フルーツバイキング荒らし!

    ●都市伝説
     藤花・アリス(淡花の守護・d33962)は、こんな噂を耳にした。
     『フルーツバイキング荒らしをしている都市伝説がいる』と……。
     この都市伝説は都内某所に出没しており、フルーツバイキングに入店し、皿に盛らずに食い散らかして、まわりの客を困らせているようだ。
     しかも、店員が止めに入ると、その場でリバース!
     あっという間に店内がすっぱい臭いに包まれ、リバースループ。
     それが原因で廃業に追い込まれて店も多く、都市伝説の存在が問題視されているようである。
     そのため、店側もかなり警戒しており、休業している店まであるらしい。
     今のところ、マトモに営業しているのは、一店舗。
     都市伝説が次に狙うとすれば、おそらくその店だろう。
     そういった事を踏まえた上で、都市伝説を灼滅するので今回の目的である。


    参加者
    皇・銀静(陰月・d03673)
    皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424)
    赤城・碧(強さを求むその根源は・d23118)
    仮夢乃・蛍姫(小さな夢のお姫様・d27171)
    安藤・ジェフ(夜なべ発明家・d30263)
    氷川・紗子(高校生神薙使い・d31152)
    秋山・梨乃(理系女子・d33017)
    貴夏・葉月(地鉛紫縁が背負うは終末論・d34472)

    ■リプレイ

    ●都内某所
    「また、変な都市伝説が出現しましたね。リバースしたものを掛けられるのだけは嫌ですけど……」
     氷川・紗子(高校生神薙使い・d31152)は仲間達と共に、都市伝説が確認されたバイキングレストランにやってきた。
     都市伝説が現れた事によって、この周辺にあるフルーツバイキング店は、壊滅状態。
     唯一営業しているフルーツバイキング店も、都市伝説に狙われて絶体絶命の大ピンチに陥っていた。
     そういった事も踏まえた上で、紗子達は店側の被害を最小限に留めるため、店の外に果物を並べていた。
    「……ふむ、迷惑な客を具現化したような都市伝説だな。販売業の方々から出た噂なのだろうか? 出来れば、リバースは勘弁して欲しいのだが……」
     秋山・梨乃(理系女子・d33017)が険しい表情を浮かべ、一緒になってフルーツを置いていく。
    「キャッチアンドリリース……ならぬ、イートアンドリバース……。もんじゃ焼き(隠語)と一緒にお掃除しなきゃ」
     貴夏・葉月(地鉛紫縁が背負うは終末論・d34472)が何となく使命感に目覚め、自分自身に気合を入れる。
    「何が目当てか知らないけれど、果物さんもそんな扱いされたら可愛そうなんだよ! 迷惑極まりない相手だから、徹底的にこらしめてあげるんだよ!」
     仮夢乃・蛍姫(小さな夢のお姫様・d27171)も同じように気合を入れ、テーブルの上にフルーツを並べていった。
    「おひょっ!? なんだ、お前達は……!」
     それと同時に都市伝説が姿を現し、驚いた様子で目を丸くする。
     都市伝説はでっぷりとした身体をしており、たっぷんたっぷんの腹を揺らしながら、怪訝そうに蛍姫達を見つめていた。
    「本日、店内は改装中なのだ」
     そのため、梨乃が相そう笑いを浮かべて、都市伝説の行く手を阻む。
     それでも、店の中に入ろうとしたため、梨乃が必死に押さえ込んでいる。
    「その代わり、今日は野外での食べ放題ですよ」
     安藤・ジェフ(夜なべ発明家・d30263)がぎこちない笑みを浮かべ、パニックテレパスを使う。
     その影響でまわりにいた一般人が、都市伝説の傍から離れていく。
     これで一般人を巻き込む心配がなくなったので、二次被害を防ぐ事が出来そうだ。
    「おお、そうか。それなら、まあいいか。腹も空いているし、いますぐ食べよう。そうしよう。それじゃ、いただきまぁーす」
     そう言って都市伝説がフルーツを手に取り、口の中に放り込んでいく。
     だが、あまりにも食べ方が汚いため、まわりがドン引き。
    「マナーの……悪い……都市伝説だね……」
     それを目の当たりにした皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424)が、嫌悪感をあらわにした。
    「お客さん、その場で食べないでください」
     すぐさま、ジェフが都市伝説の腕をガシィッと掴む。
    「ま、まさか、俺の邪魔をするため、うぐ……ごっ! おうえええええええええええええええええええええ!」
     次の瞬間、都市伝説が青ざめた表情を浮かべて、その場でリバース。
     あっという間に、酸っぱい臭いが、辺りにもわんと漂った。
    「うっ……、これはさすがにキツイですね!」
     その途端、皇・銀静(陰月・d03673)が身の危険を感じて、マスクをつける。
     しかし、都市伝説のソレは、特殊なモノ。
     例え、ガスマスクをつけていたとしても、臭ってしまうほど、アレなモノ。
    「ちょっ……、この臭いって、お、お、おろろろろろろぉっ!」
     その影響で、赤城・碧(強さを求むその根源は・d23118)がガスマスクを外して、おろろ。
     ガスマスクを装着している事で油断していた事もあり、都市伝説のリバース臭を思いっきり吸い込んでしまったようである。
    「……って、ふざけるなああああああ! いい加減にしろよ、本当にっ!」
     銀静も思わず叫び声を響かせ、マスクを地面に叩きつけた。
     それと同時にリバース臭が纏わりつくようにして漂ってきたため、慌てた様子で代わりのマスクを装着した。
     だが、完全にリバース臭を消し去る事が出来なかったため、都市伝説に対して色々な意味で殺意を覚えた。
    「ある意味、これは……宣戦布告ですね」
     ジェフが顔についたリバース液を拭きながら、スレイヤーカードを構える。
    「食べ物を粗末にするやつ絶対殺すウーマン参上」
     それに合わせて、葉月が自ら名乗りを上げ、高いところから飛び降りた。
     その間に紗子がサウンドシャッターを発動させ、少しずつ間合いを取っていく。
    「お、お、これは一体どういう事だ? ……ひょっとして、俺は騙されたのか? あまりにもピュア過ぎるから、カモられたのか……?」
     都市伝説が信じられない様子で、口を半開き。
     どうやら、予想外の出来事が立て続けに起こったせいか、酷く動揺しているようである。
    「目障り……だから、さっさと……退場……してもらおうか……」
     そう言って零桜奈が都市伝説の前に陣取り、スレイヤーカードを使うのだった。

    ●都市伝説
    「何だか、よく分からないけど、思いっきり吐いたら、お腹が空いた。そんな状況じゃない気もするけど、まあいいや」
     その途端、都市伝説が目の前に置かれたフルーツに手を伸ばす。
     胃の中にあったものをすべて吐ききって空腹状態にあるのか、吐いたものまで纏めて、口の中に押し込んでいる。
    「こらーっ! そんな汚い食べ方をしないのっ! 食べ散らかしちゃ駄目!……って吐くなーっ!!!
     蛍姫が涙目になって、ダイダロスベルトを振り回す。
     そのたび、空気中に舞ったリバース臭がほどよくフルーツの香りとブレンドされ、新たな異臭となって蛍姫達に襲い掛かる。
     それが原因で都市伝説のまわりに結界が張られているような状態になり、色々な意味で近づく事が困難になった。
    「……別に食い散らかすのはいいとしても、リバースするなんて言語道断です! このような物が生まれた事こそ許し難い! 貴方に許されるのはただ黙して散るのみだ! せめて穢さず静かに散って果てろ!」
     銀静が嫌悪感をあらわにしながら、都市伝説に螺穿槍を仕掛ける。
    「ううっ、そんな事を言われても……俺だって好きで吐いているわけじゃ……おうえええええええええええ!」
     それと同時に都市伝説が、リバースガード。
     大量のアレに邪魔され、銀静の攻撃は都市伝説には届かない。
    「とにかく、迷惑なお客様はお引き取りいただくのだ」
     すぐさま、梨乃がラビリンスアーマーを発動させた。
     それに合わせて、ウイングキャットのミケが、都市伝説めがけて猫パンチ!
    「うう、もんじゃ焼きは当分食べたくない……じゃなかった、未来への導き手降臨」
     その間に葉月が酷く動揺した様子で、スレイヤーカードを使う。
    「それにしても、何もかも汚い都市伝説だなぁ! 迷惑極まりない! 早く倒れてよっ!」
     蛍姫が涙目になりながら、影業をユニコーンの形に変化させ、都市伝説に影喰らいを仕掛ける。
    「汚物は消毒だ。ヒャッハー」
     続いてジェフが棒読み口調で叫び声を響かせ、都市伝説にレイザースラストを放つ。
     その間もウイングキャットのタンゴはジェフの後ろに隠れ、都市伝説のリバースを警戒。
     ジェフからも『洗うのが大変だから、背後から攻撃してください』と言われているため、必要以上に無理をしないようにしているようだ。
    「うう、酸っぱい……酸っぱ過ぎて……おろろろろ」
     それに合わせて、碧がビハインドの月代と連携を取って、都市伝説に攻撃を仕掛けていく。
     しかし、あまりにもリバース臭がキツイため、電柱の影でおろろろろ。
     月代が心配した様子で、碧の背中を撫でている。
    「た、確かに……この臭いは……」
     紗子も青ざめた表情を浮かべて、都市伝説にレイザースラストを放つ。
    「ううっ、みんな酷いっ! 俺はただフルーツが食べたいだけなのに……。酷い……酷過ぎ……おうええええええええええええええ!」
     それでも、都市伝説はボロボロと涙を流して、豪快にリバース。
     そして、イート! 食べて、吐いて、食べて、吐くを繰り返し、何となく夢の永久機関を完成させた。
    「……滅びろ」
     次の瞬間、零桜奈が一気に間合いを詰め、都市伝説に居合斬りを放つ。
     その一撃を食らった都市伝説が断末魔を響かせ、弾け飛ぶようにして消滅した。
    「やっぱり、リバースした分は、消えなかったようですね」
     紗子が乾いた笑いを響かせる。
     ある程度、予想をしていた事だが、ここにあったフルーツを吐いただけなので、リバースしたモノは消滅しなかった。
     そのため、掃除をする必要性が出てきたものの、店側に被害がなかったのは幸いである。
    「肉体的には兎も角精神的に疲弊しました。こういう時は甘い物がよいでしょうね。とりあえず、ここの掃除が終わったら、みんなで店に入りましょうか」
     そう言って銀静が、乾いた笑いを響かせるのであった。

    作者:ゆうきつかさ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年2月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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