二の道着を焦がしていた。
恭二は暗い瞳で、力生を振り返り無言のまま、彼は踏み込んだ。
一気にエールの懐まで迫り、拳を叩き込む。ぐらりと視界が揺れたが、エールは何とか耐えて踏みとどまった。
恭二の姿を視界から外さないようにしながら、刀を一閃させる。エールへの攻撃を何とか分散させようと、芝丸も喰らい付いていった。
「邪魔をするな」
振るわれる拳が、再びエールを血に染める。
……戦い?
違う。
エールは彼の目を見る。
「今のあなたは…ただ排除してるだけだ」
力に耐えながら、エールは刀を振るう。
その刀が恭二の手首をはじき、ジィンと痺れさせた。手首を押さえた恭二は、切り込む錠とあきらの攻撃を躱しながら眉を寄せた。
「どこを見ているんデスカ、戦いまショウ!」
あきらが割って入り、槍を掴んで冷弾を放つ。穂先のように尖った氷塊が放たれ、恭二の体に食い込んでいく。
「…直接的な攻撃だけが、致命傷とはなり得ない」
ライラがあきらの背から、攻撃に合わせて冷弾を同時に放った。二段構えの攻撃が、恭二の体を一気に冷やした。
恭二の四方を挟んだエール達は、よく恭二の攻撃に耐え続けていた。
後方から千代がシールドで支えていたが、恭二の攻撃は乱戦に向いていない為、それが千代の支援を容易にさせていると言えよう。
既にフラフラのエールを、後ろから包み込むようにしてベルトを放つ。
「こんな終わり方なんて嫌だよ……」
千代の声は、震えているようだった。
ゆるりと彼女達の方に向かった恭二に、力生が声を掛ける。エアシューズの機動力を生かして回り込んだ力生は、炎を巻き上げながら蹴り技で引きつけた。
闇に燃える炎は、恭二の黒い胴着を燃やしていく。
しかし彼があまりに無反応な事に、力生は息をのんだ。
「一つ聞いてもいいか?」
疑問を胸に、問いかける。
恭二は力生の胸元を掴もうと手を伸ばしたが、その手を心太が掴んだ。恭二の力は凄まじく、心太では長くは押さえて置けそうにない。
「お前はまた腕を上げたようだ。悔しいが、俺では一対一で戦えるほど近づく事は出来なかった。……だが、お前はその力を何に使う」
「俺は……新宿に」
行った先の事が出て来ないのか、口を閉ざす。
動きを止めた恭二に、利恵が飛び込んだ。全身を掛けた跳び蹴りが、恭二をアスファルトに叩きつけて転がす。
続けて蹴りを放った利恵の攻撃を躱して構えた。
「覚えてないのか? …ボクはあの時、攻めて護ると言った。でも今護ろうとしてるのは、仲間だけじゃない。自分の力を求めて突き進んだ、君の心もだ!」
「…誰だお前達は」
苛ついたように、拳を振るう恭二。
やっぱりと利恵は、その様子を見て呟く。今の恭二はやはり、自分達に関して何も覚えて居ないのだ。
「ボクは一度しか会ってないけど、力生君は三度目だし心太君は覚えてないはずがない。これって…」
自分を倒した相手も分からないまま終わるなんて、残酷だね。
利恵は低い声で言うと、意志を固めた。せめて、一瞬でも意識が戻るならそうしてあげたい。六門恭二を倒すのは、見知らぬ誰かじゃない。
「恭二君、君を倒すのはボク達だ。覚えて逝ってくれ」
利恵はチェン剣に持ち変えると、唸りを上げる剣を振り下ろした。
はじき返そうとする恭二の道着を、チェーンソーが切り裂く。
そこで戦う恭二という男の意識は、きっと介入していないのだ。千代は、その事がとても悲しくて寂しい事だと感じて居た。
「敵同士だったのに、一緒に戦えたこと。私はそれが嬉しかったし、すごいと思う。…だから、いつかキミと戦う日が来ても、それは純粋に楽しみだと思ってたんだ」
楽しみだと今思えないのは、そこに恭二という男が居ないからなのだ。
……ピピッ、とその時利恵と錠のアラームが鳴り響いた。
「……諦めないよ」
利恵が、千代を振り返って言った。利恵の左腕は、恭二の拳に捕まれて青黒く変色していた。腕に力が入らないのか、下ろしたままだ。
ダイダロスベルトを握り締め、千代が恭二をしっかりと見返す。
残り時間は、3分を切った。
「こっから先は、全員攻撃のフィーバータイムだ! さあ、死ぬ気でやろうぜ六門恭二!」
錠が声を張り上げて、仲間を鼓舞した。
一気に傷の痛みが吹き飛び、錠はバベルブレイカーを構える。守りも、治癒も、何もかも捨てた特攻で片付ける気なのだ。
その狙いに気付いた恭二が身構えるが、腕を錠のバベルブレイカーが貫く。
カウンターで血塗れの拳が、交差するようにして錠を叩きのめした。左腕が痺れて痛みも感じやしない。
「…なあ、せめて闘いを愉しんでくれよ。今あんたは愉しんでるか?」
いや、いない。
錠は言い切る。
仲間が恭二に語りかけてきたのは、今の恭二はちっとも闘いを愉しんでやしないし、ちっともやる気がないからなのだ。
戦って戦って愉しんで、それで逝ってくれ。
「これってエゴか?」
錠はにんまり笑った。
炎と冷気。
仕掛けた罠は、じりじりと恭二の体を削っていた。
「…残りは、これで叩きつぶす」
十分、搦手は仕掛けた。
そうライラが言って腕を異形化させると、心太もそうした。豪腕が唸り、二者の腕が恭二に降り注ぐ。
恭二が一つ一つ躱していくが、長時間の闘いで疲労が蓄積していた。
黒い胴着の殆どは、錠に切り裂かれ、炎が焦がしていた。
「いつか言おうと思っていたんですが」
心太は拳の連打で、恭二をたたき伏せる。わずかに体をずらそうとしたが、心太の拳に加えてライラの腕が恭二を押しつぶそうと迫る。
躱した動きを、心太も見切っていた。
「あなたは、心技体を鍛えているのに攻撃バランスが悪すぎです」
崩れ落ちた恭二を見下ろし、心太はそう言って笑った。
何度も見た体裁きだから、心太は覚えて居た。何度も闘い、そして体に受けた技であり、目で見た技術だった。
「お前の力は、無差別籠絡術とやらに操られて利用される、そんな事の為に鍛えてきたんじゃあるまい」
力生は言い切ると、拳を振るった。
手を休めず、相手にも休ませずに力生は前に進み、攻撃を続けた。すうっと恭二が攻撃に専念し、目を細めて狙う。
その視線に、いつかの六門恭二が戻った気がした。
反撃で腹部に強烈な一撃を食らうと、力生は思わず笑みを浮かべた。
「まだだ。まだ終わっていない」
「…こっちだ」
ライラが、影を宿した拳で殴りつける。
彼女の放った影により恭二が何を見たのか、一瞬恭二の顔色が変わった気がした。それが、多分柴崎か業大老だろうとあきらが呟く。
でもそんな事より、恭二が再び立ち向かって来た事の方が大事だった。
彼は逃げず、最後まで戦う気なのだ。
「そうこなくっちゃ! コレだから面白いんだ、灼滅者ってヤツは!」
嬉々とした表情で、あきらがガトリングを放つ。
重低音を響かせてばらまかれるガトリングの連射に、あきらは笑顔を浮かべていた。ふ、と恭二も笑い返す。
既にお互いの体力は限界を迎えており、恭二の一撃で芝丸が消えた。
エールは芝丸に語りかけるように何かを小さく呟き、それから空に飛び上がった。ふわりと風を巻き込むように浮き上がったエールの体が、恭二目がけて一気に振り下ろされる。
「……さすがに、速いわね」
「じゃあ、二段構えならどうかな?」
利恵がエールに目配せをすると、跳び蹴りを浴びせた。蹴り技で攻めながら、利恵が恭二に話しかける。
「久しぶりだね、恭二君。……今日は殺す気で、君を倒す」
「来い」
恭二の声に、利恵はすうっと笑みを浮かべた。
蹴りを浴びせ、躱した所にチェン剣を振り下ろす。持てる力を全て使い、3分の時間を使い切って戦った。
この短い時間が、多分彼らの本当の時間だったのだ。
心太の拳が恭二の体を貫くと、恭二はようやく膝をついた。崩れ落ちた恭二の体を、千代が支える。
そっとヒールを掛けたが、千代の手が届く事はなかった。
恭二の表情は、穏やかであった。
「……いつか、仲良く出来る日が来るんじゃないかと思ってた」
「俺は十分……楽しかったが…な」
「私も全力で戦えて、嬉しかったよ」
笑顔で送ろうと千代は作ってみたが、思うように笑えただろうか。
面白かったよ。
と、あきらは満足そうに恭二に言う。
「お前が何であろうが、本質は俺と同じだ。そうなんだろう?」
それは、アンブレイカブルとしての本質?
戦いの本質?
あきらの疑問に、答える事はなかった。
「…六門恭二に、追いつく事は出来ただろうか」
力生が言うと、恭二が答える前に心太がはいと答えた。
自信ありげな心太の言葉は、恭二の攻撃に着いていく事が出来たという事に繋がっているのかもしれない。
「あなたと時に闘い、時に共闘した事はわすれません」
「…こっち側に来たお前と、戦って見たかった」
多分、恭二の本音だろう。
心太は肩をすくめて笑った。
本当に強い人だったわね。
エールが言うと、錠がそうだな、と答えた。
後ろで仲間と恭二をじっと見守っていた錠は、その最後の散り際について思いながら、空を見上げる。
錠は考えるのだ。
「操られたあげく、護ろうとした連中を手に掛けちまうぐれェなら…俺は悪役で構わねェよ。だからな、ここで思い切り戦って、そして愉しんで逝っちまったなら、ここに来た甲斐があったって思わねぇか?」
「……そうだな」
ライラはこくりと頷いた。
最後に彼は、思うままに戦って全力で逝ったのだ。少なくとも、自分の意志で闘い、倒した相手を目に焼き付けて逝った。
戦いに生き、戦いに散ったのである。
「…この戦いを仕掛けた、タカトとベヘリタスを決して逃がしはしない」
ライラが心に誓う。
それは恐らく、遠い日ではないのだろう。これ以上ベヘリタス達との戦いを長引かせるつもりは、ライラ達もなかった。
入り口の方を見に行っていた利恵が、引き返してくる。
「一般車両は、そのままパーキングエリアから出ていったよ。もう入ってくる車は無さそうだね」
「そう……これで終わったわね」
願わくば、その魂がいづれ巡って共に戦える日が来ますように。
芝丸が見送るように遠吠えをすると、エールは恭二の魂に祈りを捧げた。
作者:立川司郎 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2015年11月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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