開催秋の麺祭り! 麦きり怪人の野望!

    作者:飛翔優

    ●麦きり怪人ウィップウィティ
     麦きり。
     山形県庄内地方の郷土麺。小麦を塩水でこねて細く切ったもの。
     その昔、まだまだ白いご飯を毎日食べる人が少数だった時代。ハレの日の食べものとしてよく食べられていたもの。
     愛しすぎたが故だろう。山形県で、一体のご当地怪人が活動を開始した。
    「キーリキリキリキリキリ! ほらほら、秋の麺祭りまでもう時間がないムギ! 早く作業を進めるムギ!」
     名を、麦切り怪人ウィップウィティ!
     麦切りの髪を持ち、右腕が麦きりを束ねて作ったようなものになっているご当地怪人は、麦切りを広めるために秋の麺祭りを開催するのだと、各地から様々な人を拉致し会場設営などにあたらせていた。
     秋の麺祭りで麦きりを食べてもらえれば魅力がわかってもらえる、ゆくゆくは世界征服に繋がると信じて……。

    「……毎度の事だけど、このご当地怪人も……」
     犬の散歩をする人々が集まる公園で一休みする傍らメモを眺めていた琶咲・輝乃(あいを取り戻した優しき幼子・d24803)は、麦きり怪人と記されている項目を前に小さなため息を吐き出した。
     荷物をまとめると共に立ち上がり、武蔵坂学園の方角に向かって歩き出す。
    「知らせよう。もしも真実なら……」
     解決策を導かなくてはならないのだから……。

    ●夕暮れ時の教室にて
    「それじゃ葉月、後をよろしく」
    「はい、輝乃さんありがとうございました! それでは、説明を始めさせていただきますね」
     倉科・葉月(大学生エクスブレイン・dn0020)は輝乃に頭を下げたあと、灼滅者たちへと向き直った。
    「山形県でご当地怪人、麦切り怪人ウィップウィティが活動していることが発覚しました」
     本来、ダークネスにはバベルの鎖による予知能力があるため、接触は困難。しかし、エクスブレインの導きに従えば、その予知をかいくぐり迫ることができるのだ。
    「とはいえ、ダークネスは強敵。いろいろとあるご当地怪人といえど、です。ですのでどうか、全力での戦いをお願いします」
     続いて……と、葉月は地図を広げた。
    「皆さんが赴く当日、ウィップウィティは山形県のこの場所……駅の近くの広場にて活動を行っています」
     活動内容は、秋の麺祭りの会場設営。
     ウィップウィティは秋の麺祭りを開催して麦きりを食べてもらう。そうすれば魅力が分かってもらえる、ゆくゆくは世界征服に繋がっていくと信じているのだ。
     しかし……。
    「会場設営にあたらせているのは、各地から拉致してきた人々。それも、無理なスケジュールで仕事をさせているようで」
     故に当日、会場設営している場面に割り込みウィップウィティを抑えながら、拉致されてきた人々を逃がす必要がある。
     その上で本格的な戦いを挑む、という流れになるだろう。
    「幸い、ウィップウィティは麦切りの髪を持ち、麦切りを束ねて作ったような右腕を持つ……という特徴を持つため、見間違えることもないでしょう」
     敵戦力はウィップウィティのみ。力量は、灼滅者八名と同程度。
     身のこなしに自身があり、相手の攻撃をのらりくらりとかわしながら立ちまわる。
     攻撃は、複数人を縛り上げる麦きりウィップ、複数人の加護を砕く麦きりピアース、複数人の歩みを止めさせる麦きりスイング。そして、自らの力を高め傷を癒やす特製麦きり。
    「以上で説明を終了します」
     葉月は地図などを手渡し、締めくくりへと移行した。
    「広めたいという思いはわかります。しかし、手段がまずければ何の意味も持ちません。拉致されてしまった人々の平穏のためにも、全力での戦いを。何よりも無事に帰ってきて下さいね? 約束ですよ?」


    参加者
    神楽・三成(新世紀焼却者・d01741)
    月雲・彩歌(幸運のめがみさま・d02980)
    清流院・静音(ちびっこ残念忍者・d12721)
    異叢・流人(白烏・d13451)
    アルクレイン・ゼノサキス(黄昏の天使長・d15939)
    姫川・小麦(夢の中のコンフェクショナリー・d23102)
    四刻・悠花(高校生ダンピール・d24781)
    アルマニア・シングリッド(世界を跨ぐ爆走天然ロリっ子・d25833)

    ■リプレイ

    ●祭りの前に
     人々の多くが仕事へ向かい終え、一時の静寂が訪れるはずだった山形県の駅前。側道を少し歩いた場所にある広場はいつにないざわめきに満ちていた。
    「キーリキリキリキリキリ! ほらほら、秋の麺祭りまでもう時間がないムギ! 早く作業を進めるムギ!」
     ざわめきの中心には、麦切りの髪を持ち麦きりを束ねて作ったような右腕を持つ怪人……麦きり怪人ウィップウィティ!
     ウィップウィティは人々に指示を出し、仮設テントや調理場などの設置を行っていた。
     この場所を秋の麺祭りの会場にするのだと声を荒らげていた。
     不平を言う者はいない。
     言う気力もないのだろう。
     作業を強要されている者たちは瞳から光が失われるほどの倦怠感に満ちているのだから……。
     ……だからこそ、灼滅者たちはやってきた。
     アルクレイン・ゼノサキス(黄昏の天使長・d15939)は足止めを担当する仲間と共に作業をしている人々の間を歩き、ウィップウィティの正面へと向かっていく。
    「すみません、責任者の方でしょうか?」
    「ムギ?」
     ウィップウィティが小首をかしげながら、しゃがみこんで目線を合わせてきた。
    「そうだムギ、何かようかムギ?」
    「ちょっと困った人が会場に来ているのでどうにかして欲しいんです」
     アルクレインは会場の端を指し示し、困った人へ……仲間へと視線を誘導する。
     ウィップウィティが視線を向けていく中、清流院・静音(ちびっこ残念忍者・d12721)がずり下がったマフラーの位置を直しながら付け加えた。
    「向こうで、この麺祭りなんてめちゃくちゃにしてやる、などと癇癪を起こしてる者がいて手を付けられぬゆえ、一緒に来てほしいでござる」
    「……」
     瞳を細めていくウィップウィティ。
     しばしの後、力強くうなずいた。
    「分かったムギ、麺祭りは守らなければならないムギ!」
     力強い言葉を受け、アルクレインたちは案内を開始する。
     道中、異叢・流人(白烏・d13451)が会話の種を投げかけた。
    「麦きりと言うものをネットで知った時、その人のレポート内容に興味を抱いてな。実際に堪能、そして知人達にも知って欲しいと思って今回参加しに来たのだ」
    「キーリキリキリキリ! それはそれは良いことがムギ! ならばなおさら、この麺祭りを守らなければならないムギ!」
     ……流人らが気を引いているうちに、指し示した仲間以外の者たちが人々の避難誘導を行った。
     ウィップウィティが現場である会場の端……今はまだ手付かずの部分へと到達する頃にはもう、人々は避難を終えていた。
     だから静音たちは仲間たちと合流し、ウィップウィティから離れていく。
     小首を傾げていくウィップウィティに、静音が告げていく。
    「罠にかけた側としてはいささか拍子抜けなくらいでござるが、これよりは灼滅の時間でござる。お覚悟召されい!」
    「ムギ!?」
     驚きの表情を浮かべた後、きょろきょろと周囲を見回していくウィップウィティ。状況を悟ったのだろう、その表情が憤怒に染まる。
    「だ、騙したムギ! 許さないムギ!」
    「このような催しをしたところで、無理矢理押し付けるようでは魅力は伝わらぬでござるよ。もう少し知恵を磨くとよいでござる」
    「拉致などせずに、普通に皆様にお願いして麺祭りを開くと言う考えは無かったのですか? このような事をしていては、麦きりが廃れるだけです」
     畳み掛けていく静音の傍ら、アルクレインは問いかけた。
     ウィップウィティは鼻を鳴らし、身構えていく。
    「麦きりを食べればみんなハッピーだムギ! だから、食べてもらえれば分かってもらえたんだムギ!」
     怪人としての盲信を前に、アルクレインはため息を一つ。
    「私も麺類は好きですけど、無理矢理は良く有りません。悔い改めてもらうしか有りませんね」
     武装し、腰を落として身構えた。
     残る仲間たちも戦いの準備を整えた。
     麦きりの名誉を守るための戦いが、太陽の見守る下、駅近くの広場にて開幕する……!

    ●暴走! 麦きり怪人!
    「ヒャッハー! 麺祭りは俺達が引き継いでやる。だから安心して灼滅られなぁ!!」
     勢い良く告げながら、神楽・三成(新世紀焼却者・d01741)がバベルブレイカーを点火しつついの一番に飛び出した。
     牽制にと振るわれた右腕をものともせずに突っ込んで、杭を突き出していく。
     杭は左腕によって軌道をずらされ、脇腹を掠めるのみに留まった。
     ならばと肩を当て抑えこみにかかりながら、三成は更なる言葉を告げていく。
    「あの人の故郷の料理をディスる奴とか、絶対に灼滅らないとな!」
    「ムギ! ディスってるなんて人聞きが悪いムギ!」
     ぶつかり合う力と力、言葉と言葉。
     応戦すると灼滅者たちが雪崩れ込む中、月雲・彩歌(幸運のめがみさま・d02980)はピンクのうさぎのぬいぐるみと黒髪長髪な女の子の人形を紐で支え背負っている姫川・小麦(夢の中のコンフェクショナリー・d23102)に語りかけた。
    「小麦さん、無理はしないでくださいね。王子さんも、小麦さんをよろしくお願いします」
    「うん、小麦もむりをしないでせいいっぱいがんばるの」
     素直に頷く小麦、力強くうなずいていく王子を確認した後、彩歌は前線を務める仲間たちに加勢した。
     翠羽が柄を飾る刀がひらめきウィップウィティの右足を切り裂いた時時、小麦のリボンに抱かれた王子が得物を掲げていく。
     振り下ろされた得物はウィップウィティの右肩を強打し、軽く体を沈ませた。
    「ムギ! けど、まだまだこれからだムギ! 麦きりスイング!」
     すぐさまはねのけたウィップウィティは、前衛陣をなぎ払うかのように麦きりの右腕を振るった。
     鞭のようにしなるその一撃を六尺前後の円形の棒をくるりと回して弾いた後、四刻・悠花(高校生ダンピール・d24781)は腰を落としていく。
     棒に炎を宿し、踏み込んだ。
    「わたし達がここに来なければ、もしかすると麺祭りは成功したのかもしれません。でも、結果が良ければ手段は問わないという考えは、承諾しかねます」
     告げながら振るった棒は、左腕に弾かれた。
     炎を与えることには成功し、ウィップウィティを蝕みだす。
     追撃せんと、アルクレイン・ゼノサキス(黄昏の天使長・d15939)が跳躍した。
    「何で祭りを開くのに人を拉致るんですか、興味のある有志の方を募ればいいじゃないですか」
     姿勢をジャンプキックへと変えながら、更に畳み掛けていく。
    「あれですか? ダークネスだから募集掛けたって、人集まらないし来ないから拉致っちゃえっ! のノリでやってんですか」
     キックは胸元へと突き刺さり、ウィップウィティをよろめかせた。
     対照的にきっちりと着地したアルマニア・シングリッド(世界を跨ぐ爆走天然ロリっ子・d25833)は、更なる言葉を投げかけていく。
    「そんなことやっていたら、麦きり食べられなくなっちゃうじゃないですかー?!」
    「ムギ……」
     体勢を整えなおしたらしいウィップウィティが、強い口調で口を開いた。
    「こういうのは速度が肝心なんだムギ! 待ってる時間はないんだムギ!」
     急いでいるがゆえの強攻策。
     それがもたらす未来は見えないまま。
     ウィップウィティは右腕を振り回しながら、灼滅者たちを牽制し……。

     前衛陣を拘束するかのように振るわれていく、麦きりウィップ。
     自らへ、そして三成へ向かっていった二つの麦きりを静音は剣で打ち払った。
     ずり落ちたマフラーを直しながら、切っ先をウィップウィティに突きつけていく。
    「ここは通さないでござるよ!」
     告げる中、霊犬の影千代が飛び出し斬魔刀を振るいウィップウィティを一歩後ろに下がらせた。
    「そこ」
     すかさず、小麦はウィップウィティに向かってリボンを放つ。
     横を、王子が追いかけた。
     リボンを避けるためウィップウィティが見をひねった直後、王子の振り下ろした得物が左肩を強打する。
     勢いに負けたか、ウィップウィティは足元をふらつかせた。
    「む、ムギ……こ、このくらいムギ! 麦きりピアース!」
     されど麦きりの右腕を針のように硬質化させ、後衛陣に向けて伸ばしてきた。
     小麦へと向かっていく麦きりを、流人のナイフが叩き落とす。
    「……毎度思うが」
     静かな息を吐きながら、思いを紡ぎ出していく。
    「下手に強要なんてしなければちゃんと料理の素晴らしさは伝わるだろうに……。ご当地怪人故なのか、それとも単に焦りが故に出た行動なのか…はたまた其処まで頭が回らなかったのか……」
     いずれにせよ、ウィップウィティが考えを改めるつもりはないことは知っている。
     だから改めて走りだし、足に炎を宿して懐へと入り込む。
     その足がウィップウィティの脛へと打ち込まれ更なる炎を与えていく中、アルクレインは流人を優しい光で照らした。
     更には戦場を見渡して、戦況確認を行っていく。
     防衛役を多数配置したからだろう。被害を最小限度に抑えられている。結果、治療も最低限で済んでいる。
     その分、攻めても少ないが……。
    「……問題ありません。支えていけば、いずれ倒せます」
     長期戦になるかもしれない予感もまた抱きつつ、戦場を注視し続ける……。

     ダメージという意味で危険はなかった。
     ただ、長期戦へともつれ込み徐々に疲労の色も見え始めていた。
     疲れを見せずに、悠花は麦きりスイングを棒で打ち払う。
    「……」
     先程までの勢いがないと、悠花は棒を軽く振るった。
     静かに瞳を細めながら、ウィップウィティを見据え伝えていく。
    「あなたの意思はわたし達が引き継ぎますので、消えてください」
     返事は聞かずに飛び出して、棒を思いっきり振り上げた。
     胸元をかすめた棒に蓄えられていた魔力が爆発する中、アルマニアのナノナノ・ファルンが悠花に向かってハートを飛ばす。
     それだけで十分だろうと、アルクレインは縛霊手をはめている拳を握りしめた。
    「一気に畳みかけてしまいましょう」
     告げながら大地を蹴り、風圧を貫き、よろめいているウィップウィティに殴りかかる。
     音もなく静音が追いかけた。
     アルクレインの影から飛び出しナイフを振るう。
     脇腹を殴られよろめくウィップウィティを斜めに切り裂いた。
    「さあ、終幕でござるよ」
     呼応した影千代が背中から斬魔刀を浴びせかけたなら、三成が炎に染めたバベルブレイカーを振り上げた。
    「オラァ! 手前の面を全部炭化させてやるよ! 消毒だぁ!!」
     誤る事なく脳天へと叩きこみ、膝を突かせ炎を青へと変えていく。
     更には流人が踏み込んで、炎の足で顎のあたりを蹴り上げた。
    「続いてくれ」
    「行きましょう」
     頷く彩歌は、アルマニアへと視線を向けた。
     アルマニアは頷き返し、彩歌の影に隠れる形で跳躍する。
     正面に踏み込んだ彩歌は、右へとステップを踏み左足の辺りを切り裂いた。
     バランスを崩し尻もちをついたウィップウィティの額に、アルマニアのキックが突き刺さる!
    「む、ムギ……」
     飛び越えていくアルマニアを追いかけることなく、ウィップウィティは空を仰いだ。
     足元を震わせながら立ち上がり、その唇を開き……。
    「む、ムギ……む、麦きりは美味しいから食べて欲しかったんだムギ……食べてもらえればきっと、疲れも……」
     言葉を途切れさせるとともに爆散。
     後には何も残さず、この世界から消滅した。

    ●開催秋の麺祭り!
     あるべき静寂が訪れた、駅近くの広場。
     灼滅者たちが治療へと動いていく中、アルマニアがキラキラした瞳で尋ねて行く。
    「仕事したんだから、麦きりを堪能してもいいよね」
    「そうですね……」
     彩歌は微笑み返し、提案した。
    「麺祭り自体は悪いことではありませんし、せっかく抑えられている会場もあります。このまま開催してみませんか?」
     小麦がぱっと顔を輝かせた。
    「うん! かいじょうをなおして、みんながたのしめるめんまつりをしたいの!」
     賛同する者は多く、残された物資を用いての麺祭りが行われる運びとなった。
     残念ながら連れて来られた者たちは全員いなくなってしまったいたけれど……ならばと灼滅者たちは協力して、会場設営を行っていく。
     彩歌が設営の音頭を取り、予定の中で切り落とせるところは切り落とし。
     麦きりのみを提供する……と決め仮設テントが完成した後、調理の時間へと移行した。
     予め情報を調べてきた者、知っていた者を中心に、調理作業は行われていく。
     小麦はしっかりと話しを聞きながら、作業の手を進めていく。時に仲間に見守られながら、麦きりの様子を見つめていく。
    「……うん、これならだいじょうぶそうなの」
    「そう、その調子です」
     調理台全体に目を配りながら、悠花もまた調理や盛り付けを進めていく。
     順調に、麺祭りの準備は進んでいく。
     そして……。
    「さあ、秋の麺祭りの開幕です!」
     彩歌の音頭とともに、麺祭りは開幕した!
     まずは自分たちで、わいわいがやがや楽しみながら麦きりを。
     興味を持って近づいて来た人々には、元気に声をかけて招いていく。
    「どうぞー、定番麦切りからアレンジ麦切りまでありますよ。お一つどうぞー」
     きっぷの良い三成に誘われ、人々は会場へ足を踏み込んだ。
     麦きりを食べたなら、顔はほころび心は弾む。
     祭りの熱気が増していく。
     麦きりが尽きるまで、祭りの熱が冷めるまで。
     暖かな太陽が見守ってくれている空の下……。

    作者:飛翔優 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年11月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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