とろぴかるゾンビアクション

    作者:のらむ


     とある企業が、とある海岸沿いの場所に巨大船型ホテルを作ろうとしていたそうです。
    「ウガー」
     海に面し、アミューズメント的な施設も盛り込まれたそのホテルは、夏も冬も楽しめる素晴らしいものになる筈だったそうです。
    「ウガー」
     しかし船が完成した直後になんだかんだ色々あってその企業は潰れ、そのホテルは放置。完全な無人の廃墟となってしまったそうで。
    「ウガー」
     ただ普通の人はいないみたいですけど、普通の人じゃないゾンビ達が沢山集まってる様ですよ。
    「ウー………………ガッ!」


    「はいどうも皆さんこんにちは。真咲・りね(花簪・d14861)さんからの情報によって、とあるはぐれ眷属のゾンビ共について予知できました。幸いまだ一般人に被害は及んでいない様なので、今の内に蹴散らして来てください」
     神埼・ウィラ(インドア派エクスブレイン・dn0206)は赤いファイルの上ですごい甘い饅頭の袋を開けながら、事件の説明を始める。
    「場所は、とある企業の倒産によって廃墟となってしまった巨大船型ホテル。ホテルとはいっても本物の船と見紛う程船とそっくりに作られています。中は凄いボロボロですが」
     ゾンビ達はこのホテル内に結構沢山いるらしい。
     ちなみにこの施設は完全な廃墟なので、好きに暴れまわっても問題ないとウィラは説明した。
    「ゾンビ達はそこら辺にあるものを使ってぶん殴ってきたり、近接武器やら銃やらで攻撃して来たりします。やたらとアグレッシブです」
     そこまでの説明を終え、ウィラはすごい甘い饅頭をすごい甘い紅茶で流し込んだ。
    「まあ説明はこんなところなのですが……実はこのゾンビ達、滅茶苦茶弱いです。ですので是非恰好つけて、冬にも負けずとろぴかるにゾンビ達を殴り倒してきてください。すごい甘い羊羹でも買って、帰りを待ってます」


    参加者
    ポンパドール・ガレット(火翼の王・d00268)
    椎木・なつみ(ディフェンスに定評のある・d00285)
    九条・雷(アキレス・d01046)
    来栖・律紀(ナーサリーライム・d01356)
    真咲・りね(花簪・d14861)
    双海・忍(中学生ファイアブラッド・d19237)
    有城・雄哉(高校生ストリートファイター・d31751)
    守部・在方(日陰で瞳を借りる者・d34871)

    ■リプレイ

     さあ始まりましたとろぴかるゾンビアクション。
     ゾンビ達がひしめく船っぽいホテルに集合した灼滅者達は、到着するや否や各々の持ち場へ散って行くのだった。

    ●甲板
     まあまあそれなりの雪が降り物凄く寒い甲板に、ゾンビ達が点在していた。
     そんなゾンビ共をマストから見下ろす影が1つ。
    「ゾンビアクション……しかも相手は重火器も使うのですか……どうあがいても絶望なゲームや、海外の古いゾンビ映画を彷彿とさせますね」
     大まかなゾンビ達の居所を把握した守部・在方(日陰で瞳を借りる者・d34871)は静かに呟くと、不意にマストから飛び降りぼふっと雪の中に埋まりこんだ。
    「うがー……」
     そんな事も気づかず徘徊するゾンビの背に、巨大な腕が迫りくる。
    「まずは一体」
     在方は鬼の腕と化した右腕を振るうと、背を巨腕に貫かれ骨を握り砕かれたゾンビはバタリと倒れ伏した。
    「今日の私はアサシンチックな気分です」
     そのまま雪から飛び出した在方は、ごく自然にその場を立ち去る。
     同胞を倒された事にゾンビ達が気づくのは、それからしばらく後の事だった。

    「巨大船型ホテルがお客さんを呼ぶことなく廃墟となってしまったというのは、何だか勿体ない話ですね。しかし、寒いのは困りましたね」
     双海・忍(中学生ファイアブラッド・d19237)はビハインドの『うつし世はゆめ』と共に甲板を訪れると、ゾンビの出現を待ちぶらぶらと歩いていた。
    「ウガーー!!」
     物陰から現れたゾンビの強襲を軽く避けた忍は、剣を構え一歩前に出る。
    「さっそく現れましたね。ですが、確かにかなり弱いみたいです」
     そして忍が放った斬撃がゾンビの身体を一閃し、ゾンビは声も無く地に倒れる。
     しかし忍の存在に気付いたゾンビ達が次々と集まり、忍はゾンビ達に取り囲まれる。
    「この状況でも中々危機感は感じられませんね。寒いですし、早く終わらせてしまいましょう」
     うつし世はゆめが自らの顔を晒しゾンビ達の魂を蝕むと、その攻撃を耐え切ったゾンビ達が忍に襲い掛かる。
     放たれる銃弾をダイダロスベルトで防ぎ、振り下ろされた鉄パイプを剣の柄で受け止め、
    「ゾンビさん達に危機感は感じませんけど、中央のプールに落ちるのだけは気を付けないといけませんね」
     忍は赤くスタイルチェンジさせた標識をフルスイングすると、ゾンビ達の脳天を打ち次々とプールに叩き落とした。
    「ウガァァァーー!!」
     その直後、鉈を持つデカゾンビが忍に向け突撃したが、
    「頼みます」
     一瞬にしてデカゾンビの背後に回り込んだうつし世はゆめが霊力の塊をぶつけ体勢を崩し、続けて忍が放った熱い蹴りがデカゾンビの身体を海まで吹き飛ばした。
    「それなりの数を倒しましたが、まだ……っ!!」
     忍の背後からしぶとく生き残った一体のゾンビが強襲し、忍は僅かな判断に遅れた。
    「させませんよ」
     と、その時。何処からか現れた椎木・なつみ(ディフェンスに定評のある・d00285)がゾンビの攻撃を受け止め、流れるような動きでゾンビの頭を甲板に叩き付けた。
    「少し油断しましたか……ありがとうございます、なつみさん」
    「いえ、無事でなによりです。それでは全部終わったら、また会いましょう」
     忍が礼を言いなつみの傷を癒すと、なつみは軽く会釈し、次なるゾンビを探す為甲板を駆け出す。
    「…………?」
    「……ウガー」
     第六感とでもいうべきかか、なつみが何気なく上に目をやると、そこにはマストに昇ったゾンビ達が銃を構えなつみを狙っていた。
    「ゾンビにしては中々良い位置を取りますね。ですが、肝心の腕がなくては当たりません」
     放たれるレーザーや鉛玉の間を潜り抜けながら、なつみはマストを駆け上がる。
    「ここです」
     そしてその勢いのまま放たれた回転跳び蹴りが、ゾンビ達の身体を砕き次々と甲板に叩き落していった。
    「よ……っと。マストの上はこれで全部ですね。下に戻りましょう」
     最後のゾンビに放った一本背負いでマストをへし折り、そのまま海まで投げ飛ばしたなつみは、手刀に自らのオーラを纏わせていく。
     そして一気にマストから飛び降りると、甲板に立つゾンビに狙いを定める。
    「失礼します」
     着地の衝撃を乗せ振り下ろした手刀は、ゾンビの身体を真っ二つに裂き消滅させた。
     更に襲い掛かるゾンビ達の攻撃を間一髪で避け、なつみは手刀に赤きオーラを纏わせる。
    「襲ってくるなら、反撃するのみです」
     そして放たれた赤き斬撃の嵐が、ゾンビ達の身体を切り裂き微かな生命力を根こそぎ奪い去ったのだった。
    「最後の一体まできっちりと。仕事はちゃんとこなしましょう」

    ●客室エリア
     凄い勢いで荒れ果てた客室エリアにもまた、ゾンビ達が蠢いていた。
     そしてやはりこんな場所にも潜む影が1つ。
    「さて、次はここですね……壁や床に穴だらけな分、攻撃の幅も広がりますが……見つかりやすくもなるのが難点です」
     在方はそう言いつつも、器用にゾンビ達の視線を避けながら部屋を巡って行く。
    「おっと、あれは……」
     床に空いた穴から下の部屋にゾンビが彷徨っている事に気付いた在方は、輪を作った糸を構え穴からすっと身を乗り出した。
    「もっと上にも気を遣った方が良いですよ」
     囁く様に言うと輪を首に引っ掛け、渾身の力で引っ張り上げる。
     天井に首を吊り提げられたゾンビは僅かな間苦しげに暴れていたが、そのまま動かなくなったのだった。

    「さて、ここだね……このエリアには他の皆があまりいない様で幸いだったよ。これで……」
     客室エリアに訪れた有城・雄哉(高校生ストリートファイター・d31751)は懐から取り出した大量の薬品を口に入れ、噛み砕く。
    「これで……思いっきり暴れ回れる」
     スレイヤーカードを解放しダークネス形態へと変化した雄哉は、その溢れだす黒い闘気を抑えようともせず走り出す。
    「……かかってこいよ。全部ぶっ飛ばしてやるから」
     眼前に立ち塞がるゾンビの頭部を拳で吹き飛ばすと、そのまま壁をぶち破り部屋に突入する。
    「ウガーー!!」
     そこにいた数体のゾンビ達が雄哉に向け凶器を振り降ろすが、
    「温い攻撃だな。……この程度で俺を倒せると?」
     その攻撃を両手で力任せに捌くと、そのまま拳に魔力を込め一気に地面に叩き付ける。
     そして雄哉を中心として浮かび上がった魔方陣が光り輝くと、その場にいたゾンビ達は纏めて凍りついた。
    「弱い。弱すぎるぞ、お前ら」
     凍ったゾンビ達の身体を粉々に砕くと、雄哉は床をぶち抜き下のフロアに降り立った。
    「…………そこか」
     背後から近づくゾンビの気配に気づいた雄哉は後手にゾンビの腕を掴み上げると、そのまま一気に壁まで投げてゾンビを瓦礫に埋もれさせた。
     パンパンと手を払った雄哉はまだまだ満足していない様子で、脚に業火を灯し廊下に出た。
    「ウガァアーーー!!」
     すると雄哉の存在に気付いたデカゾンビが、槍を構え雄哉に向けて突撃するが、
    「身体がデカいだけののろまが。その槍ごとへし折ってやるよ」
     そして放たれた炎の蹴りが槍を砕き、そのままデカゾンビの腹に突き刺さる。
     その反動を利用しデカゾンビの上に飛びあがった雄哉は、デカゾンビの頭を掴み上げ手刀を振るうと、その首を容易く斬りおとしたのだった。
    「まだだ、まだ闘い足りねえ……」
     雄哉はそう言って、再び標的を探し歩みを進めるのだった。

    ●アミューズメントエリア
     ジャンルを問わず様々なアミューズメントな施設が整ったこの場所にも、やはりゾンビ達はいた。
     そしてやはりやはりここにも1つの影、というか在方さんが居た。
    「ここは明るくてあまり隠れる場所がありませんね……何かで注意を引き、その隙に一気に殲滅するのがいいでしょうか」
     ビリヤード台の影に何とか潜んでいた在方は呟くと、愛用の紅牡丹の番傘をゾンビ達のいる方へコロコロと転がした。
    「ウガ?」
     何事かと番傘に気付いたゾンビ達が武器にでもしようかとその番傘に手を伸ばした、次の瞬間。
    「それに手を触れないでくれますか。なんかベタベタしそうなので」
     そして台の影から飛び出した在方が日本刀を振るうと、放たれた巨大な斬撃がゾンビ達の背を抉り斬り伏せた。
    「さて、この調子で私は地味に頑張りましょうかね」

    「おやつの準備もしっかりしてきたしゾンビも一杯いるし準備オッケー! ホントに好きにさせてもらっちゃうゾ~!」
     来栖・律紀(ナーサリーライム・d01356)はポケット一杯に詰め込んだロリポップキャンディの感触を確かめつつ笑みを浮かべる。
     そして胸元に影のスートを浮かび上がらせた律紀は、眼前に立ち塞がるゾンビの群れにガトリングガンの銃口を向ける。
    「それにしても本当にゾンビが沢山……それじゃ、まずは一気に間引いちゃおうかな!」
     ズガガガガガガガガガ!!
     放たれた無数の弾丸はゾンビ共の全身を穴だらけにし、言葉通り一気に消滅させた。
    「にゃはは、いいねいいね! 折角ならド派手にいきたいもんね、ドンドンきなよ、ゾンビ達!」
    「ウガー!!」
     スッとガンナイフに持ち替え新しいキャンディを口に放り込んだ律紀に、刀を構えた一体のゾンビが突撃する。
     突き出された刀に首を掠められた律紀は、ニコリと笑みを浮かべ銃口を相手の額に押し当てる。
    「なかなか見所あるじゃない、君。威勢のいい子はきらいじゃないよ」
     そう言って律紀は引き金を引き、脳天を撃ちぬかれたゾンビはそのままドサリと倒れ伏した。
    「ウガーー!!」
    「おっと、流石にそれを全部喰らう訳にはいかないかな?」
     直後、銃を構えたゾンビ達が律紀を取り囲み弾を放つが、律紀は咄嗟に上に飛ぶと銃撃を避け、そのままおしゃれなシャンデリアにぶら下がる。
    「結構いい眺めだね。頭が狙いやすい」
     そのまま身体を回転させた律紀は次々と放った銃撃でゾンビ達の頭を精確に撃ちぬき、連なって倒れたゾンビ達の中心に降り立った。
    「にゃはは、依頼で銃握るなんてひっさしぶりだけどやっぱりイイネ! さぁ踊ろうキミたち、死んでもずっと!」
     そして律紀は更なる戦いを求め飛び出すと、ガシャンと落ちたシャンデリアが綺麗に砕け散った。

    「わォ、良いホテルなのにゾンビの巣窟になってんだねェ、まァ楽しめたらそれで良いかな」
     九条・雷(アキレス・d01046)はバスケット場やサッカー場が揃ったエリアへ脚を踏み入れると、闘気を身に纏いゾンビ達の群れに突撃する。
    「あはは、居る居るゥ! 獲物の取り合いはしなくて良さそうかな? じゃ、まずは一体目!!」
     雷は電光石火の素早さでゾンビの頭を掴み上げると、そのまま飛びあがりバスケットゴールに向かう。
    「はい、シュート!」
     そのまま物凄い力でゾンビの頭を振り降ろすと、バスケットゴールに埋まりこんだゾンビはそのまま動かなくなった。
    「ウゴァー!!」
    「何々、やる気? それじゃあサッカーしよう! あなたがボールね!」
     ゾンビが振り下ろした鉄パイプを蹴り飛ばした雷はそのまま脚に業火を纏わせ、灼熱の蹴りを放つ。
     その蹴りに顔面を砕かれ全身を炎に包まれたゾンビは、サッカーネットを容易く突き破りついでに壁までぶち抜くと、そのまま海に落下し鎮火した。
    「いやー、こういう一方的なのってたまにはいいよね、何か嗜虐的でゾクゾクしちゃう。もっとたっぷり遊んじゃいましょ、折角の機会だもの」
     そのままゾンビを探し駆け抜けた雷は、ボーリング場に辿り着いた。
    「あ、ボーリングの球まだ残ってる! ピンならごろごろしてるし、ゲーム出来るね! ちょっと動くから当てにくいかもだけど」
     雷は豪快な投球フォームでボーリングの球を投げ、ピン(ゾンビ)を痛めつける。
    「あー楽しい。そういえば、この辺にはボスゾンビっぽいのはいないのかな」
    「ウガアアアーー!!」
     空気を読みバリバリとレーンを突き破り現れたデカゾンビが、雷の前に立ち塞がる。
    「あはは、随分殴り甲斐のありそうなゾンビね!」
     蒼き稲妻の如き闘気を身に纏い電光を走らせた雷は、激しく爆ぜる電撃の拳をデカゾンビの腹に叩き付けた。
    「よーし、それじゃあこのままレーンに……って、あれはりねちゃんと、ポンパドール? へーい2人共、パス!!」
     そのままデカゾンビの身体を持ち上げた雷は、ボーリング場の反対側にいたりねとポンパドール目掛けて全力投球するのだった。

     
    「結構綺麗だな、ここがアミューズメントエリアか! よーし、思いっきしあそぶぞー!」
    「今日はポンパドールおにいさんと一緒にれっつすたいりっしゅ……あ、今回のキャンペーンは『ライブハウスで使われない武器やサイキックも思い出してあげようキャンペーン』、です」
     ボーリング場に現れたポンパドール・ガレット(火翼の王・d00268)と真咲・りね(花簪・d14861)は、殲術道具を構えゾンビ達と向かい合い、
     ズガン!!!!
     と、どこからか飛んできたデカゾンビが2人の前の壁に突き刺さった。
    「…………」
    「…………」
    「ウガー」
     横を向くと雷が手を振りながら何か叫んでいた様だが、2人はとりあえず無かった事にして戦いを始めた。
    「……っとにかく! りねのキャンペーンと同じく俺もふだん使わない武器を使ってやる! 縛霊手? クルソ!? 今日はあいつらのコトは忘れるッ!」
     ポンパドールはバスターライフルをジャコンと構えると、その銃身に魔力を込め引き金に指をかける。
    「ウガーー!!」
    「残念、あと一歩遅かったな!」
     そして一気に引き金を引くと、飛び掛かってきたゾンビの身体を巨大な光線が吹き飛ばした。
    「よく考えたらリアルでゾンビのシューティングゲームが出来るじゃんココ。お仕事ついでにタダで撃ち放題じゃん! やったー!!」
     その勢いのままポンパドールはゾンビ共を撃ちまくると、徐々に2人の元へゾンビ達が集まってくる。
    「それじゃあ、私も……氷と、ナイフのコンビです」
     りねはひしめくゾンビ達の中心に跳び出すと一気に魔術を詠唱し、ゾンビ達の身体が一瞬にして凍結する。
    「そして一気に、切り裂きます」
     放たれた無数の斬撃はゾンビ達の身体を抉って砕き、ゾンビ達は次々と倒れていくのだった。
    「氷プラスジグザグ、うーん、まあまあです?」
    「ま、今日は効率とか忘れてやりたい放題しよう! ほらりね、またくるぞ!!」
     ポンパドールは自分達を取り囲むゾンビ達に向けて糸の結界を張ると、その動きを一気に封じる。
     直後、エアシューズを駆動させたりねが、結界の間を潜り抜けゾンビ達に突撃する。
    「ポンパドールおにいさんが結界張るなら、私がトドメを刺しますね」
     そしてりねが放つ蹴りの連打に、動きを封じられたゾンビ達は成す術も無く倒れていくのだった。
    「それにしても、ゾンビいっぱいでちょっと嫌になりそうです。ボーリング場ですし、レーンの上を滑らせてゾンビボウリングとか出来ないでしょうか」
    「ゾンビボウリング? たのしそうだね! チャルも一緒にやろう!」
     りねの言葉に頷いたポンパドールはウイングキャットの『チャルダッシュ』に呼びかけ、2人と一匹はレーン上のゾンビに猛撃を仕掛ける。
    「折角ですし、ストライクを狙います」
     そう言ってりねが放った無数の光線がゾンビ達の身体を纏めて吹き飛ばし、
    「ファイアブラッドだってコトを忘れない為にも、レーヴァ、テイン!」
     ポンパドールが放った炎の拳といチャルダッシュが放った肉球パンチがゾンビを殴り飛ばした。
     ドカドカガッシャンと吹き飛ばされたゾンビ達はレーンを滑り、そのまま綺麗にピンを薙ぎ倒した。
    「はわー、壮観です」
    「まさにストライク! だね! ここのゾンビはこれで終わりかな?」
    「…………いえ。まだいるみたい、です」
     りねの視線の先をポンパドールが追うと、そこでは壁に埋まりこんでいたデカゾンビがめきめきと壁から這いだしている所だった。
     2人は見合わせ頷き合うと、それぞれクロスグレイブとバスターライフルの銃口を向ける。
    「合わせましょうか、ポンパドールおにいさん」
    「オッケー、それじゃあ行くぞ! 3、2、1……発射!!」
     ほぼ同時に放たれた光の砲弾と巨大な光線が、ゾンビの身体を凍りつかせ吹き飛ばし、粉々に砕き散らせたのだった。

     そんな感じで灼滅者達は船に潜むゾンビ達を残らず薙ぎ倒し、ゾンビアクションは終わりを迎える。
     ポンパドールとりねは相変わらずナイスコンビネーションでゾンビ達を薙ぎ倒し続けていた。
     なつみは戦闘が終わると軽い傷を負った仲間たちの傷の手当てをしていたし、
     律紀は戦闘時と変わらぬ笑顔を浮かべロリポップキャンディ―を楽しんでいた。
     忍は持ってきていた中華まんと温かいお茶を振る舞っていたし、
     雷は非常にすっきりした様子でほっと息をつき一服していた。
     戦いを終えひとまず衝動が納まった雄哉は人知れずその場を去っていたし、
     在方は無事最後までアサシンチックにゾンビを倒し尽くせ、満足していた。
     という訳でゾンビの巣窟となっていたホテルで闘いを終えた灼滅者達は、夕陽を背にスタイリッシュに学園へ帰還するのだった。

    作者:のらむ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年1月27日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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