●
「フフ、ついに手に入れたわ……」
ダークネス・タタリガミの女はゆるく腕を組んだ。
女の胸は豊満であった。
「口裂けてない女、下半身のあるテケテケ、トイレにいない花子さん、くねくねらない、五尺様、みんなdeかくれんぼ……そして栄えある七つ目の不思議!」
高速道路の下にある道路で、女は都市伝説を吸収。
その姿を切り替え、都市伝説のものへと変わっていく。
「道路を車で走っていると横を併走してくるなあと思ったけど別にそんなことはなかったババアが妙に忘れられないんですハッこれって恋!? でおなじみ……『ターボじゃないババア!』」
両腕をガバッと振り上げるタタリガミ。
ババアの胸は豊満であった。
●
「タタリガミですって!? この私の敵じゃないわね!」
メリーベル・ケルン(プディングメドヒェン・d01925)が腕を組んでドヤ顔した。
メリーベルの胸は平坦であった。
「ソラァ!」
テロップを回転エルボーで破壊するメリーベル。
そんな彼女を無視して、胸の豊満なエクスブレインが語り始めた。
「この方の予想通り、都市伝説ターボじゃ無いババアを操るタタリガミが現われました。このままではターボじゃ無いババアのことが忘れられず自分がババア専門の性癖に目覚めてしまったと苦悩する青年たちでいっぱいになるでしょう。彼らを救うべく、ババアを倒すのです!」
タタリガミの能力は灼滅可能圏内のものだそうだ。
しかし油断すればたちまちババアの餌食となってしまうだろう。
「ふふっ、心配いらないわ。だってこの私、最強伝説メリーベル・ケルン様がついているんだもの! あーっはっはっはっはっは!」
胸を張って高笑いするメリーベル……の胸は平坦であった。
参加者 | |
---|---|
水瀬・瑠音(蒼炎奔放・d00982) |
メリーベル・ケルン(プディングメドヒェン・d01925) |
西場・無常(特級殲術実験音楽再生資格者・d05602) |
シャルロッテ・カキザキ(幻夢界の執行者・d16038) |
仲村渠・華(琉鳴戦姫クールドメール・d25510) |
荒吹・千鳥(祝福ノ風ハ此処ニ在リ・d29636) |
白川・雪緒(白雪姫もとい市松人形・d33515) |
坂東・太郎(もう寮母さんでいいです・d33582) |
●ババアが! ババアがぁー!
「ふぃー、雪の季節はしばれるねえ」
ババアがこたつに入ってお茶飲んでいた。
小さい子供でも食べられるというソフトせんべいをとってもしゃもしゃやる。
「さ、どれどれ、どっこいしょ……と」
ババアは立ち上がり、窓を開けた。
窓の外から両手をクロスした水瀬・瑠音(蒼炎奔放・d00982)が突っ込んできた。
「くらえババアアアアアアア!」
「ぎゃああああああああああ!」
こたつや湯飲みやせんべいやムラタクのブロマイドをひっくり返して屋内へ突入。
マウントをとって殴り続ける瑠音。
「豊満豊満って! ないすばでーなお姉さんを堪能できると思ったらババアじゃねえか! ぜつゆるだよ! げきおこだよ! そのパイオツはぎ取ってやんよぉ!」
グオオオンとか人間じゃ無い咆哮をあげながら荒れ狂う瑠音。
が、そんな瑠音の後ろにババアが立っていた。
「ククク、どこを見てるんだい……」
「何っ!?」
振り返る瑠音。ババアはニヤリと笑った。
「そっちは本物だよ」
「じゃあお前誰だよ!」
「そいつはこの家の人サァー!」
クケケーといいながら瑠音を突き飛ばすババア。そのまま庭へ飛び出すと、美しいカーブを描いてダッシュ、からの!
「あっ、腰が!」
膝を突くババア。
ここぞとばかりに現われるシャルロッテ・カキザキ(幻夢界の執行者・d16038)。剣をたずさえ、ババアを見下ろした。
「ババア、聞きたいことがあるわ」
「なんだい、冥土の土産に教えてやるよ」
「むしろ先に行きそうなんだけど……」
後からやってきた仲村渠・華(琉鳴戦姫クールドメール・d25510)が出づらそうに顔をのぞかせた。
「マグロドリームというシャドウを知っている?」
「しかも聞くんだ!? というか何聞いてるの!?」
華はその名前からして空にぶんわかぶんわか浮いてる巨大なマグロを想像したけど、そんなやついるわけないじゃんと思って首をふった。
ごめん、いる。
「お話しとる場合やないよ」
ババアの後ろに荒吹・千鳥(祝福ノ風ハ此処ニ在リ・d29636)が現われる。
関係ない話をしているように見せかけてババアを取り囲んでいたのだ!
なんという連携プレイだろうか!
と言っておくとお得な感じがする!
「それにしてもあんたの集めた都市伝説、どれもしょうもないなあ」
「ケケケ、そう思うのはババア素人の考えよ」
「ババア玄人がわからんよ?」
そのタイミングで、丁度良く男性陣が駆けつけた。
影業のレコードディスクをダブルで構えて回り込む西場・無常(特級殲術実験音楽再生資格者・d05602)。
「ターボじゃないババア……ただの一般人では?」
「いや、三十台後半くらいからが僕のストライクゾーン。つまり……アリだ!」
三徳包丁と手拭いをダブるで構えて回り込む坂東・太郎(もう寮母さんでいいです・d33582)。
なにもんだこいつら。
さておき。
「来たね。さあ見なァ! 都市伝説にまでなったババアの恐ろしさをネェ!」
ババアは両手を頭の後ろに組むと、激しく胸を張った。胸元のボタンがはじけ飛び、太郎や無常へとぺちぺちあたる。
小石でも投げた方がずっと痛いんじゃないかってくらいの威力だったが……。
「ぐああああああああああああああ!」
太郎は苦悶の表情を浮かべて頭を抱えた。
がくりと膝をつく無常。
「く、なんというババア……しかしお前の能力は青少年を対象にしたもの。俺はもう大学生に、ぐ、ぐはあっ!」
なんか知らないけど血を吐く無常。
「何が起こっとるん?」
首を傾げる千鳥に、華がなんとなくで説明を加えた。
「たぶん、ババアなのに大きい胸だからと反応しちゃった自分が心にキちゃってるんじゃないかな」
「そんなもんなん?」
そんな混沌とした現場に、メリーベル・ケルン(プディングメドヒェン・d01925)が!
「そういうときは、このみずみずしさあふれるJKを見て心を癒やすのよ!」
ドヤ顔のメリーベルが!(1カメ)
ドヤ顔のメリーベルが!(2カメ)
ドヤ顔のメリーベルが現われた!(3カメは胸を重点的に)
「「…………」」
無言かつ無表情になる無常と太郎。
無常に関しては最初っから似たような顔だった気はするが、その顔がカッと濃くなった。具体的に言うと顔の書き込み線の数が五本くらい増えた。
「そうか、対照的なものをみて心を落ち着かせるのか。みんな見るんだ! この平坦な胸を! 俺たちにはこの平坦な胸がある! あるじゃないか!」
「そうかっ、この平坦な胸が……!」
振り向く太郎。
そこには白川・雪緒(白雪姫もとい市松人形・d33515)がいた。
ちなみに瑠音はこたつを戻してほむらーんと信夫さんを転がしながら茶ぁのんでいた。
にっこりと笑う雪緒。肩越しにススーっと現われる謎の市松人形。
「太郎」
「はい」
「串焼きと直火焼き、どちらが?」
「できれば焼かない方で」
●必殺、章切り替えの術!
なにもおきなかったよ。
そこで血まみれでけいれんしている太郎は幻覚だよ。
「ヒッヒッヒ、どうやら大ダメージだったようだねェ」
「一部自爆に近かったがな」
「とにかくフレッシュなJKが負けるはずがないのよ! 覚悟しなさいババア!」
ババアはリオのカーニバルみたいな激しいダンスで乳を揺らしてきた。
メリーベルはタンバリンでひたすらうんたんしながら踊るプレイで対抗した。
いやそういうバトルがしたいんじゃなくて。
「うん、新生ラブリンプロ巡業ちゃん担当としてはこの逸材……コホン」
シャルロッテは咳払いし、ババアへと襲いかかった。
両手で白刃取りするババア。
そこへ華はライドキャリバー・シーサー君を突っ込ませた。
撥ね飛ばされるババア。
「いいよシーサー君! あっそうだ忘れてた琉・鳴・装!」
華は急いで変身モーションをとると、いつものスーツにチェンジした。
「青き海の心が煌く!クールドメール推参! くらうさぁ!」
華のジャンピングキックが炸裂し、ババアが吹き飛んでいく。
屋根の高さまで飛んだババアを迎え撃つは千鳥である。屋根の上にスタンバっていた千鳥は高く飛び立ち、巨大なシュレッダー鋏でババアを切り裂いた。
すれ違う千鳥とババア。
「ぎゃあああああああああ!」
ババアはどさりと落下した。
「尚、この戦いでは残虐表現を避けるためダメージ量を服の破れ具合で表現しております」
「余計なことすんな!」
急に頬を染めたババアが胸元を押さえながら振り返った。
「そこの糸目ゆうじ、みちゃイヤン」
「ぐっ!」
たじろぐ太郎。
その目に指をつっこむ雪緒。
「見ちゃいやん」
「ぎゃああああああああああああああ!」
「これいじょう太郎ちゃんを翻弄されても困りますし、やってしまいましょう。蟷螂!」
雪緒の後ろから大きな日本人形が現われ、刀を振り上げる。
「タタリガミに都市伝説で対抗するたあいい度胸だねえ! きな、口裂けてない女奇譚!」
ババアの後ろから縦セーターを着たやや背が高めで黒髪ロングで黒縁眼鏡をかけたかわいげと大人っぽさを兼ね備えた二十代後半くらいのお姉さんが現われた。
お姉さんの胸は豊満であった。
「あ、あの、私……きれい、ですか?」
「「ぐああああああああああああああああああ!!」」
無常が激しく吐血した。
瑠音も激しく吐血した。
メリーベルも激しく吐血した。
血をぬぐって立ち上がる無常。
「ダメだ。まだ俺は見せ場を作っていない。こいつを見せるまでは……」
無常は影業ディスクを取り出すと、ワイヤレスヘッドホンのスイッチを入れた。
スピーカーを広域モードに変えてスタートダッシュ。専用機器にディスクを設置してミュージックスタート。
「加齢の現実を打ち砕くサウンド。殲滅実験音楽、バーゲンセールタイフーン!」
音の波が螺旋を描き、ババアへと襲いかかる。
直撃を受けて吹き飛ばされたババアは、窓を破って屋内へと突っ込んでいく。
「にがさん!」
無常が屋内へ飛び込むと、すぐそばで口裂けてない女こと縦セタ眼鏡さんが正座していた。
ぽんぽんと膝をたたく。座れということらしい。そういうわけにはいかんと首をふると、両手を伸ばして無常の頭を抱いた。
母のようなぬくもり。
そしてやわらかさ。
これが。
心か。
とか思って目をあける。
すると。
「残念だったねぇ、ババアだよ!」
「ぐあああああああああああああああ!」
ババアに抱かれて一ページまるごと心を感じてしまった無常は激しく吐血して気絶した。
「ば、ババ……ア……ぐふっ」
「ムジョー! よくも私のよく知らない人を! そこのお姉さんのおっぱいもませろよこの野郎!」
相変わらず無茶なことを言って襲いかかる瑠音。
「あんたにはこれだよ! くねくねらない!」
ババアの後ろから白くてもやもやしたなんかが現われた。
「くねくねしない都市伝説なんて目じゃないな。かかってこい!」
瑠音はひるまずババアに掴みかかった。
くねくねらないに包まれる瑠音!
そして!
「すやぁ」
瑠音はお布団を被って大人しく眠った。右にほむらーん、左に信夫さんを入れてぬっくぬくにして眠っていた。もうこのままお布団と結婚したいみたいなテンションになっていた。
「うーん、ばばあけっこんしてくれえ……」
がたがた揺するメリーベル。
「しっかり! 目を覚ますのよ! くねくねらない平和な日々におぼれてはだめ!」
「うーん、ひんにゅう……」
「せいっ!」
瑠音の顔に濡れたタオルをかぶせるメリーベル。もがもが暴れる瑠音を無視してメリーベルはババアへと身構えた。
「ババア、必ず倒すわ……無常と瑠音の仇は……かならず……」
そして徐々にお布団へ入っていった。
「すやぁ」
眠りにつくメリーベル。
「くっ、平坦さんもやられたか……」
太郎は歯を食いしばった。
柱に縛り付けられた太郎は歯を食いしばった。
燃えさかる火の上で柱に縛り付けられた太郎は歯を食いしばった。
まわりをカエルと市松人形が槍もってぐーるぐーるまわる中央で燃えさかる火の上で柱に縛り付けられた太郎は歯を食いしばった。
「僕もやられてる!?」
「太郎ちゃん、自分で三十代後半からって言ったくせに……」
「ノーカン! さっきのは不意打ち! 僕ぁ雪緒ちゃんだけをあづあああああああ足の裏あづあああああああ!」
「さすがはダークネス、残ったのは私たち四人だけですね」
太郎を無視して戦闘の構えをとる雪緒。
一方ババアは下半身のあるテケテケ(今風のギャル)やトイレにいない花子さん(おかっぱ美少女)、五尺様(白ワンピースの美女)をはべらせてほくほくしていた。
冷静に考えたら、いいなこれ。
「ケーッケッケ! ババアはもう回復しちまったよ! あんたらはピンチのようだねぇ!」
「どうだろうな」
シャルロッテは剣にエネルギーを込め、アームガードに刃を発生させた。
ババアへ突撃。
再び白刃取りを試みるババアだが、シャルロッテはぐいんとアームガードの部分を顔面に叩き付けた。
「うぎゃあ!」
「尺も押しとるし、巻きでいくなぁ」
千鳥が羽衣を解き放ち、ババアをぐるぐるの簀巻きにする。
そのまま振り上げ、屋外へと放り出した。
回転しながら飛んでいくババア。体勢を動かせずに着地もままならぬ……と思っていると、華がそれをキャッチした。
「最後の必殺……ウチナーダイナミック!」
ぐるんと回してババアを頭から地面に叩き付ける華。
ババアはぐぎゃーといって爆発四散した。
「今です! はっ!」
携帯を取り出して振りかざす雪緒。彼女の中にババアが吸収されていく。
最後に携帯の待ち受けをババアにかえると、雪緒はこくんと頷いた。
「都市伝説『ターボじゃないババア』……いただきました」
その後、瑠音とメリーベルがお布団からがんとして出なかったり、無常が熟女に不自然なほど反応しはじめたり、太郎が柱の上で力尽きてたり、まあ色々あったが、タタリガミの灼滅は完了した。
「とびっきりおかしなタタリガミやったなあ」
「思ったより、手強い相手だった」
「うん、そうだね。がんばったね、よしよし」
敵を思い返す千鳥やシャルロッテをよそに、涙を浮かべながらメリーベルをなでなでしあげる華。
その一方で吸収しちゃったけどこれどうしようという顔で携帯を見つめる雪緒。
でもって。
メリーベルは涎垂らしながら手をにぎにぎとやった。
「やったわ、わたし……きょにゅうに、なったわ……むにゃむにゃ」
作者:空白革命 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年1月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 2/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 6
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