「いい加減に死ねっ、この変態めっ」
「へもぢべっ」
繰り出される死角からの斬撃に、悲鳴をあげて床を転がったのは、チョコレート色の肌をレオタードに包んだオッサンであった。
「はぁはぁはぁ、やるもちぃね……けど、復活させてくれたあの人の恩に報いる為にもここは通せないもちぃ」
見た目は変質者、だが割とまっとうな台詞を吐いたオッサンもといご当地怪人はボロボロの身体に鞭を打って立ち上がると身構え。
「はっ、言ってることはご立派だが……」
それを鼻で笑ったのは先程斬撃を見舞った男。
「その格好で言っても……」
「色々台無しなんだよっ、さっさと死ねぇぇぇっ!」
仲間二人が、その言葉を継ぎながら斬りかかり。
「死ぬのはお前ももちぃ」
「な」
次の瞬間、恐ろしい速さで男の一人をご当地怪人は羽交い締めにするとショッピングモールの一角が爆発した。
「ぐぅぅ、舐めた真似しやがって」
だが、ご当地怪人が最後の力を振り絞った攻撃も男を倒すには至らなかったらしい。軽く呻いて出てきたのはチョコと煤まみれになった男。
「まったく、とんでもない変態だったな」
「邪魔者は片づけたんだ、さっさと行こうぜ」
「お、おう」
そんな仲間から若干距離をとりつつ口を開いた二人に促される形で、チョコまみれの六六六人衆はショッピングモールを後にするのだった。
「優貴先生が高熱を出して倒れてしまったことは聞いているか?」
君達を出迎えるなりそう問うたのは、座本・はるひ(大学生エクスブレイン・dn0088)だった。
「その原因は、歓喜のデスギガスが、プレスター・ジョンの国に攻め込んだことにある」
何でも、デスギガス勢力の目的は『プレスター・ジョンを暗殺し、プレスター・ジョンの国の残留思念を奪い、その残留思念をベヘリタスの秘宝で実体化させる』事と想定されているのだとか。
「プレスター・ジョンの国の多数の残留思念が復活し、デスギガスの勢力に加わればとんでもないことになるかも知れない」
故に君達は呼ばれたと言うことらしい。
「そして、現状プレスター・ジョンの国に攻め込んでいるのはシャドウによってソウルボードに招かれた六六六人衆であることが解っている」
彼らは最近闇堕ちした序列外者達らしく、弱いがそれを補う為か数人がグループになって行動しているとのこと。
「先程言ったように先方の目的が『プレスター・ジョンを暗殺し、プレスター・ジョンの国の残留思念を奪い、その残留思念をベヘリタスの秘宝で実体化させる』だとすれば、六六六人衆の目的はプレスター・ジョンの暗殺」
その為、プレスター・ジョンを守ろうとする残留思念との戦闘があちこちで起きているとはるひは言う。
「もっとも、中には攻め込んできた六六六人衆に呼応してプレスター・ジョン殺害を目論むものも居るのだがね。敢えて言わせて貰うと、戦況は混乱している」
よって君達には残留思念のダークネスと共闘し、攻めてきた六六六人衆を撃退してもらいたいとはるひは続け。
「君達が赴く先で六六六人衆と戦うのはチョコレート色の肌をレオタードに包んだ中年男性という容姿のご当地怪人だ」
名はチョコモッチア。ご当地ヒーローのサイキックに似た攻撃を使い、六六六人衆に応戦すると見られている。
「六六六人衆の方は殺人鬼のサイキックに似た攻撃を使い、数の優位を活かしてチョコモッチアを圧倒するが、これは君達が介入しなかった場合の話と言わせて貰おう」
君達の加勢が入れば戦況は覆る。
「高熱で苦しんでいる優貴先生を放っては置けないのでね。大変な任務だが」
どうかよろしくお願いするとはるひは君達に頭を下げた。
参加者 | |
---|---|
姫条・セカイ(黎明の響き・d03014) |
小早川・美海(理想郷を探す放浪者・d15441) |
東屋・桜花(もっちもち桜少女・d17925) |
富山・良太(復興型ご当地ヒーロー・d18057) |
清浄・利恵(華開くブローディア・d23692) |
鈴鳴・真宙(蒼銀の自鳴琴・d26553) |
羽刈・サナ(アアルの天秤・d32059) |
蓬野・榛名(陽映り小町・d33560) |
●介入
「先生も大変ですね。厄介な所と繋がっていて」
床を叩く富山・良太(復興型ご当地ヒーロー・d18057)の足音がショッピングセンターの一角に響く。
「それにしても……特殊な状況とはいえダークネスと轡を並べての共闘。ふふっ、こんな趣深い可能性もあるのですね」
「まさか前に灼滅した相手と共闘するとは思わなかった。あたしを覚えてたら、共闘にのってくれないとか、ないよ……ね?」
口元を綻ばせ、どこか楽しげな姫条・セカイ(黎明の響き・d03014)とは対照的に何処か不安げな表情なのは、共闘する予定のダークネスと面識のある、東屋・桜花(もっちもち桜少女・d17925)。
「此処には優貴先生の為に何度も来て戦ってるだけに、今度は此処を護るのはちょっと複雑なの」
「あっちから声がするの」
うにゅと漏らしつつ羽刈・サナ(アアルの天秤・d32059)が独言する一方で一方を指し示した小早川・美海(理想郷を探す放浪者・d15441)はこれが二回目の王国。
「むぅ」
それどころか蓬野・榛名(陽映り小町・d33560)に至ってはエクスブレインからの依頼に応じることさえはじめてであったりするが、やることは変わらない。
(「恩義を感じる辺り、中々に気概がある人物のようで残留思念とはいえ、できれば守り抜きたいな」)
胸中で呟きつつ清浄・利恵(華開くブローディア・d23692)の向かう先からご当地怪人のものと思わしき声はチョコがどうのチョコ餅がどうのと言っているから話にあったチョコモッチアのものなのだろう。
「それは聞けない話もちぃ! そもそも何で三人いて三人ともチョコ餅を食べないもちぃ!」
荒げた声と中にある三人と言う単語は声の先の状況を語る。
(「とりあえず、あんまりのんびりとはしていられなさそうですね」)
マイペースにいったい何が起きているんでしょうかと首を傾げていた鈴鳴・真宙(蒼銀の自鳴琴・d26553)も聞こえてきた声に状況は察したのだろう。
「あ、居たの」
それは、声を頼りに進む灼滅者達の中から、声が上がった直後。
「そう言うことなら尚のこと通せないもちぃね」
宣言し、身構えたのは、チョコレート色の肌をしたレオタード姿のオッサンもとい、ご当地怪人であり。
「……こんなに変わった外見をした怪人は初めて見ました」
「うにゅ、チョコモッチア。凄い変態さんなの。他のご当地怪人達のようにギャグ方面の姿にならなかったなの?」
「……まあ、今回は味方なのでツッコミは入れないでおきましょう」
こてんと首を傾げたサナを挟むようにご当地怪人を直視した真宙と良太は短い沈黙を挟んでポツリと零し。
「まあいい、邪魔するって言ぶっ」
男の台詞を途中で遮ったのは、良太だった。
「助太刀しますよ、チョコモッチア……さん」
いきなり六六六人衆の顔面にジャンプキックを見舞って着地するなり振り返ってご当地怪人へ声をかけ。
「むむっ、お前達は……」
「義によって、というわけではないけど、助太刀させて貰うよ。ボクらも困る立場だし、それに、チョコ好きだからねボク」
ようやく灼滅者達の存在に気づき、周囲を見回すチョコモッチアに利恵は明言すると全身を軽装鎧のように同化させつつ、生命維持用の薬物を大量に摂取する。
「てめぇら、よくもっ」、
「この国を荒らす皆さん! これ以上の暴挙はわたし達が許さないのです」
蹴られた顔面を片手で押さえつつ睨み付ける男を前にビシッと指を突きつけた榛名は帯を男に向け。
「と言う訳で射出、なのです!」
「は? 何がどうい」
謎の説明と共に射出された黎明の安らぎは繋がっていないような説明にツッコもうとした男に襲いかかったのだった。
●餅と餅
「助太刀させてもらいます」
初見の衝撃から立ち直ったのか、真宙もチョコ餅を差し出しつつそう告げるなりスレイヤーカードの封印を解き。
「さ、行くよ!」
クロスグレイブを振り上げ、六六六人衆を殴りに飛び出す。
「す、灼滅者達……味方してくれるもちぃか?」
言動で既に明らかでありつつも問いを発し、プルプル震えていたご当地怪人は、徐にレオタードの中に手を突っ込んだ。
「なんて良い灼滅者達もちぃ、チョコ餅食うもちぃか?」
取り出されたのは、一見何の変哲もないチョコ餅、だが出所は変哲ってレベルじゃなかった。
「あ、はい」
故に当然スルーされるかと思いきや、受け取った灼滅者が居る。
「……友好の証ですし」
口に持っていったのはもしばし逡巡した後にではある、灼滅者達の何人かはえっと言う顔をした。それでも、セカイは渡されたチョコ餅を食べたのだ、若干引きつったモノでありながらも笑顔を絶やさずに。
「ご馳走様でした」
「お前……」
チョコモッチアは、泣かなかった。ただ、何かをこらえるように肩を振るわせ。
「なんていうかお久しぶり……?」
「むむっ、お前は」
崩れかけていた顔は、かけられた声に相手の顔を見た瞬間驚きに変わる。
「そうかもちぃ」
「モッチア……うっ頭が。ですがお餅を愛する一人として、此処は加勢させて頂くのです」
もっとも、驚いたり感動に浸っているような時間も無くて、若干過去の無かったことにしたかった事を思い出してしまった榛名にとっても別にすべき事があるのは同じだった、だから。
「チョコ餅持ってきたけど……今は食べてる暇ないかも?」
「まぁ、おやつはゆっくり食べたいもちぃからな」
「一緒にここ切り抜けたら食べようか」
桜花の言に無言で、ただ首肯をもって変質者、もといご当地怪人は応じ。
「少数ならあなた1人で充分でしょうが、この数には不覚を取る可能性もあります。手伝わせてください」
「さあ、変な人、一緒に戦おうなの。回復は任せろー、なの」
良太と巨大なオーラの法陣を展開する美海の声に答えず徐に片足を蹴り上げた。
「ちぃっ」
それが、灼滅者に向けられた斬撃を阻み、攻撃をしくじった六六六人衆の男が舌打ちしたのは、直後のこと。
「なら、回復はお願いするもちぃ。私は」
「可能なら、攻撃はご当地ビームを主体にしてディフェンダーを受け持って貰えないかな?」
「解ったもちぃ、チョコ餅を食べてくれるようないい人を凶刃に曝すのは不本意もちぃからな」
前に出ようとするチョコモッチアへ目元を仮面のように寄生体で覆う利恵がリクエストすれば、承諾したご当地怪人は六六六人衆達を見据え、身構えた。
「っ、俺達に手向かうだけで飽きたらず、なり損ない共に尻尾を振るだと? 変なのは見た目と性癖だけじゃなさ」
「確かに個性的なお姿ですが……義によって起ったこの方を嘲笑い蔑む……貴方方の心の方がよほど醜いです!」
「がぁ」
その様を嘲った男がセカイの繰り出した重い斬撃を肩に受けて悲鳴をあげ。
「てっ、てめばっ」
ライドキャリバーが掃射する機銃が斬られた男諸共隣にいた男も撃ち抜き。
「くっ、ぐぅ、よく」
「桜餅キーッ、て、ちょっ、みゃあああっ」
「んぶ」
ライドキャリバーのサクラサイクロンを足場に飛んだ桜花が跳び蹴りを繰り出し、傷が痛んだのか男が蹌踉めいたことで目算がズレ、顔面にヒップアタックをかまして押し倒す。
「おお、あれはあの時の破廉恥技もちぃな」
「なっ、なんてえろい技だ」
「うう、何で毎回毎回……」
敵味方のダークネスに注視されつつ桜花は滝の様に涙を流すが、いつもの補正なのでしかたない。
「臨兵闘者皆陣列在前なの」
「「ぐっ、があっ」ぶべっ」
九眼天呪法を唱えサナが本日の犠牲者Aに気をとられた六六六人衆達を内より攻撃すれば、より傷ついた方にビハインドの中君が霊撃をたたき込んだ。
●宿命と運命
「もちゃべっ」
灼滅者を庇い吹っ飛ばされたオッサンがセカイに突っ込んで行ったのは、誰かのどうしてあたしだけという嘆きを誰かが聞き届けたからなのか。
「だ、大丈夫ですか?」
「すまんもちぃなっ、たぁ」
「セカイ、大丈――」
「「あ」」
大きなましゅまろ(比喩表現)を頭に乗っける形で問うセカイに謝罪しつつチョコモッチアは立ち上がろうとしてバランスを崩し、助け起こそうと寄ってきた誰かを巻き込んで悲鳴をあげさせた。
「あれは、あれは駄目なのです」
加害者もモッチアなら犠牲者も一人は元モッチア、目撃者であるもう一人の元モッチアは見事に混乱というかテンパっていた。
「桃色空間がおいでおいでしてるのです、はうぅ」
共通点があるなら自分があっちに行ってしまってもおかしくないと思ったのか。
「態の良い鉄砲玉扱いだって、分かってて攻めて来てるの?」
「はっ、殺りたい俺達に殺っていい標的がある、ならあとのどうのこうのはいらねぇだろうがよぉ!」
そんな感じに一人の乙女が苦悩する間も、戦いは続いていた。美海が撃ち出す漆黒の弾丸をかいくぐりつつ吼えるのは、血塗れの六六六人衆。
「どうやら、あなた達はデスギガスに見捨てられたようですよ」
「動揺を誘おうって手かぁ? ンなんに引っかかる程ッ、がっ」
良太と向かい合う男は鼻で笑って床を蹴り、死角に回り込もうとしたところで中君の霊障波に弾き飛ばされ床を転がる。
「ぐ、てめぇら……」
「続きですが……シャドウが1人もここに来てないのが証拠ですね。大体、ジョアン自身が分割存在なのに暗殺出来ますか?」
「うにゅ、デスギガス主導ならソウルボードの此処に来れるのは納得だし、六六六人衆も六六六人衆だからで利用できちゃってるのも納得なの。でも、プレスター・ジョン暗殺して本当に意味あるなの?」
ヨロヨロ身を起こす男へと問う仲間に同調したのはサナ。
「ンなこ……ちょ、ちょっと待て持ち上げてどう」
だが、これに顔を上げて吼えようとした男は、いつの間にかガシッと腰に回された腕に気付き慌てて首を巡らせ。
「蓬餅ダイナミックを食らうのです」
「な、止」
答るが早いか、榛名が男の身体を叩き付ければ、爆発が六六六人衆の悲鳴をかき消す。
「ぐ、ぎっ……ちくしょう、ふざけやが」
「ちょっと大人しくしててよ!」
「が、あ……冗談、じゃ」
それでも尚立ち上がろうとした六六六人衆の男は、真宙のサイキックソードで身体の一部を切除され、崩れ落ちた。
「まずは一人なの」
「「くっ」」
数を一人減らした六六六人衆達は、微かに怯んで後退り。
「ちぃっ、だからどうしたってんだぁっ!」
内後ろに控えた側の男が激昂しつつ床を蹴る。
「もぢゃがっ……逆ギレ、格好悪いもちぃな」
そのまま死角から身を守る物ごと斬り裂こうとした男の刃はご当地怪人の肉とレオタードに受け止められ。
「うぐっ、こんのォ、何てかっこで抱きついてやがるっ、放しやがれど変態がぁぁっ!」
手にした刃を引き抜こうとしつつ男は吼えるも、それは失敗だった。
「ボクは別に気にしないけど? 別に裸じゃないんだし」
「な」
声に振り向けば、縛霊手で作らせた利恵の握り拳が視界一杯まで迫っており。
「べっ」
「それに、お願いだって嫌な顔一つせず聞いてくれてるからね」
網状の霊力に殴り飛ばした男を絡ませながら利恵が一瞥する先は、レオタードが裂けて露出度の増したオッサン、もといチョコモッチア。
「チョコモッチアさん、新しいチョコ餅です!」
「おおっ、これはすまないもちぃ」
セカイに胸の谷間から出したチョコ餅を渡されつつ癒やされるその顔は、どう見ても嬉しそうな笑顔であり。
「うっがぁぁぁ、馬鹿にしやがってぇぇ!」
「馬鹿に何てしてないのです!」
じたんだを踏む六六六人衆にきっぱり言い切ったのは、榛名。
「は?」
「ギャグ時空良いじゃないですか。ピンク空間よりずっとマシ、ドンと来いなのです!」
彼女は、明らかに錯乱していた、そして。
「んな訳、あ?」
ツッコミを入れようとした男はがくりと膝をつく。
「……魂だけを斬る、それが必殺・神霊剣、なの」
すれ違い態、一撃を見舞っていた美海はポツリと呟き。
「よくも、やりごあっ」
鬼のような形相をした男は言葉の途中で炎を纏った回し蹴りによって地に這わされる。
「う、ぎっ……ざけんな、こんな、こん」
「うにゅ、色々気になるけど、お話ししてくれないなら仕方ないの」
呻きつつ尚も起きあがろうとした男の言葉と行動を中断させたのはサナの召喚した無数の刃から始まる集中攻撃。
「そして、残りは貴方だけ」
「嘘だろ、なんでだ……」
「貴方達は変態に会った時点で詰んでたの。……ご愁傷様なの」
顔をひきつらせ後ずさる最後の一人を見据えたまま、美海は言い。
「……さあ、変な人、合わせるの」
「今日は、あたしとあんたでダブルモッチアだからね!」
向きを変えてチョコモッチアを見れば、桜花もそう主張し。
「ふっ、任せるもちぃ」
そのオッサンは良い笑顔で親指を立てた。
「ひっ、ひぃ」
「おっと、生憎逃走は警戒してたんだ。逃がさないよ」
どうあがいても絶望な状況から逃げ腰になった六六六人衆の退路を利恵が塞ぐ。後に待ち受けていたのはとても見せられないような残虐映像の末。
「なのです」
「いくよっ」
「喰らうもちぃ」
「合体・蓬桜チョコもふビーム、なの」
重なった光線は最後の六六六人衆を悲鳴すら上げさせずに消し飛ばし、戦いは終わりを向かえたのだった。
●勝利のお餅?
「お疲れさまなのです」
「お疲れさまもちぃ。いや、援軍助かったもちぃよ」
お餅を差し出す榛名に笑顔で労いの言葉を返すと、チョコモッチアはぺこりと頭を下げ。
「いえ、チョコモッチアさんこそ素晴らしい戦いぶりでした」
「そ、そうもちぃか?」
「はい。このままこの地でチョコ餅を広めていってくださいね」
褒められて嬉しそうなご当地怪人にセカイは笑顔で頷く。
「もちろんもちぃ」
「じゃあ、せっかくだしチョコ餅食べても良いかな?」
だから応じたチョコモッチアの言に、利恵が質問したのもごく自然な流れであった。
「そうも」
「それも素敵だけど、余力があるならこのまま他の防衛線への援護をお願いしたいの」
ただ、状況を眺めていたに美海も懸念があり。
「あー、それがあったもちぃか」
あっちゃあと顔を掌で覆ったご当地怪人は、解ったもちぃと承諾する。
「ただ、心配いらない気もするもちぃけどな」
圧勝だったもちぃからと続けたチョコモッチアは知っているのだろうか、孤軍で戦った場合負けていたことを。ともあれ、この地での戦いはチョコモッチアと灼滅者達の勝利に終わり、招かれた六六六人衆はここに三人分数を減じたのだった。
作者:聖山葵 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年2月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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