過ぎたるは害なり

    作者:篁みゆ

    ●どうしても受け付けないもの
     ホテルには様々な客が訪れる。ランチやディナーでレストランを利用するだけの人から一泊、長期宿泊客まで。今、エントランスでタクシーを呼んだ男女の二人連れは、ディナーでこのホテルに立ち寄ったようだった。
    「ねぇ松本さぁん、この香水、この間プレゼントしてもらったやつなのよ~」
     髪を綺麗に飾り付けて高そうなコートを着た女性が、隣を歩く壮年の男性の腕に自分の腕を絡める。これから同伴出勤のようだ。
    「ああ。ユナにはやっぱり甘い香りが似合うよ」
    「ありがとう♪ そういえばね、コワイうわさを聞いたのよ。お店の子の同業者の友だちが、このホテルの地下駐車場で襲われたんですって」
    「えぇ? 本当かい?」
     ホテルの評判を下げないためにって箝口令が敷かれたらしいけど、とユナと呼ばれた女性は松本という男性の耳元に口を近づける。
    「なんだかつけていた香水の甘い香りが気に入らないって、サラリーマンに襲われたらしいわ。普段から香水きつい子だったらしいし」
    「へぇ、怖いねぇ」
     二人は目の前に止まったタクシーに乗り込み、ホテルから立ち去っていった。
     

    「いたんだって?」
    「ああ」
     教室の中で鹿野・小太郎(バンビーノ・d00795)と神童・瀞真(大学生エクスブレイン・dn0069)が何か話をしていた。ふたりは他の灼滅者たちが教室に集まったのに気が付き、それぞれ椅子と教壇に別れる。
    「小太郎君の予想していた都市伝説を見つけたよ」
     瀞真はいつもの和綴じのノートを開いた。
    「あるホテルの地下駐車場に、サラリーマン風の都市伝説が現れる。この都市伝説は甘い香りが苦手でね……流石に微かに香る程度のものには反応しないようなのだけど、なんていうか……時々適量以上の香りを身につけている方がいるだろう? そういう強い香りを纏う女性がいると、出てきて襲うようなんだ」
     香りの適量は人それぞれだけれど、明らかにつけすぎ、と多くの人が感じるくらいの量をつけている人がいることは事実。どんな香りでも、気分が悪くなったりむせ返るほどのものは悪臭となる。
    「駐車場に、むせ返る程の甘い香りを身に着けた女性が、エレベーターあたりから車用の出口に向かって歩いて行くと、途中にあるAと書かれた柱の陰から都市伝説は出現して襲ってくるよ」
     呼び出し役の人数は1~3人くらいが適しているだろう。女性に見えれば襲ってくるので、男性が女装しても問題ない。
    「時間的には昼を過ぎた辺りがいいかもね。ゼロではないが、駐車場を利用する人は少なめかもしれない」
     一応、人払いはしたほうが良さそうだ。
    「都市伝説は消臭スプレーを吹きかけてきたり、名刺をばらまいて突き刺したり、鞄で殴ったりして攻撃してくるよ。香りが強い人女性を優先して狙う傾向があるようだね」
     それほど強くはないが、攻撃は少し厄介かもしれない。
    「油断をしなければ、勝てる相手だよ。そうだ」
     そう告げて、瀞真はノートの間から一枚の紙を取り出した。
    「このホテルでは今、クリスマス仕様のランチバイキングがお手頃価格で楽しめるみたいだから、戦いの後、興味があれば行ってみるといい」
     本格的料理がお手軽価格で食べられると人気のようだ。料理からスイーツまで充実しているらしい。
    「頑張っておいで。僕の分も食べてきてくれると嬉しいな」
     瀞真はそう告げて、微笑んだ。


    参加者
    鹿野・小太郎(バンビーノ・d00795)
    青和・イチ(藍色夜灯・d08927)
    新沢・冬舞(夢綴・d12822)
    壱越・双調(倭建命・d14063)
    久次来・奏(凰焔の光・d15485)
    シグマ・コード(フォーマットメモリー・d18226)
    氷室・侑紀(ファシキュリン・d23485)
    華井・鼓(小春日和・d27536)

    ■リプレイ

    ●不届き者を待つ
     チェックアウト時間はとうに過ぎ去り、チェックイン時間にはまだ時間がある。ランチに訪れる客も自家用車で訪れるよりも、正面玄関につけるシャトルバスやタクシーで訪れる女性客が多いようだ。地下駐車場は比較的静かであった。
    「……」
     都市伝説の出現箇所である「A」の柱が見える位置で車の陰に身を隠す鹿野・小太郎(バンビーノ・d00795)は自身の腹を押さえた。
    (「やっぱ朝飯食ってくるんだった……集中、集中」)
     この後のバイキングに備えてお腹をすかせてきたのだが……お腹が鳴りそうで別の意味で危険である。
    「はた迷惑な都市伝説もあったもの……とはいえ、なんとも否定し難いのも事実なのよなあ」
    「香水きついの……確かに、ちょっとね。でも、襲われるほどの罪では、ないよね……」
    「ええ。香水付けすぎな方は時々いらっしゃるようですが、それを理由に女性を襲っていいとはなりませんね」
     隠れて待機している久次来・奏(凰焔の光・d15485)に青和・イチ(藍色夜灯・d08927)と壱越・双調(倭建命・d14063)。確かに香水をつけすぎている者を悪臭の元と感じるのは否定出来ない。けれども、だからといって襲っていいという道理はないと意見は一致する。
    「まさしく過ぎたるは猶及ばざるが如し、だのう」
     溜息をつくように奏が呟いた。しかしそれは都市伝説の方も同じ。
    「成敗させて貰うかの」
    「きっちり片付けて、バイキング行こ」
     奏とイチの言葉に双調も頷く。
    「女性を狙う不届き者は、私達が成敗しましょう」
     義姉妹達や婚約者と同居している双調にとっては女性を襲う輩は許されざる者だ。声に力が入る。
    「腹、大丈夫か?」
    「……今にも鳴りそうだよ」
     腹を抑えている小太郎を心配して声をかけた新沢・冬舞(夢綴・d12822)だったが、返ってきた言葉に一瞬で事情を理解して、浮かぶのは苦笑。
    「じゃあ早く倒して、バイキングに行かないとな」
     冬舞はそっとエレベーターのある方向へと視線を移した。ちょうど、3人の『女性』も準備ができたようだ。

    ●甘い甘い甘い甘い甘い
    「付け過ぎた香水は僕も駄目だ。アレ、電車の中で遭遇したら地獄だよな……」
    「適量だったら甘い香りは好きなんだけど、どうにもこれは、キツイ……」
     腹をくくって女装をした氷室・侑紀(ファシキュリン・d23485)はこれでもかというほどぶっかけた香水の匂いに眉をしかめる。女顔と華奢な身体つきから女性に間違われることは多いので、今回もその外見を有効に使うことにしたが、複雑な気分ではある。応えるように呟いたシグマ・コード(フォーマットメモリー・d18226)は、スカートの裾の前が短く後ろが長いワンピースドレスに髪飾りやコルセットまでつける気合の入った女装だ。ちなみに彼の名誉のために言っておくと、普段から女装男子というわけではない。大量につけたバニラ系の甘い香りは好きな系統の香りだ。試してみたくて囮をすんなり引き受けたわけでは……多分、……ない。
    「んんん、鼻がもげそうです」
     今回の紅一点、華井・鼓(小春日和・d27536)も香水をたっぷりふりかけて、その強烈さに思わず鼻を押さえた
    「でもがんばります。ささらもがんばって……あ、遠いです……」
     霊犬のささらが取った鼓との距離が、その臭いの強烈さを物語っている。
    「行こう」
     早くこの強烈な香りとおさらばしたい、3人からはそんな心情が透けて見えそうだ。侑紀の言葉で3人はゆっくりと歩き始めた。特にシグマはスカートの裾を翻したりしないように上品と。
     きっとここに一般人がいたら、3人の臭気に顔をしかめるかもしれない。だが双調がすでに殺界形成を発動しているため、その心配はない。まあ、仲間たちにはしばし我慢してもらうとして。
     チラリ、シグマが自然な動きで柱の「A」の文字を確認する。あと、少し……3人とも、いつ襲われてもいいように心を臨戦態勢にする。すると――。
    「臭い臭い臭い迷惑だァァァァァ!」
     柱の横から姿を見せた都市伝説がシグマに消臭スプレーを向ける。だが割って入った侑紀がそれを庇う。ほぼ同時に、鼓が叫んだ。
    「でましたぁぁぁぁぁぁぁ!!」
     割り込みヴォイスを使った大声は地下駐車場に反響して、待機している仲間たちへと届く。
    「大事なことだから一応言っておくが僕は女じゃない」
     受けたスプレーに怯むことなく侑紀が白衣の裾を揺らしながら敵との距離を詰める。
    「皆の鼻が壊れる前に早く終わらせような」
     ドレス着用ではしたない動きは憚られる。シグマはいつもと一変した美して所作で『倫道式錫杖【愛憎転生】』を繰り、雷を呼び寄せた。
    「積もり積もったにしても、このやり方はいただけないね」
     半獣化した片腕の鉤爪で、小太郎が男を切り裂く。
    「甘い香りも、適量でお似合いなら、好いものだけどね」
     そういう風に感じることはできなかったのだろうか、それはそれで可哀想な気もするが、叙情酌量の余地はない。
    「相手の香りが不快なほど辛くても、襲って良い免罪符にはなりませんよ」
     双調は『ケリュケイオンの道標』を黄色に変え、前衛の守りを固める。
    「行くよ、くろ丸」
     相棒の霊犬に声をかけ、イチは靴に緋色のオーラを宿す。
    「スプレーは、人に向けちゃ、ダメ」
     変わらぬ表情から放たれた蹴撃の強さに、男への怒りの片鱗が含まれているようだ。くろ丸が間をおかずに男へと迫り、斬りつける。
    「キャーくろ丸さまステキー」
     棒読みではあるが、この声援はくろ丸のファンである小太郎のもの。
    「焔、舞え」
     唱えて男との距離を詰め、『TELLUS』から蹴撃を繰り出した奏。その動きはまるで舞い踊るように優雅で。
    「はてさて、主は己れを楽しませてくれるかの?」
     挑戦的な言葉に、男は応えることができない。崩した体勢を立て直すのが精一杯のようだ。
    「香りの付けすぎは良くないです。でもひとの命をうばうのは、もっとよくないです」
     鼓の鉤爪が男の身体を深く深く切りつける。合わせるようにささらが六文銭を放った。派手な音を立てても大丈夫なように、冬舞が最初にサウンドシャッターを展開してくれていた。その彼が、放たれた六文銭を追うように、男との彼我の距離を一気に詰める。
    「匂いというのは、個々に許容範囲が違うからな。トラブルになるのはわかるが、襲うのは筋違いだろう?」
     死角から囁くようににして、ナイフを振り下ろした。
    「あああ……消えろォォォォ!!」
     侑紀に向かって振り下ろされた鞄。鞄と侑紀との間にイチが滑りこんだ。ガギッ、普通の鞄での殴打とは思えない音がしたが、イチにとってはそれほど深い傷ではない。男が灼滅者たちと距離を取るより早く、侑紀が正確に急所を狙った斬撃で男を苦しめる。
     シグマがハートとスペードの黒錫杖で男を示した。導かれるように影が、男を包み込む。双調が喚んだ清らかな風が、前衛を癒やし清めていった。
    「炎に巻かれもがき苦しむと良いぞ。さあさあ、愉快な宴と参ろうぞ!」
     奏が炎を宿した『CORNU』で斬り付けると、燃え移った炎が男を包み込んでいった。イチの蹴撃とくろ丸の六文銭がほぼ同時に男の胸部へとめり込んで。鼓が男の懐に入り無数の拳を浴びせている間、ささらは後方から六文銭を放った。やはりきつい臭いが気になるのだろうか。
     落ち着いた様子で素早く、冬舞が再び男の死角に入り込み斬り付けると、男の身体がバランスを崩して傾いた。
    「有給とって休んどいで」
     倒れる男にのしかかるようにして、小太郎が影を纏って殴りつけると、醜い声を上げながら男は煙のように消え去っていった。

    ●好きなモノを好きなだけ!
     何をおいても即クリーニング。それ以外の選択肢はなかった。シグマのクリーニングで鼓も侑紀も臭いを落とし、着替えが必要な者は着替えを済ませていざ、レストランへ。
     昼食のピークは過ぎたようではあるが、それでも客の数は多い。テーブルを2つくっつけてもらって八人用の席を確保した一同は、ピーク時間が過ぎたというのに次々と補充されていく料理にホテルのやる気を感じずにはいられなかった。所々になされた、クリスマスの装飾もニクイ。
    「クリスマス限定らしきものは制覇したいのう」
    「あ、あっちにでっけー鳥があるぜ。七面鳥か?」
     奏でとシグマが早速向かう肉料理のコーナーに、イチと小太郎も向かう。
    「七面鳥……これが七面鳥」
    「しちめんちょうは、ななつのお顔がある鳥です? あ、でも焼かれてしまってるので首が数えられません……」
    「はっ。これが七面鳥……聖夜オーラすごい……」
     イチと鼓、小太郎が感慨深げに七面鳥の丸焼きを眺めている。従業員が食べやすいようにとその場で人数分カットしてくれたので、一皿に盛られたそれを双調が気を利かせて席へと運ぶ。
    「ローストビーフか?」
    「ああ。氷室は早速アイスか」
     温野菜とサラダを乗せたプレートとは別の皿に冬舞はローストビーフを乗せていく。通りかかった侑紀の声に彼の皿をみれば、これでもかというほどのアイスが乗せられていた。誰が何をどの順番で食べようと文句を言う筋合いがないのがバイキング。もちろん冬舞も深く追求はしない。
    「いや、一仕事終えた後はアイスを好きなだけ食べるに限る」
     アイスしか普通に口にできない侑紀にとっては、好きなだけアイスが食べられるのはとてつもなく魅力的な空間であった。
    「肉だーごはんだースイーツだー」
     ローストビーフコーナーへと流れてきた小太郎は鼻歌まじりにローストビーフを盛っていく。すでに皿にはたくさんの料理が乗っているが、痩せの大食いである小太郎にはまだまだ足りない。成長期舐めんな。
    「あ、ラザニアがある」
     次に取る料理を物色していたシグマが足を止めた。一度食べてみたかったけれどなかなか作れないラザニア。この際味見ついでに一度食べてみたいとスプーンを手にする。
    「ローストチキンにミートローフ……キッシュの中身も飾り付けもクリスマスカラーじゃの」
    「あ、そのパスタ美味しそう……何そのサラダ、ツリーみたい」
    「崩すのも気が引けるくらいツリーみたいに飾ってあったぞ」
     すでに席に戻ってきていた冬舞の皿を見て、イチが興味を示した。次に取りに行ってみようと心に決める。
    「なんでも食べていいです?」
    「ええ。好きな物を食べられるだけなら、とっていいのですよ」
     バイキング初体験の鼓は双調の言葉に目を輝かせ、オムレツやハンバーグ、エビフライ、そして里芋の煮物や佃煮や漬物など、お子様向けのメニューや渋いものを大きな皿に乗せていく。
    「ああ……冷たいものと暖かいものは同じ皿に乗せないのがバイキングのマナー……」
     言いかけて、双調はやめる。パーティの経験からつい出てしまった知識だが。
    「なんでもありません。好きな物を好きなように、おいしくいただきましょう」
    「はいです!」
     格式張ったパーティではないこの場では、それがただ一つのマナーだ。双調と鼓は微笑み合って席へと戻る。
    「寒くはないのかの?」
    「冬でもアイスは美味いのだよ。クリスマス限定のアイス、うまいぞ」
     再びアイスをとりに席を立つ侑紀、問うた奏は後で食べてみようかと心の中にメモをする。
    「こういうのって性格出ますよね」
     ずらり並んだ皆の皿を眺めて、小太郎が呟いた。意外に肉食が多くて、同士、とサムズアップ。
    「あっ」
     と、何かを思い出した小太郎が再び席を立った。他の者が先に食べていると、戻ってきた彼の手には小さめの皿が。その上には量は多くはないがサラダが乗っていて。カシャッ……肉の皿と野菜の皿の写真を撮って送る。
     思い出したのは恋人の顔。自分の栄養を案じてくれる彼女に褒められたくて、写真を送ったのだ。さしてきっちり合掌していただきます。
    「それはなんのお肉ですか?」
    「ラムだな。ハーブで焼いてある。流石に良い肉を使ってるからうまい」
    「美味しそうですね。取りに行ってきましょう。他にご希望の方がいれば……」
     冬舞の皿を見て問うて、双調が立ち上がる。彼が皆まで言い終わらぬうちに幾つか手が上がったので、数えて彼は骨付きラムをゲットに向かった。
    「おいしいです、おいしいです!」
     もはやそれ以外の言葉は要らないとばかりに、目を輝かせながら鼓は料理を口に入れる。
    「ローストビーフ美味い…‥くろ丸にも、あげたかった……」
    「ささらも食べられないの、残念です」
     イチの言葉に鼓も頷いて。じゃあ、とイチは近くにいた従業員に声をかけた。すると一部の料理やスイーツは別料金を払うことで持ち帰ることができるものもあるらしい。
    「くろ丸にも……」
    「ささらにも……」
     食べさせてあげることができるのは、嬉しい。
    「再度よそってくるが一緒に往くか? あちらに珍しいものがあったぞ」
    「ああ、今度はさっき行かなかったスイーツの方に行ってみようと思う」
     奏と連れ添って冬舞がスイーツコーナーへと向かう。途中、アイスをたくさんよそった侑紀とすれ違い、クリスマス限定アイスの場所を教えてもらった。冬舞はスイーツコーナーで見つけた従業員に声をかけ、持ち帰りのできるケーキを確認する。瀞真へのお土産にするつもりだ。
    「デザートか、俺も」
     シグマは、デザートメインにシフトすることにした。量はそんなに食べられない分、味わって食べるつもりである。赤と緑のムースやサンタの乗ったケーキなど、スイーツはほとんどクリスマス仕様で見ているだけで楽しくなってくる。
    「ひょー、スイーツ天国テンション上がる」
     あとから来た甘党の小太郎にもこの光景は天国で。別腹全開で全種類制覇したくなってしまう。全種類は無理でも、クリスマス限定のものだけでも。
    「美味そう……」
    「かわいいケーキがいっぱいです!」
     イチの後をトコトコとついてきた鼓。小さくカットされたケーキをいろいろな種類盛りたいが、一皿では難しい。
    「お手伝いしますよ」
     そっと、綺麗なお皿を差し出したのは双調だ。きちんと自分も食べているのに、他の皆への気配りも欠かさない。
    「ありがとうです」
     すでにケーキを乗せた皿と新しい皿を交換して、鼓は楽しそうによそっていく。
    「もしも食べ切れなかったら食べてやるからな」
    「わぁ、鹿野さん、頼もしいです」
     小太郎の皿にもたっぷりとスイーツが乗っているが、恐らくぺろりと食べてしまうのだろう。
    「あ、アイスもたべたいです」
    「硬いから、代わりによそおうか」
     ちょうどクーラーボックスの前にいた冬舞が、新しい皿にクリスマスフレーバーのカラフルなアイスをよそってくれた。
     みんな好き放題動いているように見えて、タイミングの合った者達と食事をしながら言葉をかわしている。
     料理とスイーツとお話でお腹いっぱいになったら、みんなでごちそうさまでした!

    作者:篁みゆ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年12月29日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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