●都内某所
杠・狐狗狸子(銀の刃の背に乗って・d28066)は、こんな噂を耳にした。
『貧乳神を崇める信者達が、邪悪なまないた祭りをしている』と……。
貧乳神は都市伝説で、彼女の指示に従って、信者達が巨乳狩りを行っているようである。
しかも、信者達はまな板祭りと称して、巨乳の女性達を縛り付け、木の棒などを使って巨乳を叩き潰し、貧乳として生まれ変わらせているようだ。
中には胸にサラシを巻いて、危機を脱している巨乳もいるが、それは単なる時間稼ぎ。
バレたら、最後。
まな板祭りの生贄として、ぺったんこ、ぺったんこと木の棒で叩き潰されてしまうようである。
また、都市伝説は強力な催眠によって、巨乳を敵として認識させる力を持っているため、色々な意味で要注意。
そう言った事も踏まえた上で、都市伝説を灼滅する事が今回の目的である。
参加者 | |
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星野・未来(虹の彼方の空の星・d26796) |
冨合・英瑠(天真爛漫応援少女・d26944) |
樹雨・幽(守銭奴・d27969) |
杠・狐狗狸子(銀の刃の背に乗って・d28066) |
矢矧・小笠(蒼穹翔ける天狗少女・d28354) |
花川・ブルーム(浜松の箒星・d30602) |
朝臣・姫華(姫番長・d30695) |
庭・瞳子(ケロベロスの猟犬・d31577) |
●都内某所
「……誰だ、こんな都市伝説を広めた奴は! 見つけ次第、叩き潰してやる! 巨乳は憎いですが、そんな事をした所で、余計に貧乳が虚しい想いをするって事が分からないのか、こいつらはっ!」
星野・未来(虹の彼方の空の星・d26796)は不機嫌な表情を浮かべながら、邪悪なまな板祭りが行われている空き地に向かっていた。
都市伝説は自ら貧乳神を名乗り、信者達に指示を出して、巨乳狩りをしているようである。
そのため、みんな胸にサラシを巻いており、辺りにはピリピリとした空気が漂っていた。
「最近、思うんだが、巨乳憎さにコクリコのやつが、噂を流してるんじゃねぇだろうな……」
樹雨・幽(守銭奴・d27969)が、気まずい様子で汗を流す。
今のところ、半信半疑ではあるものの、そう思えてしまう節がいくつもある。
もちろん、本人に聞いてみれば分かる事だが、それを面と向かって聞く事が幽には出来なかった。
「……何か言った?」
杠・狐狗狸子(銀の刃の背に乗って・d28066)が満面の笑みを浮かべて、ナイフをギラリと輝かせる。
別に深い意味はないのかも知れないが、強いて言えば目が怖い。
もしかすると、先程の独り言が聞こえてしまったのかも知れない。
だからと言って、本人に確認するのは、自殺行為のように思えた。
「い、いや、何でもない」
その途端、幽が慌てた様子で、小さくコホンと咳をする。
何とか上手く誤魔化したつもりだが、やはり目が怖い。
「巨乳とか貧乳とか怖いですネ☆」
そんな中、冨合・英瑠(天真爛漫応援少女・d26944)が胸の谷間を強調するような服装で、素直な感想を口にする。
それが原因でまわりから突き刺すような視線が送られているものの、英瑠は全く気付いていない。
「何やら敵が不必要に多い気がするんですけど……大丈夫なんでしょうか?」
それとは対照的に、矢矧・小笠(蒼穹翔ける天狗少女・d28354)が身の危険を感じて、乾いた笑いを響かせた。
気のせいか、都市伝説達だけでなく、仲間達の中にも敵がいそうな感じである。
「胸、ってそんなに大事ですか? いえ、私はまだ子供なので」
そんな空気を知ってか知らずか、花川・ブルーム(浜松の箒星・d30602)が、キョトンとした表情を浮かべた。
いまいち、よく分からないが、とても大事なようである。
それを具体的に聞くような空気ではなさそうだが、気になって仕方がないようだ。
「まあ、そのうち分かるじゃろ」
朝臣・姫華(姫番長・d30695)が、何となく答えを返す。
具体的に説明する事も出来るのだが、迂闊な事を言って仲間達から狙われるのは本意ではない。
「なんにせよ、傍迷惑で誰も得しない都市伝説は倒さないと……」
庭・瞳子(ケロベロスの猟犬・d31577)が、警戒した様子で辺りを見回した。
都市伝説達にとって、巨乳は敵。
ならば、必ず現れるはず。
「ヒャッハー! 巨乳狩りだあああああああああ!」
次の瞬間、モヒカンヘアの信者達が奇声を響かせ、姫華達の前に姿を現した。
●貧乳教
「浜松の箒星、花川・ブルーム参上ですっ! おっぱいの話はもういいです! 男子もいるんですよっ!」
すぐさま、ブルームが自ら名乗りを上げ、恥ずかしそうに頬を染める。
「うるさい、黙れ! これは俺達にとっては聖戦だ! 邪魔をするのであれば、誰であろうと容赦はしない!」
だが、信者達は決して自分達の考えを曲げず、木の棒をギュッと握り締めた。
「うーむ、その気持ちも分からないわけではないが、力ですべて解決しようとするのは、納得がいかんのう」
姫華が複雑な気持ちになりながら、魂鎮めの風で信者達を眠らせる。
「い、いま、何をしたっ!? まさか、貴様……貧乳でありながら、巨乳に味方しているのか!? ば、馬鹿なっ! ありえん! 貧乳であれば、どれだけ巨乳に虐げられてきたのか、身をもって理解しているはずなのに……」
その影響を受けなかった信者達が、信じられない様子で全身を震わせた。
おそらく、彼らにとって貧乳は無条件で味方してくれる存在であったのだろう。
未だに現実を受け入れる事が出来ず、涙を垂れ流している信者もいた。
「……と言うか、貧乳の気持ちも貧乳を崇める気持ちも欠片もわからないわね。都市伝説と貧乳の味方を間違えて攻撃しないといいのだけど……」
瞳子がげんなりとした表情を浮かべる。
「どうやら、私達の敵が現れたようね。ここで遠慮は無用よ。……やってしまいなさい!」
次の瞬間、都市伝説が姿を現し、信者達に命令を下す。
その指示に従って、信者達が木の棒を振り上げ、瞳子達に襲い掛かってきた。
「……うくっ! あ、頭が……!」
それと同時に狐狗狸子も棒読み口調で頭を抱え、ナイフを握り締めて、瞳子に襲い掛かっていく。
「ああっ!? 瞳子お姉さんっ!」
それに気づいた小笠が、自ら犠牲になって瞳子を庇う。
その途端、小笠の背中に激痛が走り、ほんの一瞬だけ息をする事が出来なくなった。
「お、落ち着いてください! 仲間同士で争ってる場合じゃありませんっ!」
それを目の当たりにしたブルームが慌てた様子で、狐狗狸子を落ち着かせようとする。
「えーっと、ほら……洗脳? だから、しょうがないのよ。私は悪くないから。うう、こうしている間も身体が勝手に……うう、頭がァー! や、やめて! 私は誰も傷つけたくないのに……!」
狐狗狸子がわざとらしく催眠に抵抗しているフリをしながら、勢いよくナイフを振り回す。
「……悪いな。恨むなら、その胸を同じくらい小さいコクリコの心を攻めてくれ(心の声:従うつったけどよ、敵じゃなくて味方狙いかよ。まあ、1000円分は働くとするか)」
幽も催眠状態に陥った事をアピールしながら、瞳子達に攻撃を仕掛けていった。
「だからって、敵を前にして、同士討ちなんてやってる場合じゃないですよっ!」
小笠が幽達の攻撃を防ぎながら、ジリジリと後ろに下がっていく。
いくら催眠状態(?)に陥っているとは言え、幽達は仮にも仲間。
信者達に当て身を放つ事は出来ても、幽達を攻撃する事には躊躇いがあった。
「あ、ロゥ、私に攻撃してくる味方がいたら迎撃してね。ご褒美あげるわ」
瞳子もサクッと気持ちを切り替え、霊犬のロゥに合図を送る。
すぐさま、ロゥが幽達を威嚇するようにして、グルルルルゥッと唸り声を響かせた。
「ひ、貧乳たいさーんっ!」
それに合わせて、ブルームが叫び声を響かせ、信者達に当て身を放っていく。
「ここで怯んじゃダメよ。一人残らず、やってしまいなさい!」
そう言って都市伝説が、再び信者達を嗾ける。
しかし、信者達はすっかり弱っており、みんな逃げ腰になっていた。
「やれやれ、このまま戦わせるのも可哀想じゃのう。……と言うわけで、しばらくお休みじゃ」
姫華が色々と察した様子で、信者達に当て身を放つ。
信者達早く楽になりたかったのか、わざわざ姫華の攻撃を食らって、ばたんきゅーと転がった。
「今宵の黙示録砲は血に餓えているのだぁ! ……あっ」
次の瞬間、未来が黙示録砲を撃ち込み、ハッとした表情を浮かべる。
未来が狙った先にいたのは、都市伝説ではなく、仲間の英瑠。
間一髪で英瑠が攻撃を避けたものの、色々な意味でヒヤヒヤモノ。
「ご、ごめんなさい。わざとじゃないんですよー?」
未来が慌てて謝ったものの、既に辺りは微妙な空気。
英瑠は笑顔を浮かべているが、こめかみが激しくピクついている。
「あっ、別に気にしていませんヨ、別に。……あっ!」
それでも、英瑠は大きな胸をぷるるんと揺らし、気にしていない事をアピールしつつ、交通標識を振り回す。
その拍子に交通標識がすっぽ抜け、未来の服を切り裂いた。
それと同時に胸パットが地面を転がり、未来の顔色がみるみるうちに青くなる。
「……上等じゃ、おらー!? そのたゆんたゆんしているものをワシャワシャしてやるー!」
これには、未来もブチ切れ、英瑠を押し倒して、キャットファイト。
都市伝説の存在などすっかり忘れ、目の前の敵(?)に怒りをぶつけている。
「……って、あたしを無理するなっ!」
そのため、都市伝説が納得のいかない様子で、ふたりにツッコミを入れた。
「うるさい!」
それと同時に、ふたりがイラついた様子で攻撃を仕掛け、都市伝説にトドメをさした。
「……はっ! 私は今まで何を……!」
それを確認した後、狐狗狸子がわざとらしく我に返る。
「どうやら、都市伝説に操られていたようだな」
幽も無駄にクールな表情を浮かべ、都市伝説に操られていた事をアピールした。
「……やれやれ。妾達がこの先、ぺったんこであろうと、ぼいんぼいんであろうと、あやつらみたいに、醜い争いにならぬようにしたいものじゃな……」
そんな中、姫華が苦笑いを浮かべて、同じように胸が平らな仲間達に声をかけるのであった。
作者:ゆうきつかさ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年2月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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