●都内某所
久遠・赤兎(三代目アマハラ・d18802)は、こんな噂を耳にした。
『水着の女性にケツバットしかけてくる都市伝説が存在する』と……。
この都市伝説は夏場に猛威を振るっていたらしく、各地で問題を起こし、要注意人物として警戒されていたようである。
だが、その警戒を掻い潜るようにして、水着の女性にケツバットを仕掛けていたため、色々な意味で恐れられていたようだ。
幸い、夏の終わりと共に都市伝説の噂も聞かなくなったため、ようやく平和が訪れたかのように見えた。
しかし、都市伝説は消滅していなかった。
自分がターゲットに選んだ相手を水着姿に変え、容赦なくケツバット!
ただ、それだけの事だが、着ていた服を一瞬で奪い、水着姿にしてしまうため、みんな風邪を引いているようだ。
その事を踏まえた上で、都市伝説を灼滅する事が今回の目的である。
参加者 | |
---|---|
土御門・璃理(真剣狩る☆土星♪・d01097) |
神楽・美沙(妖雪の黒瑪瑙・d02612) |
清流院・静音(ちびっこ残念忍者・d12721) |
鴻上・朱香(宝石少女ジュエリア・d16560) |
久遠・赤兎(三代目アマハラ・d18802) |
双海・忍(中学生ファイアブラッド・d19237) |
フレナ・ライクリング(お気楽能天気残念ガール・d20098) |
雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988) |
●都内某所
「うわぁお!! なんとも変態パワーあふれる都市伝説なのですね!! こんな変態はわたしマジカル☆パワーで灼滅DEATH♪」
土御門・璃理(真剣狩る☆土星♪・d01097)は空飛ぶ箒に乗りながら、都市伝説を探して飛び回っていた。
都市伝説は夏場の海に出没していたようだが、海水浴シーズンが終わったのと同時に北上し、繁華街でも目撃されるようになったようである。
しかも、都市伝説はターゲットに選んだ相手を水着姿に変え、ケツバットを仕掛けてくるらしく、色々な意味で恐れられているようだ。
「毎度ながら訳の分からぬ都市伝説じゃのぅ。水着にケツバットとは何がしたいのか、さっぱりじゃ。しかも、無駄に長生きというか、何故残っておるのか。夏終了と共に消滅でよかろうになぁ」
神楽・美沙(妖雪の黒瑪瑙・d02612)が、どこか遠くを見つめる。
おそらく、噂を広めた者達の中に、それを望まぬ者がいたのだろう。
「ところで、ケツバットって、なんデショー? 資料も読んでみたのデスガ、今回のは本当に意味不明デース!」
フレナ・ライクリング(お気楽能天気残念ガール・d20098)が、不思議そうに首を傾げる。
何となくイメージは浮かぶものの、そんな事をして、何の意味があるのか、まったく分からなかった。
「正直、なんでこんな噂を聞いてしまったのか、自分でもよく分からないのですが……」
久遠・赤兎(三代目アマハラ・d18802)が、改造和服姿で汗を流す。
別に好きでこんな噂を聞いた訳ではないのだが、都市伝説の存在を知る事がなければ、この依頼に関わる事もなかっただろう。
「ところで、なんでケツバットしたいんだろ? 年末のお笑い特番の見過ぎかなー? 自分のお尻を叩けばいいのにね♪」
雛山・愛梨沙(のーぱんぱんちゃー・d24988)が、キョトンとした表情を浮かべる。
それに、都市伝説が服を奪ってくるのであれば、初めから裸のままで行けばいい。
そんな気持ちが脳裏に過ぎったのか、裸の上から日曜朝のアニメヒロイン柄の巻きタオルを巻いていた。
「こういうのは罰ゲームとかそういう類のもの、という気もするのでござるが……。まぁ、確か風の噂で『ケツバットガール』なるものを耳にしたことがあるでござるから、そんな方向でござろう。どうあれろくな代物ではないでござる。何故、水着なのかとかの疑問も残るでござるが、出てきてしまったのだからやむを得ぬというものでござるな」
清流院・静音(ちびっこ残念忍者・d12721)が、険しい表情を浮かべる。
どちらにしても、都市伝説は変態。紛う事なき変態である。
そういった意味でも灼滅確定。
難しい事を考えず、都市伝説の灼滅を最優先にすればいいだけの事である。
「きゃっ! なっ、なんで、スクール水着!?」
次の瞬間、鴻上・朱香(宝石少女ジュエリア・d16560)が水着姿になった自分に気づき、驚いた様子で悲鳴を上げた。
一体、何が起こったのか分からないが、寒気を感じて自分の姿を確認して、ようやくその事実に気付いたようである。
「ま、まさか、この近くに……」
双海・忍(中学生ファイアブラッド・d19237)が警戒した様子で、サウンドシャッターを使う。
「はっはっはっ! 見たか、これが俺の力だァ!」
それと同時に釘バットを担いだ都市伝説が、高笑いを響かせて姿を現した。
「なんで、こんなことするんですか! とにかく、服を返してください!」
赤兎が黒のビキニ姿で、都市伝説をジロリと睨む。
「むー……」
その横で朱香が自分のペタンな胸と赤兎の胸を見比べ、複雑な気持ちになりつつ殺界形成を発動させた。
「だったら、いますぐケツバットを食らえ! そうすれば、すぐにでも服を返してやる!」
しかし、都市伝説はまったく悪びれた様子もなく、赤兎に対して言い放つ。
「だから、何で!」
赤兎が納得のいかない様子で、都市伝説に対して猛反論!
それでも、都市伝説は自分の考えを曲げようとしなかった。
「ところで、そのバットで、お尻を叩くのデスか? さすがにそれで叩いたら、お尻が大変な事になってしまいマァース!」
そんな中、フレナが不安げな表情を浮かべる。
「……安心しろ! これは尻を叩いても大丈夫な釘バットだ!」
都市伝説が無駄に爽やかな笑みを浮かべて、さらりと答えを返す。
「い、いや、それって絶対に嘘でござるよね? や、やっぱり、この場で成敗するのでござる!」
これには静音も危険を感じ、スレイヤーカードを構える。
「ご、誤解だ、誤解! 凶悪なのは見た目だけだから! ほら、見ろ! 全然、痛くないだろ!」
都市伝説が釘バットを使って、自分の尻をバンバンと叩く。
見る限り、都市伝説は痛みを感じていないようだが、色々な意味で胡散臭いため、まったく信用する事が出来なかった。
「ふっふっふー、ならばケツバットはあえて受けましょう」
そんな中、璃理が空飛ぶ箒から飛び降り、都市伝説の前に陣取った。
●都市伝説
「その根性、気に入った! ならば、この釘バットで、血祭りにあげてやろう!」
すぐさま、都市伝説が勢いをつけて、璃理にケツバット!
「あっ――――!!!!」
その一撃を食らった璃理が悲鳴を上げ、涙目になってゴロゴロと転がった。
幸いな事に見た目の割には痛くはなかったが、それでも確実に悶絶レベル。
都市伝説が絶妙な力加減でバットを振ったため、致命傷には至らなかったのかも知れないが、それでもしばらく立ち上がれそうにない。
「はっはっはっ! な、思ったよりも痛くないだろ? だから次はお前だあああああああ!」
それと同時に都市伝説が鬼のような形相を浮かべ、赤兎の尻にケツバット!
「……ちょっ! ケツバットとかのーさんきゅー……ひぎぃっ!?」
そのため、赤兎は受け身すら取れず、崩れ落ちるようにして地面に突っ伏した。
「そういえばコメディアンがこんな事をしているところを見たことあるかもデース。ワタシたち、今回はコメディにチャレンジすればいいのデスかー?」
それとは対照的にフレナがキョトンとした表情を浮かべる。
「ああ、その通りだっ! お前達はただ尻を出せばいい!」
都市伝説がニヤリと笑って、フレナにケツバットを仕掛ける。
「オーウ! 痛いデース!」
これにはフレナも悲鳴を上げ、前のめりに崩れ落ちた。
「でも、ケツバットをされるのは、水着を着ている場合だけだよね? だったら、これで、どう?」
そう言って愛梨沙がタオルを脱ぎ捨て、未成熟な幼い肢体を余すところなくさらす。
「ふっ……、自分の体をよく見ろ」
だが、都市伝説はまったく臆する事なく、余裕の笑みすら浮かべていた。
「……って、えっ? ええっ!?」
その途端、愛梨沙が驚いた様子で悲鳴を上げる。
いつの間にか、愛梨沙はスクール水着を身に着けていた。
しかも、背後に都市伝説が立っており、問答無用でケツバット。
「いたーい! ごめんなさい、もうおねしょしませええん! 絶対おねしょしません! 2度とおねしょしませええん!」
これには愛梨沙も悲鳴を上げ、いつもお仕置きされている時のセリフを口にしつつ、お尻を高く突き上げるようにして倒れ込む。
「ううっ、こうもスルーされると、逆に傷つくのじゃが……」
一方、美沙は都市伝説にスルーされまくり、複雑な気持ちになっていた。
おそらく、都市伝説のタイプではないのだろう。
それが原因で、本来ならば喜ぶべき状況であるはずなのに、悲しい気持ちの方が勝っていた。
「まあ、これに関しては狙われなくてよかったと思うべきでござるよ」
いつの間にかケツバットをされていた静音が自分の尻を撫でつつ、落ち込む美沙を慰める。
「……なんというか、無性に腹が立つぞこれ。妾をスルーした報い、甘んじて受ける覚悟はよかろうな?」
しかし、美沙が何やらイラッとしたらしく、八つ当たり気味に都市伝説を攻撃した。
「はははははっ! ならば掛かってこい! 貴様の釘バットの餌食にしてやろう!」
都市伝説も調子に乗って、釘バットをブンブンと振り回す。
こうなると、好き嫌いを言っている場合ではないらしく、早く叩きたくて仕方がないようだ。
「釘バットの威力を見せてあげます」
忍が都市伝説に対抗するようにして、無敵斬艦刀を改造した巨大な釘バットを構える。
次の瞬間、二人が同時に走り出し、互いの背後に回り込んで、ケツバットをしようとする。
「遅いっ!」
都市伝説が勝ち誇った表情を浮かべ、忍にケツバットをしようとした。
だが、都市伝説のバットは忍の釘バットに弾かれ、無残にも宙を舞う。
「な、なんだと……!?」
都市伝説はその事実を受け入れる事が出来ず、驚いた様子で目を丸くした。
「これはさっきのお返しよっ!」
璃理が殺気立った様子で、都市伝説の尻めがけて、オルタナティブクラッシュを仕掛ける。
「やられるものの気持ちを知るがいい。吹っ飛びなさい、この変態。ド変態。超へんた――い!!」
それに合わせて朱香が、都市伝説にロケットスマッシュを炸裂させた。
「ぐぎゃあああああああああああ!」
続けざまに攻撃を食らった都市伝説が断末魔を響かせ、尻を押さえるようにして消滅した。
「ある意味、恐ろしい相手でしたね」
都市伝説の消滅を確認した後、忍が乾いた笑いを響かせる。
よく分からないが、地味に恐ろしい相手であった。
それは攻撃を受けた相手でなければ、分からない痛み。
そういった意味でも、二度と会いたくない相手と言えた。
「うう、やっぱり青痣になっているし……」
その途端、赤兎が魂の抜けた表情を浮かべて座り込む。
「ぐすっ……お尻、痛いよっ……」
愛梨沙も四つん這いの姿勢のまま、立ち上がる事さえ出来ず、瞳を潤ませた。
「結局、ケツバットで何が楽しいやら分からぬのじゃが……。一体、どんな噂が元になったのか、考えたくもないのぅ」
そんな中、美沙が深い溜息を漏らして、やれやれとばかりに首を横に振る。
おそらく、いや、間違いなく考えるだけ無駄な事。
それでも、考えてしまいそうになるのが、怖いところである。
「でも、ちょっとお尻がジンジンするデース。こんなの忘れるくらい、思い切り遊んで帰りたい気分デース!」
フレナが涙目になりながら、未だに痛む尻を撫でる。
何とか都市伝説を灼滅する事には成功したが、その犠牲はあまりにも大きかった。
「でしたら、何か温かいものでも飲むか食べに行きましょうか、みなさま」
そう言って朱香がニコリと笑い、仲間達を食事に誘うのだった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年1月3日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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