伏見城の戦い~めでたき戦、お雑煮連合ッ!

     京都伏見に、新たな名所が誕生していた。
     ご存じ安土城怪人勢力によって建造されたその建物の名は、伏見城。
     真新しい城壁には、色とりどりのペナントがたなびいている。
     伝統工芸品や郷土料理のペナントは、日本各地のご当地怪人達の存在を示す。
     いかつい鬼の絵や、無駄に画数が多い漢字が書かれたペナントは、天海大僧正勢力から離脱した羅刹達のもの。
     鎧や刀剣、武具のペナントを掲げるのは、鎧武者のアンデッドの一団だ。
     城内には他にも、数多くのペナント怪人と、それを生産する正社員待遇のレプラコーン達がひしめいている。更に、城内で各種サービスを提供する、いけないナースまで。正に一大勢力。
     早くも城内は、天海大僧正勢力への勝利ムードに包まれている。それも、油断ではなく、余裕という形で、むしろプラスに作用しているからタチが悪い。
     ご当地怪人版の神有月かというくらい集合している怪人勢の中、何やらおめでたい雰囲気を漂わせる一団があった。
     先ほどまで他のダークネスに餅型の名刺を配っていた彼らは、各地から集ったお雑煮怪人である。
    「久しぶり。岩手くるみ雑煮怪人」
    「今年の正月はどうでした、奈良きなこ雑煮怪人」
    「イマイチ人間に食わせてやれんかったなあ、熊本水前寺もやし雑煮怪人は?」
    「ぼちぼち。まあ来年頑張ろう、広島牡蠣雑煮怪人」
    「ああ。そのためにもここで戦果を挙げて、安土城怪人様に取り立ててもらわんとな」
     おー。
     総勢10名のお雑煮怪人が、手にした餅をびよんと伸ばした。
    「安土城怪人との決戦の準備を進めていた天海大僧正の勢力から、連絡が入ったぞ。準備が整う前に、安土城怪人が侵攻を開始し、京都周辺に攻め寄せてきたと」
     初雪崎・杏(高校生エクスブレイン・dn0225)によれば、攻めてきた安土城怪人勢力は、京都の伏見区に城を築き、戦力を集めているらしい。
     彼らはえらく覇気に溢れており、このままでは天海大僧正勢力は滅ぼされてしまうかもしれないという。
    「無論、あの天海大僧正がただ傍観しているわけはない。全力で伏見城を攻略し、その成功と同時に琵琶湖の敵拠点に攻め込む作戦に出るつもりだ。伏見と琵琶湖、敵が2つに戦力を分けたととらえ、各個撃破する好機と判断したようだな」
     伏見城の攻略は天海サイドで行うため、武蔵坂学園には攻略成功後、琵琶湖の拠点に攻め込む助力を願いたいというのが、今回の連絡の主旨だ。
    「伏見城へは、天海大僧正勢力の精鋭、スサノオ壬生狼組が投入される。このままほうっておけば、伏見の戦いは痛みわけとなりそうだ」
     すなわち、スサノオ壬生狼組の壊滅と引き換えに、伏見城は落ちる事となる。城から撤退した安土城怪人勢力のダークネス達は、琵琶湖勢と合流をはかろうとするだろう。
    「天海大僧正の要請に素直に従えば、伏見城の戦いに加わる必要はない。だが、ここであえて助力することで、伏見城から脱出するダークネスを減らせれば、次の琵琶湖での戦いが有利に運ぶ可能性はある」
     また、灼滅者の加勢によって、壊滅するはずのスサノオ壬生狼組が生き残れば、琵琶湖決戦に援軍として参加してくれるかもしれない。
    「助力するにしても、だ。城攻め開始の時点から同行するか、城内での戦闘中に駆け付けるか。それとも、スサノオ壬生狼組は無視して、落ちた伏見城から脱出するダークネスを狙うか……参戦のタイミングは君達に任せるが、どの選択肢を取っても、琵琶湖への援軍を防ぐ事には充分メリットがあるだろう」
     城内には様々なダークネスが集っているが、君達に制圧してもらいたいのは、全国より集合したお雑煮ご当地怪人の一団である。
     総勢10名。いずれもご当地ヒーローのサイキックを駆使して、果敢に攻めてくる。その人数を生かし、陣形を組んで戦闘を行う。
    「あ、飛ぶ奴はいないから、安心してくれ。お雑煮怪人だし」
     このお雑煮怪人連合に、多数のペナント怪人を加えたものが、一部隊である。
     大事なのはタイミングである。
     城攻めから参戦した場合は、敵のフルメンバーとぶつかる事になる。
     途中で駆け付ける場合は、そのタイミング次第で、怪人連合の戦力は変化する。
     この2つのいずれかを選んだ場合は、スサノオ壬生狼組と共に戦うことができる。
     そして、安土城から撤退するところを狙う場合は、連合の戦力は半分になっている。その分、壬生狼組の助力はない。
    「伏見城の中で戦う場合は注意してくれ。敵の戦闘力が1割ほど上昇しているようだ。ただし、誰かが天守閣の制圧に成功した場合、この上昇は失われる」
     また、伏見城に攻め込んだ後、素早く敵を撃破する事ができ、更に余力がある場合は、レプラコーンやいけないナースなど、非戦闘要員のダークネスも灼滅できるかもしれない。
     もっとも、あまり欲を出すと、本来の目的が達成できないという事もありうるが。
    「スサノオ壬生狼組については、無理に救出する必要は無い。本命の戦いは、この後の琵琶湖戦。まずは君達の安全が第一だからな」
     何にせよ、どの作戦で行くか決めるところからだな、と杏は念押しした。


    参加者
    凪・辰巳(蒼の唱剣士・d00489)
    霧島・竜姫(ダイバードラゴン・d00946)
    神楽・三成(新世紀焼却者・d01741)
    穂都伽・菫(煌蒼の灰被り・d12259)
    小早川・美海(理想郷を探す放浪者・d15441)
    御影・頼子(不破の刃・d20210)
    風輪・優歌(ウェスタの乙女・d20897)
    高嶺・円(蒼鉛皇の意志継ぐ餃子白狼・d27710)

    ■リプレイ

    ●壱
     伏見城攻めを前に、スサノオ壬生狼組と合流を果たした灼滅者達。
    「ダークネスとはいえ、同盟を組んでいる以上は手を貸さねば、ですよね」
     そう言いつつも、穂都伽・菫(煌蒼の灰被り・d12259)の表情は硬い。
    (「救えるのならば救いたい、ですが……いつか同盟が破棄された時のために、しっかりと実力を見極めなければ」)
     視線の先にいるスサノオ壬生狼組は、無言のまま、怪訝そうな顔をしている。
    「どうしてここに灼滅者が来たのかって顔してるな。ただ、この前の借りを返したいからさ」
     壬生狼組の雰囲気を察した凪・辰巳(蒼の唱剣士・d00489)が、口を開く。
     もっとも、単に貸し借りだけではなく、相手を信頼している部分もあると言えばある。
    「ま、お人好しの集団みたいなものだと思ってくれればそれでいいさ」
    「そうそう、タカトとの戦いでは援軍に来てくれてありがとう。今回は私たちが支援するわ。もちろん、後の琵琶湖決戦でもね」
     御影・頼子(不破の刃・d20210)も感謝を述べる。しかしすぐに表情を引き締めると、
    「できる限り攻撃は止めてみせるから、敵を倒すことに集中してね? 私の刃が届く限り、敵の攻撃は通すつもりはないわ」
    「恩には着ないぞ」
    「おっと、つれないな。まあ、そっちも契約を守ってくれたんだ、此方も動かなきゃな」
     既に戦闘モードに移行しつつある神楽・三成(新世紀焼却者・d01741)が言うが、壬生狼組の方は淡々としたものだ。
    「俺達の邪魔だけはするな……む」
    「あの、もふもふしていい……?」
    「気安く触れるな」
    「あう……」
     邪険に振り払われ、小早川・美海(理想郷を探す放浪者・d15441)が、落胆する。
     ダークネスの戦闘集団すら、もふもふ対象らしい。筋金入りのもふリストである。
    「せっかく色々ご馳走したのに、つれないんだよう」
    「チョコ入りの餃子など食えるか」
     高嶺・円(蒼鉛皇の意志継ぐ餃子白狼・d27710)が用意してきた、宇都宮餃子や各種のスイーツ餃子、なめろう揚げ餃子各種を、壬生狼組は一瞥したのみ。
    「……おいしいのに」
     ツンだ。デレ成分のない、ツンの狼だ。
     ならば、結果で示すだけ……風輪・優歌(ウェスタの乙女・d20897)の胸には、そんな思いがある。
     自分達の協力を受けることでより強く戦える、戦果をあげられる。それを実感してもらうことで、自分達との協調の価値を示したい、と優歌は思う。
     すると不意に、壬生狼組が刀を抜き放った。灼滅者達が顔を上げると、空に敵影が現れた。
     紙飛行機……いや、ペナント怪人のペナント飛行機だ。
     物体に触れた途端、爆発を起こす。弓矢の代わりとでもいうつもりか。
     しかし城からの攻撃には構わず、果敢に攻め込む壬生狼組。長期戦をするつもりなど端からなく、強襲あるのみのようだ。
     ならばと、続く灼滅者達。一同の狙いは、城内に控えたお雑煮怪人達。
    「世間はとっくに正月気分から抜け出しているというのに、いささか時期後れの怪人達ですね」
     霧島・竜姫(ダイバードラゴン・d00946)がつぶやく。キャリバーのドラグシルバーを、壬生狼組の突撃に追随させる。
    「じゃあ、こっちも気張っていくぜ。『accensione』」
    「みんな、壬生狼組もよろしく頼むわね。……『不破の闇に舞うは融和の光』」
     封印解除した辰巳に続き、頼子も連結式・姫曙孟宗竹刀を展開、敵へと解き放つ。
    「さあ、刃の嵐、あなたたちに見切ることはできて?」
    「わたしも行く……餃子白狼……降臨っ!」
     そして、円も獣人の姿を解放。
    「宇都宮のご当地人造人狼……高嶺・円。蒼鉛の人のなめろう(意思)も背負っていざ参るっ……だよう!」
     第二次新宿防衛から救えなかった……初恋だった……ロード・ビスマスへの想いを胸に、戦へと臨む。

    ●弐
     他の灼滅者の班が多数参加したこともあり、城攻めは予想よりスムーズに進んでいるようであった。
     城内からの反撃にさらされつつも、なんとか門をこじあけると、壬生狼組が率先して突入した。
     城内に攻め込むなり、廊下や室内、あちこちで本格的な戦闘が始まる。城の加護下にあるダークネス達は、いずれも気力に溢れていた。
    「ははは、我らお雑煮怪人連合、大きな戦の前に肩慣らしと行くか!」
     リーダー格を気取る東京雑煮怪人の号令一下、お雑煮怪人、そしてペナント怪人達が襲い掛かって来た。
    「皆さん、お雑煮怪人を先に撃破しましょう」
     優歌の言葉に頷き、皆の攻撃が始まる。
     まずは、菫の放った氷結術式が、襲い来る怪人達を飲み込んだ。熱量を奪われるというのは、お雑煮怪人にとってはある種、致命的である。
     ビハインドのリーアが戦場を舞い、攻撃を引きつければ、ドラグシルバーが弾幕で、怪人達の進軍を阻む。
     怪人のお椀が弾丸を跳ね返す中、竜姫の光剣、その刀身が弾けた。サイキックの輝きが、怪人達の目を、体を焼く。
    「ぐわっ!?」
     混戦に挑む仲間達を、優歌のヴァンパイアミストが包む。一瞬血の色にも似た輝きが、瞳に宿ったかと思うと、闘志がわき上がってくる。
     仲間の守りを固めた辰巳が、円の挙動に合わせて接敵する。
    「裏剣・虎咬閃翔牙……」
     相手の注意が外れた一瞬を逃さず、鋭い一撃を、見舞う。
    「てめぇら、俺に続けぇ!」
     乱戦の中、三成が声を上げた。未負傷の東京雑煮怪人に標的を定めると、拳を繰り出す。
    「ヒャッハー! 大樹の陰に隠れなきゃろくに知名度も上げられないようなマイナー雑煮の有象無象程度が調子に乗ってるんじゃねぇよぉ!!」
     凶暴な笑い声とともに、三成の連打が、怪人を壁際に追い詰める。
     ぐぬぬ、と歯ぎしりの音が、怪人達の間からもれる。彼らの怒りは、ビームやキックとなって城内を飛び交った。
    「覚悟するの、お雑煮怪人。そのお雑煮食べ比べて甲乙付けるの」
     美海のかざした断罪輪から、光が広がる。それに包まれたそばから、仲間達の、そして壬生狼組の傷が塞がれていく。
    「回復は任せるの。だから壬生狼組の皆、思う存分やっちゃうの」
    「フン」
     美海の支援も一顧だにせず、進撃する壬生狼組。まさに戦闘集団といった趣は、頼もしくはあるが。
    「宇都宮ご当地の畏れをとくと見よ……行くよ百目鬼」
     畏れを纏った円は、伸びてくる怪人の餅を喰らうように、切り払う。
     怪人の頭からこぼれたつゆを踏み越え、頼子が、愛剣と腕を融合させた。常に動き回る敵に狙いを定めて砲で薙ぎ払う。
     そして、先にカチドキをあげたのは、壬生狼組であった。
    「討ち取ったり!」
    「ふ、福井かつお節雑煮怪人がやられたー!」
     連合の一角が崩れた瞬間であった。

    ●参
    「キャリバーダッシュ!」
     竜姫の騎乗したドラグシルバーが、岩手くるみ怪人に突撃した。戸を破って中庭に飛び出すと、竜姫が、警棒型ロッドで渾身の刺突を繰り出した。
    「お、俺の体が……!」
     怪人の腹部からロッドを引き抜くと、ポーズを決める竜姫。
    「ジ・エンドです!  レインボースパーク!」
    「く……るみ!」
     七色の魔力が弾け、くるみ怪人が大の字になって倒れた。
     爆散の音や剣戟に掻き消されぬよう、優歌が懸命に癒しのメロディを奏でる。その旋律は、灼滅者も壬生狼組も分け隔てなく鼓舞する。
     同様に壬生狼組をフォローしながらも、冷酷さは失わずにいようと、菫は思う。今は手を組んでいても、いつか灼滅しなくてはならない時が来るのだ、と。
     マジックミサイルが、栃木つと豆腐雑煮怪人を打ち砕いた。豆腐の破片を振り払う菫。
     自分に言い聞かせなければならないという事は、裏を返せば、冷酷になり切れぬ部分があるという事。
     「助けられる人はすべて救いたい」という信念を持つ菫としては、壬生狼組を助けられることは、純粋に嬉しくもあるのだ。
    「さあ、この千葉はば雑煮怪人様が、お前を討つハバ!」
    「はば雑煮ってなんだ?」
    「はばというのは、ハバノリ……海苔の一種ハバ!」
    「説明ありがとな」
     とりあえず納得した辰巳が右手で、左から右へ振り払うように線を描いた。
    「崩れろ……Gestalt s'ecroulent!」
     禁呪的爆炎陣が、敵の一団を容赦なく飲み込んだ。辰巳の眼前、直撃を受けたはば雑煮怪人を、燃え尽くす。
     三成のバベルブレイカーの推進器が火を噴いた。残り火を割き、怪人の集団に飛び込むと、奈良きなこ雑煮怪人を貫いた。
    「悪ぃな、安土城に組している時点で手前らは灼滅確定なんだよぉ!」
    「く……おととい……きな!」
     きなこをふいて爆散する怪人から、離脱する三成。
     円の餃子型気弾が、敵陣に着弾。順調に見える戦いではあるが、灼滅者の負傷もたまり、壬生狼組の中には倒れている者もいるようだ。
     回復の合間を縫って、美海が敵に人差し指を突きつける。
    「必殺・壬生狼もふもふビーム、なの」
     強い意志に満ちた光線が、怪人の漆器ボディを貫通する。
     その横では、頼子の空圧式退魔刀『舞蹴revolution』が、鳥取あずき雑煮怪人のばら撒くあずきを片っ端からはじき返す。
    「私の刃が届く限り、怪人ごときの攻撃など通しはしないわ!」
     頼子と怪人、廊下で交錯する2つの影……倒れたのは、あずき雑煮怪人の方だった。
     壬生狼組もまた、香川小豆餡餅雑煮怪人や熊本水前寺もやし雑煮怪人に、引導を渡していた。

    ●肆
    「こ、こっち来るなカキ……!」
    「雑煮怪人死すべし」
     広島牡蠣雑煮怪人に、壬生狼組が殺到した。刃に串刺しにされ、倒れ伏す。
     断末魔を耳にしつつ、クルセイドソード『沖膾蒼鉛』を手に、円が床を蹴る。
    「今亡きあの人への想いをここに……なめろう餃子神霊剣っ!」
    「ぬぐわああああッ!」
     ご当地怪人魂を直接断たれては、東京雑煮怪人もひとたまりもなかった。
    「お、お雑煮怪人連合が……全滅したッ!?」
     統率者を失ったペナント怪人達が、瓦解するのは早かった。
     攻めに転じた優歌の音撃の前に、ペナント怪人が倒れる。これで少しは自分達の有用性を理解してくれただろうかと、壬生狼組をうかがう。
     そして美海が走る。
    「……壬生狼組の人、合わせるの。肉体を壬生狼組が、魂を私が。それぞれ斬れば、助かる道理は欠片も無いの」
    「ならば従う道理もない」
     うまいこと言って先行する壬生狼組に、渋々続く美海。ペナント怪人とすれ違いざま、横薙ぎにする。
     これで一応、合わせは成立しただろうか。
    「こっちは何とか片付いたか。他のチームが苦戦してないといいけど」
    「壬生狼組の方は無事でしょうか?」
     汗をぬぐい、辰巳や菫が城内の戦況を窺う。
     どうやら既に、勝敗は決しているようだった。壬生狼組と灼滅者の側に。
    「この調子で他のダークネスも焼却してやんぜ、オラオラァ!」
     勢いに乗って、攻め上がる三成。いけないナースやレプラコーンを探すが、姿はない。
    「まさか、とっくにトンズラしてたって事かぁ?」
     皆が天守閣にたどり着くが、いたのは他の灼滅者や壬生狼組だけ。
    「天守閣は制圧できたみたいだけど、でも……」
     頼子のつぶやきに、竜姫が城の外に目をやると、逃走したダークネスは既に豆粒のような大きさになっていた。
    「一足遅かった……という事でしょうか?」
    「城攻めに戦力を集中させすぎたかも知れないんだよう」
     敵の退路を断っておく事も考えておけば……と、悔やむ円。
     しかし、壬生狼組も戦力をほとんど保ったままだ。痛み分け、と言えなくもない。
    「琵琶湖の決戦でも会ったらよろしくなの」
     次の戦いに向け引き上げていく壬生狼組に、声を掛ける美海。
    「こちらからももっと連絡したいです。そちらから依さんにいらして頂いているように、みなさんも学園からの連絡員を受け入れることをご検討下さいませんか?」
     優歌の申し出に、しかし壬生狼組は足を止める事もなく、
    「我らはただの刃。そのような判断は我らのするところではない」
    「ならせめて、伝言だけでも……あ」
     引き止める間もなく、去りゆく壬生狼組。
     灼滅者とダークネスの間にある壁を感じつつ……そのツン具合に少し慣れてきた気がする一同だった。

    作者:七尾マサムネ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年2月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
     あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
     シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
    ページトップへ