富士の迷宮突入戦~その先に待つものは

    作者:カンナミユ

     
     これは、予兆!?
     まさか、私の中にまだ、灼滅者の熾火が残っているとでもいうのか?
     ……だがこれで、私が尾行したあの軍勢の正体が判明した。
     あれは、軍艦島の大勢力。そして軍勢の向かった先は、白の王セイメイの迷宮!

     予兆を見たのも何かの縁だ、武蔵坂学園には連絡を入れておこう。
     その連絡で、灼滅者としての私は本当に最後。
     これより私は、混じり無きひとつの『黒牙』となる……!
     
      
      
    「安土城怪人は灼滅され、琵琶湖大橋の戦いは武蔵坂学園と天海大僧正側の大勝利を収めることが出来た事はお前達も知っていると思う」
     報告をまとめ終えた結城・相馬(超真面目なエクスブレイン・dn0179)は集まっていた灼滅者達にそう話す。
     相馬の話によれば、安土城怪人勢力の残党達は本拠地であった琵琶湖北側の竹生島に立て篭もっているが、カリスマである安土城怪人を失った事で離散した者も多く、その勢力は大きく減退してしいるという。
    「更に、安土城怪人に次ぐ実力者であった『グレイズモンキー』が拠点に戻ってこなかった事、中立的な立場ながら、その献身的な活動で支持されていた『もっともいけないナース』が灼滅された事もあり、組織としての結束力も無く、遠からず自壊するのは間違いない」
     資料を目に話す相馬だが、この結果は琵琶湖大橋の戦いに参加した者達が多かった結果である。
     逆に軍艦島上陸作戦に参加する者が少なかった結果、軍艦島勢力が合流した白の王勢力は大幅に強化されてしまった。
    「白の王勢力に合流したのは俺達エクスブレインとは全く違う予知能力を持つ『うずめ様』、現世に磐石の拠点を生み出す事ができる『ザ・グレート定礎』、ソロモンの大悪魔の一柱『海将フォルネウス』、そしてセイメイと同じ『王』の格を持つ『緑の王アフリカンパンサー』だ。白の王セイメイはこれまでの失策を補って余りある力を手にしたといっても過言ではないと思う」
     そして、多くのダークネスを富士の迷宮へと招き入れた事は、白の王に致命的な隙を与える事になったとも相馬は話す。
     それは、富士の樹海で探索を続けていたクロキバに、その迷宮の入り口を発見されてしまったという事。
    「闇堕ちしてクロキバとなった白鐘・睡蓮(荒炎炎狼・d01628)は、先代達の意志を継ぐべく、白の王の迷宮に挑もうとしているらしい。クロキバは武蔵坂学園に対して、この突入口の情報を連絡して来た。
     これは白の王セイメイだけでなく、田子の浦の戦いで討ち取る事ができなかった、軍艦島のダークネス達を討ち取る千載一遇の好機だと俺は思っている」
     ただ、白の王の迷宮の入り口を通過できる人数には限りがあり、この千載一遇のチャンスは残念な事に、全軍で攻め入る事はできない。
     そして、この機を逃せば再び侵入する事も出来なくなる。
    「迷宮を突破し有力なダークネスを灼滅する事は難しいが、挑戦する意義はある筈だ。お前達全員で、どういった結果を求めるかを相談し、作戦をまとめた上で突入して欲しい」
     話しながら資料を広げる相馬だが、彼が言うにはこの白の王の迷宮は内部から迷宮を破壊しようとすると、外にはじき出されるという防衛機構があるという。なので危機に陥った場合は迷宮自体を攻撃する事で緊急脱出が可能だ。
     ただ、この防衛機構により、迷宮への破壊工作もほぼ不可能となっているので、その点は注意が必要だとも付け加えられた。
    「これまで様々な暗躍をしてきた白の王の喉下に牙をつきつける今回の作戦は、非常に重要な作戦になるだろう」
     説明を終えた相馬は資料を広げたまま、灼滅者達へと瞳を向けた。
    「迷宮からの脱出は難しくないが、反面、敵拠点に攻め込むには戦力は多くない。成果をあげるには、目的を絞る事も必要かもしれない。白の王セイメイを灼滅できれば、クロキバとなった白鐘さんを闇堕ちから救出することも可能だと思う。そうすれば……」
     そこで言葉を途切れ、相馬は視線を巡らせるが、それも数瞬。視線を戻して言葉を続けた。
    「この戦いは田子の浦の戦いの雪辱戦でもある。最善を尽くし、最良の結果となるよう頑張ってくれ。……健闘を祈る」


    参加者
    各務・樹(カンパニュラ・d02313)
    リーファ・エア(夢追い人・d07755)
    水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774)
    逆神・冥(心を殺した殺人姫・d10857)
    ジグバール・スィーラ(永久に満ちぬ柘榴・d15196)
    居木・久良(ロケットハート・d18214)
    比良坂・柩(がしゃどくろ・d27049)

    ■リプレイ


     灼滅者達は富士裾野の樹海の中に存在する、白の王セイメイが生み出した迷宮内へと足を踏み入れた。
    「ここがセイメイの迷宮……まるで洞窟ね」
     ぼんやりと淡く光る氷柱を目に、箒に跨る各務・樹(カンパニュラ・d02313)は髪をおさえ、ぽつりと呟き見渡した。
     迷宮と聞いていたから迷路のようなものを想像していたのだが、ここは自然が生み出した洞窟そのもの。
     道はいくつか小さな道があるようだが、まるでこちらが下層ですといわんばかりの大きな道があり、8人は慎重に進んでいる。
    「他の皆は大丈夫かな」
     頭上の氷柱を避けた居木・久良(ロケットハート・d18214)は無線機を操作し、他の班との連絡を試みるが、反応がない。
    「そっちは?」
     久良から問われ、携帯電話を確認する水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774)だが、結果は同じだったらしく残念そうに首を振るだけで。
     どういった訳か、どうやらこの迷宮内は電波が繋がらないようだ。
    「セイメイが作った迷宮だからかな」
    「かもしれないね」
     ESPを使う比良坂・柩(がしゃどくろ・d27049)と言葉を交わすジグバール・スィーラ(永久に満ちぬ柘榴・d15196)はアリアドネの糸を展開させようとするが、糸を他のチームと結ぶ事はできない。
     通信機器が使えないようでは他の下層を探索する仲間達との連絡手段がない。なにかあった場合はどうなる事か。
     ――だが、だ。
    「まさかこれほどのチームで白の王が準備している何かを探る事になるとはね」
     罠がないか注意しながら慎重に歩くロードゼンヘンド・クロイツナヘッシュ(愛と殺意・d36355)は口にする。
     セイメイを含む迷宮内に存在する有力敵を倒すべく上層、そして仲間達と共にセイメイが準備していた『何か』を探るべく下層へと向かう作戦なのだが、参加したチームのほぼ半数が下層へと向かっている。
     少数でならば慎重に、そして敵に気付かれないよう行動すべきだろう。だが、140を越す灼滅者達が現在、下層へと向かっている。
     これだけの人数で向かっているのだから、気付かれない方が難しいだろう。いっそ敵を蹴散らしていった方が早いかもしれない。
    「……ずっと前から、セイメイには引っ掻き回されっぱなしだったからな。これで一発痛い思いでもさせてやりたい」
     ビハインド・ルイードを伴うジグバール・スィーラ(永久に満ちぬ柘榴・d15196)の言葉は仲間達全員が思う事。
     上層へと向かった仲間達の手でセイメイとの戦いに終止符を。
     そして下層にあるだろうセイメイが準備したものを突き止め、この手で破壊を。
    「屍王の目論見は、ボクが全部打ち崩してやる」
     フードの奥にある柩の瞳は横にそれた小道へと向き、その先にアンデッドがいるのを確認した樹は避けるよう仲間達に伝える中、
    「何? この匂い……」
     ふと久良が感じるのは強烈な、生臭い匂い。
    「セイメイの迷宮だし、ゾンビがいてもおかしくないけど」
     逆神・冥(心を殺した殺人姫・d10857)は言うが、この匂いはゾンビだとしても強烈過ぎる。
    「確かに普通のゾンビならかなりの時間が経ってるからここまで生臭くはない筈だけどね」
     ロードゼンヘンドは言い、更に下層へと向かうが、その匂いは下に向かうにつれて、強烈さが増していく。
    「段々と強くなってきますね」
    「まさかこの匂い、セイメイが準備していたものと関係があるのでしょうか」
     ゆまとリーファ・エア(夢追い人・d07755)は強烈な匂いの中、ぼんやりと光る洞窟内を進む先に何か広い場所がある事に気付く。強烈な匂いもその先からきているようだ。
    「さて、迷宮の奥底にはどんなお宝が眠っているのやら……」
     罠がないかリーファもライドキャリバー・犬と共に注意深く確認し、8人はその場所へと足を踏み入れ――、
     セイメイが準備していたものを目の当たりにした。
     

     そこは広い、とても広い場所。
     どれほどの広さがあるのだろうか。最下層の大広間は言葉にできないほどの広さと、言葉にできないほどの光景が広がっている。
    「……これが……セイメイの、研究……?」
     眉をひそめるゆまがみつめる先にあるものは――死体。
    「アンデッドではないみたいだね」
     近づき柩が見下ろせば、自分と同じくらいの年頃の少女が仰向けに倒れている。
     どの死体も腐敗しておらず、つい最近に殺されたのだろう。見渡しリーファはどれほどの数が保管されているのか数えようとするが、100や200などではない。
     1000? 2000? いやもっと?
    「神よ……」
     数える事もできぬ程の死体を目にジグバールは祈る事しかできなかった。
     持ち帰れるものがないかと樹は上空から見てみるが、視界に広がるのは吐き気を催すほどの死体の山、山、山。
     口元を押さえ、デジタルカメラで撮影する中、ふと気付く。
    「噛み痕……?」
     それは仲間達も気付いたようだ。
    「噛み付かれた痕跡がある死体が多いですね」
    「何に噛み付かれたのかな?」
     リーファと久良が言葉を交わす中、ロードゼンヘンドの脳裏をある予感が過る。
     ――ゾンビが噛み付いたとか?
    「……ゲームじゃあるまいし」
     肩をすくめ言うロードゼンヘンドは何か資料のような物がないかを調べてみるが、おびただしい数の死体ばかり。
    「まさか、この死体がセイメイが準備していたものなのか?」
     ジグバールが見つめる中、冥は呆れたように死体を見つめ、
    「……呆れた。まさに三流の――」
     蔑みを込めたような呟きは、その瞬間を目にぷつりと途切れた。
     動き出したのだ。
     死体が。
     目の当たりにしている死体の半分ほどのがぎこちなく起き上がると、こちらへと顔を向ける。まるで灼滅者達の生気を感じたかのように。
    「これがセイメイの研究成果というのなら、ここで全滅させておかいとね」
     目前に迫り来る死体――ゾンビに冥は村正を抜き放つ。
    「数は多いけど、それだけとは思えないしね」
     柩の言葉に頷くゆまもクルセイドソードを構え、朝焼けの名を持つロケットハンマー柄を久良はぎりっと握り締めた。
    「ゾンビに殺された死体のようなゾンビ……何か嫌な予感がするけど、迷わずに行こう、やるからには命懸けだ!」
     

     ――おお……おお、お……!
     襲い掛かる何体ものゾンビ達の攻撃。
    「これでもくらえ!」
     頬をかする一撃を気にもせず、久良は目前のゾンビへロケットスマッシュを叩きつけ、続く樹が轟雷を放てばどさりと崩れ落ちる。
     大量のゾンビ達はあまり強くないようだとリーファは犬と共に攻撃を弾き攻撃するが、数が多い。
    「皆さん、頑張りましょう」
     すと手をかざし、放つ弾丸はゾンビの身を撃ち、
    「さあ、ボクが『癒し』を得るために、死者は土に、灰に、塵に還るがいい」
     ロッドを構えた柩のフォースブレイクによって倒れると、そのゾンビをよろよろと踏み越え、新たなゾンビが迫り来る。
     ゾンビ達の攻撃をひらりとかわす冥は、黒い瘴気を村正の刀身に纏わせ巨大な刀を模ると一閃を放ち、
    「俺達も行こう、ルイード」
     ルイードと共にゆくジグバールのセイクリッドクロスがゾンビ達を貫き、狙い定めたロードゼンヘンドの攻撃は静かに、そして確実にゾンビ達を捉える。
     攻撃によってゾンビ達はばたばたと倒れていくが、倒れた分だけ新たなゾンビが襲い掛かる。
     ――おおお……お、おお……!
     ――あ……ああ……ぐおお……!
    「きりがないな」
     ぽつりと口にするジグバールだが、その表情は楽しんでいるかのよう。
    「確かにきりがないね」
     襲い掛かるゾンビへと攻撃し久良は言うが、その瞳には絶望の色はない。
    「まあ、またとない好機です。 ここで企みを潰せれば……かなり良いでしょうね」
    「他のチームも頑張ってるし、ボク達も負けられないね」
     リーファと柩が見れば、近くではないが他のチーム達の戦いの音が聞える。
     自分達と同じように数え切れぬゾンビ達と戦っているのだろう。
    「……まあ、いい加減しつこい野郎には、さっさと死んでもらいましょう」
     ゾンビを斬り捨て、冥は次のゾンビへと刃を向けた。
     戦いの中、灼滅者達は自分達へと襲い掛かるゾンビ達が死んでからそう時間の経っていない、つい最近まで生きていた、ごく普通の一般人だと気付く。
     躓きそうになりながら駆けて来るのは小学生らしきゾンビ。大きなランドセルを揺らすその後に続くのは、セーラー服を着た学生にゴルフクラブを手にした老人。
     自分達と同じ年頃だろう男女はお揃いのネックレスをしているのが見えた。カップルだったに違いない。
     そのゾンビ達へ悲しい瞳と共に樹は攻撃を向け、灼滅者達の心に灯るのはセイメイに対しての怒りだ。
     罪のない人々がセイメイの企てによりその命を落としたであろうその姿を目に、ゆまの脳裏に過るのは田子の浦の闘いで闇堕ちした仲間達。
    「この一戦、必ずや成果をあげてみせましょう」
     彼らが戻ってきた時に、感謝と共に笑顔でこの話ができるよう、ゆまは戦う。
     更に戦いは続き。
     メディックとしてジグバールは目安を決めて回復を行おうとしていたが、その目安では危ういと判断した仲間が先に回復を行っていた。
     クロスグレイブを構え、サラリーマンらしきゾンビを葬ったジグバールは額を伝う汗を拭おうとし――、
    「あぶない!」
     樹の声に振り向けば、背後にゾンビがいるではないか。
    「……っ!」
     ジグバールは慌てて攻撃を避けようとするが間に合わず、とっさに蹴り飛ばし、そして、不思議な光景を目の当たりにした。
     サイキック攻撃ではない、ただのなんでもない蹴りでゾンビが動かなくなったのだ。
    「サイキック以外でダメージを受けた……?」
     驚きを隠せない声に仲間達もそれを確認すべく、得物を使いわざとサイキックを使わずに殴れば、そのままそのまま倒れ動かなくなる。
     ダークネスへダメージを与え、その生命を奪う手段はサイキックを用いるしかない筈なのに。
    「セイメイって生命なのかな。なら、やってる事って何かを生み出すことかな」
     このゾンビを生み出した事が、セイメイの研究で間違いはないだろう。
     誰に言うでもなく口にする久良へとリーファは向き、
    「セイメイ、生命……アフリカンパンサーの生命力。彼らは命を自らの手で残したいんでしょうかね……」
     犬と共にゾンビを潰すと、ゆまもゾンビを蹴り飛ばす。
     そして、観察していた樹は考える。
     このゾンビにアフリカンパンサーが興味を持ったらしいが、こんなゾンビのどこに価値があるのだろう。
     人間をゾンビにすれば戦力は増えるだろうが、ダークネスは人間が闇墜ちしなければ発生しないのだ。それに、人間をゾンビにするという事は、未来に闇墜ちするかもしれない存在を殺す事でもある。
    「原初の母であるというアフリカンパンサーがこのゾンビに興味を持つ理由……。恐らくそれは、このゾンビ達がどのように作られたかにあるのかもね」
     同じような事をロードゼンヘンドも考えたのだろう。
    「確かに気になるね」
     ぽつりと口にし柩は目前のゾンビにフォースブレイクを叩きつけ、冥の鋼糸がよろめくゾンビを切り裂いた。
     140名を越える灼滅者達によって数え切れぬほどいたゾンビ達は少しずつ、だが確実にその数を減らしていく。
    「どれぐらい倒したのかな」
    「さあ……300くらいかしら」
     ハンマーを思い切り叩きつける久良が向けば、樹も薄紫のウェッジソールで蹴り上げ、ゾンビを葬り去った。
    「これでほぼ倒したみたいね」
     動かなかった死体と、もう動かない死体の山を見渡した冥は、足に微かな振動を感じ――迷宮内に激震が走る。
    「な、なに?」
     ぐらつき倒れそうになるのを堪えるリーファが見上げれば、ぱらぱらと頭上から何かが落ちてくるではないか。
    「迷宮が崩壊する……?」
     まさかと口にする柩だが、その原因は無線機からの連絡によって判明した。
    「セイメイを灼滅できたって!」
     恐らくはセイメイが灼滅された事により、無線が通じるようになったのだろう。久良が告げる連絡に仲間達は目標が達成された事に安堵するが、いつまでもそうしている訳には行かない。
    「セイメイが倒れたのがこの揺れの原因だとすれば……」
    「この迷宮は崩落する!」
     ゆまの声にロードゼンヘンドは声を上げる。
     立っているのもやっとのこの揺れでは、出口まで戻るのは難しい。いや、たどり着く前に崩落するだろう。
     ――ならば。
    「……さっさとここから脱出しましょう」
     刃を壁へと向ける冥に仲間達も動く。
     がづ、ん!
     手にする得物は壁を打ち。
     途端に異様な違和感が体に生じ、そして視界が暗くなる。
     

     一瞬のブラックアウトの後、迷宮から脱出した灼滅者達の前に広がるのは、見知らぬ場所。
    「ここは……学校?」
    「そのようですね」
     立ち尽くす樹の声にリーファは周囲を見るれば、どうやらここは学校の、しかも音楽室のようだ。
    「武蔵坂じゃないようだね」
     恐らくはどこかの学校へと転移したのだろう。
     見慣れぬ室内に口にする柩は窓へと視線を向けると、そこに広がるのは見慣れぬ風景。
    「全員いる?」
     汗ではりつく前髪を払いながらロードゼンヘンドは音楽室をぐるりと見渡し、8人揃っているか確認する中、気配を察し動くルイードにジグバールは気が付いた。
    「あぶない!」
     振り向けば、転移に巻き込まれたのかゾンビが襲いかかろうと動き出しているではないか。
    「任せてください!」
    「させるか!」
     ゆまの拳と久良のロケットハンマーが2体を倒し、
    「……本当にしつこい野郎ね」
     冥の村正が残りの1体を斬り捨てる。
     そして倒したゾンビに目もくれず、冥は刀を鞘に収めると踵を返し出口へと歩いていく。
    「セイメイは灼滅できたみたいだけど、他のチームが心配だな」
    「確かに」
     ジグバールにロードゼンヘンドと樹は頷き、
    「戻りましょう、武蔵坂に」
    「そうだね、ボク達も戻ろう」
     出口へと向かうリーファと柩に仲間達も続く。
     
     白の王は倒れ、野望は迷宮と共に潰えて消えた。
     戦いを終えた灼滅者達は、武蔵坂へと戻っていくのだった。

    作者:カンナミユ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年3月2日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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