バニラ、ペロリン!

     ルナ・リード(夜に咲く花・d30075)は、こんな噂を耳にした。
     『バニラアイスを身体に塗りつけ、舐めとる都市伝説が現れた』と……。
     この都市伝説はエロスの権化のような姿をしており、ターゲットめがけてバニラアイスを塗りたくり、ペロペロと舐め取っているようだ。
     そのため、都市伝説が確認された繁華街では、都市伝説に襲われる事を恐れて、みんな警戒しているらしく、背後に立たれるだけで、悲鳴を上げて逃げ出してしまうようである。
     それが原因で繁華街には閑古鳥が鳴いており、都市伝説が飢えた表情を浮かべてウロついているようだ。
     その事を踏まえた上で、都市伝説を灼滅する事が今回の目的である。


    参加者
    柳谷・凪(お気楽極楽アーパー娘・d00857)
    神楽・慧瑠(戦迅の藍晶石・d02616)
    アルファリア・ラングリス(蒼光の槍・d02715)
    美波・奏音(エルフェンリッターカノン・d07244)
    水走・ハンナ(東大阪エヴォルヴド・d09975)
    巽・真紀(竜巻ダンサー・d15592)
    卯月・あるな(正義の初心者マーク・d15875)
    新月・灯(誰がために・d17537)

    ■リプレイ

    ●都内某所
    「むぅ、なにがどうしてこんなエロい都市伝説が出てきちゃったのかにゃぁ……」
     柳谷・凪(お気楽極楽アーパー娘・d00857)はどこか遠くを見つめながら、仲間達と共に都市伝説が確認された繁華街に向かう。
     この都市伝説はエロスの権化のような姿をしており、ターゲットめがけてバニラアイスを塗りたくり、ペロペロと舐め取っているようだ。
    「これはまた迷惑な都市伝説が出てきたものでございます。どのような噂が顕現したのか存じませんが、ろくな内容ではなさそうでございますね。随分と被害者が出ているご様子ですし、繁華街の経済的にも放置しておくことはできません。この場にて灼滅致しましょう」
     神楽・慧瑠(戦迅の藍晶石・d02616)が、自分自身に気合を入れた。
     都市伝説が現れた事で、繁華街から人気がなくなっており、ほとんどの店が開店休業状態になっていた。
    「変態一匹に参上されて繁華街一つが閑古鳥かよ。マジ害悪だな、この都市伝説。つーか、もっと頑張れよ、社会。ポリスは何してんだよ、ポリスはよ。……いや、バベルの鎖があっと通報も通らねーのか? ともあれ灼滅者の仕事だな」
     巽・真紀(竜巻ダンサー・d15592)が、面倒臭そうに頬を掻く。
     だが、都市伝説は男女関係なくターゲットに選んで、バニラアイスをぶっかけて、ペロペロと舐め回してくるため、よほどのモノ好きでなければ繁華街に近づく事もないだろう。
    「つい先日も変態の相手をしたばかりではありますが、また変態とは日本の将来が少し心配になりますね」
     アルファリア・ラングリス(蒼光の槍・d02715)が、複雑な気持ちになった。
     それだけ、噂が広まりやすかったのかも知れないが、都市伝説になってしまった以上は放っておく事も出来ないだろう。
    「……とは言え、都市伝説が彷徨いているなら、探す手間省けるよね。人気も無いし……」
     美波・奏音(エルフェンリッターカノン・d07244)が、警戒した様子で辺りを見回した。
     辺りにもう少し人気があれば、都市伝説に襲われた一般人の悲鳴が上がっているところだが、今のところそういった事もないようである。
    「それに、食べ物を粗末にするような都市伝説は、このご当地ヒロイン(見習い)のボクが許さない!」
     卯月・あるな(正義の初心者マーク・d15875)が、拳をギュッと握り締めた。
     だが、そろそろ(見習い)を取っても、いい頃である。
     格好良いヒロインネームを考えて、堂々と名乗るのも悪くない。
    「……というか、なんでバニラアイス限定? 舐め取るなら別に他の味のアイスでも、ポテチ感覚の油と塩でもいいじゃないの。まあ、どちらにしろ、やられる方がいい迷惑だけどさ……」
     水走・ハンナ(東大阪エヴォルヴド・d09975)が、乾いた笑いを響かせた。
    「塗りつけてくるのが何故バニラなのかと問いたいところですが、返答は予想の範疇ですね。つくづく変態行為がお好きな方々が生み出したのでございましょう」
     慧瑠が呆れた様子で頭を抱える。
     色々と思う事はあるのだが、ここで突っ込んだら、負けだろう。
    「おそらく、それ以外のアイスでも試してみた結果なのでしょうね。どちらにしてももったいない気がしますけど……」
     新月・灯(誰がために・d17537)が、気まずい様子で汗を流す。
     次の瞬間、都市伝説がキシャーッと奇声を響かせ、弾丸の如く勢いでバニラアイスの塊を飛ばしてきた。

    ●繁華街
    「グヘヘヘヘヘッ……、ようやく見つけた……見つけたぞおおおおおおおおおおおおおお! この時をどんなに待ち望んだ事か! お前ら、全員……バニラまみれにしてたやるっ! 今まで、溜めて、溜めて、溜めまくった俺のバニラアイスを食らいやがれえええええええええええええええ!」
     都市伝説がケモノにも似た叫び声を響かせ、続け様にバニラアイスを吐いていく。
     それは程よく溶けてベトベト状態。
     身体に触れると広がって、ほんのりと甘い匂いが漂っていた。
    「これが身体についたという事は……まさか……」
     灯がサウンドシャッターを使った後、警戒した様子で後ろに下がっていく。
     その途端、都市伝説の長い舌が、にゅるんと伸びた。
    「バニラの香りは嫌いではないのですが、さすがにこれは……」
     アルファリアも身の危険を感じて、右手についたバニラアイスを払う。
    「……チィッ! せっかく奇麗に舐め取ってやろうと思ったのに……。この……恥ずかしがり屋さんめっ!」
     都市伝説がいやらしい笑みを浮かべた。
    「正直、この時期にアイスクリームを塗られるのは、寒い上に気持ちが悪いですね……」
     アルファリアが間合いを取りつつ、殺界形成を発動させる。
    「バニラアイスの季節じゃないし、とりあえずちゃっちゃとやっつけちゃお?」
     それに合わせて、奏音が一定の距離を取って、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
    「おいおい、そんなに怖がるなよ。俺は別に酷い事をいるわけじゃねぇ。お前達を綺麗にしてやろうと思っているだけさ」
     都市伝説が舌舐めずりをして、思わせぶりな態度でニンマリと笑う。
    「バニラアイス、塗れるモンならぬってみな? 私はここよー」
     すぐさま、ハンナが覚悟を決めた様子で、都市伝説を挑発する。
     それと同時に都市伝説がいやらしい笑みを浮かべ、バニラアイスを飛ばしていく。
    「……ひゃん!? そ、そういえば『塗りたくってペロペロと舐め取る』んだっけ……!」
     あるながバニラアイスをモロに浴び、青ざめた表情を浮かべる。
     次の瞬間、都市伝説が興奮した様子で鼻息を荒くさせ、蛇のように長い舌を伸ばす。
    「うっ……、舌が……!」
     奏音が『ひゃん!』と悲鳴を上げて、ぺたんと尻餅をつく。
     しかも、都市伝説は無駄にテクニシャン!
     都市伝説の舌はあっという間に服の隙間に入り込み、敏感な部分を攻め立ていく。
     そのせいで、奏音はメロメロ状態。
    「うきゃきゃきゃきゃ、まだだ、まだまだ!」
     都市伝説も調子に乗って、そのまま舌を伸ばして、傍にいた凪の身体を舐め回す。
    「うにゃっ!? は、はにゃぁぁ、な、なめちゃだめにゃぁぁ」
     その途端、凪の身体が硬直し、都市伝説の長い舌でタンクトップがたくし上げられ、バニラアイスがベットリとついた胸元を、ペロペロと舐め回されていく。
     これには、凪も腰砕け。
     ガクガクと両足を震わせながら、その場にぺたんと座り込み、執拗に胸元を舐め回されて、甘い声を響かせた。
    「くっ、舐めたけりゃ舐めなさいよ!」
     ハンナも都市伝説に動きを封じられ、悔しそうに唇を噛む。
    「うひゃひゃ。それじゃ、遠慮なく!」
     都市伝説が舌を伸ばしたまま器用に喋って、今度はハンナに襲い掛かった。
     既に都市伝説の舌は無数に千切れて、蜘蛛の巣状態。
     それが手足の如く動くため、ハンナは感情を抑え込む事が出来ず、甘い声を響かせた。
    「……ひゃうっ! ちょっと、どこ舐めてくんのよ! あひぃっ?! ひいっ! や、やめて! 揉まないで……! ちょ、そんな所に舌なんか入れ……ひぎぃっ! も、もうやめ……っ! アッー!!」
     そのため、ハンナは為す術もなく、グッタリ。
     全身にこびりついたバニラアイスを舐め回され、起き上がる事さえ出来なくなっていた。
    「はぁぁぁん、も、もっとぉぉぉ。もっと気持ちよくなろうにゃぁぁぁ」
     それに加えて、凪が物足りない様子でハアハアと息を荒くさせ、発情した猫の如く悶え乱れ、傍にいたハンナの身体に舌を這わせていく。
    「やっぱり、バニラアイスは美味ぇなァ! もっとだ! もっと、もっと!」
     都市伝説がさらに興奮した様子で、傍にいたあるなを襲う。
    「や、やだ! ヘンな所、舐めないで! お尻! お尻らめぇ~~~!!!」
     それと同時に、あるなもビクンビクンと身体を震わせ、グッタリと倒れ込む。
    「ナメんじゃねーぞ、テメー! ……って、今のは舐めるなとスラングのナメんなを掛けたシャレじゃねーかんな!?」
     真紀が顔を真っ赤にしながら、都市伝説に釘を刺す。
     シャレで言ったつもりではなかったが、気のせいかまわりから冷ややかな視線が向けられている……ような気がする。
    「このような公序良俗に反した変質者的な存在には、遠慮も手加減も一切無用でございますね。ここはもう全て急所を狙って潰させていただきましょうか。公然猥褻には相応の罰があって然るべきでございます」
     慧瑠が都市伝説に冷たい視線を送り、続け様に攻撃を仕掛けていく。
    「しばらく、大人しくしてもらいますよ」
     それに合わせて、灯が影縛りを仕掛け、都市伝説の動きを封じ込める。
    「わたくし達の前に現れたのが、運の尽きですわね」
     次の瞬間、慧瑠がグラインドファイアを放ち、都市伝説の身体を炎に包む。
     その一撃を食らった都市伝説が断末魔上げて、あっという間に消し炭と化した。
    「希望者はこっち来て並べー。クリーニングを使うぜ」
     そう言って真紀が、仲間達を呼び集める。
     そして、真紀はクリーニングを使うと、仲間達の身体にこびりついたバニラアイスを綺麗にするのであった。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年11月13日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ